普段、会話をしていると「お手数ですが…」「知っているかもしれないけど…」などの言葉を使いますよね。
実はこのような前置きの言葉、ビジネスシーンでもカジュアルな会話でも、気づかないうちにたくさん使っているんです!いきなり本題に入ると素っ気ない印象を与えますが、前置きを入れることで、会話が自然な流れになりますよね。
英語の勉強をしていると、「日本語でよく使うこの表現は、英語でなんて言うのかな?」と思うときがありませんか?そこで今回の記事では、「単刀直入に言うと…」にあたる英語の表現をご紹介していきます。さらに、知っていると便利なクッション言葉もお教えします!
- まずは日本語の「単刀直入」の意味をおさらいしよう!
- 「単刀直入に言うと……」の英語表現3選!
- 類似表現もマスターしよう! 「率直に言うと…」「実を言うと…」
- これが使えるとネイティブスピーカーっぽいかも?!「早く言って!」の英語表現
- まとめ
いつもの表現にプラスして、よりナチュラルな英会話を目指しましょう!ぜひこの記事を英語学習に役立ててくださいね。
まずは日本語の「単刀直入」の意味をおさらいしよう!
英語での表現をみていく前に、日本語の「単刀直入」の意味を簡単に確認しておきましょう。
比較的馴染みのある四字熟語なので、普段から使っている方も多いかもしれませんね。明鏡国語辞典によると、「単刀直入」を下記のように定義しています。
「前置きなしにすぐ本題にはいること。直接問題の核心をつくこと。「−に伺いますが…」
ひと振りの刀をもって一人で敵に切り込む意から。「短刀直入」は誤り。」
引用元:北原保雄『明鏡国語辞典』(大修館書店)
辞書に記載の使用例を参考に、簡単な例文を作ってみました。
友人同士で新しくできた水族館について話しています。
A:よっ!新しい水族館行ってきたよ。
B:よっ!単刀直入に聞くけど、また行きたいって思う?おすすめなら行こうかな。
A:んー。正直に言うと、あんまりだったかな。
「単刀直入に……」と一言入るだけで、会話の流れがとてもスムーズになりますね。日本語の意味が確認できたところで、英語の表現を確認していきましょう!
「単刀直入に言うと……」の英語表現3選!
日常会話で使えそうな表現を、会話例とともに3つご紹介します。
どれも短いイディオムなので、ぜひ覚えてくださいね!
1.cut to the chase
口語で使われるイディオムです。
映画において、導入部を飛ばして、見せ場の別の場面に移るという表現に由来しています。そこから転じて、前置きを省いて、本題に入るという意味で使われます。
日本語の意味を確認したときに使った例文を再度みてみましょう!
Situation: Two students are talking about a new aquarium.
場面:友人同士で新しくできた水族館について話しています。
A: What’s up? I’ve been to the new aquarium that you told me about before.
B: What’s up? Let’s cut to the chase, do you want to go there again? I’m thinking about visiting there if you recommend it.
A: Umm. To be honest, I don’t like it.
A:よっ!新しい水族館行ってきたよ。
B:よっ!単刀直入に聞くけど、また行きたいって思う?おすすめなら行こうかな。
A:んー。正直に言うと、あんまりだったかな。
Situation: Sally and Ben are getting ready for a meeting at their office.
場面:会社でサリーとベンが会議の準備をしています。
Sally: OK, let’s get started. We’ve got many things to decide, right?
Ben: Exactly. We have no time to waste. Let’s cut to the chase. What’s the top of the agenda?
サリー:オーケー、始めましょう。決めなきゃいけないことがたくさんあるわ。
ベン:その通り。時間を無駄にできないよ。早速、本題に入ろう。最優先の議題は何だっけ?
2.get to the point
馴染みのある英単語が並んでいるので、意味を推測しやすいですね。
直訳すると「要点を得る/理解する」となります。
Situation: Nao and Hiro, her partner, are talking about camping.
場面:ナオとパートナーのヒロがキャンプについて話しています。
Hiro: I’ve been so busy recently. I’m knackered. I do want to feel natural and get fresh air. Why don’t we go camping? If you want, you can invite your friends. Yeah, that’s a great idea. We should invite our friends. But hold on, my tent is a little bit small. Blah blah blah…
Nao: Oh, come on Hiro. Get to the point!
Hiro: Can I get new camping equipment?
ヒロ:最近かなり忙しい。もうヘトヘトだよ。自然の中で新鮮な空気とか吸えたらなぁ。キャンプはどう?君の友達も誘えばいいよ。うん、これ最高のアイデアじゃん。友達誘ってさ。いや、待てよ。となると今のテントはちょっと小さいよな。ナントカカントカ…
ナオ:ねぇ、ちょっと。要件は何よ?
ヒロ:新しいキャンプ道具買って良い?
3.long story short
‘to make long story short’が短くなった表現です。
直訳すると「長い話を短くする」となり、馴染みのある言葉にすると「端的に言うと」「早い話が」といった日本語訳になります。
Situation: Brian is asking his parents, Flick and Belle, about a toy advertisement.
場面:ブライアンがおもちゃの広告を見ながら、父親のフリックに質問していると、母親のベルがやってきました。
Brian: Daddy, why is Pokemon everywhere?
Flick: Well, it’s a good question, my buddy. That’s one of the very good marketing strategies. Many companies tie it into the Pokemon characters and they can sell many products like toys…
Belle: Hold on, what are you talking about? It’s too complicated for him. Long story short, everyone loves Pokemon so much!
ブライアン:お父さん、どうしてポケモンはいろんなところにいるの?
フリック:うん、いい質問だね。これはビジネスの戦力のひとつだよ。たくさんの商品とタイアップすることで、おもちゃとか多くの商品を多く売ることが…
ベル:ちょっと、何言っているのよ?その説明はブライアンには難しすぎるわよ。簡単に言うと、みーんな、ポケモンが大好きだからよ!
類似表現もマスターしよう! 「率直に言うと…」「実を言うと…」
「単刀直入に言うと…」にあたる英語表現を確認できたので、続いて類似表現の「率直に言うと…」「実を言うと…」も覚えていきましょう!
「率直に言うと…」は、’frankly speaking’や’to be frank with you’と表現することができます。日本語でもはっきりと物事を言う人を「フランクな人」と言うことがありますよね。
マイナスの情報を伝えるときのクッション言葉として使いましょう。
’frankly speaking’
Situation: Peter and Sophia, who is in charge of the personnel trainer, are talking about a new employee.
場面:上司のピーターと新人指導係のソフィアが新入社員の評価をしています。
Peter: What do you think of the new employee?
Sophia: Frankly speaking, I don’t think he’s the man for this job.
ピーター:新しく入った人どう?
ソフィア:率直に言うと、この仕事に向いてないと思います。
’to be frank with you’
Situation: Tadashi and Nick, his colleague, are chatting about how to spend their holiday.
場面:同僚のタダシとニックが休暇の過ごし方について話しています。
Tadashi: Are you going to visit your wife’s house on your next holiday?
Nick: Nuh, I won’t. I don’t get along with her relatives. To be frank with you, I have some tough cookies in her family.
タダシ:今度の休みに奥さんの実家行くの?
ニック:ううん、行かないよ。奥さんの親戚と上手くいってなくて。率直に言うと、面倒な人が多いんだよね。
「実を言うと…」は、‘straight up with you’や‘to be honest’ ‘to tell the truth’と表現することができます。これらの表現もネガティブな感情や情報を伝えるときに使われます。
‘straight up with you’
Situation: While Pat is cooking dinner in the kitchen, Yuka, a student from overseas, starts a conversation.
場面:ホストマザーのパットが台所で晩御飯を作っているところに、留学生のユカがやってきました。
Yuka: What’s for dinner today?
Pat: I’m going to cook Thai food. Green Curry and Tom Yam Kung. Are you in the mood for Thai?
Yuka: Thai food? Umm…I gotta straight up with you, I’m not a big fan of Thai food.
ユカ:今日の晩御飯なに?
パット:タイ料理にするつもり。グリーンカレーとトムヤムクンかな。タイ料理の気分?
ユカ:タイ料理?うーん、実を言うと、タイ料理好きじゃないんだよね。
余談ですが、ホームステイ先では、食べ物の好みをはっきりと伝えることが重要です。
日本人らしく、「美味しいです!」と我慢していると、後々言った際に、「なんで最初に言わなかったの?」と相手に不快に思われる可能性があります。
筆者は留学当初、苦手な料理を苦手と伝えることができず、何度も食卓に出てきて苦労しました…。特にホームステイ先では、お客さまではなく、家族の一員として過ごすので、自分の思いを正直に伝えていきましょうね!
‘to be honest’
Situation: Anne is talking to her mother Lily very sadly.
場面:リリーに娘のアンが申し訳なさそうに話しかけてきました。
Anne: Mommy, I didn’t mean to do it but I broke your glasses…. I’m sorry.
Lily: Thank you for being honest with me. Please be more careful in the future.
アン:お母さん、わざとじゃなかったんだけど、お母さんのメガネを壊しちゃったの。ごめんなさい。
リリー:正直に言ってくれてありがとう。これからは気をつけてね。
‘to tell the truth’
Situation: Ken and Mike are having small talk.
場面:ケンとマイクが談笑しています。
Ken: Hey, how’s it going? It’s been ages.
Mike: Same old, same old. But to tell the truth, I’ve been drinking too much and I ruined my health.
ケン:よっ、元気?久しぶりじゃん。
マイク:普通、普通。いつも通りかなー。でも実を言うと、飲み過ぎて体壊してたんだ。
これが使えるとネイティブスピーカーっぽいかも?!「早く言って!」の英語表現
友達や家族に「早く言ってよ!」と言いたくなるときがありませんか?そんなときに使えるカジュアルな表現をご紹介します。
「早く言って」は、英語で’Spit it out.’
‘spit’には、「(つば・食べ物など/悪口・暴言)を吐く」という意味があります。会話例で使い方を確認してみましょう!
Situation: Tom is talking to Hanna, his partner, while he is hanging out the laundry.
場面:洗濯物を干していたトムが、パートナーのハンナに話しかけてきました。
Tom: Do you still want to wear the flowered shirt? I’ve got a bit of a problem…how can I say, it’s not a big deal, I guess.
Hanna: Why, what happened? Spit it out! I need to get ready for work.
Tom: I’ve torn your shirt when I was stretching the wrinkle on it.
Hanna: What did you just say?
トム:花柄のシャツまだ着る?ちょっと問題があって…なんていうか、たいしたことではないんだけど。
ハンナ:え、どうしたの?早く言ってよ!仕事行かなきゃ。
トム:シャツのシワを伸ばしているときに破いちゃったんだ。
ハンナ:え?今なんて言った?
まとめ
今回の記事では、「単刀直入に言うと…」の英語表現をご紹介しました。
単語数の少ないイディオムなので、すぐに覚えられそうですね!前置きの言葉を使えると、より自然な会話ができます。海外ドラマや映画でネイティブスピーカーが使う表現に着目して、クッション言葉のレパートリーを増やしましょう。
ネイティブキャンプのレッスンでは、「5分間ディスカッション」や「トピックトーク」といった、自分の意見を伝える練習ができる教材が充実しています。講師にも、どんな前置き言葉があるのか、どんどん質問してみてくださいね。
慣れてきたら、詳しくない分野のディスカッションにも挑戦し、表現の幅を広げていきましよう。あえて自分の意見と反対の立場になってトークしてみると、新しい語彙に触れる良い機会になりますよ!
前置きの言葉を使いこなして、ワンランク上の英会話を目指していきましょう!この記事が皆さんの参考になると嬉しいです。
◇経歴
語学留学、大学学部留学、留学アドバイザー業務、海外特許法律事務所とのやりとりなど
◇英語に関する資格
IELTS 6.0(学生時代に受験)
現在は、新たな目標に向けてやり直し勉強中!
◇海外渡航経験
イギリス(語学留学、ホームステイ、旅行)
スイス(人文科学系学部に学部留学、大学寮滞在、旅行)
フランス、ドイツ、イタリア、リヒテンシュタイン、オランダ、オーストリア、バチカン市国、デンマーク、ハワイ、サイパン、韓国(すべて旅行)
◇自己紹介
小学生の時に映画で観たロンドンの街並みに魅了され、英語学習を開始。
大学時代にロンドンで語学留学、スイスで学部留学を経験した。留学アドバイザー、法律事務を経て、現在は英語の学習を続けながら、育児に奮闘中。
バイリンガル育児にも関心があり、楽しく!をモットーに日々試行錯誤している。
滞在先で食べた料理を食卓に出しては、家族に当時の思い出を語っている。
趣味は、語学学習(英語に加えてドイツ語・韓国語にも挑戦中!)、旅行、食べ歩き、ヴァイオリン、世界の料理を作ること。
将来の夢は、家族と一緒にたくさん旅行をすること。
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I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.