韓国語の勉強を始める時、また、新年や4月など一年の節目で韓国語の学習目標を立てる学習者も多いのではないかと思います。一方で、特に目標は設定せずにテキストなどの学習教材の学習内容を順番に進めているという学習者もいるかも知れません。
韓国語学習者の中には、目標や勉強法を特に考えたり設定しなくても自分が望む結果を出せている人がいるかも知れません。ですが、一般的には、やはり目標設定をした方が韓国語を含め外国語習得は結果を出しやすいです。
目標設定をしている場合、あなたはその目標をしっかりと達成できているでしょうか。もし達成ができていないのであれば、目標設定にその原因がある可能性があります。
目標設定は、目標を達成して自分が望む状態になれるようなポイントを掴んだ目標を設定する必要があります。今回の記事では、韓国語習得で結果を出すための目標設定について書いていきます。
なぜ目標設定をするのか?
冒頭で、韓国語を含めた外国語習得は目標設定をする方が結果を出しやすいと書きましたが、その理由をまず以下に挙げます。
韓国語学習のゴールを把握するため
韓国語を勉強している人の多くは、韓国語学習を何も考えずに始めたということは恐らくないはずです。
韓国ドラマやK-POPが好きな人であれば、ドラマのセリフや歌の歌詞を韓国語で理解できるようになりたいと思ったのではないでしょうか。また、韓国旅行に行く人であれば、韓国語で買い物やグルメを楽しみたいから会話ができるようになりたいと韓国語学習を始めたかも知れません。
他には、韓国語能力試験(TOPIK)やハングル検定などの試験に挑戦してみたいという人もいるでしょう。
このように、韓国語習得をしたい理由は個々に違うと思います。ですが、自分が韓国語を始めようと思った時にこうなりたいと想像した理想の状態や目指したいと思ったところがあなたの韓国語学習のゴールです。
まずこのゴールをしっかりと把握することで自分が最終的に辿り着く地点が明確になるため、そこに向かって具体的な行動に移しやすくなります。
また、ゴールが決まっていないとどこに行けば良いのか分からず迷ってしまうため、効率的に学習を進めることができません。そのため、目標設定をすることによって、まず自分がどうなりたいのかということを明確に理解することが大切です。
ゴールに到達するために必要なことを把握するため
目標設定をしてしっかりとゴールを把握できると、ゴールに到達するために必要なことも把握できるようになります。
韓国語のみならず外国語習得は、やり始めるとキリがなく終わりがありません。日本にいて限られた時間と労力の中で韓国語習得をするためには、自分にとって必要なこと に一旦絞り込んで集中して取り組む必要があります。
そのために目標設定をして自分のゴールを明確化することで、自分にとって必要で優先的にすべきこと、優先度が低いもの、場合によってはする必要がないことをふるいにかけることができます。
例えば、試験に合格したい人は、単語や文法の知識をインプットすることの優先度が高く、会話力をつけることは優先度が低いです。一方で、会話ができるようになりたい人は、単語や文法は初級で学ぶ基本的なものを中心として覚え、それを使えるようになるために練習することの優先度が高いです。
このように、自分に必要なことに絞って学習をすれば結果が出るのも当然早いですが、それをせずに何となく勉強をするとムダに時間や労力がかかったり、的外れな勉強をすることになってしまいます。
多くの学習者にありがちなのが、とにかくたくさん覚えるとか学ぶということをしてしまうことです。そうではなく、ゴールありきでやるべきことをなるべく絞りこむことが成果を出すためには必要です。
ゴールに到達するための方法を把握するため
ゴールに到達するために必要なことが把握できれば、それに伴ってゴールに到達するための方法も見えてきます。
ある程度の基礎ができるまでは、目標が違ってもやることは同じです。
これはスポーツで例えれば、野球でもサッカーでも他の競技でも、まずは体力作りとしてランニングや筋トレを誰でもやることと同じです。ですが、その後は、それぞれの競技で結果を出すための練習メニューをこなしています。
韓国語もこれと同じで、基本的な事を学んだ後は、試験で合格したい人は試験対策の勉強をする必要があり、会話ができるようになりたい人は会話の練習をしなければならないです。
このようにゴールに到達するために必要なことが把握できれば、自ずとそのために必要なことから方法も見えてきます。
モチベーションのキープがしやすくなるため
外国語習得はちょっとやってすぐにできるようになるものではなく、長期的に取り組む必要があるスキルの習得です。
韓国語の場合も、勉強に掛けられる時間や勉強のやり方、目標とするレベルなどの条件により、個々に目標達成までにかかる時間には差があります。とは言え、それなりに習得するとなれば、日本にいて限られた時間で学ぶ場合は、最低でも2~3年は掛かると思っておけば間違いないです。
実際にはもっと長く勉強することになることも多く、気づくと5年以上になっているということも少なくありません。また、通訳や翻訳など専門的なスキルをつけるとなれば一生かけて学び常にスキルアップすることになります。
2~3年と聞くだけでも長いと感じる人もいると思います。このように長く継続する必要がある韓国語学習でモチベーションをキープするためにも目標はあった方が良いです。
なぜかと言うと、段階的に目標を設けることで最終的に辿り着きたい地点までの道しるべができるからです。
結果を出すための目標設定の方法
ここからは韓国語学習で結果を出すための目標設定について説明します。
目標設定の重要性は韓国語学習に限った話ではなく、スポーツやビジネスなど多くの分野でも同じです。そして、それらに共通して使われる効果的な目標設定の方法としてSMARTというものがあります。
SMARTとは次の効果的な目標設定をするために必要なチェックポイントの頭文字をとったものです。
Measurable(測定可能な)
Achievable(達成可能な)
Related(関連した)
Time-bound(時間の制約がある)
次からは各項目について詳しく説明します。
Specific(具体的である)
目標はSpecific(具体的である)ことです。
目標が設定できていたとしてもそれが曖昧であるとゴール地点が見えません。例えば、よくある曖昧な目標設定として「韓国語を話せるようになる」というものがあります。
これだと「韓国語を話せるようになる」とは具体的にどういう状態になっているのかが分からないため曖昧です。実際に、韓国語を話せる状態は個人差があり人によって想像している状態が全く違います。
これを、「韓国に旅行で料理の注文をしたりお店で店員さんに商品について質問できるくらいの会話力をつける」のようにすれば具体的な目標になります。
Measurable(測定可能な)
次に、目標はMeasurable(測定可能な)ものにします。
例えば、「TOPIKで4級に合格する」といった数値化しやすいものは設定がすぐにできます。ですが、このように数値化が簡単にできないものであってもできるだけ数値化するように設定します。
例えば、会話力の目標設定であれば「韓国人と会話をして、やりとりが3往復スムーズにできるようになる」といった具合です。
他にも「毎日1分間、自分が話せる韓国語で自分のことについて話す練習をする」といった目標設定も考えられます。
Achievable(達成可能な)
次に、目標はAchievable(達成可能な)ものである必要があります。
例えば、「韓国語を始めて1カ月でドラマを字幕なしで完璧に理解できるようになる」のような目標は現実的に考えて達成ができません。
目標達成をするには、そこに向けて行動できなければなりません。そのため、現実的に考えて自分ができないような目標を設定すれば、目の前の課題をクリアできず目標達成もできません。
また、達成ができない目標はモチベーションが続かず、逆に簡単過ぎる目標だと自分が成長できません。現状より少し難しい、やれば何とかできそうな目標が正しい目標設定です。
Related(関連した)
自分の立てた目標が、自分が韓国語習得して叶えたい夢、人によっては仕事やキャリア、自分の人生の目標と関連しているかという点も大切です。
関連性が高ければ高いほど韓国語学習のやる気も出て来ます。これがまったくないと勉強することが目的になってしまい、少しでもうまくいかないとか分からないことがあると嫌になって勉強のモチベーションが続きません。
この目標を達成したら、自分がどんなことができるようになるのか、どんな気分になるのか、どんな風にプラスになるのかを想像してみることも大事です。
Time-bound(時間の制約がある)
目標を立てる上で必須なのが「いつまでに」と期間を決めることです。
例えば、1年後までにTOPIKの6級に合格すると決めます。期日を決めることで、目標を達成するためにいつ受験申し込みをして、どの教材を使って勉強をどこまで終わらせるのか、そのために一日どのくらい勉強する必要があるのか、といった目標達成までの道筋を具体的に決めることができます。
達成までの期限がない目標は「合格できたらいいな~」というただの願望になってしまい目標達成ができません。
まとめ
ここまで、目標設定が必要な理由と韓国語習得で結果を出すための目標設定について書いて来ました。
韓国語学習者の中には、目標設定をせずに何となくテキストに沿って勉強している人や、目標設定をしていても、それが今回ご紹介したような目標達成に結びつく目標設定になっていない人もいるのではないでしょうか。
限られた時間と労力を無駄なく使い、しっかりと自分の目標達成につながる学習になるように、今一度、自分の目標を見直してみてください。

新潟県出身。4年前に国際転職でセブに移住。 英語を始めたのは幼稚園の時で、短大、大学では英語を専攻しました。 オーストラリアと韓国の2か国でワーキングホリデーと留学、セブにも留学で来たことがきっかけで転職しました 日本では外資系企業を中心に10社以上で英語と韓国語のスキルを活かし働いていました。 趣味は、海外旅行、読書、外国語習得です。 夢は、フリーのライター&英語・韓国語コーチとして海外で自由に暮らすことです。