一般的に良いニュースを聞いた時というのは、反応することに難しさを感じません。
また、良い知らせを伝える時も同じです。しかし、悪いニュースを聞いた時は、どんな反応をしたらいいのでしょうか?または、悪いニュースを伝える時の表現は……?
今回は悪い知らせやニュースについて、ビジネスの場面で使える表現とそれ以外のカジュアルな場面で使える表現を個別に見ていきたいと思います。
悪い知らせを伝える英語表現
◆ビジネスの場面で
Aさんはドラッグストアに勤務するアルバイトです。ある日、知人から「近所にライバルのドラッグストアができる」と聞きました。自分の勤務先が大好きなAさんは、朝のミーティングで店長をはじめ、みんなに伝えることにしました。
残念なお知らせがあります。
「I'm afraid ~」は、「be afraid of 名詞・動名詞」で「~を怖がる」、「be afraid to do」で「(~するのを)恐れる」といった表現を学校で習います。
彼女は犬が怖い。
「I'm afraid I have some bad news.」の場合、通常thatを省略した形で、「残念ですが、~ではないかと思う」や「あいにく~のようです」など、否定的な見解や少し言いにくいことを表す時に使えます。もちろんメールでも使えます。
残念だけど、雨が降ってるよ。
「I’m afraid」を文中や文末で用いることも可能です。
ジェームスはそのオファーを受けないと思います。
ドラッグストア勤務のAさんは、こんな風に言いました。
残念なお知らせです。昨日、私の友人が近所にライバルのドラッグストアができると教えてくれました。
「I don't know how to say this, but ~」
これは「どんな言い方をしたらいいのか分かりませんが……」という気持ちを表せます。
非常に言いづらいのですが、今月は売り上げが10%ほど下がりそうです。
「残念ながら」や「あいにく」を表す「Unfortunately」を、前置きのように言うこともあります。
残念ながら、(彼らには)在庫が無いそうです。
不運にも飛行機がキャンセルとなり、私たちは対面式の会議をオンラインに切り替えた。
◆カジュアルな場面
先ほども出てきた「I have some bad news.」は「悪いニュースがあってさ」そのまま最初に使えます。
お気に入りのアプリを友人とシェアしようと思ったら、無料ではなくなっていた、なんて時に。
「悪いお知らせ。あのアプリ、無料じゃなくなった!」
「I hate to say this, but ~」という表現も使えます。直訳すれば「これを言うのは嫌いです。しかし……」ですが、「言いづらいんだけど、~」と同等の表現です。
友だちに遊びに来るように誘われていたのに、急なバイトが入って、どうしても行けない。そんな場面で。
言いづらいんだけど、今日は行けないや。
悪い知らせを聞いた時の対応表現
◆ビジネスの場面で
ドラッグストアでのミーティングの場面です。Aさんの話を店長はすでに知っていたらしく、ごく冷静に見えました。しかし、同じアルバイト仲間のBさんは驚いた様子で、
それって、XYZストアってこと? やれやれ…!
Grief は、深い悲しみや悲嘆、悩みの種などを表す言葉ですが、「Good grief.」で「困ったな」「やれやれだな」といったマイナスな感情を表します。
「そこまで酷くない」とか、「そんなに悪くない」という気持ちを表すなら、
それほど悪くはないよ。
「so bad:非常に悪い」を否定した言い方ですね。一方で、「That’s bad」といえば、「参ったな」や「困ったな」といった気持ちを表します。
また、近い表現で、「That’s too bad」という言葉を思い出した方も多いのでは? これは、アメリカ英語では、相手に対する同情を表すのに対し、イギリス英語では皮肉や嫌味を表す場合があるそう。
「That’s too bad」はアメリカ英語でいえば、「I'm sorry to hear that.」と同じ意味で、よりカジュアルな表現。それに対し、イギリス英語の場合は、「That’s a shame.」が多く使われるようです。どちらもそれほど深刻ではない時に用いましょう。
たとえば、「大事にしていたペットが亡くなった」なんていう深刻な話をされた時は、「I'm sorry to hear that.」で同情の気持ちを表すことができます。
B: Oh, I’m sorry to hear that.
A: 夕べ、お母さんから電話がかかってきて、飼い犬のジミーが死んじゃったって。
B: ああ、それは気の毒に。
◆カジュアルな場面で
悪い知らせを聞いて、「マジかよ!」と軽く言える場面で使えるのが、「No way!」や「What the heck?」、「That sucks.」などです。
ウソだろ!
そんなことはあり得ない」という意味で、よく使われる表現です。映画やドラマの中でよく使われているので、ご存じの方も多いかも。
ついでに、「There is no way 文」という表現も覚えましょう。この「way」は手段や方法を表し、「There is no way ~」で「~する方法はない」から「~なんて、絶対にあり得ない」という表現ができます。
彼がパーティーに来るなんて、あり得ないね!
なんだそれ?
「Heck」は「Hell:地獄」の遠回しな言い方で、「くそ!」や「ちくしょう!」といった表現です。「What the heck?」で、「一体、なんなんだ!」という気持ちが表せます。
最悪!
「Suck」は「吸う」や「すする」という動詞でも使われますが、スラングでは「最悪」「ひどい」といった意味で用います。That の部分を名詞にすれば「○○って最悪」という意味です。
どちらもスラングなので、話す時の相手と使い方、シチュエーションには、十分に気を付けましょう。
悪い知らせを伝えるときも、聞いた時も英語で表現しよう
ここまでいかがでしたか?悪い知らせを伝える時には「I'm afraid I have some bad news.」で前置きをする、または「I hate to say this, but~」で心の準備をしてもらう、などちょっとした気づかいができると、相手にも好印象を与えられそうですね。
また、悪いニュースを聞いた時には、「Good grief!」と反応したり、「That's not so bad.」と、相手の気持ちを思いやってあげたり。また、ビジネス以外であれば、 「That sucks.」や 「What the heck?」で感情を表現するのもいいですね。
どちらの場合でも、話をしている相手と状況をよく考えて使いたいものです。
ところで、アメリカのドラマや映画で、悪い知らせを伝える中で、言い換えれば好ましくない状況の中でジョークを言う、という場面を見たことはないですか? 日本であれば、考えづらいことです。しかし、アメリカでは、状況が深刻であればあるほど、ジョークを言うことがあります。
先ほどのドラッグストアの続きです。Aさんの話を受けて、店長が話し始めます。
店長:I have heard that a new store will open next spring. Do you have any ideas to increase our customers? Let me know.
ライバルの新しい店は、春ごろに開店すると聞いています。顧客を増やすためのアイデアは、ありませんか? なにか聞かせてください。
Aさんや他の店員が黙って考えていると、冗談好きなBさんがこんなことを言い出します。
B:The XYZ drugstore has a coffee area. Why don’t we take a break?
XYZストアはコーヒーを飲めるコーナーがあるんだよね。僕らも一息入れましょう!
Aさんが「Bさんってば、真面目な話をしている時に…!」と、たしなめようとすると、
店長:A coffee area… How about serving a cup of coffee while our customers are waiting for their medicine?
カフェか……。お客さんがお薬を待っている間にコーヒーを出すって、どうだろう?
こんな風に、ジョークから新しいアイデアが出てくることもある、というのが、つい深刻な場面で冗談を言う文化の違いにつながっているのかもしれません。
福岡県出身。現在は関東圏に在住。英語の面白さに目覚めたのは、夫の転勤に伴いアメリカに住んだ時。日本語との違いが楽しくて、渡米中の3年間でどんどんハマりました。もともと英語を「書くこと、読むこと」で勉強したので、「聞くこと、話すこと」の方が苦手。でも、オンライン英会話を活用することで、肩の力が抜けて、慣れるものだなぁと実感しました。趣味は山登り。低山から山小屋を利用した縦走まで、山とその周辺の自然に幅広く親しんでいます。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.