実は英語にない日本語の表現って?英語での表現の仕方も解説します!

英語に無い日本語、ネイティブキャンプ、英語フレーズ

実は英語には存在しない日本語の表現があるって知っていますか?

皆さんが普段英語を学習している中で、最も英語を使う喜びを感じるのはやはり相手と英語で会話をしていて意味が通じ、話が盛り上がったときではないでしょうか。

自分が言いたいことを自分の英語で相手に伝え、それを相手が理解して反応してくれたとき、「英語の勉強を続けてきてよかったなあ。」「英語を話すのって楽しいなあ。」と思いますよね。

筆者がは学生時代にニュージーランドへ留学をしていたとき、同じように英語を使って会話をする喜びを感じていました。しかしある日、いつもと同じように留学先の大学のクラスメイトと会話をしていた時に違和感を感じたことがあります。

それは、クラスメイトと必死で取り組んできたプレゼンテーションがやっと完成した時に起こりました。何週間も放課後大学の図書館に残って二人で作り上げてきたプレゼンテーションの資料がやっと完成し、そのクラスメイトと達成感を共有したかった私は、日本人間では頻繁に用いられる「お疲れ様!」という言葉を相手に伝えたかったのです。

しかし、いくら考えてもそれらしい英単語や英語表現は思いつきません。焦った私は、「Thank you so much!」としか声をかけられずでしたが、相手も同じように「Thank you!」と答えてくれ、なんとかその場を乗り切りました。

その後私は、家に帰るバスの中で「お疲れ様」は英語でなんといえばいいのか、とにかく考えていました。家についてネットでその言い方を調べた私は驚きました。なんと、「お疲れ様でした」という表現は英語には存在しないことを知ったのです。

その日私は、日本語では当たり前に使っている表現が英語には存在しないこともあるということを知り、また一つ英語学習の奥深さを学んだのです。

なぜ日本語にあって英語にはない表現が存在するの?

いつも日本語では使用している便利な表現が、実は英語には存在していないことに興味を持った私は、その理由を知りたくなりました。

ある言語には存在する表現が、他の言語では存在しないその理由、その一つに「文化的背景の影響」や「その言語を話す人たちの認識のあり方の影響」があります。「文化的背景の影響」とは簡単にいうと、ある国の文化と他の国の文化が使用される言語表現に影響を及ぼしているということ。

例えば、日本語の「ワビサビ」は「質素なものに美しさを感じること」を意味しますが、日本特有の美的感覚として有名です。

現在ではこの「ワビサビ」という美的感覚が外国の人たちに支持され、そのような生活様式に憧れ実践をするムーブメントも人気になっていますが、そうなる前には「ワビサビ」という感覚が外国では浸透していませんでした。よってその当時は、外国には「ワビサビ」にあたる単語や表現は存在していなかったでしょう。

「その言語を話す人たちの認識のあり方の影響」についてもみていきましょう。ある国では区別されて当然だと思われている事柄が、他の国に行くと区別されないと言った場合が多くあります。

例えば、日本語では調理されているそれを「飯」、調理されていないそれを「米」と区別しますが、英語では両者ともに「rice」と呼びますね。

また、英語には「兄弟」と「姉妹」を区別する単語や表現が存在しないこともその一つです。日本語では「兄」「弟」「姉」「妹」と区別ができますが、英語では「兄弟」は「brother」、「姉妹」は「sister」というひとくくりで表現されます。

特に区別をしたいときは「brother」または「sister」に「older」か「younger」をつけて「older brother (兄)」「younger brother (弟)」、「older sister (姉)」「younger sister (妹)」のように区別を図ります。

英語圏の社会では長幼の概念が薄く、日本のように双子にまで長幼をつけることはありません。このような概念、ある事柄に対する認識のあり方の違いが、言語表現の有無に影響を及ぼすのです。

参考資料:佐藤義隆 (2010). 英語と日本語の語彙の比較 ―国際理解教育の一環として―.

日本語にはあるけど英語にはない表現って一体何があるの?

それではここで、実際に日本語にはあるけれど英語には存在しない単語や表現を紹介していきたいと思います。

普段特段意識はしていないため気づかなかったけれど、実は英語には存在していないものに気づくのがとても面白いですよ。

その①「いただきます」

キリスト教徒の多い英語圏の国では、食事の前に神様へお祈りを捧げるのが一般的です。

対して日本の風習では、食事をする前に「いただきます。」と一言添えるのがマナー。一見同じような風習のように思えますが、「いただきます。」を英語に訳そうとすると難しいのです。直訳すると「I will have this.」ですが、意味合い的にしっくりきませんよね。

もし「いただきます。」の意味を海外の人に説明するのであれば、「この食事を作った人に感謝の意を示すものなんだ。」と説明すればいいのではないでしょうか。

例えば、「We are trying to show our respects and gratitude to someone who made this meal.」などと言えば通じそうですね。

その②「木漏れ日」

実は、「木漏れ日」という単語は日本にしか存在しない貴重な表現なんです。

日本に古くから住む人たちは、山々に囲まれた生活をしていました。生活の中に山や森が溶け込んでいるからこそ、森林などの木立ちから光が差し込む光景「木漏れ日」という概念が生まれ、言葉として使われているのでしょう。

「木漏れ日」を海外で説明するとしたら、「Sunlight that filters through the leavs of trees.」といったところでしょうか。伝わりにくい場合は実際に森林浴などに連れて行くか、ネットなどで木漏れ日の写真や動画を見せながら説明すると、イメージが沸きやすいでしょう。

というのも、「木漏れ日」という単語の存在しない国の人に英語だけで説明しても具体的なイメージがわかない場合が多いからです。「木漏れ日」という概念のない人に、「木々の間から差し込む太陽の光のことだよ。」と英語だけで説明してもわかりにくいことが多いんですね。

「木漏れ日」という概念を知らない人たちにそれを知ってもらい、「木漏れ日」を好きになってもらうのも素敵な言語交流、そして国際交流活動の一つですね。

その③「微妙」

日本語ではかなりの頻度で用いられる「微妙」という言葉。これって、とても日本語らしいというか、日本人の性格や文化的背景が反映された言葉です。

というのも、日本特有の「オブラートに包んで伝える」「はっきりとは伝えないようによくないと伝える」「相手を木津つけないように当たり障りのないように意見を述べる」「良くも悪くもないと伝えることで傷跡を残さない」などのすごく曖昧ではっきりしない表現の代表だからです (笑)。

海外では「Yes/No」ははっきりと相手に伝えること、濁さずに意見を述べることが一般的なので、その結果「微妙」といった意味を持つ単語や表現も存在しないのです。

もちろん、英単語にも「vague」や「ambiguous」などの「曖昧な」という意味の単語を存在しますが、日本人が良く用いる「暗黙の了解」的に用いられるものではありません。「微妙」は日本特有のグレーゾーン表現なんですね。

参考資料:こんなにあるんだ!英語では絶対に訳せない日本語10選・eikaiwaNOW・英会話なう・eikaiwaNOW

その④「先輩・後輩」

ご存知の方も多いと思いますが、一部アジアの国々を除いた海外の国には「先輩・後輩」という概念が存在しません。

特に欧米諸国の国では、先輩や上司も名前で呼び捨てにするのが一般的。よって、日本や中国、韓国などの国々ではお馴染みの「先輩・後輩」と言った概念や単語も存在しないのです。

欧米で目上の人や年上の人に尊敬の念を表す場合、名前の間に「Mrs.」「Mr.」「Ms.」をつけて呼んだり、文末に「Sir」「Ma'am」などといった表現をつけて話すことがあります。先輩・後輩という単語はないのですが、各国にはもちろん尊敬を表すための独特の表現が存在しています。

参考資料:リゴには存在しない10の美しい日本語!オンライン英会話/スカイプ英会話のhanaso公式ブログ

まとめ 〜国によって存在する言語は様々〜

ここまで、日本語には存在しているけれど英語には存在しない表現と、その理由について紹介してきました。いかがでしたでしょうか?

筆者が学生のころ留学中に体験したように、日本語では当たり前に用いている表現を英語で使おうとしたらなんと言っていいかわからない場合や、通じると思って用いた表現が相手の国では存在していない場合があるということ、英語学習者として普段から意識しておきたい部分ですよね。

また、他の国には存在していないからと言ってその表現を使うことを諦めるのではなく、英語でどんなふうに表現したら通じるだろう?と考えてみるのもおすすめです。

「英語を使って英語には存在しない表現や単語を言い換えて伝えてみる」という活動では、言い換えやパラフレーズ、他の単語に置き換えて表現すると言ったコミュニケーションに必要不可欠な能力を駆使するのでとても効果的な英語学習になりますよ。

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