間違いやすい「get」と「take」の違いとは?使い分け方を丁寧に解説

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”get” と ”take” はどちらも英会話に欠かせない超基本単語ですが、英語学習者が間違いやすい動詞としてもよく知られています。

”have” や ”get”、”take” といった基本動詞は、基本的であるがゆえにたくさんの意味を持っていて混乱しやすいという特徴があるのです。

基本動詞を使いこなすためには、それぞれの単語が持つ根本のイメージを掴んでおくことが大切です。

今回は ”get” と ”take” の解説を中心に、間違いやすい ”have” や “bring” との違いについてもご紹介していきます。

getの意味とイメージ

日本語でも「○○をゲットする」という使い方があるとおり、”get” の意味といえば「何かをつかみ取る」が最もポピュラーですよね。

実は、英語の ”get” という単語自体には「動作の主体と、対象となるものがくっつこうとしている」というイメージが強くあります。磁石と鉄がくっつくように、主体と対象の距離が縮まっていくというイメージです。

「何かをつかみ取る」というのは ”get” がもつ意味のひとつであり、”get” にはもっと広い意味があるということになります。

I got it.
わかりました。

この場合、”get” の過去形 ”got” を使って「I=私」と「it=相手の言っている内容」がくっついた、つまり「わかった」「腑に落ちた」「納得した」というような内容を表しています。

相手の言っている内容が、自分に近づいてきて一体化していくイメージです。

”get” は「~を得る」と訳されることも多いですが、実際には「〜と私が近づいた/一体化した」というニュアンスで表現されていると考えてみてください。

He got some money.
彼はいくらかのお金と近づいて、一体化した。
=彼はいくらかのお金を手にした。

”get” には「AとBがくっついていく」というイメージがベースにありますが、そこから派生した意味合いとして「AがBになる」という意味合いで使われることも大変多くあります。

It’s getting dark outside.
外が暗くなってきた。

天候を表す場合の ”It” は特に主体としての役割はありませんが、強いていえば「It=空、天候」が「dark=暗い(という状態)」に近づいてきた、一体化してきた、つまり「暗くなってきた」という意味の文章になります。

ここで、be動詞と ”get” との関係についても確認しておきましょう。”get” を理解する上ではとても重要なポイントになります。

be動詞は「〜である」という「状態・状況」を表す動詞です。

It’s dark outside.
外は暗い。

一方”get”は、be動詞が表している状態や状況に「なりつつある」というプロセスや動作を表します。

It’s getting dark outside.
外が暗くなってきた。<プロセス:get>
 ↓
It’s dark outside.
外は暗い。<状態:be動詞>

”get” で表現されたプロセスが終わると、be動詞で表されるような状態に移行していきます。

I get on the train.
私達は電車に乗ります。※「乗る」という動作をしている最中
I am on the train.
私達は電車に乗っています。※「乗る」という動作をし終わった状態

なお、「状態」を表す動詞にはbe動詞以外に ”have” も挙げられます。”have”に関する内容については後ほど詳しく解説していきます。

ここでは、”get” が「〜と一体化しようとしている」「〜という状態になりつつある」というイメージを持っていることを押さえておいてくださいね。

takeの意味とイメージ

”take” の意味というと、中学生の授業で「連れテイク」「持っテイク」とダジャレで覚えた方も多いようですね。

たしかに、「〜を連れていく」「〜を持っていく」という意味はあるのですが、”take” の意味はそれだけではありません。

たとえば以下の例文はすべて ”take” を含んだ簡単な文章ですが、「〜を連れていく」「〜を持っていく」以外の意味で ”take” が使用されています。

I take a picture.
私は写真を撮る。
He took the first prize.
彼は1等賞を獲った。
I'll take it from here.
ここから先は私がやります。
I’ll take care of you.
私があなたの面倒を見ます。

なんと、日本語に訳した場合の ”take” の意味は50種類以上もあるといわれています。副詞や前置詞とセットになった「句動詞」という形も含めると、”take” が持つ意味は覚えきれないくらい多いのです。

実際に英語を使う上では、”take” の意味をすべて覚えようとするよりも、英単語としての ”take” がもつ大元のイメージを理解していくことが重要になります。

”take” は、「自分の意志で、何かを自分のエリアに取り込む」という動きを表す言葉です。

ポイントは「自分の意志」が働いていることです。選択肢の中から選んだり、取り込むかどうかを決定したり、または自分から行動を起こしたりというような積極性や自主性のニュアンスがあることが ”take” の特徴です。

get takeの違い

”get” は「〜と一体化しようとしている」「〜という状態になりつつある」、”take” は「自分の意志で自分のエリア内に取り込む」といったイメージがあることを解説しました。

どちらも、「何か外側のものが自分に近づいてきて一体化するようなイメージ」という点では共通していますよね。

ここで”get” と ”take” を使い分けるポイントとして重要になってくるのが「受け身なのか、自ら積極的に動いているのか」という点です。

”take” には、「自ら進んで選び取る」というニュアンスがあります。いくつかオプションがある中であるものを選び取ったような場合には ”take” を使うのがぴったりです。

一方 ”get” には選択や判断、積極性といったニュアンスはありません。とにかく何かが「自分に向かって近づいてきて一体化しつつある」という状況を表しています。

I got money.
私はお金を得た。
I took the money.
私はお金をとった。

どちらもお金が自分の手元にある状態になった、という内容ですが、”get” の場合は「誰かがくれたのか、それとも自分で稼いだのかはさておき、とにかくお金が自分の手元にやってきた」といったニュアンスになります。

一方 ”take” を使った文章では、選択肢があった中で自分はお金を選んだ、という自主性のニュアンスが出てきます。

たとえば「お金と車のどっちが欲しい?」と聞かれて、判断した結果お金の方をとった、というようなイメージになってくるわけです。

get takeを使った英語表現

”get” と ”take” を使った英語表現を確認しながら、理解を深めていきましょう。

get one’s joke

joke はジョークやギャグという意味。joke を get する、つまりジョークやギャグを受け止めるというニュアンスになり「ウケる」という意味の表現になります。

否定形にすることで、「ジョークが受け止められなかった」=「スベった」という内容を表現することもできます。

He didn’t get my joke.
私のジョークは彼にウケなかった。

take over

take と over をセットで使うと、「引き継ぐ」「継承する」といった意味になります。

take は自分の意志で何かを選び取り、自分のエリアに取り込むというニュアンスでしたね。

そこに over という「超えていく」「向こう側に」というニュアンスの言葉がくっつくことで、何かを受け止めて、違う場所へ運んでいく=仕事や経営を引き継いでいく、という意味の表現になります。

仕事で業務を引き継いだりする場合にも使えるので、ビジネスシーンでも便利に使える表現です。

I'll take over from here.
ここからは私が引き継ぎます。
He took over the family business.
彼は家業を継いだ。

get takeと似た表現

”get” や ”take” に似ている表現やそれぞれの違いを確認していきましょう。

bring

”bring” は「持ってくる」と訳されることが多く、”take” と混同してしまう方が大変多い単語です。

実は日本人学習者だけでなく、ネイティブスピーカーでも間違ってしまうことがある単語でもあります。

”bring” 自体がもともと持っているイメージは「ある場所へ何かを移動させる」です。”bring” が表す「移動」の行き先は、話し手や聞き手が居る場所です。

What brought you here?
何があなたを(話し手の居る)ここへ移動させたのですか?
=あなたはなぜここへ来たのですか?

”take” が「持っていく」という意味で使われる場合、”bring” と違う点は「移動の行き先が話し手や聞き手が居る場所ではない」ということです。

What are you going to bring to the party?
パーティに何を持っていくつもり?
What are you going to take to the party?
パーティに何を持っていくつもり?

上の例文ではどちらも日本語訳が同じですが、”bring” の方では、パーティに話し手が居るイメージです。

話し手が先にパーティに参加していて、聞き手に電話をして質問しているようなシチュエーションです。場合によっては「何を持ってくるつもり?」といった日本語訳になるかもしれません。

一方 ”take” の方は、話し手も聞き手もまだ居ない第三者のパーティについて話しているイメージです。

have

”have” は「主体を囲む時間や空間に何かが存在している状態」を表す動詞です。”get” と ”take” に勝るとも劣らない重要英単語ですが、その意味の広さには上級学習者でも苦労している方が多いのではないでしょうか。

”have” という単語自体を完全に理解するのは難しいですが、”get” や ”take” との違いを理解するのは比較的簡単です。

”get” については「”get” の状況が進んでいくと、”have” になる」ということを覚えておけば大丈夫です。

何かが自分のエリアに近づいてきたり、何らかの状態になりつつあるという「動き」を表しているのが ”get” ですが、その「動き」が完了したときには ”have” という「状態」に落ち着きます。

I got a car.
車を手に入れた。※動作

I have a car.
車を持っている。※状態
I got a cold.
風邪をひいた。※動作

I have a cold.
風邪をひいている。※状態

”take” は「自分の意志で、何かを自分のエリアに取り込む」という単語ですので、「完全に自分の意志で選び取ることができるか」が ”have” や ”get” との使い分けポイントになります。

たとえば、”have a cold”(風邪をひいている) や ”get a cold”(風邪をひく) という表現はできますが、”take a cold” という表現はNGです。なぜならば、風邪を引くのは自分の意志でコントロールできることではないからです。

”take a break”(休憩を取る)と”have a break”(休憩を取る)はどちらもOKです。休憩は一般的に自分の意志で取るか取らないかを決められるものであるのがその理由です。

”have” や ”get” は自分の意志があるかどうかを考慮する必要がないため、シチュエーションさえ合えば ”take” と同じ状況を表現することができます。

Let's take a break.
=Let's have a break.
=Let's get a break.

休憩しよう。

まとめ

基本動詞の代表格である ”get” と ”take” について徹底解説してきました。「自分の意志」の有無が使い分けの重要なポイントでしたね。

知識を入れることはもちろん大切ですが、実践して使っていくことが英語のスキルアップには欠かせません。英語日記をつけてみたり、オンライン英会話でアウトプットしたりしながら、”get” と ”take” の違いを体感していってくださいね!

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