中級・上級の試験に合格しているのに話せない理由と解決策

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韓国語に限らず外国語を習得するには個人差はあれ最低でも数年かかります。

また、日本語が話せれば不自由がなく、韓国語が日常生活に必要ではない日本で勉強を続けることは簡単なことではありません。

そのため韓国語学習者の中には韓国語教室に通って韓国語レッスンを受けることで学習を続けている人もいると思います。

また独学の場合は、習っている場合よりもさらに韓国語学習を継続する難易度が上がります。

その理由は、韓国語習得に対する強い目的やモチベーションがなければ学習の習慣化が難しく挫折しやすい為です。

このように独学の場合はもちろん、習っている場合でも韓国語学習のモチベーションをキープするためや自分のレベルを確認するために韓国語能力試験やハングル能力検定試験のような韓国語能力を客観的にはかる検定試験に挑戦する人も多いです。

ところで、これらの検定試験を受験する学習者の多くも会話ができるようになりたいと思っているにも関わらず、試験に合格はしても話せるようになかなかなっていないという現状があります。

今回の記事では、検定試験に合格しても会話ができるようにならない理由と検定試験に合格するために学んだ韓国語を活かして話せるようになる方法について説明していきます。

韓国語学習者によくある誤解

まず、多くの韓国語学習者によくある誤解があります。

それは、検定試験に合格すれば会話力もそれにつれてつくと思っているということです。

言い換えると、韓国語のレベルが上がれば会話もできるようになると思われていることが多いように思います。

韓国語の検定試験は初級レベルから上級レベルまであり、多くの学習者がひとつずつ級の合格を目指し受験しています。

そして個人差があり一概には言えませんが、上級までの合格をゴールに設定して勉強しているケースが多いです。

このようにして上級レベルまで合格した場合、そのレベルに合わせて韓国語の会話力がつくかと言えばそうではありません。

実際、英語でもそうですがTOEICで900点を超える高得点を取っている人でも会話となると初級レベルもままならないという例は多くあります。

これは韓国語でも同じで、試験で上級レベルに合格すれば会話も上級レベルでできるようになるわけではないということをまず知っておく必要があります。

なぜ試験に合格しても話せるようにならないのか?

では、韓国語の検定試験に合格しても会話ができるようになるわけではないのはなぜでしょうか。

それは端的に言うと試験で測られる韓国語能力は韓国語能力の一部でしかないからです。

より具体的に挙げると以下の通りです。

試験では会話力は求められないから

現状の試験では会話力を求められることはないため、試験対策として会話の勉強や練習をする必要がありません。

試験で主に測られる能力は理解力だから

試験で主に測られる能力は読解や聞き取りなどの韓国語を受動的に理解する能力です。

作文は自分から発信する能動的な能力ではありますが、会話は既に触れた通りありません。

試験で測られるのは知識量だから

試験に合格するために求められるものは単語力や文法力などの知識量です。

特にハングル能力検定試験は韓国語能力試験に比べその傾向が強く、いかに多くの単語やことわざ、四字熟語、慣用表現を覚えたかどうかが問われます。

ですが、会話はこれらの知識量が多いことでできるようになるわけではありません。

以上のことから、試験に合格することによって得られる、もしくは証明される韓国語能力は主に受動的な韓国語能力です。

そのため、試験に合格する、または上のレベルに合格することで能動的な韓国語能力である会話力がつくわけではないことが分かります。

韓国語の検定試験を受験することは意味がないのか?

では、韓国語で会話ができるようになるために韓国語の検定試験に合格を目指して勉強をすることは意味がないのかと言えばそんなことはありません。

なぜかと言うと韓国語の会話ができるようになるためには、まずはある程度の知識が必要だからです。

試験に合格するためにはそれらの知識習得は必須となるため、会話力の元になる知識は十分に習得することができます。

また、会話は韓国語の総合的な能力が問われるため、それらの能力を習得するにはある程度の学習が必要です。

その学習を継続するための手段として試験の合格を目指し勉強を続けることは一定の意味があると言えます。

もちろん、試験を韓国語学習のモチベーションをキープするために使わなくても学習が継続できるのであれば必ずしも試験は必要なものではありません。

会話が目的の韓国語学習であれば、正直なところ試験の合格を目指すのではなく会話ができるようになる学習と練習にフォーカスする方が早いです。

ですが、モチベーションをキープするために何かがないと韓国語の学習が継続できないということであれば、一旦試験の合格を目標にして韓国語学習を習慣化することも方法としては良いです。

そして、試験合格のためにする勉強は直接会話力をつけることには繋がりませんが、間接的には有効な方法だと言えます。

試験勉強の知識を活かして話せるようになるには?

試験に合格するための知識習得がメインになる勉強は、先に触れた通りそれ自体をしただけで会話力がつくわけではありません。

また、試験に合格しても試験に口頭試験がない限りそのレベルに見合った会話力がついているという証明にもなりません。

既に触れた通り、韓国語をはじめどの言語であれ最上級に合格していたとしても会話はほとんどできないとか、合格している級のレベルに見合った会話力がない人が多くいるという事実からも試験の合格レベルと会話力がイコールではないことは明らかです。

そのため、試験で試される受動的な韓国語能力と会話力は切り分けて考える必要があります。

ですが、多くの時間を掛けて試験合格のために学んだ韓国語の知識は会話力をつけていく上ではかなりなアドバンテージになります。

韓国語を話せるようになるためには、いきなり会話から始めてできるようになるわけではなく、自分で文を作れるようになりそれを口からすぐに出てくるようにする必要があります。

それをできるようになるための一番の土台となる部分が単語力と文法知識です。

そして、この単語力と文法知識はそれなりの時間をかけなければ蓄積できないものであるため、ここが既にできている試験の合格者はこの段階を省くことができます。

それにより、既に持っている単語力と文法知識を使えるようになるための練習をすぐに始められ、そこに集中的に取り組むことができます。

では、次から試験勉強の知識を活かして話せるようになるには具体的にどうすれば良いのかについて説明します。

知識レベルと会話レベルは切り離す

まず、既に触れた通り試験で得た受動的な韓国語能力と会話のような自ら発信する能動的な韓国語能力は一致しません。

外国語習得は積み重ねであるため、初級が出来ない状態で中級や上級ができることはありません。

仮に上級レベルに合格していたとしても会話は初級レベルを使いこなして話せないということであれば、会話レベルは初級レベルから始めるということです。

まずは、一番基本となる初級レベルの単語と文法知識を使いこなして会話をできるようになることに集中します。

既に中上級の知識レベルがある人にとっては、初級の文を見れば簡単に分かると思うはずです。

ですが、そのように思うようなものであっても会話となると簡単にできるとは限りません。

自分の知識レベルと同じレベルの会話をしようとするのではなく、自分の会話レベルがどのレベルなのかを把握した上で、それにあったレベルから会話の練習をするようにします。

基本的な単語や文法を使って話す

中級、更に上級に合格できるレベルだと単語力や文法知識はかなりついている状態です。

既に触れた通り会話は韓国語の総合力が問われる技能であるため、そのベースとなる知識は必ず必要、またある程度は必要です。

ですが、試験で出題される問題に出てくるような単語や文法は会話では必ずしも必要ではありません。

試験の読解問題などの文章は内容的に難しいものや日常的な文章ではなく論文のような固い文章であるため、そこに出て来る単語や文法も日常的に使わないようなものが出て来ます。

そのため、自分が試験勉強で得た知識をすべて使って話そうとするのではなく、初級で出て来るような基本的かつ高頻度の単語や文法知識を使って話す方が自然な会話かつ誰にでも通じる会話ができるようになります。

多くの知識を得ることによるデメリットは、情報が多すぎるためにどれを使うべきでどれを使う必要がないのかの選別が難しくなってしまうことです。

難しい単語や文法を使って話そうとするのではなく、まずは基礎を使いこなした会話ができるようになることに集中して取り組むことが大事です。

会話の練習だけを集中的にする

既に会話に必要な知識を習得しているレベルでは、それ以上の知識習得をする必要はありません。

すべきことは、それらの知識を使いこなし口からすぐに言葉が出てくるような状態になるように繰り返し練習をすることです。

単語力と文法知識があれば自分で文を作ることができる状態なので、繰り返し練習をすれば会話はそれほど難しくはありません。

まとめ

ここまで検定試験に合格しても会話ができるようにならない理由と検定試験に合格するために学んだ韓国語を活かして話せるようになる方法について説明してきました。

試験勉強で得た知識は会話ができるようになるための土台となるもので、これができていることは会話ができるようになる上で大きなアドバンテージになります。

試験で得た知識をうまく生かし会話ができるようになるためには、既に持っている知識を使えるようになるための会話練習を繰り返すことが大事です。

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