英語ライティングの勉強法とは?試験にも効果的な方法5選

英語ライティングの勉強法とは?試験にも効果的な方法5選

勉強に苦労するライティング……どう対策すべき?

英語学習では「4技能」という言葉が使われることがよくあります。「Listening(リスニング:聞くこと)」「Speaking(スピーキング:話すこと)」「Reading(リーディング:読むこと」「Writing(ライティング:書くこと)」の4つです。

そしてこの中でも「ライティング」が最も難しいとされているようです。「書くのはどうも苦手」「上手に書けない!」などといった声がよく聞かれます。いったいどうすれば「ライティング力」をアップすることができるのでしょうか。

ひとことで「ライティング」と言っても、どんな文章を書くのか、その種類はさまざまです。でも、どんな文章を書くにしても共通して大事なことがあります。例えば「単語・熟語などの語彙力」「文法力」「構成力」といった要素。こうした力を養っていけば、「ライティング力」は必ず向上します。

今回は「ライティング力」をアップさせる、基本的なコツと対策、方法について、複数の側面から述べていきたいと思います。

ライティング勉強法1:文法を復習する

「英語でライティング」というと皆さん、それぞれの事情や生活スタイルなどによって思い浮かべるものが違うと思います。

ビジネスメール、大学の課題レポート、SNSなどでの投稿、ブログ、エッセイ、日記、試験対策など、ライティングと一口に言ってもいろいろな種類があります。そしてこれらのどれにも「作法」ともいえる書き方のルールがあります。例えばビジネスメールでは書き出しや結びの部分などがそれにあたります。

しかし、こうした「作法」を学ぶ前に、まずやらないといけないことがあります。ライティング力をつける上で必要なこと、それはまずは「文法を復習すること」です。

確かに、よく使われるフレーズをいくつか覚えていれば、あるいは単語さえ並べれば、英語の文法をあまり知らなくても何とか意味を伝えることができるかもしれません。特に会話ではそうですね。でも書き言葉で、より正しい表現をしたい場合は、やはり基本的文法を押さえておく必要があります。「英語で書くことが苦手」という人は大抵、文法の力が足りていないことが多いようです。英文法を身につければ、自分が言いたいこと、書きたいことの幅が広がります。

「難しい英文法は苦手だし、時間がかかるばかりでは」と思う人もいるかもしれません。でも、一番大事なのは中学校・高校で習う基本的な英文法です。時制、助動詞、能動態・受動態、関係代名詞……こうした、中学・高校レベルの英文法をあらためて復習してみましょう。「急がば回れ」の気持ちで基礎を固めることが、必ずライティング力の向上につながります。

また、重要なのは、繰り返し復習し確認することです。参考書を一度読むだけ、問題集を一度解くだけではなく、以下に解説する実際に書くトレーニングをしながらその中で併せて英文法を繰り返し復習し続けるといいでしょう。「知っている」「わかっている」と思っても、何度も繰り返す中で新たな発見が必ず出てきます。そしてそれが文法力を強化し、ライティング力をアップすることにもなります。

ライティング勉強法2:日記を英語で書く

英語で文章を無理なく書けるようになるには、まず、英文を書くことに慣れることが大切です。「毎日、日記を英語で書く」ことは、この「英語を書くことに慣れる」ためには最適な勉強法でしょう。パソコンやスマホで書くのもOKですが、できれば手書きでノートなどに書くことをお勧めします。なぜなら手で書く方が脳への定着力が高まり、記憶に残りやすいという研究結果もあるからです。

英語で日記を書くことに慣れるには、以下のようなステップで進めていくのが効果的です。自分のペースや英語力に合わせてステップを進めていきましょう。

Step 1 習慣化させるために最初は無理をしない

一日1行でも構いません。一日のうちに行ったこと、印象に残ったエピソードを書きます。知っている単語、また簡単な表現で構いません。

Step 2 慣れてきたら事実を書いて、それに感想を加えてみる

まずその日起きたこと、エピソードを書きます。その後、それに対する自分の感想を書いてみましょう。エピソードと自分の感想で英文は2文、もしくはそれ以上になります。2文以上の英文を書くことで構成力をつけることにもつながりますので、最初は苦しいかもしれませんが頑張って書いてみましょう。複数の出来事を書く場合は、時間の経過に沿って話が展開するように注意してください。文章の流れをよくする訓練にもなります。

Step3 一つの文の情報量を増やしてみよう

最初は単純な文でもかまいませんが、慣れてきたら「and」や「but」「so」などの接続詞を使って、1文の中の情報量を増やしてみましょう。こうした接続詞で2つの文を1つにつなぐことができるようになると、ぐっと大人っぽい文になります。

Step4 2回目に同じ単語や表現がでてきたら違う表現をしてみる

英語は同じ言葉を文章の中で何度も使うことを避ける傾向があります。前に出てきた名詞は違う名詞で言い換える(「the park」→「the place」)、違う接続詞を使って表現を変える(「because」→「so」)など、同じものを表す場合も言葉を変化させてみましょう。語彙を増やす訓練にもなります。

ではステップに沿って、例文を挙げてみましょう。

Step1

I went to school today.

私は今日学校に行った。

Step2

I went to school today.

私は今日学校に行った。

②My teacher was absent from school.

先生は学校を休んでいた。

Because she was sick.

なぜなら彼女は病気だったからだ。

I am worried about her.

私は彼女が心配だ。

※①と②と③はエピソードです。④で自分の感想を入れました。

Step 3

I went to school today, but my teacher was absent from school because she was sick.

私は今日学校に行ったが、先生は欠席していた。なぜなら、彼女は病気だったからだ。

I am worried about her because she looked sick when I met her last week.

私は彼女が心配だ。なぜなら先週会った時具合が悪そうだったから。

※①はStep 2でバラバラだった文に接続詞「but」を入れ、「because」で始まる文もくっつけて1文にしました。また②に情報を加えています。

Step4

I went to school yesterday, but my teacher was absent from school because she was sick.

私は今日学校に行ったが、先生は欠席していた。なぜなら、彼女は病気だったからだ。

In fact, her complexion was bad when I met her last week, so I am worried about her.

実際、先週会った時、顔色が悪かった。だから私は彼女が心配だ。

※Step3では「because」が①と②の2カ所に出てきていたり、また2つの文の内容がややごちゃごちゃになっているので、②の文を、「so」を使って前後を入れ替えたり、「sick」を「bad」に変えたり、「complexion(顔色)」という言葉を使って言い換え、全体を整理しています。

ライティング勉強法3:良質な文を書き写す

英語に限らないのですが、ライティングはプロの技が盗みやすいと言えます。「お手本」が文字になって目の前にあるからです。好きな作家やコラムニスト、エッセイストが書いたもの、好きな記事などを読んで、いいなと思った文章は書き写し、文体や雰囲気を体でつかみとってみましょう。

良質な文章を書き写すことによって、ライティング力に必要な多くの力、すなわち「構成力」や「文法力」「語彙力」を養うことができます。

では文章を書き写す時のポイント、そして書き写した後のその文章の使い方を以下に述べます。1回だけではなく、Point1〜3を何度も繰り返すことが大切です。蓄積された分だけ自分のライティング力がついていくことでしょう。

Point1 ただ英文を書き写すだけではだめ

何も考えないでただ単に書き写すだけでは、「作業」になってしまい、頭に残りません。まずは英文を読み、英文の意味をしっかり考えながら意味のまとまりごとに覚えて書き写すようにするといいでしょう。わからない部分は必ず辞書で調べて意味を把握するようにしてください。

書き写したら見直して、間違いなどがあったら修正しましょう。書き写しは1回だけでなく3回ほど繰り返す方が効果が上がります。

Point2 音読する

書き写した文章を何度も音読しましょう。英語はリズムを大事にする言語です。口に出すことで、英語のリズムを感じ取ることができます。

Point3 自分のことにあてはめて書き直してみる

実際に使えるように、書き写した文章を自分自身や身の周りのことに当てはめて書き直してみましょう。これにより記憶に残り、表現の幅が広がっていきます。書いたものを、できれば文章の得意なネイティブスピーカーに添削してもらうといいでしょう。

ライティング勉強法4:問題演習

ライティング力を本格的にアップするには、なんといってもたくさんたくさん書く練習を重ねることです。しかし、何から書いていいかわからない、何をテーマにしていいかわからないから書けない、という場合もあるでしょう。

そんな時はライティングが試験問題としてある英語の検定試験、例えば英検、TOEFL、TOEIC、IELTSなどの過去問題や模擬問題を利用するのも手です。何度も何度も繰り返し練習することで、自分なりのライティングの構成力を組み立てることができるようになります。

問題演習によってライティング力をアップさせるコツは以下の①〜④を繰り返すこと。

いろいろな種類の問題を使う

大切なのはとにかく数をこなすことです。異なるテーマにチャレンジすることで、応用力がつきます。

添削してもらう

文章を書くのが得意なネイティブスピーカーまたは自分より英語力の上の人などに添削をしてもらいましょう。また英文添削サービスを利用したり、オンライン英会話でライティングが得意な講師に依頼するのもいいと思います。最近では、英文を添削してくれるオンラインサイトやアプリも登場しています。

フィードバックをもとに復習

添削してもらったフィードバックをもとに復習することで理解を深め、ライティング力向上につなげます。ここまできっちりやりましょう。

使いやすい表現などを蓄積

①から③を通して、「これ便利だな」「これ使えるな」というような表現を、ノートに書いたりパソコンで整理するなどして、どんどん蓄積していきましょう。そしてそれを積極的に使うようにしましょう。

ライティング勉強法5:自分なりのテンプレートを作成

スムーズに英文を書くために、自分なりのライティング用のテンプレート、つまり「ひな形」を作成しておく方法があります。全体の構成、それぞれの段落の役割、各段落の出だしのフレーズ、段落と段落をつなぐ言葉などを事前にある程度決めてしまうわけです。

ライティングの種類、例えばエッセイや日記、レポート、ビジネスメールなどによって作成するテンプレートは違ってきますが、この方法は、大学などのレポート・小論文や英語資格試験のライティング対策として特に有効です。

例えばレポートの場合は以下のような6つのセクションを想定したテンプレートが考えられます(これはあくまで一例で、英語資格試験などの場合は各試験に合わせたテンプレートを作成します)。

 Section 1 イントロダクション

 これから何を話すのか自分の論題となることを示します。全体が長くなる場合は、このレポートの構成を書きます。

 Section 2 問題提起

 これから論を展開する上での問題を1〜3点ほど述べます。

 Section 3 異なる視点からの問題提起

 Section 2で提起したのとは別の反論を1〜3点ほど述べます。

 Section 4  自分の考え

 自分の考えをここで述べます。

 Section 5 解決策の提示

 問題点に対して解決策の提示をします。

 Section 6 まとめ

 イントロダクションで述べた論題を再提示しながら結論を示します。

 上記の構成をもとに、各セクションの出だしでよく使いそうな言い回しを入れてみました。

(Section 1)

This paper deals with the ……….(本稿で扱うのは………)

(Section 2)

Some researchers claim that……….(〜という意見の研究者もいる)

(Section 3)

However, there are……….(しかしながら………)

(Section 4)

In my opinion, ……….(私の考えでは………)

(Section 5)

A possible solution to this problem may be……….(この問題に対する考え得る解決策として………)

(Section 6)

In conclusion, ……….(結論としては………)

このように、「汎用性のあるフレーズ」をあらかじめいくつか決めておくと、本番のライティングがとてもスムーズにできるようになります。最初に一つ作るのが大変かもしれませんが、それができればあとは広範囲に応用できます。

ライティング試験時のコツ

最後に英検、TOEFL、TOEIC、IELTSなどで実施されているライティング試験について触れてみたいと思います。

ライティング試験に重要になるのが、主として、話をどう広げていくのかという「構成と展開力」、どれくらいの時間で書くのかという「時間配分」、そして「高度な語彙力」の3つになります。

構成と展開力

ライティングの基礎であり核ともなる「構成と展開力」では、ライティング勉強法5でも示したテンプレートが非常に役に立ちます。過去の問題やその解答例を参考にしてテンプレートを作り、テンプレートに沿って自分の言いたいこと、主張したいことを書いていきます。

時間配分

ライティングの試験は時間が決まっています。このため決まった時間の中でどういう時間配分で書いていくかを、自分であらかじめ計って計画しておくことが大切です。

語彙力

英文ライティングでは同じ言葉の繰り返しをなるべく避ける傾向があります。同じ意味のことを別の言葉で言い換えるためには「語彙力」を鍛えておくことが大事です。また、特に資格試験においては、フォーマルな固めの単語を使うと高得点につながる傾向があります。日頃から、カジュアルな文章で使う言葉と論文調の固い文章で使う言葉を区別して覚えるようにしたいところです。

ライティングを効率よく勉強して、試験や日常生活に役立てよう

いかがでしたか? 

「ライティングが苦手」「上手に書けない」という人がライティングを得意なものにするための勉強法を紹介しました。

これまでの勉強法をまとめると、英語ライティングでは以下の2つの重要な力をつける必要があります。2は、英語ライティングだけでなく日本語で作文する場合にもあてはまりますね。

1.英語力をつける(文法力、単語・熟語などの語彙力)

2.文章構成力をつける(構成要素とその順番。全体の論理性)

そしてやめないで続けること。たくさん勉強してはたくさん書くことを繰り返し、ライティング力をアップさせていきましょう!


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