やっておきたい英語長文の使い方!効率的な学習法を攻略

やっておきたい英語長文の使い方!効率的な学習法を攻略

文部科学省が大学入試の改革を宣言し、センター試験は廃止されました。センター試験では、国公立大学・私立大学を受験する人がそのスコアを活用し、国公立大学で二次試験、私立大学ではプラスアルファで各大学独自の試験を受けるなどの選択肢がありました。

しかし、センター試験の結果が悪い場合は、二次試験を受けることができない場合もあります。そのため、センター試験で高得点を取ることに最大の努力と時間を注いでいたのが特徴です。

このセンター試験が廃止されることになった背景には、端的に言うと「時代の変化」があげられます。

現在は、学生たちは知りたいことやわからないことがあればスマホやパソコンを使ってすぐに調べて答えを知ることができる時代。

そのため、センター試験のような頑張って暗記した知識の定着を測るようなテストで高得点を取るためにもう勉強するようなことをしていては、「答えのない問題」に遭遇することの多い現在、未来を生き抜くための力を養うことができないとされたのです。

センター試験が廃止となり、現在行われている大学入試は、「大学入学共通テスト」と呼ばれています。2021年の1月から正式に開始されました。

このテストでは、センター試験とは打って変わって「①知識の理解の質を問う問題、②思考力、③判断力、④表現力を問われる問題」が出題されます。

また、それに加えて各大学独自の「面接試験や実技試験、小論文やスコアの提出」なども入学に相応しいかの判断基準として導入されており、大学入試の多様化が進んでいます。

大学入学共通テストの英語の問題について

さて、ではこの「「大学入学共通テスト」に出題される各教科のうち、英語の問題はどのようなものが出題されるのでしょうか?

配点の変更

これまでのセンター試験の配点は、「リーディングが200点、リスニングが50点」とされていました。

しかし、大学入学共通テストではリーディングもリスニングも比率が同じ、「100点と100点」に変更されました。

出題内容の変化

センター試験で出題されていた「発音・アクセント問題と文法問題は廃止」され、「長文問題のみ」で出題されるようになりました。

全体で6ページも増えたそうです。また、長文の特定の箇所を訳しなさいと言った単純な問題は消え、複数の資料を照合して答えを導き出すような実用的な問題も出題されます。

やはりセンター試験との大きな違いとして、圧倒的に読む量が増えたこと、長文の中や資料の中から情報を読み取って処理してから答えを導き出すことが試されることがあげられます。

では、センター試験とは大きく変化した「大学入学共通試験の長文問題の対策」をするには、どうすればいいのでしょうか? 

【参考】「使える英語」出題内容が変わり 共通テスト、懸念も:朝日新聞デジタル

「やっておきたい長文英語」を使ってみよう!

受験生の中でも英語の長文問題の対策用に高い支持を得ているのが、河合塾が出版している「やっておきたい長文英語シリーズ」です。

このシリーズ出題される長文問題の語数を表す「300、500、700、1000」の4つのレベル別に本が別れています。自分の目指す大学の難易度に合わせて4つの中から適切なものを選ぶのがおすすめです。

ここからは、各レベルの難易度、対象の大学や目標、必要な時間を紹介していきますので、参考にしてください。

やっておきたい長文英語300について

①難易度

センター試験 (現在:大学入学共通テスト)レベル

②目指す目標

センター試験 (現在:大学入学共通テスト)の7割程度以上

③終えるのに必要な時間

1日2題を15日間、2週間で行う場合、約1ヶ月

④対象者

地方国公立大学の受験者、日東駒専レベルの私立大学受験者向け

⑤特徴

やっておきたい長文英語300は、センター試験 (現在:大学入学共通テスト)の長文問題でうまく点数が取れない人に適しています。

なぜなら、出題されている長文問題の一文一文に使われている構文や文法についての説明が開かれており、内容を把握するために必須の表現を理解するための解説が丁寧にされているためです。

ただし、センター試験 (大学入学共通テスト)以上のレベルには対応していないため、それ以上のレベルの長文英語を期待得たい人は注意が必要です。

やっておきたい長文英語500について

①難易度

国立大学希望者、MARCH希望者レベル

②目指す目標

国立大学の合格点やセンター試験 (現在:大学入学共通テスト)8割以上を目指す人、MARCH (明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学を指す)合格点を狙える人

③終えるのに必要な時間

約1ヶ月間ほど

④対象者

国立大学やMARCHの受験者

⑤特徴

国立大学やMARCHの大学の過去問を中心に問題が作成されているため、問題数も多く難易度も300に比べて高くなっています。

ただし、センター試験 (現在;大学入学共通テスト)の問題構成や語彙や表現のレベルよりも高いため、センター試験の対策ではなくさらに上の対策を目指す人におすすめです。

やっておきたい長文英語700について

①難易度

難関大学から最難関大学、MARCH野中の難問や早慶 (早稲田大学、慶應大学を指す)レベル

②目指す目標

センター試験9割、旧帝大の合格点、早慶を狙うことができる人

③終えるのに必要な時間

約1ヶ月間

④対象者

旧帝大以上の難関大学希望者向け

⑤特徴

この700シリーズは、記述式の長文英語問題の対策をしたい人に向いています。

700五しかない問題文でも、使用されている語彙や表現が幅広くて難易度が高いです。700を使い始める前に、500シリーズを完璧に解けるようになっておくのをお勧めします。説明文や物語文、学術的な文章など様々なジャンルが出題されます。

やっておきたい長文英語1000について

①難易度

最難関大学、早慶レベル

②目指す目標

最難関大学や早慶を狙えるレベル

③終えるのに必要な時間

約2週間程度

④対象者

最難関大学や早慶、東京外国語大学を目指す人

⑤特徴

実は、入学試験で1000次以上の長文問題が出される大学は多くありません。

出題されるテーマも多岐に渡り、このレベルの長文を極めていくためには、様々なアカデミックなテーマについての基礎知識を得ることが重要になります。

「やっておきたい長文英語」の効果的な使い方

ここからは、「やっておきたい長文英語」の効果的な使用方法について説明していきます。

実は筆者は外国語教育系の大学と大学院の受験経験があるため、筆者自身が受験勉強をした経験も踏まえながら、最も効果的な長文英語の学習の仕方をお伝えできればと思います。

なお、ここからのプロセスはまず1題をすでに解いた後に行うことになります。まずは自力で問題を解いてみましょう。

効果的な使い方1:解けなかった問題の構文、語彙を確認

一度、一通り問題を解いてみて解けなかった問題があればそこで使われている構文や語彙の確認をします。

この時、別冊の自分が普段使っている文法書を手元に用意して該当の構文に付箋をつけておくと、その文法書を使うたびに「以前つまずいた構文」ということが一眼でわかります。

効果的な使い方2:各パラグラフのトピックセンテンスを読み、各パラグラフに題名をつけてみる

英語の長文は、複数の段落と同じ意味を持つ「パラグラフ」で成り立っています。

それぞれのパラグラフに対して、必ず一つの話題で話が進んでいきます。そのため、各パラグラフごとに題名をつけ、それぞれをつなげて読んでみると長文全体の話の大枠が掴めるのです。

では、題名をつけるためにはどこを読めばいいのでしょうか?

それは、パラグラフの一番最初の文章です。この部分を「トピックセンテンス」といい、そのパラグラフに書かれている事柄が一眼でわかるように文章は書かれていることが大半です。

ということは、長文全体の内容を把握するためにはいちいち文章全体を最初から最後まで読む必要はないということ。各パラグラフのトピックセンテンスを読んで、日本語で良いので題名をつけてみましょう。

効果的な使い方3:1を参考に文章全体の要約を行う (1回目:日本語で 2回目:英語で)

1でつけた題名を順番に並べてみると、長文全体の流れがよくわかります。

まずは1でつけた題名を参考に、日本語で文章全体の要約文を作ってみましょう。日本語での要約文を作成し、しっかりと内容を理解したら、2回目は文中の英語表現を用いて良いので英語で全体の要約にも挑戦してみましょう。

このように長文の内容を自分なりに要約し、アウトプットしてみることでより一層内容と使われている構文や文法、語彙が頭に入ります。

効果的な使い方4:2日午にもう一度、同じ問題を解く

この時、2と3で行ったパラグラフごとの題名と要約文を意識し、文章全体の内容を把握した上で問題を解いてみましょう

一度間違えた構文や語彙の知識もしっかりと意識して解きましょう。数日後にもう一度同じ問題を解いてみることで、以前は間違えてしまった問題が解けるかどうか試せますし、以前も解けていた問題もより一層記憶に定着するのでお勧めです。

自分の目指すレベルに合う「やっておきたい長文英語」を見つけ、効率よく勉強しよう!

ここまで、目標とする大学や英語レベル別にシリーズが別れている、「やっておきたい長文英語」の中身の解説と、効果的な学習方法について紹介してきました。

受験生の皆さんはこれから冬にある入試に備えて本格的な勉強が始まる時期ですね。どの大学でも英語の試験の結果は重要視されているため、ここで力をつけておけば文理関係なく今後有利になることが多いはずです。

まずは自分の目指す大学のレベルや必要な英語力をしっかりと調べて、目標にあった、「やっておきたい長文英語」シリーズを選択してみましょう!


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