韓国語に限らずですが、外国語習得をする上で必要な勉強の二大要素が単語と文法学習です。
何語であれ大人になってから言語を習得しようとする場合には、子供が勉強せずとも自然に言語を習得できる場合とは違い、単語と文法の知識がなければ会話を聞いても理解ができないですし、自分で話すこともできません。
私たちは学生時代に学校で英語の勉強をしましたが、単語学習では意味がなかなか記憶できないなど単語学習の悩みを抱えた人は多くいたのではないかと思います。
学生時代に英語の単語学習がうまくいかなかったのは、単語学習のやり方が効率的ではなかったり、間違っていた可能性があります。
今回の記事では、やりがちな間違った単語学習と韓国語の単語学習を効率的かつ効果的にするためのポイントについて主に初心者向けに書いていきます。
やりがちな間違った単語学習法
冒頭で書いたように、外国語習得において単語学習は避けることができません。
そのため、多くの人が単語学習に時間と労力をかけ取り組んでいるわけですが、残念ながら効率の悪い勉強法や間違った勉強法をしてしまっていることがあります。
それでは、せっかく時間と労力をかけて単語学習をしても効果が上がりません。
まずは、やりがちな間違った単語学習を挙げてみます。
1.ひたすら単語の意味だけ暗記する
外国語習得のために、単語を暗記して覚えることは確かに必要です。
そのため、韓国語であればハングルの綴りと意味だけをひたすら書いて覚え、単語数を増やすことだけを考えて単語学習をしがちです。
ですが、単語は意味を覚えるだけでは使えるようにはなりません。
学校の単語テストのように書かれた単語の意味だけ答えるのであればそれでも良いですが、実際に会話や作文で使う場合は、単語テストのような形式で使うわけではありません。
つまり、単語の意味と綴りだけ覚えても、それでは使うことができません。
2.書くことだけして覚えようとしている
韓国語は、発音変化があるとは言え基本的には文字が発音を表す表音文字です。
そのため、文字が分かればどういう発音になるのか大体は分かります。
単語を暗記しようとする場合、多くの学習者が何度もハングルを書いて綴りと意味を覚えようと勉強しているように思います。
ですが、文字を見てどういう発音になるのか分かっても、それを自分でできるかどうかはまた別の話です。
発音の規則やハングルを学んだことで知識を得ても、それは知識として知っているだけで必ずしも自分でできるわけではありません。
3.単語集をテキストと別に使って勉強する
韓国語の勉強は多くの場合、まずは一冊で文法や単語など基本的なことを学べる総合書を使うと思います。
ですが、その他に別で単語集を使って総合書と並行して勉強する人が少なからずいますが、この方法は初級者の場合は必要がありません。
なぜかと言うと、初級者で、特に勉強を始めたばかりの段階ではいきなり多くのことを勉強しようと思っても余裕がなくできません。
その結果、勉強の負荷が掛かり過ぎ勉強を続けることが難しくなったり、やっても身に付かなかったりしてしまいます。
4.単語の発音の精度にこだわり過ぎる
日本人の学習者は一般的に何語でも発音の精度にこだわり過ぎて、達成目標のハードルを上げ過ぎる傾向があるように思います。
確かに、韓国人の発音とあまりにもかけ離れた発音だと相手に通じないため問題があります。
ですが、発音に関しては大人になってから習得を始めた場合は、練習によりある程度できるようにはなりますが、残念ながらネイティブレベルにはなることは不可能に近いです。
5.単語を文法と切り離して勉強している
多くの学習者に見られる単語学習のやり方として、単語は単語、文法は文法と切り離して勉強する方法があります。
ですが、この方法はとても効率が悪い勉強法です。
なぜかと言うと、単語と文法はお互いに切っても切り離せない関係で相互に関連しているからです。
既に挙げた通り、単語は単語テストではない限りは単語の意味だけ答えるとか、日本語の単語を韓国語で書くといったことはありません。
これはテストの場合だけであって、実際に会話や作文で使うときはひとつの単語だけ使って話したり書くことはまずしません。
つまり、単語だけを単独で勉強する方法は実際に使う場合とはかけ離れた方法である為、実用的な勉強ではありません。
ここで少し余談!
下記記事では、韓国語初心者がやりがちな間違った勉強方法をご紹介しています!効率よく韓国語学習を進めていくためにも、ぜひこの記事を参考にしてみて下さい♪♪
単語学習を効率的かつ効果的にするためのポイント
ここからは既に書いたやりがちな間違った単語学習法を踏まえ、単語学習を効率的かつ効果的にするためのポイントについて書きます。
1.単語は意味だけでなく使い方も覚える
第二言語習得理論の中で、言語習得では「浅い理解」と「深い理解」があるとしています。
そして、言語を使えるようになるためには「浅い理解」だけではなく「深い理解」が必要とされています。
「浅い理解」とは単語学習で当てはめると、単語の意味だけを理解している状態です。
単語カードなどを使い、覚えたい単語と意味だけを書いて覚えるような勉強法です。
ですが、この意味だけ覚える「浅い理解」では話したり書くなどをできるようにはなりません。
学んだ単語を使えるようになるには「深い理解」が必要で、具体的には単語がどのように活用しそれがどういう意味になるのかといった形式や機能までも理解しなければなりません。
2.単語は発音もしながら覚える
単語学習の目的は単に単語を暗記することではなく、覚えた単語を使って話したり書いたり使えるようになることです。
そのため、既に書いた通り、綴りと意味だけ覚えるだけでは不十分です。
覚えた単語を、話すのであれば自分で発音して使うわけですから発音ができなければならないです。
そのため、単語学習をする時には、単に意味と綴りを何度も書いて覚えようとするのではなく必ずお手本となる音声を聞いて自分でも発音練習をするようにしましょう。
実際に発音しながら単語を覚えた方が書くだけよりも記憶に残りやすいです。
3.単語数を増やすよりも基礎の単語を使えるようにする
語学習得では、ある程度単語数を増やすことは確かに必要です。
ですが、初級の段階ではやみくもに単語数だけを増やすことを考えず、基礎の単語を「深い知識」として使えるようになることの方が重要です。
そのため、テキストの他に単語集を別で使って、やる勉強を増やすのではなく、テキストに出ている基礎の単語をまずはしっかりと学んでください。
初級レベルの単語は、中級や上級へと学習を進めていってもずっと使う、高頻度で使いまわしの効く重要な単語です。
基礎の単語は意味だけ覚えるのではなく、使い方も学び、使えるようになるまで例文を見てまず基本を学んでから自分でも文を作ってみることで繰り返し練習してください。
このように深い理解をするためには、それなりの練習が必要となるため、テキストに出ている単語とは別に単語集の単語まで学習する余裕はないはずです。
4.発音はひとまず間違っていない通じる発音を目標にする
大人になってから外国語習得を始める場合、発音に関しては残念ながらネイティブのような発音を身に付けることは非常に困難です。
これは、日本語を話すタレントの日本語でも分かると思いますが、彼らは日本に長く住み日々日本語を話しているはずですが、ほとんどの場合、程度の差はあれ母語の訛りが出た日本語を話していると思います。
つまり、発音に関しては誰でもある程度のレベルにはなれても、どの程度になれるかは個人の能力で差が出るということです。
この現実を踏まえた上で、初級者が発音に関してまず目標とすべきことは、間違っていない通じる発音を身に付けることです。
発音は練習して直ぐにできるようになるものではなく、継続的に発音練習や音読練習をしていく中で徐々に上達していきます。
そのため、初めから発音をうまくすることまでを目標としてハードルを上げ過ぎないことです。
5.単語と文法はセットで勉強する
既に触れた通り、単語と文法は切っても切り離せないもので相互に関連しています。
つまり、単語だけを知っていても文法が分からなければ文を作ることができませんし、文法だけ知っていても単語を知らないのでは同じく文を作れません。
そのため、単語と文法は別で考えるのではなく常にセットで考えてください。
これは、言い換えると単語は文章の中で覚えるということです。
具体的には、まずは単語のみの意味や綴りを学んで覚える浅い知識を得ます。
その後は、テキストを見るとその単語を使って作った例文が必ずあるはずなので、その文を見て単語がどのように使われているのかしっかりと理解することで深い知識を得ます。
その後、初級段階でまだ自力での作文が難しい段階では無理に作文をするのではなく、例文のアレンジで良いので実際に自分でもその単語を使い作文してみます。
単語学習に限らずですが、テキストなど教材に書いてある説明を読んで知識を得ただけでは使える知識にはなっていません。
まずは、知らない状態から勉強して知った状態になり、その後はその得た知識を自分で使ってみることで実体験を通し理解する必要があります。
ここでまた少し余談!
下記記事では、韓国語の自動詞と他動詞について徹底解説しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
ここまで、やりがちな間違った単語学習と韓国語の単語学習を効率的かつ効果的にするためのポイントについて書いてきました。
まず「単語学習の本質は単語の意味と綴りだけを覚えて数をひたすら増やすことではない」ということを理解してください。
単語の意味と綴りを覚えることは、単語を使えるようになるために必要な要素のひとつなのであって、それが全てではないことはここまで書いてきた通りです。
単語学習は、まずは単語の意味や綴りを確認し、その後は必ず文の中でどう使われているのかをしっかりと理解する必要があります。
それをした上で更に実際に自分で文を作ってみることで、得た知識が使える知識になります。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。