中国語を勉強したり中国へ赴任することになった人にまずおすすめしたいのが中国について書かれた本を読むことです。
学生時代に、中国の歴史やニュースやメディアを通じて中国の情報を理解している人もいるかと思いますが、書籍を読むことでその理解はぐっと深まりますので読書を通じて中国を理解することはとても有効です。
実際に中国の人と話していると中国の歴史の話や文化の話が多く出てきますのでそういった時に対処できる能力を身につけておくためにも読書は重要です。
中国人の価値観や歴史感、商習慣などをしっかりと理解しておくと、今後中国の人と交流したり中国語で話をする際にもとても役立ちます。
特に、今後中国の人とビジネスで付き合っていく必要がある人は、まず国背景や商習慣をしっかり理解しておかないと日本のやり方では通じないところがたくさん出てきます。
中国のことを理解せずに赴任してしまうと何もかもがうまくいかなく感じてしまい精神的に追い詰められるという人も多いようです。
そうならないためにも、まずは中国の理解を体系的に論理的に理解した上で自分の立場を明確にし、しっかりと意見が言えるような関係が気づくことができれば中国での生活も有意義なものになるでしょう。
今回は中国を理解する上で特に重要と思われる三つのテーマについてオススメ本をあげさせていただきます。
中国の歴史、中国人の価値観、現在の中国、この三つのテーマを理解することで、中国の全容と中国人の気質や考え方がきっと理解することができると思います。
中国の歴史を理解するためのおすすめ本
中国の歴史を知ることは一見仕事や語学に遠回りにも感じるかと思いますが、間違いなく仕事や語学にも役立ちますのでしっかりと勉強してほしいです。
中国の歴史を知っているということは話をしていれば相手にも伝わりますので中国の人から評価されたり関係を構築する際にうまくいくことが多くなります。
学生時代になんとなく中国の歴史も勉強したと思いますが、改めてもう一度中国の歴史を勉強する事をお勧めします。
1.ワイルド・スワン
清末時代から改革開放までの約100年間の中国の歴史が克明に描かれている作品です。
著者、母、祖母の三代に渡る歴史が描かれており、中国がどのような変遷をたどって現在の中国の形になったのかがよく理解できる内容になっています。
中国の年配の方と話す時には改革開放の話や、文化大革命の話はしない方がいいと思いますが歴史としてこのような経験をしてきていると言う事実はしっかりと理解した上で接することが大事だと思います。
話があまりにも残酷で生々しいものが多いのですが、その分感情移入もしやすくページをめくる手が止まらない作品です。
長編小説が好きな人におすすめの作品なのでゆっくりと時間をかけて読んでほしいと思います。
2.世界史とつなげて学ぶ中国全史
古代中国から現在までの大きな流れが体系的に理解できる作品になっています。
また中国史と世界史が並行して説明されているので、世界史が得意な人にとっては理解度も高くなるでしょう。
今の中国がどのような形で成り立っているのかということはやはり過去の歴史を遡ることで見えてくるものが多いです。
ダイナミックで躍動する中国史は 歴史が好きな人はもちろん、 一般の人が学んでもとても興味深く読み進めることができる内容になっています。
この本を読んでも分かるのですが、古くから日本と中国は歴史的にも関係が深く、中国史日本史両方に影響を与えている両国の話がこの1冊で学ぶことができます。
3.三国志
中国の歴史好きにとって三国志はやはり特別な作品だと思います。
三国志を読んで中国の歴史が好きになったという人も多いでしょうし、組織論や現代に通ずる考えなどもたくさん含まれているので、歴史好き以外の人でも是非一度読んでみてほしいです。
三国志はもちろん中国の人も大好きな作品なので中国の人と三国志をテーマに会話をしたりすることも楽しいです。
日本でも三国志はたくさんの著者が作品を書いていますが、やはり一番のおすすめは吉川英治さんの作品です。
きっと登場人物の中で自分のお気に入りの人物がいると思うので、単純に 別作品としてもとても楽しめますし歴史を学ぶ本としても有効なので勉強をするというストレスが少なく歴史を学ぶことができます。
中国人の価値観を理解するためのおすすめ本
日本人と中国人は見た目が似ているためその考え方も似ていると思いがちですが、中国人の価値観は日本人と大きく異なると言えます。
ですので中国人の価値観を正しく理解して接することでビジネスや交流がうまく行くことになりますので是非中国人の価値観を理解するための本も読んでおいて欲しいと思います。
① スッキリ中国論 スジの日本、量の中国
この本では日本人をスジで考える人種、中国人を量で考える人種として構成されており、その説明がとてもしっくりくると感じています。
中国で生活していると中国人のことが理解できずにストレスを感じてしまう人もいるようですが、前提として中国人のことをもう少し理解するとその理由が理解できるようになるのでストレスも軽減されると思います。
まずは相手の価値観を勉強し、 価値観を肯定してあげることで相手への敬意も生まれますしお互い良好な関係を築く基礎となるでしょう。
② 貝と羊の中国人
本音と建前を上手に使い分けることができるのが中国人の特徴と思っていますが、 そのことを深く掘り下げて書かれているのがこの本です。
中国の漢字には貝のつく漢字や羊のつく漢字が多くありますがこれらを歴史的に紐解くことで中国人の価値観がどのように形成されたかが見えてくるでしょう。
財、費、貨等「貝」の付く漢字は殷時代の農耕、商業文化で、義、美、善等「羊」の付く漢字は周時代の遊牧民族の系統から来ているという解説は、今まで考えたことのない視点で中国人のことを理解するための良書と言えます。
③ 中国人のやる気はこうして引き出せ
イトーヨーカドーが中国で大成功しているという事実を日本の人は知らない人も多いですが、 中国で人気のスーパーとなったイトーヨーカドーがどのように中国で信頼を勝ち得て成功したのかが書かれています。
中国人と仕事をするにあたりマネジメントについて悩む人も多いようですが、この本はそういった中国人スタッフとのやり取りのノウハウやこういう風にしたら中国人スタッフと上手くいくというような具体的なアドバイスが書かれていますので、これから中国で管理職を任されているような人にはお勧めの一冊です。
ここで少し余談!
下記記事では、中国語学習に向いている人、向いていない人の特徴についてご紹介しています!ご自分の苦手な面を理解して、中国語学習に向いている人になりましょう!
現代の中国を理解するためのおすすめ本
ここ10年の日中関係を見てもその関係性や互いに対する印象も大きく変化してきていると感じます。
2015年頃から続く反日デモや尖閣諸島問題などが会った時は日中関係も大きく後退しました。
その後は中国国内の経済が伸びていきアリババやテンセントなど世界的なIT企業へと育っていく中で日本のメディアでも中国のテクノロジーやイノベーションに関心が高まっていったと思います。
今中国が抱えている問題や今後の日中関係を考える上でも重要な作品を選びましたのでこれから中国に関わっていく人にはぜひ読んでもらいたいです。
①そうだったのか!中国
池上彰さんの説明がとてもわかりやすく、 今までまったく中国のことを知らない人や学生にもおすすめの内容になっています。
現代の中国がどのように作られたのかという話から、中国人の特性や今抱えている問題などとにかく簡潔に分かりやすく網羅的な内容で紹介されているのでこの一冊を読んでおくだけで中国の理解の基礎はつけることができると思います。
中国の現代史をコンパクトに一冊で理解したいと思っている人にはお勧めの内容となっています。
②毛沢東の私生活
中国において毛沢東主席は開国の父と呼ばれており、外国での評価との違いに驚くことも多いでしょう。
中国の人と話をする時に文化大革命の時代の話をすることは注意が必要ですが正しく歴史を学んだ上で自分の意見を言えるようにしておく準備が必要です。
本書は実際に毛沢東の側近であった人が書かれた作品でその内容はかなり衝撃的なものも含まれています。
事実中国では発売禁止処分となっており 著者もアメリカで不審な死を遂げています。
どこまで事実かは分かりかねる部分もありますが一つの視点として毛沢東時代の混乱や多くの犠牲を出したという事実を理解するための本としてお勧めします。
③アフターデジタル
中国では日本よりもキャッシュレス決済やオンラインを活用したビジネスが盛んに行われています。
無人コンビニやオンラインスーパーなどはその代表ですが、これから日本でも導入されるような新しい取り組みが中国ではすでに社会で実装されているというのが現状です。
現在の中国人がどのようなライフスタイルを送っているかがよく描かれており、日本人にとっては驚くような部分も多いと思います。
今後はオフラインとオンラインを融合したような店舗や、オンラインを活用した新しい価値の創出等が中国から発信されていくと思われます。
その最新のトレンドを理解するためにもこの本はとても参考になります。
ここでまた少し余談!
下記記事では、中国語基礎単語の覚え方についてご紹介しています!単語学習は言語習得をする上で大きな壁となるので、攻略法を学んでいきましょう♪♪
まとめ
今回は中国を理解する為のおすすめ本を紹介しました。
語学を勉強したいと思っている人にとってこういった歴史や文化を学ぶ本は必要ないと思っている人もいるかもしれませんが、語学というのはあくまでもツールであり語学を学んだうえで、その国の人とビジネスを行なったり交流をしたりするということが本当の目的になってくると思うのでそのためにはその国のことを理解するということは必須の条件だと思います。
勉強の合間に息抜きとして読むのもいいですし、中国へ赴任が決まっているような人であれば赴任前に中国の概要や歴史を知っておくことは中国で仕事をするにあたってもとても重要なことになります。
中国について勉強をしているという姿勢は中国人と接する中で開いてもきっと理解してくれるはずですし、そのことが分かると相手も敬意を示してくれるはずです。
またこういった中国の歴史や文化を知ることでより中国語への興味が高まり、勉強の意欲にもつながっていきます。
日本でもたくさん中国の歴史や文化の書籍が発売していますので是非自分の興味に沿った内容の本を手に取ってみてください。