「パラフレーズを使っていけば語彙力があがる」
「パラフレーズを知っていると表現力があがる」
皆さんは英語を話すとき、または書くときにパラフレーズを意識していますか?もしくは使っていますか?
もしかしたら、パラフレーズって何だ?という人がいるかもしれません。なんとなくは知っているけれど使えていないかも、という人もいるでしょう。
しかし、英語学習をしている人がパラフレーズを知らない、または使っていないのであれば実にもったいないんです。
ということでパラフレーズ、気になってきませんか?
そこでこの記事ではパラフレーズをどう使うのか、使ってどんなメリットがあるのか例文とともに解説します。今日から、あなたが持つ英語の力をグッとあげていきましょう。
- 知らない言葉を他の言葉に置き換えてみる
- パラフレーズってどんなフレーズ?
- パラフレーズの正しい使い道3つ
- パラフレーズの正しい使い道は主に3つ
- パラフレーズを使うメリットは?
- 英語に必須パラフレーズまとめ
知らない言葉を他の言葉に置き換えてみる
英語を学ぶなかその難易度にかかわらず、自分が知らない単語やフレーズがでてきます。その度に辞書を使って調べ、また先に進むという繰り返しの練習が行なわれます。こういった作業は異なる言語を学ぶ過程でごく当たり前ですね。
これは、日本語を考えたときにも同じことが言えます。
普段関わりのない分野の知らない言葉をニュースなどで見聞きすることってありますよね。ネイティブジャパニーズスピーカーだって、日本語を100%知ってるとは限らないというわけです。
例えばそういった英会話のシーンでは、「Can you please say that in another way?/他の言い方で言ってくれませんか?」などとお願いするのもひとつの手です。
他の言葉/表現で言ってもらえたら、話し手の言おうとしていることを理解できるかもしれないからです。理解しようとするための積極的な行動とも言えます。
例えば、相手が「It’s crystal clear.」と言ったとします。ん?crystal clearとは?と思えば、上で述べたように違うフレーズで何と言ったのか聞くと、知らないことをそのままにせずに済む可能性があります。
相手が「OK, I said I understand it very clearly.」などと答えてくれれば、”水晶のようにはっきりする”というニュアンスのcrystal clearを使って「はっきりと理解したよ」と言っていたんだと理解し、その意味を知ることになります。
こうなると、面白い表現方法がもうひとつあなたの英語に追加になります。
ある言葉を違う言葉に置き換えてみる例を紹介しましたが、この「言い換え」がまさにパラフレーズ(paraphrase)です。
さらに詳しくみていきましょう。
パラフレーズってどんなフレーズ?
パラフレーズは「言い換え」だというイメージが掴めました。「同じ意味の言葉や文章を違う語句で言い換える」ことと言えます。この文章↑のなかでもパラフレーズがありますが、皆さんはお分かりですか?
「同じ意味の言葉や文章を違う語句で言い換える」という文章は、「同じ意味の言葉や文章を違う言葉や文章で言い換える」と書き換えることができます。しかし、言葉や文章→語句にすることで、同じ表現を繰り返して使うことを避けながらも同じ意味を持つ文章として成立させています。
では、英文でもみてみましょう。下線部分を確認してください。
私は新入社員に会計ソフトの使い方を指導し、また顧客管理ソフトについても説明した。
指導したことは会計ソフトの使い方と顧客管理ソフトの両方ですが、指導という言葉を繰り返し使わずに済んでいることが分かります。
さらに単純な例で言えば、英語ではMrs.○○ said…ときたら、その後の文章はMrs.○○とせず”She”を使いますね。
英語は同じ言葉/表現を繰り返し使うのを避ける言語という考えがあります。こういったことからも、英語は同じ言葉を繰り返して使わないためのパラフレーズが大切なことが分かります。
パラフレーズしていくことは、スピーキングやライティングでやたらと同じ表現を使うことを避けることができるのと同時に、関連した単語を増やしていけるので語彙数をあげていくことにつながります。
そして、もうひとつ抑えておきたいポイントがあります。それが、「パラフレーズで文章が表現力豊かになる」というものです。
「このラーメン、とっても美味しい」
「このラーメン最高!丸鶏・鶏ガラをミックスした出汁、さらに伯方の塩とイタリアの岩塩をブレンドしたこのスープ。絶妙な茹で加減の麺との相性バツグンで最後の一滴まで飲み干した!」
両文とも今食べたラーメンが美味しいことを表わす=同じ意味を持った文章です。では、どちらが詳しい情報で聞いた人が、お~それ食べたい!って思うでしょう。
美味しいときは余計なこと言わずに食べる!のにもうなづけますが、文章力・情報量ということでは後者に軍配が上がるのは明確ですね。私も日本の美味しいラーメンが食べたくなりました。これがパラフレーズするということなんです。
冒頭に戻ります。
「パラフレーズを使っていけば語彙力があがる」
「パラフレーズを知っていると表現力があがる」
この意味、もうお分かりになりましたね!
パラフレーズの正しい使い道3つ
パラフレーズはネイティブスピーカーの日常的な英会話でも自然に使われています。試験を考えてみても、元の文章をパラフレーズした質問が出題されますし、海外の大学への留学を目指すとき、エッセイや面接でもパラフレーズは必須です。paraphrasing Toolと言って、ネットで自分の書いた文章をパラフレーズするツールもあるくらいです。
ここで少し余談!
下記記事では、SNSやビジネスシーンで使われる便利な略語をご紹介しています!日常的に使えるフレーズもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
パラフレーズの正しい使い道は主に3つ
2. 文章や会話をより知的なものにする
3. きちんと理解していることを伝える
では、それぞれについて解説します。
パラフレーズってこんな感じなんだとイメージいただけるよう例文も紹介します。
1. 単語や表現を言い換える
ひとつ目は比較的簡単にできるパラフレーズです。同じ言葉を繰り返すことを避けたり、フレーズをずばり一言でシンプルに言ったり逆に長くすることができます。
<単語や表現を言い換える例>
→ I’m very delighted to know you passed the Cambridge university.
あなたがケンブリッジ大学に合格したと知ってとても嬉しい。
I’m interested in the life of different animals.
→ I’m interested in the life of various species.
私は様々な動物の生態について興味がある。
Can I please make a reservation for a room this Saturday?
→ Can I please book a room for this Saturday?
今週土曜に部屋を予約したいのですが。
He had a conversation with his boss regarding the project.
→ He talked with his boss about the project.
彼はそのプロジェクトについて上司と話し合いをした。
happyを言い換えのできる形容詞は他にもpleasedやgladなどがありますし、talkの代わりにchatもあり、いろいろパラフレーズできます。
2. 文章や会話をより知的なものにする
パラフレーズを使えば表現力があがりますが、知的なものにすることで相手へ良い印象を与えることができます。
<文章や会話をより知的なものにする例>
→ My sister became a mother.
”出産した”と直接的に言うよりも、”母になった”と言うほうが子どもを持った嬉しさが表現できています。
実際に起こった事象を一歩深く捉え表現できると素晴らしいですね。
Without the Internet, the way of living would be definitely different.
→ The Internet has changed how we live.
インターネット無しの生活は考えられない現代、前者はそのままを述べていますが、後者はパラフレーズをし、短かくもインパクトのあるものになっています。
There are so many things that happen in our life.
→ Life is a journey.
生きていれば人生には様々なことが起こるという文を、人生は旅であるとパラフレーズしています。なんとも知的かつ叙情的ですね。
3. きちんと理解していることを伝える
会話のなか、相手が言っていることをパラフレーズして発言します。すると、あなたは相手の発言をきちんと聞き理解していることを表わせ、相手は自分の発言がきちんと理解されていると思うことができます。
<きちんと理解していることを伝える例>
B: If he can send even a short message like “Morning!”, it would be nice, wouldn’t it?
A: You are right! Just a short one and I can feel better.
A: 彼は完璧なんだ。だけどコミュニケーションとかLINEのやりとりをあまりしてくれないんだよね。
B: 「おはよう!」の一言でも送ってくれたらいいのにね。
A: そうなのよ!短かいものでもね、そうしたら気分良くなるのになぁ
友達の彼への不満を理解し、こんなことしてくれたらというパラフレーズで返しています。パラフレーズされた友達は不満を理解してくれているを感じることができるのです。”持つべきものは友達”をパラフレーズがバックアップしています。
パラフレーズを使うメリットは?
ここまで、パラフレーズすることで語彙力や表現力があがるというメリットを紹介しました。加えて上で述べたパラフレーズの3つ使い道によって、・同じ単語や表現を繰り返して使わないで済む
・文章や会話をより知的なものにできる
・理解していることを伝えコミュニケーションを円滑にする
というメリットになります。
もうひとつ、パラフレーズを使うメリットをご紹介しましょう。
それが「英語脳」になるための訓練ができるというポイントです。英語脳とは、日本語に変換する作業をせずに、英語のまま理解することです。
いちいち日本語の表現を当てはめようとするとそこで思考がストップしてしまうことがあります。
しかし、パラフレーズで同じ言葉や表現を得ていくことは英語のまま理解することになります。英英辞書や類語辞典をどんどん使ったりして、日本語を介入させない癖をつけましょう。
それが英語脳になっていくための大きなメリットとなります。
ここでまた少し余談!
下記記事では、「ディクテーション」についてご紹介しています!皆さんの英語学習に役立つはずなので、ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
英語に必須パラフレーズまとめ
パラフレーズとは言い換えをすること、パラフレーズすることによってスピーキングやライティングに必要な語彙力や表現力をあげていくことができます。英語を英語で考える力を伸ばし、同じ言葉の繰り返しを避け、文章・会話を知的なものにし、相手とのコミュニケーションを円滑にする効果があります。
これほどたくさんのメリットがあるパラフレーズ、今までされてこなかった方はぜひ意識して英語学習を始めてみて下さい。
オンライン英会話の講師とゲーム感覚でどんどん言い換えの練習をするのも楽しそうですね!

イギリスであっという間に17年目、毎日英語を使って生活中。 外資系製薬会社勤務や各国への旅行で英語を使ってきたものの、南ロンドンでの生活は人生にもコミュニケーション力アップにも貴重な経験に。暮らしの英語はもちろん、イギリス人夫と運営する剣道道場のメンバー達とのやりとりをメインに、息子のUK大学受験サポート、日本文化を紹介する地元グループ代表として行政とのやりとりなど幅広く活動しています。言いたいことは表現すべきとする文化は性に合っているようでイギリス生活をハッピーにアクティブに送っています。英国代表ジュニアとして剣道をする息子の応援にヨーロッパ各国に飛ぶこともある、口だけ八段の道場おかみの夢は日本・イギリス完全2拠点生活。