英語学習を継続していると、様々な学習法を目にしますよね?
「ディクテーション」もその学習法のうちの1つです。多くの方がその効果を謳っているため、興味のある方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ディクテーションのやり方やメリット・デメリットなどについて紹介したいと思います。
- ディクテーションとは?
- ディクテーションのメリット・デメリット
- ディクテーションのコツ
- やり方
- 洋楽を使ってのディクテーションもあり
- 発音を学ぶことでリスニング力がアップする理由
- 「ディクテーション」って英語?
- まとめ
ディクテーションとは?
「ディクテーション」は、あらかじめ録音されている英文の音声を聞いて、聞こえてきた英文をそのまま書き取る学習法です。聞き取れるまで何回も繰り返し英文を聞きながら書き取ることで、英語に集中できる耳をつくり、結果的にリスニング力の向上を目指すことができます。
ディクテーションのメリット・デメリット
ここでは、ディクテーションを行うメリット・デメリットをいくつかまとめました。メリット
・同じ内容の英文を何回も繰り返し聞くことで発音の仕方がわかるようになり、結果的にリスニング力がアップする
・スマホに音声を入れておけば、いつでもどこでもディクテーションをする事が出来る
このように、ディクテーションをすることで聞き取れていないポイントがクリアになったり、同じ文章を繰り返し聞く反復練習ができるなどのメリットがあります。
デメリット
一方、ディクテーションのデメリットは以下です。・音声をしっかり聞く集中力が求められるので、リラックスしながらできない
・ディクテーションをしやすいちょうどいいレベル・スピードのものを見つけにくい
・難易度が高いので、初心者の方には難しい
このように、ディクテーションには「時間がかかる」「難しい」といったデメリットがあります。まずは、自分がディクテーションをすべきレベルなのかを判断することが大事です。
これらメリット・デメリットを頭に入れた上で、次にディクテーションのやり方を学んでいきましょう。
ディクテーションのコツ
ここからは、「ディクテーションに興味がある」「以前にディクテーションに挑戦したが、難しくて挫折してしまった」という方のために、ディクテーションの具体的なやり方やコツを説明していきます。ディクテーションのやり方
まず最初にディクテーションのやり方について説明します。ディクテーションでは前述した通り、聞こえてきた音声の文章をそのまま書き取ります。書き方としてはノートに手書きで書く・スマホやパソコンでタイピングする、のいずれかになりますが、どちらがよい悪いということはありません。ある程度音声のスピードについていく必要があるので、スムーズに速く書けるほうを選びましょう。
手書きのメリット
・書いた単語を「動詞」「形容詞」「名詞」「副詞」など、品詞ごとに違う色のペンで色付けしながら文章構造を学ぶことができる
手書きのデメリット
・人によってはスマホやパソコンでタイピングするよりも時間がかかる
スマホ・パソコンで書くメリット
・長文を書いても手が疲れにくい
・メモ帳などのアプリで、カテゴリーごとに分けてファイルとして保存する事が出来る
・スマホであれば通勤電車の中など、場所を選ばずにできる
スマホ・パソコンで書くデメリット
・目が疲れやすい
・音声を流しながらタイピングするので、バッテリーをある程度消費する
・間違って書いた文章を消してしまったり、ファイルが消えてしまうことがある
このように手書きとスマホやパソコンでのタイピングそれぞれにもメリット・デメリットがあります。実際にどちらの方法も試してみて、自分のやりやすい方法でディクテーションをしましょう。
次に、ディクテーションの具体的なやり方について紹介します。
やり方
➁1〜2文ごとに音声を一時停止しながら、聞こえた文章をノートに書くか、またはスマホやパソコンでタイピングして書く
➂ディクテーションで使用した教材の答えと書き取ったものを照らし合わせて、聞き取れなかった箇所を確認する
➃聞き取れなかった箇所を、「スピードが早くて聞き取れなかった」「単語が分からなかった」など、なぜ聞き取れなかったのか明確にした上で再度音声を聞いてみる
聞き取れたけれど難しいと感じた場所や、意味が分からなかった箇所に印を付けておくと、後で復習がしやすくなります。
また、何度聞いても聞き取れなかった部分は、ひとまずカタカナで聞こえたように記入しておきましょう。「なんて言っているんだろう」とばかり考えてしまうと先に進まなくなってしまうので、ある程度割り切ることも大事です。
聞き取れない箇所が多すぎる場合、教材が自分のレベルと合っていない可能性があります。その場合は、使っている教材よりももう少し下のレベルの教材を使ってるとよいでしょう。
洋楽を使ってのディクテーションもあり
音楽が好きな方には、洋楽のディクテーションもおすすめです。一般的なディクテーションとは異なりますが、好きな洋楽を聴きながらのほうが教科書やテキストなどの教材での学習よりも楽しく取り組めますよね!
ポイントとしては、何度も聞いている好きな曲で、且つクリアな発音で歌われている・テンポの速すぎない曲を選ぶこと。
好きでもなく、馴染みのない曲を聞いても楽しく取り組むことはできません。
ヒップホップのような速口な曲だと、書き取る間もなくどんどん先に進んでしまいます。一小節に単語が沢山詰まっていないものや、バラードのようなゆっくりとした曲調のものを選びましょう。
また、ディクテーションができたら、その曲を歌えるようになるまで練習するのもおすすめです。
せっかく発音の仕方がわかったのであれば、その通りに発音する練習をすることでさらに音を認識できるようになり、結果的に高いリスニング力を手に入れることができますよ。
ここで少し余談!
皆さん、「リエゾン」をご存知ですか?皆さんの発音上達に必ず役立つので、ぜひ下記記事を参考にしてみて下さい♪♪
発音を学ぶことでリスニング力がアップする理由
「英語の発音を勉強って必要なの?」と思われている方もいいると思いますが、実はリスニング力の向上に大きく影響してきます。まず、日本語と英語では2つの異なる性質があります。
性質の違い➀ 母音の数が違う
日本語は、「あ」「い」「う」「え」「お」の5つの母音が存在しています。それに対し、英語には26もの母音があります。つまり、日本語よりも英語は「音」のバリエーションが多いのです。性質の違い② 英語では音が変化したり、省略されたりする
英語では文字の並びによって音が変わったり、省略されたりします。なぜそのようなことが起きるのかは、「リエゾン・リンキング」と「リダクション」というものが関係しています。リエゾン・リンキング
リエゾン・リンキングは、単語と単語が繋がって、その繋がる部分が1つの音のように発音されたり、変化したりして発音されることです。子音で終わる単語と母音で始まる単語が続く場合、前後の子音と母音の音が繋がります。それぞれ日本語だと「シャットアップ」、「チェック イット アウト」と発音しますが、英語だと子音と母音がくっ付いた発音になるので、「シャダップ」「チェケダウ」のような発音になります。
リダクション
リダクションは、音が脱落したり弱くなって発音されることです。リダクションされる音として、「d」「t」「g」で終わる単語や、「h」「and」「to」などがあります。こちらもいくつか例文で見てみましょう。
日本語だと、「グッドモーニング」と「ユーアンドミー」と発音しますが、英語だと音が脱落したり弱化するため、「グッモーニン」と「ユーエンミー」のような発音になります。
この他にも、「t」が「ラ行」の音に聞こえる「フラッピング」などもあります。このような日本語にはない英語独特の発音が、日本人にとって英語の聞き取りが難しく感じる原因の1つとなっています。
ディクテーションをすることで、英語の発音の仕方や、音の違い・変化などがわかるようになります。英語の音をより認識できるようになるため、結果的にリスニング力向上に繋がります。
「ディクテーション」って英語?
ディクテーションは英語で「dictation(名詞)」。「書き取り」「口述」「命令」という意味があります。また、動詞は「dictate」で、「書き取らせる」「命令する」という意味になります。英語のニュース記事によく出てくる「dictator(独裁者)」「dictatorship(独裁)」も覚えておくとよいでしょう。命令のニュアンスが強い単語なので覚えやすいですよね。
なお、Google検索でディクテーションのやり方を英語で説明している文章を見つけたのでシェアします。読んで理解できるか試してみてくださいね!
2. Choose a short segment of that – maybe one scene from a TV drama or even a short, 30-second monologue. (Obviously without subtitles!)
3. Your mission: write down on paper every single word that is said.
(How To Use Dictation To Understand Native Speakersより英文引用)
ここでまた少し余談!
下記記事では、英語学習に「音読」が効果的なのかという事を解説しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
では、今回の記事のまとめです!ディクテーションをすることで、
・発音の法則がわかるようになるので、結果的にリスニング力も向上する
いかがだったでしょうか?「ディクテーションとはなにか?」や、ディクテーションのメリットとデメリット、コツなどが分かったと思います。
ディクテーションを始める際には、今回紹介したメリット・デメリット、やり方などを参考にし、自分に合ったレベルの教材や曲でトライしてみてくださいね!

◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!