リエゾンの王道パータン 発音トレーニングを取り入れよう!

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「ドラマの英語が早くて聞き取れない!でも、スクリプトを見るとカンタンな中学英語レベルだった!!」
「想像している発音とネイティブスピーカーの発音とギャップあって、知っている単語ですら聞き取れない!!」

英語学習者であればこんな経験をしたことがあるはずです。TOEICでもソコソコの点数にも関わらず、ネイティブスピーカーの発音を聞き取れないことは珍しいことではありません。

その原因の一つが「リエゾン」

英語は会話のフレーズになると必ずしも発音記号どおりに発音されません。ネイティブスピーカーが発音しやすいように音が連結するのです。これが私たちにとってネイティブスピーカーの発音が早く聞こえる原因の一つ。

最も身近な例は”Thank you”です。

みなさんは「サンク・ユー」と発音しないで、「サンキュー」と発音しますよね。 “k”と”you”が繋がっていいます。
”want you”なともそうですが、”you”が続くものは繋がることが多いですよね。

この現象をリエゾンといいます。

リエゾンの語源はフランス語ですが、リンキング(連結すること)とも呼ばれます。ほとんど同じ意味ですので、この記事ではリエゾンで統一したいと思います。

筆者は日々アメリカ発音をトレーニングしており、リエゾンの具体的な事例や学習方法を紹介していきます。

リエゾンを学ぶメリットは?

まずはリエゾンを学ぶメリットについて考えてみたいと思います。発音を学ぶメリットと重複するところがありますが、まとめてみました。

英語らしいリズムで話せる、伝わりやすくなる

別の表現をすると、脱カタカナ発音できるということです。
そもそも、日本語にリエゾンはないので音がドン・ドンと途切れるようなイメージです。



日本語:■ ■ ■ ■ ■ ■(音が途切れ、ほぼ一定のリズム)

それに対して英語はリエゾンすることが多いので、途切れのない波を打つようなイメージです。

英語 :〰〰〰〰〰(音は途切れず、強弱・長短・高低の波がある)

このように日本語と英語のリズムが根本的に違うということを理解すると、カタカナ発音を脱却するという意義があります。

私たちがネイティブスピーカーの途切れないマシンガントークが聞き取れないように、ネイティブスピーカーは私たちのドン・ドン・というリズムは違和感があるのです。

この英語らしいリズムを身につけることによって、相手に聞き返されたりすることが減ります。

筆者の経験では、相手に怪訝な顔で”Sorry? Could you say it again?”と聞き返されると、気持ち的にシンドイですよね。自信もなくしてしまいます。

リスニング力がアップする

リエゾンを学習して英語らしいリズムを身につけると、相手の発音を聞き取ることができるようになります。

「あ、ココは音がつながってるから、こんな発音に変化してるな!」と分かるようになるのです。

・自分が発音できないものは聞き取れない
・自分が発音できるものは聞き取れる

つまり、現場のリスニング力がアップするということです。

現場ではTOEICのリスニングのようにキレイに分かりやすく話されることはないので、TOEICのスコアと実践的な英語力が必ずしも比例しないのはこのためです。

YouTubeでネイティブスピーカーの発音を聞いて字幕を表示したとき、自分の想定と一致していた(シッカリ聞き取れていた)とき、とても自信につながります。

英語学習においてモチベーションは大事と言われますが、それを支えるのは「言えた、聞けた」という自信だと思います。

ネイティブスピーカーにはなれない

よく、「ネイティブスピーカーのマネしてカッコつけなくても、カタカナ発音でも通じればOKだよ!」と言われますが、それも一理あります。

わたしたちがどんなに努力してもネイティブスピーカーにはなれません。必ず日本語アクセントは残ります。インド、チャイニーズ、シンガポールそれぞれアクセントはあるので、それは気にする必要はないと思います。

しかし、相手が聞き取れる一定のレベルや、相手に負担をかけない英語らしいリズムは身につけておくべきかなと思います。もう少し深堀りをしていくと、「音から学ぶ」ということは合理的なのです。

わたしたちも日本語を身につけるとき、最初に読み書きをしましたか?ということです。最初は周りの家族の音を聞いて身につけたはずです。発音(リエゾンも含む)をシッカリ学ぶということは、英語学習全般をブーストさせると思っても過言ではないと思います。

筆者が発音を重要視している理由は、「カッコよく話して良く見られたい」というのもありますが、それが英語学習を進める上で合理的だからです。

リエゾンの具体例

それでは、リエゾンの王道3パターンについて紹介します。

子音+母音のパターン

単語の最後が子音+次につ続く単語の最初が母音のパターンです。これが最も分かりやすく実践しやすいと思います。

カッコ内は発音記号ではなく、発音がイメージしやすいようにアルファベット化しています。

・check out (chekaut:チェケアウト)
・this is (thisiz:ディスィーズ)
・I did it! (I didit!:アイ ディディット)
・look into (lookinto:ルッキィントゥー)
・talk about (Talkabaut:トーカバウト)

子音+子音のパターン

単語の最後が子音+次に続く単語の最初も子音のパターン。

発音するときに口のポジションが似ているときに発生することが多いです。

同じポジションを2回も繰り返すのが面倒なので、語尾の子音を発音しなくなります。このようにリエゾンは何か手順書があるわけではなく、ネイティブスピーカーたちが発音しやすいように合理的に自然と成り立ったものなのです。

・get to(getoo:ゲットゥー)
・good day (gooday:グッディ)
・next station (nexstation:ネクステーション)

母音+母音のパターン

単語の最後が母音+次に続く単語も母音の場合です。

この場合は、つなぎ目に”w”や”y”の音が紛れ込みます。スペルでは表記されないのですが、スムーズに発音するための役割を果たします。

・Let's go out (Let’s gowaut:レッツゴゥーアウト)
・go ahaead (gowahead:ゴゥーアヘッド)
・I am (Aiyam:アイャム)

リエゾン以外の音の変化

実は英語発音にはリエゾン以外にもあります。パターンが多く、変化するときもあれば、しないときもあります。

全てを網羅することは難しいですがほんの一部を紹介しますね。

音の脱落(リダクション)

スペルでは確かに書かれているのに、ほとんど聞こえないくらい発音されないことが多々あります。



・can’t(キャァーン)
最後の”t”(トゥ)はほとんど聞こえません。これは「ストップT」と呼ばれ、喉で飲み込むように止める一瞬の間です。本人は言っているつもりでも、相手には聞こえません。

では、”can”との区別はどうしたらいいのでしょう?全く別の意味ですよね?

“can”の場合は(キャン、クン)のように否定の”can’t”よりも弱く短く発音し、イントネーションを下げます。この聞き分けは非常に難しいので、このためだけの訓練が必要ですが、”can’t”の(トゥ)はほとんど発音されないと覚えておきましょう。

・swimming(スウィミン)
最後の”ng”はほとんど聞こえないくらいになります。

この他にも脱落(リダクション)の例はたくさんあります。

音のフラッピング

カンタンに言うと”t”の発音が弱い”d”のように聞こえることを言います。比較的馴染みのある音だと思います。

・party(パーディー)
・better (ベダー)
・watter (ウァーダー)


ここで少し余談!

下記記事では、英語のスピーキング力を向上させる方法をご紹介しています!ぜひ英語学習の参考にしてみて下さい♪♪

nativecamp.net


学習方法

ではリエゾンを始めとする英語発音を学ぶにはどうしたらいいのでしょう?

何からやっていけば良いのでしょうか?

発音記号を学ぶ

中学高校時代に使っていた辞書に発音記号が書いてありましたよね?アレです・・・。アレを今さら勉強するの!?と思いかもしれませんが、発音記号を侮ってはいけません。

リエゾンする前の音も理解することは必要です。そうでないと変化が分かりません。とは言え、発音記号の種類も膨大なので分かりにくい発音記号記号をおさえておけばOKでしょう。

オススメ教材としてコスパがいいのは、実はYouTubeです。発音記号について解説したチャンネルはたくさんあるのでチェックしてみましょう。

フォニックスを学ぶ

一言でいうと「アルファベット」が「単語(スペル)として使われたとき、どう発音するのか」という基本中の基本です。

例えば”book”は”ビィーオーオーケー”と言わず、”ブック”と発音しますよね。

“b”の音は、”o”の音は、”k”の音は、と一つ一つのアルファベットが持っている音をフォニックスといいます。ネイティブスピーカーの子どもたちはフォニックスから学ぶそうです。フォニックスを理解することでアルファベットと発音の関係が分かってきます。フォニックスも同じようにYou Tubeにたくさん教材があります。

ここで、発音記号とフォニックスどちらを優先するという話もよくあるのですが、諸説あります。

ネイティブスピーカーは発音記号を知らないですし、フォニックスには例外もあったりします。筆者はまずは馴染みのある発音記号から勉強し、分かりにくい部分はフォニックスで補いました。

ひたすら練習する

発音記号やフォニックスの基本的なことを一通りやったら、実際に発音練習をひたすら繰り返します。

Netflixなどでネイティブスピーカーの発音を練習することが楽しく出来ますが、スクリプトがきちんとあることが前提です。スペルと実際の音がどう変わっているのかを確認するためです。

さらに解説もあった方が分かりやすいので、やはりオススメはYouTubeです。発音に特化したチャンネルでは映画やドラマをワンシーンを取り上げたものを教材としています。

オンライ英会話では学習した英語の発音を講師に個別にチェックしもらう場として活用するのが良いでしょう。


ここでまた少し余談!

皆さんの生活に欠かせないものになってきているSNS。毎日使っているSNSを使って英語学習が出来るとしたらすごいことじゃないですか!?下記記事でその方法をご紹介しています♪♪

nativecamp.net


まとめ

いかがでしたでしょうか。

リエゾンを含む発音のトレーニングは義務教育では重要視されませんし、TOEICなどの資格勉強でもカバーできません。

ですが、実践の英語ではスピーキング、リスニングで重要な役割を果たします。今後の英語学習をブーストさせるためにも今スグ発音トレーニングを取り入れましょう!