- 最初に学ばないといけないこと
- 会話や文法を学ぶ前に発音から学習しよう
- 漢字1つが1音節
- 音節=(声母)+(韻母)
- 母音の種類
- 複合母音
- 母音の音の出し方、舌面や舌先の位置と形
- 歯を使って舌を立てる
- 母音と声調
- 声調記号の勉強法―四声の声調パターンを組み合わせた練習で四声を克服―
- 声調変化とは
- 中国語の舌音
- まとめ
最初に学ばないといけないこと
外国語を学ぶためにまず何をしないといけないでしょうか。多くの人がまず考えることは聞くことと話すことではないでしょうか。
つまり外国語を聞き取れて理解し、相手に通じる発音でセンテンスを話せるということでしょう。
コミュニケーションでチャットなどのツールが増えてきていても、面と向かって話をするという機会もあるかもしれません。
中国語の場合、日本人は中国語の漢字をある程度理解できるので、文法を一通り学べば文章の大筋についていける場合も少なくありません。
もしビジネスで単に文章から読解する力だけが求められているのなら特別、発音を勉強する必要はないかもしれません。
それでも出張先で交渉したり、会話をして仲良くなって取引をスムーズに行うようになるためにはやはり会話力が必要なのです。
会話力を鍛えるためには、やはりその言葉の基になっている発音、特に子音や母音を勉強しなければなりません。どうしてでしょうか。
会話や文法を学ぶ前に発音から学習しよう
会話力と一言で言っても、いろんな要素が関わっています。
相手の理解できる言葉の並び(つまり文法)で、相手の分かる発音を使い、覚えている単語を駆使して話さなければならないのです。
文法ができても発音がおかしければ相手は理解できず、発音が良くても言葉の並びがめちゃくちゃであればそれも理解しづらいと言えます。ですから文法や発音は初期の段階から学ばなければなりません。
人は集中して学ばないとなかなか身につかないことがよくあります。
マルチタスクに向いていないと感じる人もおられることでしょう。そこで、積極的に中国語を発音して口を動かし、口の筋肉をよく使うことに集中してみるのはどうでしょうか。
中国語の発音に慣れるようにするには根気と時間がかかるものです。その為、最初は発音、とくに母音と子音の発音の仕方をしっかり学ぶようにしましょう。
しかし、先に挙げたように文法も欠かせません。ですから順番というよりも時間配分が重要なのです。
もし一時間しか毎日時間が取れないのであれば、発音につかう時間を45分ぐらいとし、文法を残りの15分で勉強するというスタンスでもいいでしょう。
そうすることで、発音をしっかり身につける時間を取りながら文法にもしっかりと注意を向けることができます。
漢字1つが1音節
では具体的に発音はどうやって始めればいいのでしょうか。
まずは発音の基である音の作りを学ぶ必要があります。
日本語の音は一つの平仮名が一つの音だと言えるでしょう。もちろん、ちゃ、ちゅ、ちょ、などの拗音は平仮名が2つですが、一つの音として考えます。
では中国語はどうでしょうか。中国語は漢字一つが一つの音。つまり1音節なのです。
日本人が最初に口に出して勉強する、ニーハオも、日本語では4音節かもしれませんが、中国語では你好(ni hao)であって、2音節ということになります。
音節=(声母)+(韻母)
では音節の中はどうなっているのでしょうか。
これは日本語でいうと子音と母音のような構造をしています。
もし日本語で柿と発音すると、ka kiとなり、kaは子音のkと母音のaからなっていることが分かります。
中国語では子音を声母と言い、母音を韻母と言います。
この子音はいろいろあるのですが、それほど多くはありません。ざっと見て21種類あります。では母音はどうなのでしょうか。
日本語ではa i u e oの5種類しかありませんが、中国語は何と36種類もあるのです。子音よりも数が多いと言えるでしょう。
でもどうしてこんなに数が多いのでしょうか。
それは日本語のように母音一つという概念ではなく、一つの母音を組み合わせた母音が存在するからなのです。
母音の種類
まず母音には単母音があります。それはa、i、u、o、e、er、üという母音です。
この母音だけ見るとそんなに数が多いとは言えないでしょう。
でもこの母音を使った複合母音がたくさんあるので、単母音をきちんと発音できるかどうかは中国語の発音でとても大事なのです。
特に日本人が苦手としている母音はi u e üと言えるかもしれません。
口の中の奥を使って発音する部分は特に日本人が苦手としています。なぜならもともとそのような発音は日本語にはないからです。
複合母音
複合母音とは単母音を組み合わせた母音のことです。
中国語には2つ組み合わせた二重母音と、3つ組み合わせた三重母音があります。
例を上げると、二重母音は、ai、ei 、ao、 ou、などがあります。
三重母音はiao、 iou、 uai、 uei などがあります。
ここですべてを取り上げて説明するとしたらかなりの時間とページ数がかかるので割愛したいと思います。
今回は特に日本人が発音として難しく感じる音、i u üに注目したいと思います。
母音の音の出し方、舌面や舌先の位置と形
母音を発音するには口の大きさや口の形なども関係はあるかもしれませんが、日本人が意識してほしい部分はその母音が口の中のどこで響いているかということです。
ネイティブの母音の発音などを聞いても分かるように、どことなく口の後ろまたは前で聞こえているような音があると気づかれる方もおられることでしょう。
そのような人は割と音感がいいのかもしれません。発音するときは特にそのことに注意して発音してみて下さい。
苦手とする人が多い、uの音ですが、これは特に口内の奥から発せられる音です。
咽頭という上下に伸びた管のような喉の上のあたりから音が響いているように聞こえるはずです。
発音のコツですが、舌はその咽頭の上部に向けて舌を少し引くようにして発音すればuの音を出しやすいでしょう。
この音は舌先とは関係ありません。発音の際は口の中のどこを使うのかを理解して発音するのが上達ポイントの一つなのです。
歯を使って舌を立てる
母音のiの発音のポイントは舌先の角度です。
舌先を持ち上げて水平に伸ばせば日本語の「え」の音に近くなり逆に垂直に立てるならばiの音になります。
立てるポイントですが、下の前歯の裏に押し当てて立てるとやりやすいかもしれません。
どちらにしても日本語の「い」の音は舌先より奥が響くので中国語のiとは異なる点に注意して下さい。
ちょっと違っていても分かればいいんじゃないという疑問が湧いてくることもあるでしょう。
最初のうちは少しぐらい違っていてもしょうがないと思うのも無理はありません。
外国人が地元に人の発音を完璧に真似ることは困難なことだからです。
それでも特にiとuの発音の仕方には注意して下さい。
この音こそ日本人が特に苦手とするüの音の成分だからです。
üの音はuとiの2つを組み合わせた音なので、単純に口笛を吹くような口で発音すればいいというものではないのです。
口笛を吹くような口に見えるのは、口の中がiとuの音で発音されるからです。
舌先が響いている感覚と、喉の上のあたりが響いている感覚があれば習得はもう間近です。
どちらの音が欠けてもいけません。両方の響きがあってはじめてüの音を出すことができます。
ここで少し余談!
下記記事では、言語学習の大きな壁の一つ「モチベーション」の乗り越え方をご紹介しています!勉強がなかなか捗らない方はぜひ参考にしてみてください♪♪
母音と声調
母音をマスターしたら今度は声調です。
つまり音の高低をつけたり、音を舌から上に上げたり、上から下に下ろしたりする声調を学習しなければなりません。
中国語は四声が重要と言われているように、声調のパターンは4パターンあります。
そして、声調の違いで意味も違ってきます。典型的な例として、maを高く平らに伸ばすと、お母さん、もし低い状態をキープすると、馬、というように意味も違います。
発音には母音と子音、そして声調があり、その組み合わせを考えると実にたくさんの音があると分かるでしょう。ではどうしたら母音と声調を両方トレーニングできるのでしょうか。
声調記号の勉強法―四声の声調パターンを組み合わせた練習で四声を克服―
先ほど少し触れたように、声調は主に4パターン、つまり①高く平らに伸ばす②低く発音する③下から上に上げる④上から下に下ろす、この4パターンがあります。
こうしたパターンを組み合わせて中国人は発音するのです。
もっと細かいことを言うと、軽声という、低く軽く発音するものもあるのですが、そこは置いておいて、まず四声をマスターする方法を紹介しましょう。
声調が4パターンということと、単語が主に2つの漢字からなることが多いことを考えて、2つの声調を組み合わせたパターンを作ってみるのはどうでしょうか。
例えば一声+一声、一声+二声、一声+三声、一声+四声というパターン、二声+一声、二声+二声…とうようにパターンを作ります。
それに子音+母音を当てはめて発音するなら、発音と声調の両方が練習でき、習得しやすいはずです。
声調変化とは
声調変化とは例えば第三声+第三声のように、低い音が2つ重なると最初の第三声が第二声に変わるというものです。
三声の他に限られた単語に声調変化が見られます。
例えばよく使う「不」という漢字です。
もともとは第四声なのですが、後ろに同じ四声(例えば「是」)があると第二声に変化します。
変化するものは限られるので、教科書などで出てきたときにしっかり発音練習をして口に覚え込ませておいて下さい。
中国語の舌音
日本語の場合は母音の発音は普通どの子音がきても音が保たれます。簡単に言うと母音の発音の仕方は一定で変わりません。
しかし中国語の場合は子音によって母音の音がよく変わります。
この変化を理解しきちんと発音できることも上達ポイントの一つです。
例えば、舌歯音(zi 、ci 、si)があります。
ローマ字表記だけ見ると、母音はiという音なのですが、z c sという子音の特徴の影響で、舌の先端に音が集中します。
ですから舌先を曲げるということではなく、舌の先端を響かせるコツを掴むなら舌歯音も楽に習得できるでしょう。
ここでまた少し余談!
下記記事では、中国語学習に音楽を聴くことは有効なのか!?という内容について詳しく解説しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
発音良ければ半ば良しとはよく言ったものです。
中国語の発音は上に上げたものに加え
舌面音(ji、qi、xi)
舌根音(ge、ke、ne)
そり舌音(zhi、chi、shi、ri)
鼻音のnやng、唇音(bo、po、mo、fo)
大変かもしれませんが、まず母音をしっかりと練習するようにしてみてください。
子音の発音方法は決まっていて、あまり複雑ではないのですが、母音の発音は複雑で種類が多いため中級の人でも苦労している人が多いと言われています。
ですから特に苦手とする母音をしっかり身につけて発音をマスターするならこれからの勉強も随分楽になることでしょう。
中国語講師として様々な方に基礎から指導してきました。 文法解説や発音指導、フレキシブルなレッスン時間の点で、よい評判もいただいております。 中国語能力を測る資格試験、HSKの最上位6級にも合格しています。(中国語の新聞、ドラマを見たり聞いて理解可能なレベル) もし中国語にご関心があればスカイプ及びLINEより中国語を教えることができます。(30分:500円から) ご連絡は下記のブログからお待ちしております。 https://chinesekun.hatenablog.com/