韓国語を勉強していてもモチベーションがキープできずに勉強が続かない、勉強していて自分の韓国語能力がついているのか良く分からないということはないでしょうか。
韓国語の勉強は、学校のように定期的に試験があるわけでもなく、また、受験勉強のようにやらなければならないわけでもありません。
そのため、何を目標に勉強すれば良いのか分からなかったり、モチベーションのキープが簡単ではなかったりします。
そんな場合は、韓国語の試験を受けてみることをおススメします。
韓国語の試験として、ハングル能力検定と韓国語能力試験(TOPIK)があります。
これらの試験の合格を目標に勉強を続けることで、韓国語の勉強のモチベーションのキープや自分の韓国語の習熟度を知ることができます。
これらの試験は、レベルが細かく設定されているので、自分の実力を考慮した上で目標を設定し、受験することができます。
今回の記事では、韓国語の試験のうち韓国語能力試験(TOPIK)について書いていきます。
韓国語能力試験(TOPIK)とは?
まず初めに、韓国語能力試験(TOPIK)についてご紹介します。
韓国語能力試験(TOPIK)とは、韓国の教育部と国立国際教育院が主催している韓国語を母語としない外国人や在外韓国人を対象にした韓国語の試験です。
レベルは1級から6級まであります。
TOPIKⅠとⅡに分けられ、TOPIKⅠが1級と2級で初級、TOPIKⅡが3級から6級で中級と上級レベルに対応しています。
ハングル検定は日本国内向けなのに対し、韓国語能力試験(TOPIK)は世界各国で実施される国際的に通用する韓国語の試験です。
韓国語能力試験(TOPIK)の出題内容
まず、問題の指示は全て韓国語で書かれています。
初級レベルだと、指示を理解できないのではないかと不安に思うかもしれません。
ですが、試験勉強をする時に問題集を使って勉強をすれば、どのような出題がされるか分かるので理解ができなくても大丈夫です。
出題内容は
「聞き取り」
「書き取り」
「読解」
の3つのパートで構成されていますが、「書き取り」はTOPIKⅡのみ出題されます。
各パートは100点満点で、総合得点により合格する級が決まります。
つまり、各パートで最低でも何点取らなければ総合点が合格基準に達していても不合格、ということはありません。
仮に苦手なパートで点が取れなくても、得意なパートで点が取れ、合格基準に達すれば合格になります。
韓国語能力試験(TOPIK)の攻略のポイント
韓国語能力試験(TOPIK)の特徴として、問題数が多いことが挙げられます。
決められた時間内に多くの問題を解く必要があるため、なるべく一問に時間を掛けずに正確に答えられるかが合格のカギになります。
攻略のポイントは、現状の実力、試験までの時間、試験勉強に費やせる時間によりますが、すべてのパートを万遍なくやろうとせず目標を設定し、目標達成に必要なことから優先して勉強すると良いです。
例えば、書き取りが苦手でそこで点数を取るのが難しい場合、そこで点数を取ろうとせず点が取れそうなパートで点を取ることを目標にして集中的に勉強するといった方法も有効です。
韓国語能力試験(TOPIK)の勉強手順
韓国語能力試験(TOPIK)の試験対策は、何となく勉強を始めてしまっては効果的な試験対策はできません。
試験対策を始める前にまずすべきことがあります。
ここからまずは、韓国語能力試験(TOPIK)の全体的な勉強手順から説明します。
1.問題集を使い問題を解いてみて今の実力を知る
まずは、今の実力を確認することから始めましょう。
今の実力が分からないと、効果的な試験対策をすることができません。
試験対策を始める前にまずは、過去問を実戦形式で解いてみます。
実際の問題を解いてみることで、どのくらいの点数が取れるのか、得意と苦手を把握します。
また、いくつかの過去問を解いてみて、平均してどのくらいの点数が取れるかを把握します。
これを基に、次は戦略を決めます。
2.戦略を決める
次に、過去問を実戦形式で解いて分かった今の実力を基に戦略を決めます。
試験対策は、多くの場合、試験の数カ月前から始めると思います。
また、試験対策に充てられる時間も人によっては限られることもあると思います。
そのため、すべてを万遍なくやろうとするのではなく、それらを考えて戦略を決めて下さい。
全てを万遍なくやろうとすると、結局すべてが半端になり全体として点が取れないことになりかねません。
具体的には、得意なパートで点を取る戦略を取るか、苦手なパートを攻略する戦略を取るかです。
場合により、得意なパートで上げ幅がなく苦手なパートを攻略する戦略を取らざるを得ないこともあります。
そして、戦略を決めると同時に、何級を目標とするかも決めましょう。
3.戦略に沿って試験対策をする
既に書いた通り、万遍なくすべてのパートで点を取ろうとするとすべてが半端になる恐れがあります。
そのため、自分で決めた戦略に沿って、重点的に勉強すべきことを中心に試験対策をするようにしましょう。
試験対策は過去問を使って問題を解き、試験に慣れることが大事です。
問題は一度やったら終わりではなく、時間をおいて何度も復習してやるようにしましょう。
ここで少し余談!
下記記事では、「慣用句」から学ぶ韓国語をご紹介しています!ぜひ韓国語学習の参考にしてみて下さい♪♪
各パートごとの勉強法
初めて受験する場合、韓国語能力試験(TOPIK)のホームページなどからまずは受験の概要を確認しましょう。出題内容、出題形式、各パートの時間配分などの試験に関する基本的な情報を確認してください。
一例を挙げると、読解であれば穴埋め問題、正しい答えをひとつ選ぶ、並び換えなどいくつかの形式の問題が出題されます。
ここからは、「聞き取り」、「書き取り」、「読解」のそれぞれのパートごとの概要と勉強法について書いていきます。
聞き取り
聞き取りは、放送される音声を聞いて解答をする形式で進められます。
そのため、自分のペースで進めると言うより、問題のペースについて行って解答をしていくことになります。
聞き取り攻略のポイントは、出題のペースに遅れを取らずに先手先手で進められるかどうかです。
聞き取りだからと言って、聞いてから考えて答えるでは後手後手になってしまい、問題のペースについていけなくなります。
こうならないためには、問題が放送されてそれを聞いてから、絵や解答の選択肢を見て考えるのではなく、放送される前に必ずそれらをまず見ておくことです。
先に絵や選択肢を見ておくことで、どのような問題が出て来そうかを予測できるので解答もしやすくなります。
書き取り
作文でまず重要なことは、単語の綴りや文法を間違えずに書けるかです。
いくら文字数を満たせて書けても、単語の綴りや文法の間違いがあると減点されてしまいます。
韓国語能力試験(TOPIK)の作文は、文を書くと言う意味では作文ですが、種類としては小論文です。
そのため、導入、展開、結論のようにきちんとした構成で書く必要があります。
中作文と長作文は、まず、模範解答を見ながら真似して書いて、解説を見て分析してみてください。
これをすることで、原稿用紙の使い方、文章の構成、接続詞の使い方、定型表現などを学べます。
その後、自分で書く場合、出題のテーマに沿ってどういう構成でどんなキーワードや文法を使うか簡単なメモをし、それを基に書きます。
また、TOPIK作文は独学で文を書くことはできても、書いた文の添削を自分でするのは難しいです。
そのため、知り合いや友達に韓国人がいればチェックしてもらったり、添削サービスを利用することも検討してみてください。
読解
まず、大前提をして、読解は問題の文章を理解することが目的ではなく問題の文章を理解した上で適切な答えを選ぶことが目的です。
この大前提を理解していないと、試験対策を間違います。
つまり、問題文を丁寧に翻訳する必要はありません。
大事なことは、ひとつひとつを正確に訳せるかではなく、文章をなるべく時間を掛けずに正確に理解し、正しい答えを選ぶことができるかどうかです。
決められた時間で大量の文章を読み解答しなければいけない韓国語能力試験(TOPIK)の読解では、単語ごとの意味を取って翻訳していくような読み方に慣れてしまうと時間が掛かってしまい、むしろ不利になります。
素早く文章を読み、正しい解答を導き出せるようになることが大事です。
具体的な勉強法ですが、まずは早く読めるようになる練習をすることです。
過去問を使って、出題されている文章ひとつを読むのにどれくらいの時間がかかるか計ってみます。
そして、その時間を基準に少しずつ短い時間で読めるように練習してください。
問題文を読む前に回答の選択肢を見てどんな内容か予測し、ポイントとなる箇所だけきちんと理解する、大意を理解する読み方をできるように練習してください。
また実際の試験では、分からない単語が出て来る可能性は高いです。
必ずと言って良いほど、分からない単語は文章の中に出てきます。
そのため、すべてを分かろうとするのではなく、分からないことは出て来る前提で勉強しましょう。
具体的には、文章で分からない単語が出て来ても文の前後関係から予測をする、どうしても分からない場合はその状態で一旦文章を読み解答してください。
分からない単語を調べることは実際の試験ではできないことですから、それをすると実践に即した勉強になりません。
分からないなりに問題を解いてみて、その後に調べて覚えるようにしてみてください。
ここでまた少し余談!
下記記事では、韓国語の語尾についてご説明しています!韓国語の語尾バリエーションを増やして表現力を豊かにしていきましょう♪♪
まとめ
ここまで、韓国語能力試験(TOPIK)について説明してきました。
韓国語能力試験(TOPIK)の試験対策は、勉強を始める前にまずは過去問を実戦形式でやってみて現状の実力把握をします。
そして、戦略を決め、それらを基に試験までの時間も考慮し計画的に勉強を進めていくことが、無駄のない効率的な勉強をするために必要です。
あれこれと多くの教材をやるのではなく、同じ問題を実戦形式で繰り返し解いてみてください。
そして、早く正確に解くことを常に念頭に置きましょう。

◇経歴
日本、韓国の企業で通訳・翻訳、アシスタントとして勤務
日本にて韓国語講師として5年勤務
フィリピンにてフリーの通訳として英語、韓国語、日本語の3言語の通訳を担当
◇資格
韓国語能力試験(TOPIK)6級
延世大学校韓国語教員養成課程修了
◇海外渡航経験
ワーキングホリデーにてソウルの企業数社で通訳・翻訳、セールス、マーケティングを担当
韓国語習得のための留学5回(一般韓国語、ビジネス韓国語)
延世大学校にて韓国人と共に韓国語教育について学ぶ
◇自己紹介
韓国語学習コンサルタント
韓国語講師
講座構築コンサルタント
オンラインで韓国語学習に悩みを持つ学習者の問題解決をする韓国語学習コンサルタント、韓国語講師として韓国語習得に成功する学習法や練習法も指導しています。
また、英語と韓国語習得に成功した経験とカリキュラム構築、教材作成の経験を活かし講座構築の方法をあらゆるジャンルのプロに指導するコンサルタントとしても活動しています。
海外就職でフィリピンのセブに移住して5年半在住、現在はタイのチェンマイに住んでいます。
外国語に興味があり、英語、韓国語(ビジネスレベル)、中国語(中級)、現在はタイ語習得を目標に勉強しています。