中国語と日本語の似てそうで異なるところを把握しておこう!
これから中国語を勉強しようとしておられる皆さんにお尋ねしたいことがあります。
皆さんは、中国語と日本語は似ていると思いますか?
まず私たちが思いつくのは中国語も日本語も漢字を使用するという共通点ですね。
これは中国語の学習において大いにアドバンテージになりえます。
欧米の方々など、母語に漢字が存在しない文化の方は漢字を習得するのは非常に困難です。
流暢に中国語を話すことができても全く書くことができないという方も大勢いらっしゃいます。
この点からすると私たち日本人は当たり前のように漢字を使用していますから、中国語を読む、書くという分野に関してはとても有利ですね。
それで自分は中国語の学習に向いている!! と思うかもしれません。
自分自身がこれから学ぶ言語に向いていると思うことはとても良いことです。
でも、よく考えないで見切り発信してしまうと、後で予想しなかった困難に出くわしたときに「こんなはずじゃなかったのに…」と落ち込んでしまうかもしれません。
なので、漢字を使用している日本人のメリットとデメリットをよく理解しておきましょう。
メリットは?
中国語を勉強したことのない日本人が中国語の文章を読んだ場合、3割の部分の意味を理解することができると言われています。
3割って結構な割合ですよね。
全く勉強していなくてもそれだけ理解できるわけですから。
やはり諸外国の方と比べて“読む”という分野に関してはすでに近道を通っている感じがしますよね!
でも、だからと言って日本人にとって中国語を習得するのが簡単かといいますと、実はそうでもないんです。当然デメリットもあります。
デメリットは?
デメリットは同じ漢字が用いられていても意味が全く異なるということがあるからです。
なので、日本人だから漢字は大丈夫と油断して中国語を読もうとすると、まったく違う意味にとらえてしまうことがあります。
いわゆる先入観が足を引っ張ってしまうケースですね。
また、日本人は漢字を読める分、漢字に頼ってしまう傾向があります。
これは中国語を学ぶ日本人によくみられる特徴なのですが、その分他の国の方たちよりも中国語の音を聞いたときにイメージする速度が遅くなってしまうというデメリットもあります。
できるだけ聞いた言葉は漢字を思い浮かべるのではなくその単語が持つイメージを思い浮かべるようにしましょう。
大切なのは?
大事なのは日本語と中国語の“相違点”をはっきり理解しておくことです。
同じ漢字を用いている言語であっても基本的にはまったく“別の言語”であり、中には共通点もある。というとらえ方をしておくと後々 「中国語ってこんなに日本語と違うのか!?」 とショックを感じないですみます。
学習の前に心の準備をしておくことはとても大切です。
というわけで前置きが少し長くなってしまいましたが、この記事では中国語と日本語の異なる点についてご紹介したいと思います。
ここでは文化、文法や文章表現の違いではなく、同じ漢字であっても全く異なる意味を持っている言葉や単語、若干似ている言葉や単語をいくつか紹介します。
ここに挙げるいくつかを知っておくだけでだいぶ違いますよ。
漢字は同じでも意味が全く違う単語
例えば中国語で
手袋 ピンイン[shǒu dài]
という単語を見たら何を思い浮かべますか?
日本人である私たちは“てぶくろ”を想像しますね。でも違うんです。
中国語で“手袋”という言葉はなんと“ハンドバック”を意味するんです!!
いかがでしょうか?
なんか引っ掛け問題みたいですよね。
この種の間違いは日本人特有のものですね。
普段漢字を使用していない国の方々はそもそも“漢字の影響”を受けていないわけですからそもそも先入観に基づく間違ったイメージもしないわけです。
なので、日本人=有利とは一概に言えないということを理解しておきましょう。
そして“手袋”の意味をここで覚えていってしまいましょうね。
次に紹介するのは
麻雀 ピンイン [má què]
日本語では読んで字のごとく“マージャン”になりますが、中国語ではどうなるかといいますと、“すずめ”を意味します。
これもなかなか想像しにくい所ですね。スズメとマージャンですから関係性ゼロです。
先入観で判断すると痛い目に遭いますね。
ついでにお伝えしますが、中国語でマージャンは[má jiàng] という風に発音しますよ。
中国ではマージャンは一般的なゲームですからこの発音と漢字もぜひここで覚えてしまってくださいね。
さらにこんなものもあります。
手紙 ピンイン [shǒu zhǐ]
日本人にとってこの漢字が意味するものは“てがみ”、その他のものはあり得ませんよね。
でも違うんです!中国語での意味は何かといいますとなんと、トイレットペーパーを意味します。
この違いも大きいですよね。
同じ紙材質ということだけが共通点で、後は何もかも異なります。
“手紙”というものは大事な人に出したりすることもあるものですから、この表現の違いを分かっていないと大事な相手の方の前で、ものすごい恥をかいてしまいかねませんね。
まだまだありますよ
酒店 ピンイン [jiǔ diàn]
これなんか日本人の感覚からしたら“酒屋”とか“居酒屋”とかお酒関係を想像してしまいますが、この言葉の意味はなんと、ホテルという風になるんです。
意味合いが全く違いますね。
漢字を知っている日本人の気持ち的には“なんで?”と思ってしまいがちですが、ここは素直に“酒店とはホテル”だと受け入れておきましょう。
イメージとしては、みんなでワイワイ旅行に行って、楽しくお酒を飲んでそのままホテルに泊まる、という風にとらえておくと覚えやすいかもしれません。
やはり単語を覚えるうえでイメージすることは欠かせないですからね、参考までに。
全く同じではないけどちょっと違う単語
さて、次は上に挙げたように日本語と中国語で意味が全く変わってしまうわけではないですが、少し違うというようなものを紹介したいと思いますね。
例えば
走 ピンイン [zǒu]
知っての通り日本語では“走る”という意味ですが、中国語では“歩く”という意味になります。
同じではありませんが、前に進むという意味では同じですね。
中国語では単独で“歩”といっても歩くという意味にはなりませんので注意しましょう。
道を歩くと言いたいときは、
走路 ピンイン [zǒu lù]
といいます。“路”は道の意味です。
ちなみに「私は道を歩く」と言いたいのであれば、主語の私に相当する“我”を先頭に持ってくればオッケーです。“我走路”という風になります。
次も非常によく使う動詞ですが、
去 ピンイン [qù]
これですね。日本語の意味では“去る”ですよね。
その場にいる人がそこからいなくなることを表す言葉ですが、中国語の意味では“行く”になります。
こうなるとあまり似ているとも言えないような気もするのですが、どこかへ移動するということに関しては共通点がありますね。
さて、ここらで応用してみましょう。
「私は道を歩いて行く」と言いたい場合はどんなふうに言えるでしょうか?「今日はここまで何で来たの?」こんな風に相手の方から交通手段について尋ねられたりしますよね。
答えは“我走路去”という風になります。
さらに目的地も入れてみましょう。
「私は道を歩いて店に行く」と言いたい場合は、“我走路去店”となります(店は店、[diàn] 同じ意味です)。
この“去”はほぼ毎日使う言葉ですから今すぐ覚えていってくださいね。
ついでですが、“去”の反対の意味の言葉は“来る”で、ピンインは[lái] です。
“去”とセットで覚えておきましょう。
後はこんなものもあります。
床 ピンイン [chuáng]
ピンインが長いですね~。と、それはさておきこの床という漢字ですが、中国語だと“ベッド”という意味になります。
ベッドは床の上にあるものですから似ていないこともないですね。
余談ですが、中国大陸の家には基本どの家にもベッドがあります。
日本で言うところの床に敷く布団の概念はありません。
畳のようなものもありませんので基本的に家の中では椅子やソファーに座ります。
日本人のように地べたに座る習慣はないんですね~。
若干脱線しましたが、続いて
勉强 ピンイン [miǎn qiǎng]
この勉強ですが、中国語だと“無理やりする”とか“いやだけどする”という意味になります。
学問を学ぶという言う意味にはならないので注意しておきましょう。受験生がいやいや勉強している姿をイメージして覚えるといいかもしれませんね。
ちなみに、中国語で何かを学ぶことをどのように表現するかといいますと、
学习 ピンイン [xué xí]
となります。“学”だけでも大丈夫です。
では、応用にいってみましょう!「私は嫌だけど勉強する」と言いたい場合はどうなるでしょうか?
我勉强学习 [wǒ miǎn qiǎng xué xí]
という風につなげていけば大丈夫です。
最後に嫌だけど勉強している科目をつけ足せば文章としては成立しますね。
英語であれば“英语”[yīng yǔ]
中国語であれば“中文”[zhōng wén] もしくは“汉语”[hàn yǔ]
日本語であれば“日语”[rì yǔ]
となりますが、これらを文の一番後ろに持ってくればOKです。
ここで少し余談!
下記に皆さんの中国語学習に役立つ記事をまとめてみました!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
ではでは、最後に皆さんへの応援の気持ちをこめて紹介したいのがこれです。
加油 ピンイン [jiā yóu]
油を加えるということですが、意味としては“がんばれ!!”という意味になります。
イメージとしては消えそうになっている火に油を注ぐというところでしょうか。
油を注げば火は勢いよく燃え続けますよね。
よくよくイメージするとだいぶ過激な感じがしますが、中国の方を応援するときに“加油”と一声かけてあげると喜んでもらえますよ!
スポーツ選手への応援なんかでよく使わている言葉です。
中国語と日本語の似ているようで違うところを紹介させていただきました。
やはり、“似て非なるもの”なんですよね。
この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
中国語の学習の際にはぜひ日本人が陥りがちな“先入観”にとらわれずに楽しんで学んでいってください。
加油!!