中国語を始める時の目標に 「〇〇までにHSK〇級をとる!」 という目標設定をする人は多いと思います。
もちろん中国語試験で中国教育部の公認試験であるHSKは、留学する人や、中国でビザを取得しようと思っている人にとっては重要な試験になってきます。
しかし、通じる中国語をマスターしたいのであれば必ずしもHSKが近道ではないと感じます。
わたし自身HSKは最上級をもっており、ながい時間試験勉強に取り組みましたし、留学もしていたのでその重要性も理解しています。
ただHSK等の試験対策等を行わずに中国語がすごい勢いで伸びていった人を何人も知っています。
その人達にはある共通するポイントがありました!今回はなんと!その内容を皆さんにお伝えしていきます!
HSKでは中国語が上達しない!?
HSKとは?
中国語を勉強している人にはなじみがあると思いますが、漢語水平試験(HSK)は中国政府教育部が公認している中国語能力試験です。
HSKが必要な人
・中国の大学へ入学を考えている方。(入学基準として本科なら3級、大学院なら5級以上)
・中国への留学を考えている方。
・中国で就職、転職を考えている方。
私自身も中国へ留学していたことがあるので、その際にはHSKで最上級を取るということを目標にしていましたし、多くの留学生も同じだったと思います。
しかし、過去にHSKの試験勉強に時間を費やしてきた私からあえて言いたいのは 「現地で使える中国語をマスターするならHSKの勉強はしない方が良い」 ということです。
これはHSK自体が中国語上達の指標にならないという意味ではなく、現地で通じる中国語という点においては必ずしもHSK試験対策が一番近道では無いという意味ですのでその点は勘違いしないように注意してください。
なんでHSK試験では中国語が上達しないの?
では私がなぜHSKでは中国語が上達しないというのかというと、HSKではスピーキング能力、会話力が伸びにくいという点と今の中国で使われている最新の中国語等を学びにくいという点があるからです。
HSK試験は
リーディング(読解)
ライティング(作文)
スピーキング試験に関してはHSKとは別で「HSK口試」というスピーキング力の試験がありますが、留学や就職で聞かれるHSKはあくまで通常版の試験となりますので受験する人は少ないという印象です。
日本人が英会話を学ぶときも、中学生の時から勉強しているのに会話が全然できないということは良く言われていますが、中国語でも同じような問題が起こっています。
文法や構文には強いのですが、自分の意見を話したり、相手と会話したりするのが苦手の人が多いです。
ただ実社会で使う場面が多いのはスピーキングとヒアリングになるので、それらが弱いというのは語学を学ぶ上でも大きなマイナスと言えるでしょう。
中国語を実際に使う際に一番必要と感じているのがスピーキング力とヒアリング力です。
現地で生活していて会話ができない人はいくら単語や文法を理解できていても相手から評価されることはないでしょうし、ネイティブの中国語はとても早く、最新の中国語を使うケースも多いです。
また綺麗な北京語を話す人だけではない(むしろなまっている人の方が多い)ので、それらの中国語に耳を慣らしておかないとテスト用の聞き取りでは実際に中国人との会話に対応できないと感じています。
中国語を学ぶ目的が中国語をマスターするためというのであれば、HSK用の勉強はあくまで自分の語学力を確認する指標程度にとどめておき、現地のリアルな中国語に触れる機会を増やすことをおすすめしたいです。
日本国内にいる方が出来る中国語学習方法
・テキストなどを買って学ぶ
・中国語の語学教室に通う
・中国人の知人と話す
・中国のテレビ番組やユーチューブを見る
ちなみに、流行っている中国のバラエティ番組だと
《创造营》
《青春有你》
《快乐男生》
《快乐女生》
《中国新说唱》
《中国好声音》
《明日之子》
ここで少し余談!
これから「中国語を学ぼうかなあ」と思っている方、学び始める前にやっておいた方がいい準備、ご存知ですか?
日本人が陥りやすい間違った中国語学習方法
日本の学校での英語学習や英語のテスト成績が良い人であっても、英語が自由に話せるというレベルに中々なっていない理由を考えると、中国語をマスターするにはどのような勉強方法が最適かみえてくるでしょう。
日本人は中国語を学ぼうと思った時、まずはテキストを買って独学で勉強をしたり、中国語教室へ行ったりすることが多いと思います。
もちろん独学での学習や中国語教室は有効ではありますが、中国語の基礎で一番大事なことはピンインと呼ばれる発音と四声と呼ばれる音調です。
これは日本語ではないような発音があったり、舌を巻いたりと日本人には正直かなり難しいです。
テキスト等を見るとカタカナで読み方のルビがふってあったりするものもあるのでカタカナ読みをしてしまう人もいますが、これは絶対にやめた方がいいです。
中国人に通じない発音になってしまいますし、最初の段階でピンインをしっかり覚えておかないとその後の中国語の伸びが遅くなります。
中国語学習の最初のうちはこのピンインと四声だけに時間をかけて徹底的に勉強した方が良いでしょう。
日本語以上に中国語は発音が重要で、発音が悪いと全く相手に通じないということは理解しておく必要があります。
この期間は地味で辛いため多くの中国語学習者がこの時期に中国語を断念してしまったり、いい加減なまま次へ進んでしまっていますが是非時間をかけて発音は練習してほしいと思います。
自分の発音が正しいかどうかをチェックするには知人の中国人に確認してもらうのが一番早くて効果が高いと実感しています。
私自身も日本で中国語を勉強しているときは、自分の発音が正しいかを中国人の友達に聞いてもらい修正してもらうということをしていましたが、その場で修正してくれるので凄く助かりました。
ある程度ピンインがわかるようになってくると、次第に単語が聞き取れるようになってきますし、単語の語彙が増えてくると今まで聞き取れなかった中国語が理解できるようなっていきます。
現地で通じる中国語の勉強方法
中国語を使って仕事したり、会話をしたいと考えている人に向けて現地で通じる中国語のポイント4つをご紹介します!
1. 発音
発音は中でも一番重要で、日本語の五十音にあたるものですが、中国では400以上あります。
それらをひとつひとつ正しく発音できるようになるには時間がかかりますし、日本語には無い発音は難しいのでひたすら練習が必要となります。
日本人の発音で特に苦手意識が高いのは
鼻母音のang、eng
反り舌音のr、zh
このあたりの難しい発音を最初の段階でしっかりとマスターしておくことが中国語上達のポイントになるでしょう。
2. 四声
次に四声と呼ばれる音調ですが、これもピンインと同じく間違っていると相手に通じないのでしっかりと練習する必要があります。
四声を勉強するポイントはリスニングの際に意識して聞くようにすると自然と自分でも正しい音調ができるようになります。
最初の間違った音調で覚えてしまうと修正しにくいので最初は先生やニュース等から正しい音を聞くことが重要です。
3. 中国社会への理解
中国語を勉強している人は言語学習だけに目が行きがちですが、それと同じ位中国という国や社会について理解することも重要です。
会話の中で出てくる言葉が中国社会に関することであれば当然その背景等が理解できていないと会話になりませんし、相手の言っている言葉の意図がくみ取れないということになってしまいます。
中国社会の勉強はCCTV等中国のテレビを見ることである程度学ぶことができるのでおすすめしたいです。
4. コミュニケーション力
最後に恥ずかしがりな性格の日本人に多いのが、コミュニケーション力不足が原因で中国語が伝わらないケースです。
例えば一つの単語が思い出せない場合、日本人はその単語を思い出そうとしてしまいますが、その単語が言えなくても他の言葉を使ったり、ジェスチャーで伝えたりと方法は他にもたくさんあるはずです。
コミュニケーション力を高めると相手も自分の話を聞いてくれるようになりますし、楽しい会話ができるようになるはずです。
ここでまた少し余談!
これまたすごい記事を書いちゃいました。『中国語が全く話せなかった私が3か月で中国語のニュースが理解できるようになった勉強方法』ぜひご覧ください。
中国語をマスターしたい人が取るべき勉強方法
私も中国語学習を始めた当初はHSKという試験の目標を立てて、机に向かって勉強をしていました。
試験勉強を進めていくとある程度試験の点数はとれるようになりましたが、中国人の知人の会話が全然通じていないという問題に陥りました。
この状況に危機感を感じた私は試験勉強よりも相手との会話や自分のスピーキング力を高めることを目的とした勉強方法へ変えていったのです。
その結果中国語で会話ができるようになりましたし、リスニング力も身に付きました。
会話ができるようになると試験の成績も自然と上がっていき、結果HSKでも最上級がとれるまでになりました。
中国語を勉強している人は自分なりの勉強方法を考えて実践していると思いますが、HSK対策だけに陥らないことは意識してほしいと思います。
現地で使える会話や、ニュースを意識して集めるようにしておくと、いざ中国へ行ったときに全然通じないという問題にはならないはずです。
中国語のマスターには時間と労力がかかるのは間違いないですが、なるべく早く簡単にマスターするためには正しい勉強方法を実践することも重要です。