英語でベテラン、ネイティブの使い方は日本とちょっと違った!

veteran

皆さんは、ふだんの生活で「ベテラン」という言葉を使うことがありますか?

「ベテラン俳優って言ったら、役所広司さんじゃない?」

「数学はベテランの先生に教わりたいなぁ」

「ベテラン刑事と新人女性刑事のサスペンス”ラストサイン”が楽しみ~!」

「ビギナーからベテランまで誰もが楽しめるゴルフコース」

などなど、たくさんの表現がありますね。

英語の学習をしている皆さんなら、「先生って、ベテランですね」と伝えたいときや、外国人との英会話のなか、素晴らしいスキルを持つ人へベテランを使いたいこともあるかもしれません。

ここで要注意です。

英語のベテランですが、実は私たちが日本語で使うのと同じような感覚では使いません。

正しい英語表現を身につけるためにも、今回の記事は「ベテラン」を取り上げ解説します。

英語のベテランの使われかた、日本語のベテランに当たる英語表現の紹介、ベテランの語源までいろいろお届けしますので、ぜひご参考にしてくださいね。

日本語とちょっと違う、英語ベテランの使い方とは?

まずは、日本語で話すときのベテランを考えてみましょう。

”ベテラン上司のクレーム対応がすごく参考になった”

”知識豊富なベテラン店員さんに夏のコーディネイトを見立ててもらった”

このように、ベテランと呼ばれる人は頼り甲斐があります。

その道で長期にわたって訓練をしてきたことで、抱負な経験とスキルを持っている人がベテランです。

日本人はこのように、何かに優れているという意味でベテランを使っていますね。

使われる対象は、様々な職種の人ですし、例えばガーデニングのベテランといったように仕事以外の趣味などでもベテランがいます。

ここで、英語でのベテランをWikipediaで調べた結果2つをご紹介しましょう。

- A veteran is a person who has had long service or experience in a particular occupation or field.

(ベテランとは、特定の職業または分野で長期間、勤務もしくは経験をした人のことです。)

- A military veteran is a person who has served and is no longer serving in a military.

(軍のベテランは過去に勤務していたが、いまやもう退役した人のことです。)

引用元:Wikipedia

ひとつ目は、カタカナのベテランと同様の意味合いになっていることが分かります。

日本語で話すニュアンスが海外でも通じるということです。

しかし、ここで冒頭にお話しした注意すべきポイントがあるのです。

そのポイントとは、英語のベテラン、実際には2つ目の「退役軍人」のほうがメインとして使われているという事実についてです。

例文でみてみましょう。

My uncle is a veteran.

”伯父は退役軍人です”

伯父さんは、an ex-member of the armed forces=退役軍人なのです。

アメリカには、U.S. Department of Veterans Affairsという退役軍人省があり、退役軍人へ最大限の敬意を払うとともに、健康に関するプログラムや給付関連事務などを行なっています。

またイギリスにも防衛省の管轄にVeterans UKという組織があり、退役軍人の生活など様々な面からサポートをしています。

余談になりますが、2020年4月、99歳のイギリス退役大尉のトム・ムーア氏が自宅の庭を100往復するというチャリティを立ち上げました。

このニュースのこと、トム・ムーア氏のことを「the war veteran」と表わしているのをBBCなどでご覧になった人もいるかもしれませんね。

このチャリティは多くの人にサポートされ、約27億円以上もの寄付金を集めたことが大きなニュースになりました。

この寄付金はすべて、コロナウイルスが猛威を振るうなか、最前線で働くイギリス国民保健サービスNHSへ寄付されます。

退役した軍人ベテランの心意気、そして素晴らしい活動の話しに、イギリス中が笑顔になりました。

ここまでで、どの分野も公平に使われるカタカナのベテランと同じニュアンスで使うことはあるものの、欧米でベテランと言えば、メインは退役軍人を示すことが分かりました。

ちなみに、ベテランは人に対する表現だけではないといこともご紹介しましょう。

イギリスには「Veteran Car Run」といって、1896年以来、世界で一番長く開催されているカーレースがあります。

このレースにもベテランという言葉が使われています。

カーオーナーが長い間大切に乗ってきたヴィンテージカーでレースに参加し、毎年盛り上がります。

第3者が言ってこそベテラン、その使い方とは?

ベテランと言うときに、自分からI’m a veteran.と言えるのは、退役軍人です。

しかし、その他の分野で自らベテランというのは、特にイギリスでは少し傲慢とも取られかねません。

例えば I’m a veteran of teaching kendo.
(私は剣道を教えるベテランです)
などと言う人がいたら、あなたはどう感じるでしょうか?

剣道をする人が自ら自分を称えるなんてあり得ませんし、長期間教えているという事実はあっても、その指導内容や人望について疑問を感じてしまうでしょう。

このように、ベテランを使うのは第3者が言ってこそということを少し頭に入れておくことをおすすめします。

では、日本人がベテランというのと同じニュアンスに当たる英語表現が知りたくなってきましたね!

日本語ベテランに当たる英語の表現は?

ベテランは、仕事、趣味などあることへの経験が深い人々です。

豊かな経験からスキルの確立、持つ情報の多さなどを持っています。

このような意味から、海外で使える英語の表現は以下の3つが当てはまると言えます。

例文とともに紹介します。

何に対してのベテランなのか、英文のなかで説明しているところに注目してください。

1. experienced in/at

まさしく”経験のある・経験を積んだ”という意味のexperiencedを使います。

熟達した、達者なといったニュアンスです。

I’m experienced at running.

私はベテランランナーです。

Mr. Bell is experienced in teaching Geography.

ベル先生は経験ある地理のベテラン先生です。

Terry is experienced at drawing.

テリーは絵を描くことが達者です。

Helen is experienced in PR management.

ヘレンは広報のベテランです。

2. skilled in/at

スキルという言葉も連想される”熟練した・特殊技能を持つ”という意味のskilledもベテランに当てはまる表現になります。

I’m skilled at cooking French cuisine.

私はフランス料理をつくるベテランです。

John has been selected for the team because he is skilled at football.

ジョンはフットボールに熟練しているので、チームに選ばれました。

Could you please tell us what are you skilled at?

あなたの技能について話してくれますか?

※1. experienced in/atおよび2. skilled in/atは、就職・転職のインタビューや履歴書で持っている技術や特技を表わすときに使われる表現です。

3. expert

専門家・熟達者という意味のexpertを使った英語表現です。

Neil is an expert of the PCR test.

ニールはPCR testの専門家です。

Steve works in advertising and is an expert at copy writing.

スティーブは広告業界で働いており、コピーライティングの専門家です。

Kyoko is an expert in childcare.

京子は保育の専門家です。

4. professional(番外編)

ただし、professionalを使う場合は経験とともに報酬を受けている人になります。

He is a professional golf player.

彼はベテランプロゴルフプレーヤーです。

My sister is a professional dancer.

妹はベテランのプロダンサーです。

ところで、ベテランの語源を知っていますか?


ここで少し余談!下記記事でネイティブの方が良く使う口癖をご紹介しています!これでネイティブに少し近づけるかも!?

nativecamp.net


ベテランの語源も確認してみよう!

ベテランはもともとラテン語のvetusが語源です。

vetusは古い・年老いたという意味ですが、接尾語anをつけてそれがveteranという言葉になりました。

その後、特に”年老いた軍人=退役軍人”のことを指すようになりました。

日本人には退役軍人を扱ったニュースを見ることはあまりありませんが アメリカのVaterans Day
イギリスのRemembrance Day
など欧米では退役軍人を讃えるイベントが毎年行なわれているという文化や歴史があります。

英語を使う仕事でベテランを目指す!

日本国内での英語の必要性ですが、高くなることはあってもなくなることは100%ないと言ってもよいほどです。

そのため、様々な職業の需要も比例して高くなっています。

英語を活かせる職種を挙げてみましょう。

・講師
・通訳
・翻訳
・システムエンジニア
・IT
・通関士
・貿易事務
・接客スタッフ
・空港グランドスタッフ
・入国審査官
・大手企業役員
・弁護士秘書
・コンプライアンススタッフ
・留学、英語教育関係の事務    など

これら多くの業界や職種で英語を使えるスタッフが必要とされています。

英語はあくまでもこのような可能性を広げるツールですが、自分の仕事に読み・書きだけでなく、話す・聞くといった英語のスキルをプラスすることで、あなたのアピールポイントが一気にあがります。

現場で実践を重ねていくことで英語力のアップを図り、行く末にその分野でのベテランになれたら最高ですね!


ここでまた少し余談!海外では『ごちそうさま』ってなんていうのでしょう?下記記事でご紹介しています♪♪

nativecamp.net


英語でベテランまとめ

欧米では、ベテランは退役軍人を指すことが分かりました。

日本人の私たちが使うベテランを表現するには

・「experienced」
・「skilled」
・「expert」
が適切な表現です。

ネイティブキャンプには様々なバックグラウンドを持つ講師陣がいます。

もしかしたら何かのベテランという講師もいるかもしれませんね!