海外の「おやつの時間」事情ってどうなっているの? 

snack

海外の方が日本のコンビニやスーパーに行くと、様々な種類のお菓子が売っていてどれもおいしそうで目移りしてしまいます。

チョコにクッキー、グミにアイスや和菓子など、日本のお菓子の種類はたくさんありますが、お菓子といえばよくつかわれるフレーズに 3時のおやつ という表現があります。

海外ではこのようなお菓子やおやつに関したフレーズはあるのでしょうか。もし、3時のおやつを英語で説明する場合は、なんと伝えればよいのでしょうか。

今回の記事では3時のおやつの語源から英語でなんと伝えるかということや、各国のおやつの時間の様子についてお伝えしていきます。ぜひ、これを読んで世界のおやつ事情について詳しくなってください。

3時のおやつの文化を英語で説明してみよう

日本では非常によく使われる「3時のおやつ」という言葉ですが、そもそもこの言葉はいつからどのような経緯で使われるようになったのでしょうか。3時のおやつの文化についてまず歴史を紐解いてみましょう。

そもそも3時のおやつの起源とは?

日本でのおやつの習慣の起源を探っていくと、
江戸時代後期にまで遡ります。

元々、江戸時代の寛永時代頃までは、一般庶民の食事は朝と夜の二回のみでした。

昔ですので、当然現代人よりも起きている時間も短く、日が暮れると床に入るという生活をしていたので、一日2食でも生活することができていたのです。

けれど、昼食がない分おなかが減ります。

その減ったお腹を満たすためのものが 八つ時
(現在の時刻でいう2時から4時くらいまで) に食べる間食だったのです。

この間食は食べる時間にちなんで「お八つ」と呼ばれていました。

その言葉が次第に間食それ自体を指すことになり、「おやつ」として浸透していったのです。

ちなみにこの当時のおやつは、あくまで肉体労働者など働く大人のためのものでしたので、甘い砂糖菓子などではなく団子や炒り米などが主流の食べ物でした。

その後、八代将軍吉宗の時代に砂糖の国内生産が奨励されたことをきっかけとして庶民も甘いものを八つ時に食べるようになり、 食事と食事の間の間食 を「おやつ」と呼ぶようになりました。

では、なぜ「三時の」おやつというようになったのでしょうか。

これには、カステラの文明堂のコマーシャルが関係していると言われています。

文明堂のコマーシャルでは カステラ1番、
電話は2番、
3時のおやつは文明堂~♪
という歌詞が有名で、耳に残っている方も多いのではないでしょうか。

このCMは1937年より放映されていたのですが、この中で「3時のおやつは~」という歌う下りが人々の耳にインプットされたため、 おやつ=3時 というのが一般的になったようです。

ちなみに「電話は2番」の意味は、当時文明堂に電話をかける際は2番が文明堂の番号であったためだそうです。

3時のおやつは英語で何という?

3時のおやつの由来についてはご説明しましたが、では海外の人に「3時のおやつ」を説明する際、どのように表現するとよいのでしょうか。

以下に日本語文と英文を挙げていきます。

3時のおやつ
→Three o’clock snack

3時はカステラのCM,おやつは江戸時代の間食を食べる習慣に由来しています。
→“Sanji” stems from a famous TV advertisement from sweets company. “Oyatsu” is originated from the time our ancestors had snacks during the Edo period.

江戸時代、人々は八つ時と言われる時間に間食していました。その「八つ時」が「おやつ」に変化し、間食自体をおやつと呼ぶようになりました。
→During the Edo period, they had snacks at a certain time which is called “Yatsudoki”. As time goes by, the pronunciation changed from “Yatsudoki” to “Oyatsu”. Eventually, they came to call “Oyatsu” snacks themselves.

3時のおやつは日本ではとても有名なフレーズです。
→ “Sanjino Oyatsu” is a very familiar phrase with Japanese.

3時のおやつの習慣を英語で説明

3時のおやつの由来についての表現はご説明しましたが、ここではこの習慣を英語で説明してみましょう。

日本では3時のおやつという有名な言葉があります。
There is a popular phrase in Japan, which is called “ Sanji no Oyatsu”.

この時間帯に多くの子供たちがおやつを食べることはとても一般的な習慣です。
Children have snacks at this certain time as a very common daily practice.

けれど、最近は子どもたちも習い事などで忙しいためこの時間に必ずしも限らないという現状もあります。
However, nowadays they don’t necessarily have snacks at this exact time due to being busy with the number of things they have to do after schools such as homework and additional lessons.

大人は、この時間は多くの人たちが働いています。
On the other hand, most of the adults are working during the period as well.

日本では勤務時間内に食事の時間をとることはあまり喜ばしく思われません。
They are not supposed to have snacks during working time in Japan.

従って働く人々がこの時間におやつをとることはあまりありません。
Therefore, they hardly have snacks at this time.

休暇には、多くの人がおやつの時間を楽しんでいます。
Most people enjoy having snacks during the holidays.


日本と海外ではさまざまな異なった文化があります!下記記事では、いちご狩りについてご紹介しています!違う国の文化も学んでおくと、 とても会話が盛り上がりますよ♪♪

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3時のおやつの習慣は世界共通なの?

では、3時のおやつの習慣は世界で共通のものなのでしょうか?ここでは、各国のおやつの時間の呼び方や時間帯などについてご説明していきます。

おやつを意味する英語表現
―snack、light meal

一般的な軽食を表すものとしてよく使われる言葉に「snack」という言葉があります。

この言葉には 少しの量の食事や軽い食事、たいてい素早く食べられるもの という意味があります。

また、「軽い食事」に相当するものとして light meal という言葉や、お茶の時間を意味する英語として、 「tea time」
「coffee time」
もよく使われます。

イギリスが起源のおやつの時間を表す英語
-morning tea、afternoon tea

イギリスといえばお茶の文化で有名です。

元々は上流階級の人々がミルクティーなどのお茶とともに軽食をたしなんでいたことにこれらの言葉は由来します。

今では、必ずしもお茶を飲むことはなく 午前中に食べる間食を morning tea
午後に食べる間食 afternoon tea と呼びます。

これらの言葉はイギリス文化圏ではとても一般的で私の住むニュージーランドでは、子どもたちが幼稚園や学校で一日二回とるおやつの時間を呼ぶときに用いられます。

Tea の表現に要注意!in AUS and NZ

イギリス英語圏のオーストラリアやニュージーランドでは、少し変わった形のteaの使い方があります。

実は、「tea」という表現にはお茶やおやつの時間という意味ではなく、食事という意味で用いられる時があります。 

例えば、夕方に 「Have you had a tea?」 と聞かれ、おやつは食べているからうっかり「Yes」と答えると、夕食にありつけないなんてことも起こりうるのです。

Tea という言葉にはお茶やおやつの時間という意味だけではなく、夜に食べられる軽い食事という意味も含まれているため、このような誤解が生じることがあるのです。

韓国料理ではない cuppaとは?

イギリスやオーストラリアなどでよく使われるおやつの時間や軽食を指す英単語にcuppaという言葉があります。

cuppaと書くと思わず韓国料理のスープご飯を想像してしまいますが、この言葉は”cup of tea“が省略されてできた言葉です。

「Would you like a cuppa?」
というように使われます。

発音は「クッパ」ではなく「カッパ」に近いので、注意しましょう。

海外のおやつの時間と日本のおやつの時間の違いは??

最後に、海外のおやつの時間と日本のおやつの時間の違いについてご説明していきます。

イギリスなどの英語圏

先にも触れましたが、イギリス文化圏では午前のおやつをmorning tea、午後のおやつをafternoon teaと呼び、それぞれ午前10時前後午後3時前後に取ります。

大人はクッキーなどの軽食をお茶やコーヒーと共に楽しみます。子どもたちは、各家庭で準備したランチボックスの中のおやつを食べます。

虫歯や砂糖の取りすぎ、肥満を防ぐ観点から多くの学校や園ではチョコやグミ・チップスなどではなく、野菜や果物を持ってくることが奨励されています。

ですが強制力はありませんし結局は家庭の判断に依るところが大きく、かなり個人差があるというのが実情です。

ドイツ

ドイツではおやつの時間を カフェ―ツァイト
クーヘン などと呼びます。

大人はこの時間にパンやクッキー、ケーキなどを食べますが、子どもたちは野菜スティックや果物などのヘルシーなものを取る傾向があります。
(各家庭によって勿論違いがあります。) 

ドイツでは、朝食も夕食もパンにハムやチーズといった簡単な料理しかしないため、栄養バランスが偏りがちなことを気に掛ける親は、この時間に野菜などを取らせることでバランスをとっています。

ドイツといえば有名なお菓子に「ハリボー」というグミがあります。日本でも輸入食品店などで目にしたことがある方も多いでしょう。

このハリボー、熊の形のグミが有名ですが他にも芋虫のやカタツムリの形など日本では考えられないような商品がたくさんあります。いろんな味を試してみるのもおもしろいですね。

フランス

フランスではおやつの時間を「カトゥルール」と呼び、四時くらいに取ることが一般的です。

日本より少し遅めに感じますが、そもそもフランスでは多くの学校や園が4時くらいに終わります。

子どもを迎えにいく大人は子供が学校帰りに食べられるようにおやつを持参して学校まで迎えに行く習慣があります。

内容としては果物や市販のお菓子などの他に、フランスパンにチョコレートを挟んだものなどを持っていくことが多いようです。

スペイン・アルゼンチンなどの南米諸国

スペインやスペイン語を話す南米諸国では、おやつの時間を「メリエンダ」と呼びます。

これらスペイン語圏では生活習慣が日本とは全く異なっており、 昼食を14時~15時
<夕食を21時~22時 に取る習慣があります。

食事の時間が遅いため、メリエンダ自体の時間も遅く17時前後に取ります。

スペインといえば日本でも人気なお菓子にチュロスがありますが、このメリエンダの時間だけではなく朝食に食べることもあります。

また、南米諸国ではエンパナーダという薄いパンで肉類などのおかずを包んだ料理も人気で、これらを軽食として食べたりもします。


こちらの記事では、日本固有の演劇「歌舞伎」について記載しています!日本の文化もぜひ外国の方に英語で伝えられるようにしていきましょう♪♪

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まとめ

今回の記事では3時のおやつについての由来や英語での表現、各国のおやつの時間の習慣などについてお伝えしてきました。

国や文化よって食べるものやおやつの時間帯も異なっており大変興味深いですね。

海外を旅行で訪れた際は、ぜひこの記事を参考にしておやつにまつわるフレーズを使ってみたり、現地のおやつの時間を楽しんでみたりしてください。