毎年、年末が近くなると流行語大賞が発表されますよね。
2019年度も30語がノミネートされ、トップテンと年間大賞が発表されました。
流行語に選出された言葉は、ニュースでよく報道されたものから若者が生み出したものまで、日本にいれば、一度は見聞きしたことがある言葉ばかりです。
皆さんにとっては、
どんな言葉が一番印象的でしたか?
言葉への思い入れは人それぞれだと思いますが、流行語は、時代や文化を象徴する言葉やフレーズ。
新しく生まれたものもあれば、何度も日常的に聞くうちに定着していくものもあります。
今回の記事では、日本語と英語の流行語について詳しくお伝えしていきます。
「流行語」や「流行語大賞」を英語で言うと?
流行語は、辞書などで調べると、「Trendy words」や「Vogue words」など、いろいろ出てきますが、「Buzzwords」が一般的です。
流行語大賞は、
Buzzwords contest
Buzzwords of the year contest
Top 10 buzzwords
などで表現することができます。
そして、ユーキャン新語・流行語大賞は英語で、 The U-Can New Words and Buzzwords Awards になります。
英語の流行語って何があるの?
英語では、今どんな言葉がはやっているのでしょうか?
実際に、アメリカ人のネイティブに日常会話やSNSでよく使われるスラングについてインタビューしました。
英語では、最近、単語の頭文字を組み合わせた言葉が、若者を中心によく使われています。
ここでは、厳選した7つの言葉をご紹介します。
1. bae(=before anyone else)
意味:大切な人
「ベイ」という発音です。
「Before anyone else」とは、「誰よりも先に」「一番に」という意味で、「bae」は、自分の大切な人、パートナーなどに使うスラングです。
EX)
I love you bae.
(愛してるよ)
Brad Pitt is such a bae!
(ブラッド・ピットって超かっこいい!)
2. fam(=family)
意味:家族、家族同様の人
「ファム」という発音です。
実際の家族だけでなく、仲のいい家族同様の人に対しても使えますが、主にティーンズや都会に住む若い人たちが好む言葉です。
EX)
What’s up, fam?Long time no see.
(元気? 久しぶりだね)
I am watching TV with my fam now.
(今、家族とテレビを見ているよ)
3. dope
※意味:ヤバい、最高、イケてる
「ドープ」という発音です。
「cool」と同じような意味で音楽やネットでよく使われます。
また、「dope」には「麻薬を常用する」という意味があります。
「ドーピング検査」という言葉を一度は聞いたことがありますよね。この「麻薬」をネガティブに捉えて、「dope」は「バカ」という意味でも使えます。
EX)
Your new shirt is so dope.
(その新しいシャツ、イケてるね)
How dare you do such a dope.
(そんなバカなことよくできるね)
4. Gucci
意味:超サイコー、超かっこいい
語源は、もちろん、イタリアのハイブランドの「Gucci」。
この言葉は、「Perfect」「Awesome」と同じような意味で、最高にクールなことを指していて、若者を中心によく使われています。
EX)
My life has been gucci ever since I was born.
(私の人生は生まれてからずっと最高だ)
What’s gucci?
(何か超面白いことない?)
5. Turnt
意味:盛り上がる、ハイになる、騒ぐ
「Turn up the volume(ボリュームを上げる)」が語源とされるこのスラングは、参加しているパーティーで「盛り上がる」「思いっきり楽しむ」という意味で使われます。
主に、ヒップホップでよく使われている言葉です。
EX)
The party the other day was so turnt that I drank too much.
(この前のパーティーで超盛り上がって、すごい酒を飲んだよ。)
6. Fomo(=Fear Of Missing Out)
意味:取り残されるのが怖いこと
「フォモ」という発音です。
「Fear Of Missing Out」とは何かを逃したり、取り残されたりするのを怖がるということ。
最近では、SNSなどで情報をチェックし忘れて流行から遅れることに恐怖を感じてしまう、ソーシャルメディア依存症を指す言葉として使われています。
EX)
I have FOMO on Instagram.
(インスタ依存症なの。)
7. SUS(= suspect/suspicious)
意味:怪しい
「サス」という発音で、「suspect/suspicious」の頭三文字を取ったものです。
「彼ってちょっと怪しいよね~」というような意味合いで使います。
EX)
He doesn’t answer my phone call at night. That’s sus!
(彼が夜に電話を取ってくれないの。何か怪しいわ!)
ここで少し余談
流行語と少し関連させて英語の若者言葉を紹介しましょう!記事を載せておきますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
2019年の日本の流行語大賞とトップ10は?英語で何て言う?
先日、2019年の「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表されました。
年間大賞となったのは「ONE TEAM」という言葉。
ラグビー日本代表チームのスローガンです。
それでは、年間大賞とトップテン入りした流行語を一挙にご紹介します。
それぞれ英訳も加えましたので、参考にしてください。
年間大賞「ONE TEAM」
2019年はラグビーワールドカップが日本で開催され、大きな注目を集めました。
日本代表は、予選プール4連勝で決勝トーナメントへ出場。
日本のラグビー史上初の快挙となりました。
日本でラグビーはたちまち大人気となり、選手のテレビ出演も増え、ラグビーを始める子供たちも急増しました。
そんな日本代表チームのスローガンが
「ONE TEAM」。
ヘッドコーチであるジェイミー・ジョセフ氏が掲げた言葉です。
その言葉のとおり、チームは結束力を強め、よい結果を残せたわけですね。
トップテン
1. 「計画運休」Planned suspension
今年の秋に未曾有の台風15号が千葉を中心とした関東に襲いかかりました。
また、その後の台風19号では関東甲信越と東北で記録的な大雨が降り、各地に被害をもたらしました。
それに伴い、行われたのが「計画運休」です。
これは、各鉄道各社が定める規制値を事前予測値が上回った場合、鉄道の運行を事前にストップさせることを言います。
2. 「軽減税率」Reduced tax rate
「軽減税率」の「Reduced tax rate」に対し、
「複数税率」は、「multiple tax rate」と言います。
消費税引き上げに伴う、経過措置。商品によって消費税率が8パーセントだったり、10パーセントだったり、テイクアウトすれば8パーセントでもイートインスペースで食事をすれば10パーセントだったりと、消費者をかなり混乱させています。
いつまで継続させるのか国税庁も断言していないため、今後の課題となるでしょう。
3. 「スマイリングシンデレラ/しぶこ」
Smiling Cinderella Shibuko
女子ゴルフ界で大人気の渋野日向子選手のこと。
彼女は、8月のAIG全英女子オープンで優勝したことで、一躍有名になりました。
試合の開催地であるイギリスに到着した時の笑顔をイギリスBBC放送が絶賛し「スマイリングシンデレラ」と呼ばれるように。
豪快なプレーとおちゃめな姿が人気に拍車をかけました。
4. 「タピる」
Drink some bubble tea/Eat some tapioca balls
タピオカは、英語で「Tapioka」ですが、他にも「Boba」や「Pearls」などと言う人もいます。
また、タピオカミルクティーは、「Bubble Tea」の他に、「Pearl milk tea」「Boba tea」と言うこともできます。
2019年に日本で大流行したタピオカドリンク。
「タピる」とは、タピオカを食べる・飲むことです。
女子中高生を中心に若者たちによく使われる言葉で、年配の方には少し分かりづらい言葉かもしれませんね。
5. 「#KuToo」
「#KuToo」とは、職場でヒールやパンフスをはくことを強要された日本の女性たちが服装規定に関する男女平等を訴えたもの。
性暴力を訴えた言葉「#MeToo」をもじって、
「くつ」と「苦痛」掛け合わせた造語になります。
6 「○○ペイ」○○Pay
スマホを使ったキャッシュレス決済方法。
その高い還元率で消費者の間に広がりました。
決済方法は、主に「QRコード決済」と「電子マネー」があります。
種類が多いことから、サービスが分かりづらいとの声も多々上がっています。
7. 「免許返納」Surrendering one’s driver’s license
「surrender」は「降伏する」という意味の他に、「~を返却する」という意味があります。
「私は免許を自主返納することに決めた」と言う時 I have decided to surrender my driver’s license. になります。
運転が不要になったり、加齢に伴い運転能力を不安に感じたりする人が自主的に免許を返納すること。
今年も高齢ドライバーによる自動車事故が相次いで起こり、多くの尊い命が奪われました。
特に、池袋で起きた当時87歳の元官僚による暴走事故のあとは、免許を自主返納する高齢者が急増しました。
8. 「闇営業」Underground business
「Underground」は、「地下」という意味でおなじみですが、「秘密の」「反体制の」という意味もあります。
ちなみに、「反社会勢力」を英語で言うと、
antisocial forces
antisocial group
となります。
芸人が所属事務所を通さずに営業活動すること。
今年6月、人気芸人のグループが反社会勢力のパーティーに参加し、謹慎処分を受けたことがニュースで大きく取り上げられましたね。
元々「闇営業」という言葉は、営業先は反社会勢力以外のことも指しています。
9. 「令和」Reiwa
今年の5月に施行された、「平成」に変わる新元号。
典拠、つまり出典元は日本の万葉集で、安倍総理によると、この「令和」という元号には、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という思いが込められているそうです。
ここで少し余談!
上記でもあった大人気ドリンク「タピオカ」。そんなタピオカに関して英語で説明した記事を載せておきますね!
気になるかたはぜひ読んでみてください!
過去3年の流行語大賞を振り返ろう!
次に、過去3年間の流行語年間大賞を振り返ってみましょう。
改めて見ると、過去の出来事を思い出して、なつかしい気持ちになるかもしれませんね。
こちらにも英訳した言葉を載せています。
1. 2018年「そだねー」That’s right.
英語では「That’s right.」の他にも、
Yeah, for sure.
Definitely.
Uh-huh.
など、さまざまな表現をすることができます。
「そだねー」は北海道弁で、標準語で言うと「そうだね」になり、相づちや同意を意味しています。
この言葉は、2018年の平昌五輪で銅メダルを獲得したカーリング女子の日本代表選手たちが試合中に話していた言葉。
彼女たちの活躍で日本にカーリングが大きく浸透しました。
2. 2017年「インスタ映え」Instagrammable
/「忖度」supeculate
「instagrammable」とは、インスタグラムに投稿する価値のある写真という意味。
他に、「Instagram worthy」という言い方もできます。
「インスタ映え」とは、SNSに写真を投稿した時に、みんなからたくさん「いいね!」がもらえるような、ひときわ目立ってすてきに見えること。
若者を中心に、インスタ映えする写真を撮ることを目的に、インスタ映えスポットに出向く人が急増しました。
「忖度」は、「supeculate」以外にも、「行間を読む」という意味の「Read between the lines」という言葉を使うことができます。
「忖度」は、「他人の考えていることを推し量る」という意味です。
しかし、ニュースなどで報道される時は、「権力がある人にこびて、便宜を図ってもらう」という意味合いが多いですよね。
この「忖度」は、安倍総理の公私混同による不正行為の有無が問われた森友学園騒動をきっかけに世の中に広がりました。
3. 2016年「神ってる」You’re a GOD!
「You’re a GOD!」というのは、あなた=神ではなく、相手がすばらしいパフォーマンスをした時などに使う表現です。
他にも、「Total genius.」などと言うことができます。
いずれもスラング的表現になりますので注意しましょう。
この「神ってる」と言う言葉は、2016年6月のオリックス・バファローズ戦で2日連続サヨナラホームランを打った鈴木誠也選手に対して、広島東洋カープの緒方耕一監督がインタビューで言った言葉です。
語源は、「神懸っている」で、若者たちにもよく浸透している言葉です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、英語と日本語、両方の流行語をご紹介しました。
今年の英語の流行語はSNSなどで多用される、単語の頭文字を組み合わせた言葉が多く、日本語の流行語は、新元号「令和」を始め、事件、スポーツ、社会現象などさまざまな背景から生まれた言葉でした。
流行語は、時代の象徴であり、移り変わりの激しい言葉です。
現在では、誰かがふいにした発言が、瞬く間にSNSで世界中に拡散し、流行語となる可能性があります。
広がるスピードが速い分、翌年には流行りが過ぎてしまうかもしれません。
ぜひ、今年の流行語大賞「ONE TEAM」を話題の1つとして、実際の英会話やオンライン英会話などで海外の人にシェアしてみてください。
英語なので、伝えやすいですし、会話が広がるきっかけになるでしょう。
2020年はどんな年になり、どんな流行語が生まれるのか、今からワクワクしますね!

短大の英文科卒。会社員として10年間勤務したのち、単身オーストラリアへ1年間の留学。オーストラリアの通訳国家資格を取得したが、翻訳の面白さに目覚め、帰国後から本格的に学習をスタート。大手英会話学習アプリのコーチを経て、現在はフリーランスの映像翻訳者・ライターとして活動中。2児の母。