日本の伝統七草がゆの歴史を学んで、英語で説明してみよう!

七草粥を英語で、七草粥の歴史、ネイティブキャンプ

七草がゆ
食べたことはあるでしょうか?

これも、日本の伝統文化の一つで昔から食べられています。

そもそも七草がゆっていつ食べるの?
何のために食べられているの?
七草ってどんな種類のことを言うの?
おかゆとどう違うの?

日本人の私たちですら、正しい知識を持っていない方が多いのではないでしょうか。

海外の方はこういった風習はあるのでしょうか。

年末年始が近いこの時期、外国人の方に話す機会が出るかもしれないので、是非この機会に掘り下げてみましょう!

七草がゆの歴史とは?

まずは、七草がゆの歴史を振り返ってみます。

この風習はいつ、どこから来たのでしょう。

実はこの七草粥の由来、ちょっと複雑なのです。

古代の日本に残る文献によると、日本でははるか昔の古代で年初に雪の間から目を出した若草を摘む
「若菜摘み」という風習があったそう。

この「若菜摘み」が七草の原点と言われています。

また、古代の中国に書かれた古い文献に「七種菜羹」(しちしゅのさいこう)という羹(あつもの≒とろみのある汁物)を食べて無病を祈るという習慣が書き残されていたそうです。

このことから、今日まで行われている七草粥の風習は中国の「七種菜羹」が日本に伝わったと考えられています。

しかし、日本にも七草を食べる習慣がありましたが古代においては違いがあるそうで、おかゆに入れていたのは、 米・粟・きび・ひえ・みの・ごま・小豆 の7種だったとも記載されているのです。

さらに昔、中国では1月1日~6日までそれぞれの日にちに獣畜を当てがって占っていたそう。

元日には鶏
2日には狗(いぬ)
3日には羊
4日には猪(いのしし)
5日には牛
6日には馬
といったようにあてがい、占っていました。

それぞれの動物たちを大切に扱っていたようです。

そして7日には、人を対象にしたことから
『人日(じんじつ)の日』としたとか。

その人日の節句は、人を大切にする日として無病息災を祈り、7種類の若菜を入れた汁物を食べるようになったのが七草粥の始まりといわれています。

時代や国によって、いろいろな表現をされていることが分かりますね。

そもそもは中国からの伝来が有力とされていますが、日本の古代の文献にも若菜の事や粥の記載があったので、諸説あるというところでしょう。

では、いつ頃今の七草に定着していったのでしょうか?

古代の日本から、「若菜摘み」から7種を選び今の七草に定着したのは鎌倉時代の文献に書かれたのがきっかけだったと言われています。

しかし、すぐには定着しませんでした。

それよりもずっと後の江戸時代には庶民の方もお正月の風物詩として取り入れられていったのではとも言われています。

七草ってどの種類のこと?

今日の風習で残っている、七草粥の『七草』 セリ、ナズナ、ゴギョウ
ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ
と思されていると思います。

これは、春の七草と呼ばれる種類で、秋の七草も実はありますがこちらは特に何かをするという風習はありません。

この七草は、長い冬の時期は農作物、つまりは野菜が育ちにくく食料も少なかった時代。

春になると雪の間から目を出しているこの若菜が貴重な食料だったのです。

人々は、この七草を貴重な食糧としてお米と一緒に炊いたものを食べていたのです。

この時代は、もちろん炊飯器などありませんし、火と鍋しかない家庭もあったはず。

そういった家庭で簡単に作れるのがおかゆでした。

当時の人たちは、炊飯器など無いので水と米で作れた簡単なおかゆを普段の食事で食べていたのです。

この七草は、古代の人たちの貴重な栄養源だったと考えられています。

七草がゆの効果と意味って?

古代の人たちの貴重な栄養源だったということなので、この七草の効果となぜこの七草がチョイスされたのかをご紹介していきます。

セリ 『競り勝つ!』

解熱効果、胃を丈夫にする効果、整腸作用、利尿作用、食欲増進、血圧降下作用などの効果が期待されています。

ナズナ 『撫でて汚れを除く』

ペンペン草と言えば、馴染みがグッと深くなるのではないでしょうか?

利尿作用や解毒作用、止血作用を持っており更には、胃腸障害やむくみにも効果があるとされています。

ゴギョウ 『仏体』

痰や咳などの喉へ症状効果があり、痛みもやわらげてくれます。

ハコベラ 『反映がはびこる』

この若菜は、昔から腹痛薬として用いられており、胃炎に効果があります。

実は、歯槽膿漏にも効果があります。

ホトケノザ 『仏の安座』

胃を健やかな状態にしてくれる効果があり、食欲増進、更には、歯痛にも効果がありますよ。

スズナ 『神を呼ぶ鈴』

胃を健康に整える効果と、消化促進の効果もあります。

しもやけやそばかすにも効果があります。

スズシロ 『汚れのない清白』

これは、大根のことですね。

大根の栄養の中には、風邪予防になる効果や美肌効果が期待されます。

七草がゆはいつ食べてどういう風習なの?

七草がゆが、今日まで続いている風習ということをご存知の方は多いと思いますが、最近では作らない家庭や食べない家庭も増えてきています。

そもそも、七草がゆはいつ食べる物なのか、どういった風習なのかを簡単にご紹介しましょう。

七草がゆは、一般的にお正月明けに食べられる風習です。

お正月には、大勢でお祝いしますよね。
お酒と美味しい料理が振舞われ、
懐かしい家族との再会も。
お祭り騒ぎになるこの時期は、
食べすぎ・飲みすぎも多いのでは?

それが年末から続くとなると、胃が疲れてしまいます。

お正月明けの7日に、年末年始で疲れた胃を休めるために食べられています。

固形物ではなく、七草も刺激があるものではないのでとても胃にやさしく、不思議と朝に食べると、身体にしみる感覚を覚えることも。

7日になったきっかけは、前項の歴史で触れましたが『人日(じんじつ)の節句』だからです。

胃を休めるほか、人を大切にし無病息災で過ごしていけるように願いながら食べていたのが始まりですから、その習慣は今でも残っているという理由も頷けます。


ここで少し余談!

日本ならではの食べ物ということで…お寿司!お寿司に関する記事を載せておきますね。

気になる方はぜひ合わせて読んでみてください。

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七草がゆって英語でなんて言うの?

七草がゆは、日本の古来からの習慣と風習です。

外国人の方には、どうやって説明すればいいのでしょう?

フレーズや単語を駆使して、説明できるように学んでおきましょう!

七草がゆ
The seven herb rice porridge

The seven herbは、七草という意味で、
Rice porridgeの、Porridgeというのは元々、オートミールを牛乳などでふやかして柔らかくしたものを指します。

ここでは、お米の軟らかくしたものという事で、Riceが頭につくのです。

では、七草それぞれは何という?

セリ water dropwort

ナズナ shepherd's purse

ゴギョウ cudweed

ハコベラ chickweed

ホトケノザ henbit

スズナ turnip

スズシロ daikon radish

そのまま、ローマ字にして伝えても大丈夫かと思います。

せっかくなら、スマホを片手に写真を見ながら話をするのもいいですね!

無病息災や、胃を整えるなどを伝えたいときは wish for good health for this year(or forever)
calm stomach or rested stomach
で、食べすぎ・飲みすぎを付け加えたいときには by heavy eating and drinking と付ければOKです。

七草がゆって何?と聞かれたら…
It is an old Japanese custom of eating seven-herb rice porridge on January 7.

old Japanese customは日本の古い習慣という意味ですので、和訳は それは1月7日の日に、7つの薬草のお粥を食べるという日本の古い習慣ですよ。 という意味になります。

海外でも食べられているの?そもそも材料は売っているの?

七草がゆは、日本の古来からの風習とお伝えしました。

残念ながら春の七草は日本の固有種という薬草が多く、全て揃えることは難しいでしょう。

しかし、海外にお住みの方で試行錯誤して作ったよ!なんて声もネットには溢れていますね。

そもそも、七草でなくてもアレンジして作ってもOKです。

セリ科の植物は、ニンジンの葉っぱを代用すれば使えますしダイコンも赤いラディッシュか葉っぱを使っても、同じ科目なので代用可能。

そうしたアレンジで作ってみてもいいかもしれません。

一方、お粥の方ですが実はこの『粥』って総称だという事をご存知ですか?

お米を含む、穀類・芋を軟らかく煮た料理を『粥』と言うのでお米=粥という訳ではないのです。

更には、海外で目を向けると日本だけでなく、中国、朝鮮半島、ベトナム、シンガポール、マレーシア、タイなど東アジア・東南アジアでも一般的な食事として親しまれているので日本だけが食べるという事はないようですね。

ヨーロッパでは、昔から『そば粥』を食べていたという事実もありますので、どの国でも、粥という食べ方は同じような理由で食べられていたのでしょう。


またまた少し余談!

お粥に関連して、こちらも日本ならではの「お茶漬け」。そんな「お茶漬け」に関する記事を載せておきますので、合わせて読んでみてください!

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まとめ

七草がゆについて、色々と見てきました。

筆者も、七草がゆはそこまで食べる機会がなく、社会人になってからは親元にはお正月期間だけしか帰省しないのもあって、7日に食べる習慣というのはありません。

しかし、今回こうして七草がゆについて調べていくと知らないことばかりでした。

七草になった理由や、それぞれに意味や願いが込められていること。
中国からの伝来をもとに七草になっていったこと。
『人日の節句』というものがあったこと。
古来の日本人が、七草という若菜を楽しみに冬を越していたこと。
知らなかったことがたくさんありました。

更には、英語できちんと表現することが出来るのです。

日本独自の風習ですので、説明することが難しい事もあるかもしれませんが、お互いの独特な風習を知る機会にもなりますし、間違いなく話のネタにはなるかと思います。

相手に話すことで、自分の知識になりますのでお互いの国の歴史や風習について一度話をしてみてください!