ご家庭でお子さまに
英語絵本の読み聞かせをしてみませんか?
英語絵本の読み聞かせって難しい?
どんな絵本を選べばいい?
などの疑問にお答えしつつ、多読歴14年、英語絵本の読み聞かせ歴6年の私がご案内します。
子供の英語教育に最適な英語絵本の読み聞かせ
小学校から英語教育が始まっていますが、子どもが学校で英語についていけるか心配する親御さんも多いことでしょう。
子供の英語教育でとても大切なことは、繰り返しです。そこに親子の交流があればベストです。
ただ聞き流すのとは違い、親子の間に英語があると子どもの英語に対する関心は一気に高まります。
英語の絵本を親子一緒に楽しむことが良いと言われるのは、そのためです。
英語絵本で育った子どもは生活の中に生き生きと英語が生きています。
私の子どもは今9歳ですが、生まれた時から私が英語絵本の読み聞かせをしてきました。
英語を日本語に訳して教えることはしてこなかったのですが、不思議と子どもは英語の意味を次第に理解していきます。
ある時、私が残り少なくなった歯磨き粉のチューブを振り回して、なんとかもう一回使おうとしていたときのことです。
蓋が外れて、壁一面に歯磨き粉が飛び散るという大惨事がありました。
その場面を見た子どもは
“What a mess!”
(「なんてこと!」)
と叫びました。
6歳くらいのときでした。ずっと前に読んだ絵本で、出てきた場面とセリフが、子どもの記憶に残っていたのでしょう。
絵本にはそんな不思議は力があります。
詰込みのお勉強とは違う英語を、英語絵本は与えてくれます。
ご家庭でぜひお子さまと一緒に英語絵本を楽しんでみてはいかがでしょう。
英語に自身がない親御さんでも、お子さまと楽しめる方法と、年齢別におすすめの英語絵本をこれからいくつかご紹介します。
ここで少し余談!
子どもの英語学習のための教材を紹介している記事を載せておきますので、気になる方は合わせて読んでみてくださいね。
英語絵本の読み聞かせは難しくない
英語絵本の読み聞かせというと、どのようなものをイメージするでしょうか。
ネイティブが読むようにスラスラとよどみなく、良い発音で子どもに読み聞かせているのを想像するでしょうか。
もしも英語絵本の読み聞かせがそうであるべきなら、多くの日本人が英語絵本の読み聞かせなどできないことになりそうです。
完璧な発音を子どもに聞かせたい場合には、
CDを聞かせれば良いのです。
でも実は、親が子どもに英語絵本の読み聞かせをする効果は、発音の良し悪しはそれほど関係ありません。
幼児英語を始めて上手くいっていても、小学校入学が一つの壁になります。
小学校から高度な日本語を学び始めるため、英語よりもわかる日本語を好むようになるからです。
親との関わりの中に英語がない場合には、家庭内で英語に触れる機会が少なくなっていきます。
家で英語絵本を読む習慣があると、子どもは親と過ごす時間が大好きなので英語との関わりもずっと続くことになるのです。
親の発音が悪いと気にする方がいるかもしれませんが、CDやYouTubeなどでネイティブの音を聞く機会があれば問題ありません。
それよりも英語から離れてしまう事を恐れましょう。
完璧に読む必要は全くなく、自信がなければ1単語だけ読み上げることから始めても良いのです。
初めは絵を見て一緒に笑いあったりするだけで十分です。
またまた余談!
幼児教育に英語を取り入れるのはいつがベスト?そんな疑問をお持ちの方多いかと思います。
今回はそんな疑問に答える記事を載せておきます。合わせて読んでみてくださいね。
どうしても読めないパパママにおすすめの方法
単語だけでも読むのは無理という方はCD付の英語絵本を買って、子どもと一緒に本を開いて聞くだけでも良いでしょう。
または付属のペンでイラストをタッチするだけで読み上げてくれる英語絵本で、子どもと一緒に楽しむこともできます。
パパママは音声を何度か聞いた後、真似して読んであげると良いと思います。
子どももきっと真似して声に出し始めると思います。
親子で英語を学ぶというのも、素敵なことだと思います。
いつも親が子どもに教えなくてはいけないということもないのです。
パパママにとっても、英語を学ぶ良い機会となります。
子どもへの読み聞かせに最適な絵本
CD付、タッチペン付の英語絵本も併せて、子どもへの読み聞かせに最適な絵本を紹介します。
乳幼児におすすめの英語絵本
乳幼児から英語絵本の読み聞かせをしたい方におすすめの絵本を紹介します。
●The Very Hungry Caterpillar

The Very Hungry Caterpillar board book
- 作者:Eric Carle
- 出版社/メーカー: Philomel Books
- 発売日: 1994/03/01
- メディア: ボードブック
日本語タイトルは『はらぺこあおむし』です。
エリック・カールの絵本はとてもカラフルで、赤ちゃんにおすすめです。
CD付の絵本もありますし、指を入れてあおむしを動かすパペット付きのボードブックもあります。
動きがあると赤ちゃんの注意も向けやすく、私はこの絵本を長年使っていました。
英語絵本の読み聞かせ会でも使いましたが、赤ちゃんの反応は良かったです。
●Have You Seen My Duckling?

- 作者:Nancy Tafuri
- 出版社/メーカー: Greenwillow Books
- 発売日: 1991/08/01
- メディア: ペーパーバック
日本語のタイトルは
『うちのこみませんでした?』です。
ほぼ“Have You Seen My Duckling?”というフレーズの繰り返しなので、読みやすい絵本です。
アヒルの子が1羽いなくなり、お母さんが探し回るというストーリーです。イラストを良く見るとあちこちにヒントがあり、とても面白いです。
アメリカの優れた絵本に贈られるコルデコット賞を受賞した絵本です。
●Spot Goes to the Park

- 作者:Eric Hill
- 出版社/メーカー: Warne
- 発売日: 2005/03/17
- メディア: ボードブック
日本語のタイトルは
『コロちゃんこうえんへいく』です。
エリック・ヒル作のこのシリーズは、日本語訳も人気シリーズです。
仕掛け絵本になっているので、乳幼児の好奇心をそそります。
英語はシンプルでわかりやすく、読みやすいです。
●Wiggle
日本の絵本作家、五味太郎作です。
絵本に指が一本入るくらいの穴が開いているので、そこに指を入れて動かしながら読みます。
この指の動作が"Wiggle"というわけです。
イラストにより、穴が開いている場所が違っていて、鼻だったり尻尾だったりします。
視覚的にとてもわかりやすい絵本なので、赤ちゃんにおすすめです。
●Color Zoo

- 作者:Lois Ehlert
- 出版社/メーカー: HarperFestival
- 発売日: 1997/04/01
- メディア: ボードブック
日本語のタイトルは
『エイラトさんのへんしんどうぶつえん』です。
鮮やかな色と切り抜かれた形のページをめくると、いろんな動物が現れます。
動物の名前、形や色を見ながら英語で言えるようになるといいですね。
未就学児~小学校低学年
幼稚園・保育園の年少さんぐらいから、小学校低学年までのお子さまにおすすめの英語絵本を紹介します。
●Oxford Reading Treeシリーズ

STAGE 1+ FIRST SENTENCES PACK (Oxford Reading Tree)
- 作者:Roderick Hunt
- 出版社/メーカー: Oxford University Press (Japan) Ltd.
- 発売日: 2011/01/01
- メディア: ペーパーバック
多読でよく読まれている英語の読み物です。
レベル別になっていて一番下のレベルは本のタイトル以外に文字はなく、少しずつ語数が増えていくので無理なく英語に慣れることができます。
イラストを見て英語を聞くというスタイルから、文字を目で追うようになるまで対応できる絵本です。
全190冊ほどあるので、かなり長い間楽しめるシリーズです。
6冊セットから販売されており、本だけのセット、CD付のセットの他、タッチペンは別売りのサウンドブックもあります。
●Dear Zoo

- 作者:Rod Campbell
- 出版社/メーカー: Macmillan Children's Books
- 発売日: 2020/06/11
- メディア: ペーパーバック
日本語のタイトルは『おとどけものです』。動物を飼いたいと思っている子どもが、動物園にペットを送って欲しいという手紙を書きます。
ある日動物園から包みが届きます。扉がついていて、めくると中の動物が見える仕掛けになっています。
読み手は鳴き声などのヒントを出して、子どもたちに中の動物を当ててもらいます。
参加型の読み聞かせができる楽しい英語絵本です。
●No, David!

- 作者:David Shannon
- 出版社/メーカー: Scholastic
- 発売日: 2018/06/26
- メディア: ペーパーバック
日本語のタイトルは
『だめよ、デイビッド!』です。
やんちゃなデイビッドは次々と悪さをしてお母さんに怒られます。
いたずら大好きなお年頃の子どもたち、特にはだかんぼうで外に飛び出したりするシーンはおはなし会でも大いに盛り上がります。
デイビッドのシリーズは子どもたちに大人気です。
●The Secret birthday Message

The Secret Birthday Message Board Book
- 作者:Eric Carle
- 出版社/メーカー: HarperFestival
- 発売日: 1998/02/01
- メディア: ボードブック
日本語のタイトルは
『たんじょうびの ふしぎなてがみ』です。
エリック・カール作のしかけ絵本です。
ティムは誕生日の日に記号混じりの手紙を見つけました。なぞ解きのようなストーリーに、わくわくします。
●Little Red

- 作者:Bethan Woollvin
- 出版社/メーカー: Two Hoots
- 発売日: 2017/06/15
- メディア: ペーパーバック
日本語訳はまだありません。
赤ずきんの現代版のようなお話です。絵がユニークで、赤ずきんの表情がたまりません。
小学校3年生に読み聞かせをしましたが、とても反応が良かったです。
誰もが知っているお話なので、低学年でも楽しめると思います。
2016年のニューヨーク・タイムズ最優秀絵本賞に選ばれた作品です。
小学校中学年~高学年
小学校中学年以降になると、ちょっと考えさせられるストーリーも読み方次第では十分楽しんでもらえます。
語数は増えますが、それだけ読みごたえもあります。
●This is Not My Hat

- 作者:Jon Klassen
- 出版社/メーカー: Walker Books Ltd
- 発売日: 2014/06/16
- メディア: ペーパーバック
日本語のタイトルは『ちがうねん』です。
絵本作家ジョン・クラッセンの絵本は日本語訳もとても人気があります。
キャラクターの表情がぼーっとした印象とは裏腹に、さらりと描かれている謎に包まれたシーン。
大人も子どもも想像力が掻き立てられ、ブルっと身震いしてしまうストーリーが魅力です。
●Would you rather…

Would You Rather? (Red Fox Picture Books)
- 作者:John Burningham
- 出版社/メーカー: Red Fox
- 発売日: 1994/11/15
- メディア: ペーパーバック
日本語のタイトルは『ねえ、どれがいい?』です。
優しいイラストのジョン・バーニンガム作で、その優しいイラストからは想像できない究極の選択を、「どれがいい?」と迫ってきます。
これも参加型の読み聞かせができる楽しい絵本です。
お子さまに「どれがいい?」と聞いて選んでもらうと、とても盛り上がります。
●Still Stuck

- 作者:Shinsuke Yoshitake
- 出版社/メーカー: Harry N. Abrams
- 発売日: 2017/09/26
- メディア: ハードカバー
日本語のタイトルは『もうぬげない』です。
原作は日本語で、作者はヨシタケシンスケ。
独特の切り口で展開していくストーリーが愉快で、大人のファンも多いと思います。
日本語で読むのとはまた一味違った印象を受けるかもしれません。
子どもの特性を良くつかんでいて、子どもも親も共感できる絵本です。
●Pumpkin Soup

- 作者:Helen Cooper
- 出版社/メーカー: Square Fish
- 発売日: 2005/09/06
- メディア: ペーパーバック
日本語のタイトルは『かぼちゃスープ』です。
動物が主人公の絵本です。3匹の動物がかぼちゃスープをめぐって喧嘩します。
そのうちに乱闘が始まりアヒルが家出してしまいます。
もっと小さな子どもからでも楽しめますが、アヒルの強情さや喧嘩後の後味の悪さなどを感じることができる年齢になると、さらに深くストーリーの面白さを理解できて楽しめると思います。
CD付の本もあります。
●whatever
日本語のタイトルは『だから?』です。
何を見ても"Whatever"(「だから?」)としか言わない男の子に、喜んでもらおうと思ってお父さんは面白い場所や珍しい物を見せてあげます。
でもどんなにがんばっても喜んでくれません。そこでお父さんはすごいことを考えます。
この英語絵本も小学校3年生に読みましたが、シュールな展開に一同唖然とし、最後に「こわいー」と感想を口々に話してくれました。
3年生ぐらいになったら、絵を見るだけでも十分ストーリーがわかる絵本です。
親子一緒に楽しむのが一番
親子で英語絵本の読み聞かせを始めても、いきなり上手くいくとは限りません。
スタートする年齢が早いほど、子どもの抵抗にあうことは少ないですが、小学校に行き始めると初めは子どもの反発にあう可能性があります。
それでもあきらめず、でも無理強いすることなく、まずは読み手であるパパママが楽しそうに読んでいたら、子どもはきっと興味を持ってくれるようになります。
初めは 「何を言ってるのかわからない!」 と言われるかもしれません。
でも身振り手振りや擬音などを混ぜながら、時には少し日本語を織り交ぜながら読んであげていると、そのうちに受け入れ、一緒に楽しんでくれるようになります。
私が小学校3年生のクラスへ行き、いつも読む日本語の絵本の代わりに英語の絵本を初めて読んだときもそうでした。
でも何度か続けるうちに誰も文句を言わなくなり、一生懸命耳を傾けてくれるようになりました。
大人があきらめないことが肝心です!
もう一つ私の経験からですが、英語の絵本を読んでいるうちにいつしか自分自身が絵本に魅了されるようになり、本当に楽しくなってきます。
絵本は子どもの為だけの本ではないということです。
素晴らしい絵本がたくさんありますので、どうかお子さまと素敵な絵本の世界に浸りながら親子の交流と英語を楽しんでください。

純日本人、留学経験なし。学生時代は英語恐怖症だったのに、外資系企業で英語環境の中、化粧品の研究開発業務を約7年経験。苦手意識の裏には英語への強い憧れが潜んでいて、40歳で英語に目覚める。英語の多読が趣味。その趣味が高じて英語学習本も出版。英検準1級。現在はフリーライター。専門家として美容系の記事執筆・校正、英語学習系の記事を書くことも多い。日々ネイティブキャンプでスピーキング力を磨いている。