英会話を実践していく中で、最もコミュニケーションスキルが試されるのが、恋愛英会話ですよね。
特に、初対面の人を誘うナンパにおいては、する方もされる方もテンポよく小粋な会話ができることが求められます。
そこで今回は、海外ドラマや洋画のシーンを参考にしながら、ナンパにまつわる英語表現をチェックしてみたいと思います。
ナンパは万国共通!?タブーの国ってあるの?
ナンパは英語でhit onと言います。
"He’s hitting on me!" と言えば、「彼、私のことナンパしてきたの!」という意味になります。海外ドラマや洋画でもよく登場する表現です。
さて、アメリカなどの欧米の国では、ナンパは日本よりもカジュアルに行われているイメージがあるかと思いますが、逆にナンパがタブーの国というのはあるのでしょうか?
実は、アジアの他の国では、ナンパ待ちしている女子2人組というのはほぼ見かけないと言われています。
ナンパ自体がタブーというわけではないのですが、そのようにして異性との出会いを求めることは恥ずかしい、と考えられているようです。
また、治安のいい日本とは違い、突然声をかけてくる=詐欺師の可能性あり!と考えて警戒するのが普通なんだとか。
海外でナンパしたりされたりするときは、その国の文化的背景をしっかり調べたうえで臨んだ方が良さそうです。
ここで休憩!
恋愛ということで、「付き合う」の英語表現のブログをご紹介します!気になる方はぜひチェックしてみてください!
ナンパは女性から?男性から?「逆ナン」って何て言うの?
ナンパは基本的に男性から行うもの、というイメージがありますが、欧米の方では女性からのナンパも比較的カジュアルに行われているようです。
といっても、あくまで 「良さそうな人だから、ちょっと話してみたいな」 と考える程度で、まずはお友達感覚の方が多いようです。
ちなみに、女性からナンパを行うことを表す「逆ナン」という言葉は、英語で"pick up"と言います。
これは男性から女性に対するナンパで使うケースもあるので、「逆ナン」のニュアンスをしっかり出すために
"pick up a guy"
"pick up men"
などというケースが多いです。
ナンパで使える英語フレーズを知ろう
さて、それではさっそくナンパで使える英語フレーズを、さまざまな洋画や海外ドラマを参考にチェックしてみましょう!
Have a drink with me.
(僕と飲もうよ。)
映画「幸せになるための27のドレス」の中で、主人公が仕事関係のパーティーで出会った相手から飲みの誘いを受けるシーンです。
直訳すると「僕と飲め。」という意味になりますね。
"Would you~?"や"Please~."などの丁寧な表現にはなっていませんが、ナンパなので少々強引に迫っているのがうかがえます。
さて、こちらのフレーズに対して渋る主人公を説得する流れもリアルですので見てみましょう!
男性:It's a drink. It's not a week in Oahu. Come on. It'll take the edge off. Come on, just one drink.
(1杯飲もうよ。オアフ島で1週間過ごそうって言ってるわけじゃないんだから。いいだろ。落ち着けよ、な?1杯だけ。)
女性:I'm sorry. I'm really not gonna be very much fun tonight.
(ごめんなさい。今夜は本当にそんな気分になれないの。)
男性:Got it. Totally got it. So maybe I'll bump into you on Thursday.
(わかった。よくわかったよ。じゃ、また木曜日に偶然会うかもね。)
女性:Maybe not. I'll see you around.
(どうかしら。じゃあまたね。)
※単語・慣用表現チェック
take the edge off:和らげる、落ち着く
bump into:ばったり出会う
会話の締めが小粋ですね。
男性が「また偶然会おう」と言って女性が「どうかしら」と答える流れは英語のナンパシーンでは頻出です。
この場合、偶然と言っていながら、男性の方は絶対会えるように段取りを付けています。
女性の方も、maybeで返すことで、少しだけ期待を持たせるような終わり方になっていますね。
また、「オアフ島で1週間~・・・」といったくだりも非常によく聞きます。
「軽く1杯だけだからいいじゃん!」
と強調するのに使える表現ですね。
I’m a pretty fun guy.
(僕はとっても面白い男だよ。)
映画「ベガスの恋に勝つルール」で、偶然リムジンに乗り合わせた男女が会話するシーンです。
さりげなく誘ってみるもあっさりと断られてしまうため、ユーモアたっぷりに説得しようとします。
男性:Oh, come on. One drink. I'm a pretty fun guy. You can ask around.
(なあ、いいだろ。1杯だけ。僕はとっても面白い男だよ。僕の周りの人間に聞いてみるといい。)
女性:Thanks, but we have dinner reservations.
(ありがと。でもディナーの予約してるから。)
※単語・慣用表現
pretty:かわいい、かなり
誘い文句だけをずっと言い続けられるよりも、「僕と飲んだら楽しいよ!」と言われる方が興味がわくかもしれませんね。
「それ、自分で言っちゃうの?笑」と突っ込みつつも、仕方ないから一杯だけ・・・となる女性は多いような気がします。
Interested?
(僕に興味ある?)
ここまでは、ナンパに失敗するシーンをご紹介してまいりましたが、今回は成功シーンをご紹介したいと思います。
時にはたった一言でナンパに成功するケースもある!ということで、映画「10日間で男を上手にフル方法」に登場するナンパシーンをご紹介しましょう。
仕事関係のパーティーで出会った二人の会話です。
アンディ:Andie Anderson.
(アンディ・アンダーソンよ。)
ベン:I'm Benjamin Barry.
(ベンジャミン・バリーだ。)
アンディ:Cute.
(素敵。)
ベン:Thank you.
(ありがとう。)
アンディ:l meant your name.
(あなたの名前のことよ。)
ベン:Thank you two times.
(もう1度、ありがとう。)
アンディ:Unattached?
(フリー?(付き合ってる人はいない?))
ベン:Currently.
(最近はね。)
アンディ:Likewise.
(同じく。)
ベン:Surprising. Psycho?
(驚きだな。実はサイコ女とか?)
アンディ:Rarely.
(まさか。)
ベン:Hmm. Interested?
(ふーん。僕に興味ある?)
アンディ:Perhaps.
(多分ね。)
ベン:Hungry?
(お腹すいてる?)
アンディ:Starving.
(もうペコペコ。)
ベン:Leaving.
(出よう。)
アンディ:Now?
(今?)
ベン:Mm-hmm.
(うん。)
アンディ:Okay. One second. I'll meet you at the door.
(わかった。ちょっと待ってて。ドアのところで落ち合いましょう。)
※単語・慣用表現チェック
meant:mean(意味する)の過去形
unattached:結合していない、パートナーがいない
likewise:同様に
psycho:気の狂った、錯乱した、サイコな
starve:飢える(hungryよりも強い表現)
一度口に出してみていただくと分かりやすいと思うのですが、非常にリズム感のある会話となっています。
お互いに興味があることがはっきりしているときは、このくらいリズミカルに進めても問題ないかもしれませんね。
"Hungry?"に対して"tarving"で返していることから、彼女側も積極的に誘いに応じているのが分かります。
ただ、本来はもう少し男性に頑張らせてもいいかもしれません。
このシーンは、女性側も女友達とふざけて「男を引っかける」というチャレンジをしているシーンなので、いとも簡単に誘いに応じていますが、リアルな場面だとしたらちょっと軽すぎるような感じがします。
May I join you?
(僕もいいかな?)
続いて、恋愛英会話のバイブルである海外ドラマ「Sex and the City」より、紳士的なナンパフレーズをご紹介しましょう。おしゃれなジャズクラブで交わしている会話なので、落ち着いた雰囲気のやりとりとなっています。
男性:I couldn't help but notice how you move to the music. It's beautiful.
(リズムを取るのがお上手ですね。目が離せないほど、実にお美しい。)
女性:Well, I love jazz.
(私、ジャズが好きなんです。)
男性:That's pretty clear.
(ええ、そうでしょうね。)
女性:Are you a musician?
(あなたミュージシャン?)
男性:Yeah. Trapped in the body of a lawyer.
(ええ。表向きは弁護士ですが。)
女性:Well, we won't tell anyone.
(あら、それなら秘密にしておくわ。)
男性:May I join you?
((隣の席を指して)僕もいいかな?)
女性:Sure.
(ええ。)
※単語・慣用表現チェック
can’t help but~:~せずにいられない
trap in~:~に閉じ込められる(「弁護士の身体に閉じ込められている→弁護士のフリをしている→表向きは弁護士ですが」というニュアンスになります)
ちょっとわざとらしいくらいのセリフですが、これだけベタ褒めされればやっぱり嬉しいですよね。
また、弁護士という職業をひけらかすことなく、ユーモアを交えながら答えているのも好印象です。
ここまでにご紹介したナンパフレーズは強引なものが多かったですが、基本的には今回のように"May I~?"や"Would you~?"といった丁寧な表現を使った方が安全でしょう。
Let’s get out of here.
(ここを出よう。)
続いて、ナンパに関する映画として非常に有名な「ラブ・アゲイン」からご紹介いたしましょう。
この映画は、妻に捨てられた真面目な中年男が新たな出会いを探すべく、ナンパ師からナンパのノウハウを学ぶというあらすじになっており、こちらのセリフは「これさえ言えば間違いない!」とナンパ師が伝授するシーンで登場します。
“Listen, I'm going to be honest: it's getting late and I think you're interesting. I also think you're one
of those rare women who manages to be both wildly sexy and incredibly cute all at once. Let's get out of here. I know it's forward of me but just... I think we should get out of here.”
(聞いてくれ。もう遅い時間だし、君はとても魅力的だから言わせてもらうよ。君はとんでもなくセクシーで、同時に信じられないくらいキュートな女性だ。そんな女性は滅多にいない。ここを出よう。こんなの図々しいってわかってるけど、でも、僕たちここを出るべきだよ。)
※単語・慣用表現チェック
get late:夜が更ける
forward:図々しい(本来は「前方に」という意味ですが、前に出るというニュアンスから、図々しいという意味でも使われます。)
to be honest:正直に言って
ここまで誉めちぎる言葉は、実際に使うにはちょっとわざとらしすぎる気もしますが、最後の"Let’s get out of here."は非常によく使う表現です。
発音するときは、「レッツ ゲダウダヒァ」のような感じで、しっかりリエゾンを効かせて発音すると英語らしく聞こえます。
ここで余談!
また恋愛に関する英語フレーズの記事もご紹介します!気になる方はぜひ合わせてチェックしてみてください!
「ナンパ」にまつわる英語表現を知ろう♪
ナンパにまつわる英語表現をご紹介してまいりました。
参考になるものはあったでしょうか?
ナンパの会話では、初対面の一言二言で相手を判断することになります。
いかに知性とユーモアが伝わるフレーズにするかが勝負ですね!
また、ナンパの断り方についても参考になるフレーズがあったかと思います。
下手に突っぱねて逆上されては大変ですので、マイルドな断り文句も知っておくようにしましょうね。

高校時代イギリスに短期留学し、大学時代には留学生チューターとして海外留学生の支援に関わる。金融機関勤務を経て、2017年結婚を機にフリーランスとしての活動を開始。現在はオンライン英会話スクールNativeCampで講師を務めるほか、TOEICコーチとしても活動(直近スコア915点)。趣味は海外旅行。