人魚は英語で何という?気になる海外の人魚事情もご紹介します!

人魚は英語でなんという?、様々な国の人魚、ネイティブキャンプ

普段はあまり話題にならないと思われる
人魚ですが、英会話で映画や本の話になると話題にあがることもあるでしょう。

ディズニー映画好きなら、ぜひ覚えておきたい言葉の一つかもしれませんね。

今回は人魚を英語で何というか、人魚を使った例文や日本や海外の人魚伝説について紹介します。

人魚は英語で?男の人魚もいる?

人魚と言えば、真っ先にどんなものを思い浮かぶのは上半身が人間の女性、下半身が魚の姿ではないでしょうか。

子どもの頃にアンデルセン童話の一つである人魚姫の絵本を読んだり、ディズニー映画『リトルマーメイド』を観たりして人魚の物語を知っている人は多いと思います。

人魚は英語でMermaidと言います。
語源をたどると面白いですよ。

Mermaidはmeremaidからできた言葉で、mereは古英語でsea(海)を意味します。

maidは古英語のmaidenが元になっていて、意味はunmarried woman(未婚の女性)、特に若い女性のことをいいます。

Mermaidの言葉の由来が 「海にいる若くて未婚の女性」 ということを知り、人魚は結婚しないの?ずっと若いままなの?という疑問が湧いてきます。

調べてみると、人魚は何百年も生きると言われており、人間よりも老けるのがずっと遅いそうです。

ところで、人魚は女だけではなく、男の人魚もいるのはご存知でしたか?

男の人魚のことを、英語でMermanといいます。
日本語では性別関係なく人魚というので、私は男の人魚もいることを知りませんでした。

人魚を英語で説明してみよう

それでは英語で人魚を説明するとどんな風に表現できるのか、見てみましょう。

まずはシンプルな言い方から、少しずつレベルアップした言い方も紹介します。

(1)シンプルに人魚を表現

A mermaid is a woman with a fish's tail. It lives in the sea.
(人魚は魚の尻尾がある女性です。それは海に住んでいます。)

基本的な単語とシンプルな文法を使って短い文章で言い表すと、説明しやすいですね。

(2)もう少しレベルアップした表現

A mermaid is an imaginary sea creature that has the upper half of a woman and the lower half of a fish.
(人魚は上半身が女性、下半身が魚の架空の海の生き物です。)

他にもhalf-woman, half-fishと表現することもできますが、女性と魚がどんな風に半分なのかが明確にはなっていないので、さらなる説明が必要になる場合もあると思います。

(3)もっと詳しく人魚を表現

A mermaid is a mythical creature living in the ocean. A mermaid is a beautiful young woman with a fish's tail instead of legs.
(人魚は海に住んでいる伝説の生き物です。人魚は美しく若い女性で、両足の代わりに魚の尻尾がついています。)

人魚が若くて美しい女性であること、両足の代わりに魚の尻尾があること、海に住む伝説の生き物であることが表現できています。

日本に古くから伝わる人魚の話

人魚といえば、ディズニー映画のリトルマーメイドに出て来るようなイメージが強いかもしれませんが、人魚について調べると国によって人魚の姿が様々であることがわかりました。

実は、日本にも日本古来の人魚伝説があるのです。

日本の人魚伝説は
『八百比丘尼(やおびくに)』
といいます。

ある村の長者が見知らぬ男から招待されて屋敷に向いました。そこでお土産にもらったのが人魚の肉でした。その長者の娘が人魚の肉を食べたところ、不老長寿の力を得ていつまでも若さを維持していたと言います。その後、彼女は家族も夫も次々と死んで行ったことを悲観して、出家します。

その娘は800年も生きたと伝えられています。

ところで娘が食べたという人魚の姿ですが、頭が人間で体は魚という、リトルマーメイドとはかけ離れた怪物として描かれています。

Legend has it that if one eats the meat of a mermaid, he or she shall have perpetual youth and longevity.
(人魚の肉を食べた人は、不老不死を得るという伝説があります。)

ネイティブキャンプのブログには、人魚だけでなく「カッパ」に関するブログもあります!気になる方はぜひ合わせて読んでみてください。


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海外の人魚伝説

人魚の話は、いろんな国に存在しています。その姿も様々で呼び方も違っていますが、海に住む生き物で魚と人間が混じった姿は共通しています。

各国の話をいくつかを紹介します。

アンデルセン童話の人魚姫

デンマークのハンス・クリスチャン・アンデルセン作の童話『人魚姫』(1837年)が有名です。

人魚姫の話は広く知られていますが、簡単にあらすじを書きます。

6人姉妹の末っ子だった人魚姫は、15歳の誕生日に初めて海上に顔を出して船に乗っている王子を見つけ恋をします。

人魚姫はその夜、嵐で海に放り出された王子の命を助けます。その後も、人魚姫は王子が忘れられず、魔女に薬をもらって人間の姿になります。でも足は歩くたびにナイフでえぐられるように痛み、美しい声も失ってしまいました。

その上、王子から愛されて結婚できなければ海の泡になってしまうというのです。それでも人間の姿になることを選んだ人魚姫は、王子に気に入られてお城で一緒に暮らすようになります。
ある日、王子に見知らぬ国の姫との縁談話がきます。王子は気が進まないまま姫に会うことになりましたが、一目見た途端に姫と結婚することに決めたのです。

人魚姫は王子の愛を得ることができず、海の泡になってしまうという悲恋の物語です。

Andersen’s fairy tale “The Little Mermaid” is a story of tragic love.
(アンデルセン童話の『人魚姫』は、悲恋の物語です。)

(2)ギリシャ神話のセイレーン

ギリシャ神話にはsiren(セイレーン)という、3人姉妹の上半身は人で下半身は魚の姿をして美しい歌声で船を遭難させる恐ろしい怪物が描かれています。

船乗りのオデュセウスは魔女キルケから、セイレーンの歌声を聞いた船乗りは皆、船を岩に衝突させてしまうという話を聞いていました。彼は水夫たちの耳に蝋を詰め、彼自身は自分の身体をマストに縛り付けました。

セイレーンの歌声が聞こえると、それでもたまらなくなりマストを引き抜いて海に飛び込みそうになりましたが、仲間が引き留めてくれて助かりました。

神話では初め、セイレーンの下半身は魚ではなく鳥でした。語り継がれるうちに、いつしか鳥から魚に変わったのですね。

Sirens in Greek mythology are a similar legend to mermaids.
(ギリシャ神話のセイレーンは、人魚伝説の一種です。)

(3)ドイツの人魚伝説ローレライ

ドイツにはローレライ(Loreley)の人魚伝説があります。

ライン川流域にある大きな岩山ローレライに現れる人魚で、セイレーンのように船を沈没させるという話があります。

ローレライの岩山があるところは川の流れが速く狭い上に、水面下に岩がたくさん潜んでいるため、昔は良く船が事故を起こした場所でした。航行の難所であったことが、いつしか岩山に現れる美しい少女が船頭を魅了して、船が川の流れにのまれてしまうという伝説に変わったといいます。

The legend of a mermaid in Germany called "Loreley" is similar to the stories of Sirens in Greek mythology.
(ドイツにはローレライと呼ばれる、ギリシャ神話のサイレーンに似た人魚伝説があります。)

(4)アイルランドの人魚伝説メロウ

メロウはケルトの伝承に出てくる人魚です。

女の人魚は色白・長い髪で美しく、男の人魚は肌と歯が緑で赤い鼻小さい目という醜い姿をしています。

メロウは赤い鳥の羽でできた帽子をかぶっていて、この帽子がないと海に帰れないと言われています。漁師たちの間では、メロウに会うのは海が荒れる前兆であり、不吉がられています。

また、女のメロウは美しいため、独身の漁師がメロウの帽子を隠して海に帰れなくして妻にするという話もあります。人間との間の子どもを産むと、その子どもには水かきがあるとも言い伝えられています。

There is a legend in Ireland that says a “merrow” is an omen of rough seas.
(アイルランドには、メロウが荒海の前兆であるという言い伝えがあります。)

(5)ノルウェーの人魚伝説ハルフゥ

ノルウェーの人魚はハルフゥと呼ばれています。

不漁の前兆と言われ、漁師の間では不吉がられています。男の人魚は人間に好意的とも言われています。

また、子どもの人魚を捕獲した漁師は、予言を聞くことができるという話もあります。

Fishermen can listen to a prophecy from a captured “havfrue” child.
(漁師は捕まえたハルフゥの子どもから、予言を聞くことができます。)

(6)スコットランドの人魚伝説セルキー

スコットランドの人魚はセルキーと呼ばれています。

海の中ではアザラシの皮を着て生活していますが、陸に上がる時にはアザラシの皮を脱ぐのだそうです。

セルキーは男女ともに美しい容姿のため、人間の異性を誘惑すると言われています。人間の男性は、女のシルキーの毛皮を隠すと自分の妻にすることができるそうです。子どもも生んで、甲斐甲斐しく家族の世話をするのですが、隠されていた毛皮を見つけるとさっさと海へ帰ってしまいます。

Selkies, the Scotland version of mermaids/mermen, wear seal skins in the sea.
(スコットランドの人魚セルキーは、海の中ではアザラシの毛皮を着ています。)

(7)中国・韓国・朝鮮の人魚伝説

中国・韓国・朝鮮にも人魚伝説がありますが、西洋のものとは少し違います。

韓国・朝鮮には浪奸(なんがん)という話があって、漁夫が竜宮へ行って、食べると不老長寿になる朝鮮人参によく似た「人魚」というお土産をもらいました。漁夫は食べなかったのですが娘の浪奸が食べて300年生きた後、行方不明になったということです。

中国の『山海経』(せんがいきょう)に登場する人魚は、サンショウウオに似た姿で、泣き声が赤ん坊の様だと記されています。『洽聞記』(こうもんき)に出てくる海人魚という人魚は西洋の人魚に似ていて、容姿がとても美しく髪は馬の尻尾のようで、うろこには細い毛が生えているのだそうです。

東洋の人魚は中国の海人魚以外は、日本の八百比丘尼を含めて人間とかけ離れた怪物、もしくは魚に近い容姿であることが多いようです。

Most of the mermaids/mermen in Asia often have the form of a monster-like fish.
(アジアの人魚のほとんどは、モンスターや魚のような姿をしています。)

また人魚とは関係ありませんが海という共通点から、「クラゲ」の記事をご紹介しておきますね!気になる方はぜひ合わせて読んでみてください!


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人魚は架空の生き物?

ところで、人魚は本当に実在しない生き物なのでしょうか。

人魚の正体はジュゴンやリュウグウノツカイであるという説もあるようですが、憶測の域を出ていません。ただ、上半身が人間で下半身が魚という生き物が実在する可能性はほとんどないとも考えられています。

遠く離れた国にも似た伝説が生まれたのは偶然なのか、その経緯が知りたくなりますね。

けれど謎に包まれた人魚伝説だからこそ、人々の興味を引くのかもしれません。