杉は英語で何て言う?

杉は英語でなんと表現する、花粉症時期に役立つ英語フレーズ、ネイティブキャンプ

日本では毎年花粉がたくさん飛ぶ時期になると、花粉症の症状に悩まされる人も多いでしょう。

その影響は日本在住の外国人にも及んでいて、スギ花粉症の症状を訴えて病院を訪れる外国人も年々増えてきており、日本人だけの問題ではなくなりました。

そのため、スギ花粉の時期になると、在日外国人と話す時に花粉症について英語で話す機会が増える人も多いでしょう。

花粉症の話では主に症状についてがメインになると思いますが、そもそもなぜ日本にはが多いのか、のような背景知識まで話せるようになるとさらに会話が弾みます。

今回は、英語で杉についてもっと英語で話せるようにするために、杉の基本知識や、杉を英語で説明するための例文をご紹介したいと思います!

スギ花粉症はどのくらいの人がなっているの?

花粉症にも色々種類がありますが、日本で一番多い花粉アレルギーの原因は
「スギ花粉」です。

地域による差はあるものの、杉による花粉症の人は全国平均で4人に1人とも言われています。

1月頃から街では花粉対策のためにマスクをしている人たちを見かけ、ドラッグストアなどでは鼻づまりや目のかゆみを抑えるための薬や、鼻をかむ用のティッシュが店頭に並ぶ光景ももはや珍しいものではなくなりました。

症状がひどく、市販のではなかなか効かないため、病院で診察してもらった上で処方薬を服用するする人たちも多くいます。

大人になって、ある時からいきなり花粉症の症状が出始めた、という人も多く、今や私たちにとってとても身近な問題となっており、スギ花粉症は日本人の国民病とも言われています。

症状がひどい人は、一定期間を海外で過ごす人もいるくらいです。

杉の基本知識

まず、杉についてもっと詳しくなるために、杉に関する基本的な知識をご紹介します。

日本はなぜ杉が多いのか

日本の森林面積の約18%を杉が占めており、日本にある人工林の中ではもっとも多い数です。

国内にここまで杉が多くなった背景としては、まず、戦時中に大量の木材が軍需物資として使われたことが発端となっています。

さらに、戦争による爆撃などで、多くの木造住宅が被害を受けたことによる復興のための建設に莫大な木材の需要が発生し、日本の山林から大量の木材が伐採され、結果的に木材不足となりました。

その木材不足対策として大量植林が行われたのですが、特に早く成長し、木材として扱いやすく加工しやすいという点で、杉が大量に植えられました。

その後も、日本は高度経済成長期に入り、建築ラッシュによる木材需要が高まったことにより、さらに杉の植林も加速していきました。

しかし、次第に外国産の安い輸入木材が流通するようになり、国内産の杉はそのような格安輸入木材に勝てなくなっていきました。

そのため、植林された杉への需要が当初の予定を遥かに下回るようになり、必要の無くなった大量の杉が、伐採もされずに残って成長したため、毎年花粉を飛ばし続けているという状況です。

花粉を飛ばし続け、私たちの私生活にも影響を及ぼしている杉を伐採しない理由として、 「土砂崩れなどの災害対策」
「地球温暖化を防ぐ役割」
「林業関係者の仕事の関係」
などが挙げられています。

ちなみに、今も毎年新しい杉が植え続けられています。

杉は何に使われるのか

杉の用途としてまず挙げられるのが、一般木造住宅などの建築材です。

木造住宅のあらゆる部分に杉が使われます。

杉には、日本人が本来求める 「木の温かみ」
「木が持つ香りによるリラックス効果」
があると言われています。

また、日本の伝統工芸品であり、「曲げわっぱ」にも杉の木が使われています。曲げわっぱとは、杉やヒノキの薄板を曲げて作られる円筒形の木製の箱で、主に米びつや弁当箱として使われます。

味噌、醤油、日本酒などを作る際に利用される「樽」もよく杉が使われています。

私たちの日常生活に身近な杉製品として
「割り箸」が挙げられます。割り箸は、丸太から建築材などを切り出した後の切れ端から作られる、もしくは、杉を育てている過程で若い杉を間引いて作られます。

さらに、杉は木の部分だけではなく、葉を乾燥させ粉にし、「線香」にも用いられています。杉線香は煙がよく出るのが特徴だと言われています。

杉の種類

杉には様々な種類があり、産地によって木の特徴が異なります。よく知られている杉の種類は以下です。

屋久杉

屋久杉は、標高500mを超える屋久島の産地に生息している、樹齢1000年を超える杉です。「香りが強い」「油分が多い」「成長が遅いため、木目が密」「腐食に強い」などが屋久杉の特徴です。

吉野杉

吉野杉は主に奈良県中南部の吉野林業地帯が産地の杉です。

日本三大人口美林にも数えられる吉野杉の特徴は「真っ直ぐ育つ」「節が少ない」「年輪が均一」「香りが良い」などが挙げられます。

江戸時代には特に酒樽として使われていました。

秋田杉

秋田杉は、秋田県の米代川、雄物川流域の森林地帯に生息する天然スギです。

秋田杉は日本三大天然美林に数えられ、曲げわっぱのような工芸品に使われています。

特徴は、「年輪の目が細かい」「赤み強い」「香りが良い」などが挙げられます。

杉に関する英語表現

ここでは、実際に英会話で使える、杉に関する英語表現をご紹介します。

杉を英語で言うと?

杉は英語で以下のように言えます。

・cedar
・cedar tree
・Japanese cedar

※「cedar」の発音は、síːdɚ(米国英語) / síːdə(英国英語)

また、花粉に当たる英単語は「pollen」であり、スギ花粉は英語で、「cedar pollen」と言うことができます。

ちなみに、よく杉と一緒に語られることの多い木と言えば「ヒノキ」ですが、ヒノキは英語で以下のように言うことができます。

・cypress
・Japanese cypress
・hinoki

※「cypress」の発音は、sάɪprəs

日本ではなぜスギ花粉症が多いのかを英語で説明しよう

日本でスギ花粉症が多い理由は、前述した「杉が多い理由」を説明すればOKです。

しかしながら、そもそもの話がとても難しいので、あくまでも一例ですが、簡単に説明できるような例文をご紹介します。

〈例文〉

Cedar trees make up about 18 percent of Japan’s forest area, which is the largest percentage within the planted forests of Japan.
(日本の森林面積の約18%を杉が占めており、日本にある人工林の中ではもっとも多い数です。)

In the post-war years, Japan found itself in need of wood for the recovery process.
(戦後、日本は復興過程で木材を必要としていました。)

The Japanese government ordered millions of cedar trees to be planted, because it grows fast and is easy to process.
(杉の木は早く成長し、加工しやすいので、日本政府はものすごくたくさんの杉の木を植えるように指示を出しました。)

However, cheaper imported lumber drove down demand for domestic wood.
(しかし、安価な輸入木材が国産木材の需要を押し下げました。)

Since the demand for cedar has dropped, there is little incentive to cut down cedar forests.
(杉への需要が落ちているので、杉の木を切る必要性がほとんどありません。)

Furthermore, the country still plants a lot of cedar every year.
(さらに、日本はいまだに毎年たくさんの杉を植えています。)

〈ボキャブラリー〉

make up 〜 percent
〜パーセントを占める
post-war 戦後の
demand 需要

世界遺産の屋久杉を英語で説明しよう

最後に、世界遺産でもある屋久杉を英語で説明する例文です!

Yakusugi is the name given to the ancient Japanese cedar trees on the island of Yakushima.
(屋久杉は、屋久島にある古い日本杉に与えられる名前です。)

What makes Yakusugi special is their life expectancy. In strictly speaking, the title of '’Yakusugi’' is only given to trees aged 1,000 years or more.
(屋久杉を特別なものにしているのがその平均寿命です。厳密には、1000年以上の木に屋久杉の称号が与えられています。)

In general, the Japanese cedar lives for about 500 years, but Yakusugi trees live much longer.
(一般的に、日本杉はおよそ500年程生きますが、屋久杉はそれより遥かに長く生きます。)

Because of high rainfall and low soil nutrition, the trees grow slowly and build up high amounts of resin.
(高い降雨量と低い土壌栄養のために、木はゆっくりと成長し、大量の樹脂を作り上げます。)

The resin protects the tree from disease and decay. As a result, these trees tend to have longer lives.
(樹脂は病気や腐敗から木を守ります。 その結果、これらの木は寿命がより長くなる傾向があります。)

〈ボキャブラリー〉

ancient 古代の
life expectancy 平均寿命
strictly speaking 厳密には
in general 一般的に
nutrition 栄養
resin 樹脂
decay 腐敗
tend to 動詞 〜する傾向にある

上記の文章もあくまで例文であり、そのまま全体を一気に説明しようとしても難しいですが、まずはポイントポイントで説明できるようにしてみましょう!

まとめ

今回の記事のまとめです。

・戦後復興や高度経済成長期の建設ラッシュによる木材の需要が高まり、大量の杉が植えられた

・格安輸入木材に勝てなくなった杉への需要は落ち込み、伐採されずに残った大量の杉が花粉を飛ばしている

・杉は英語で「cedar」「cedar」「Japanese cedar」と呼ばれる

いかがでしたでしょうか。

日本に大量の杉がある理由を初めて知った、という方もいると思います。

様々な種類の木がありますが、この機会によく聞く木の種類を英語で調べてみてはいかがでしょうか。

木材が使われている楽器を弾く人は特に勉強になると思いますよ!