琴について英語で話してみよう!

琴、イラスト

近年では、日本の伝統的な和楽器が、ロックやEDMをはじめとした様々なジャンルの音楽にも使われ始め、注目を集めるようになってきました。

代表的な和楽器と言えば、和太鼓、琴、鳴子、琵琶、編簓、尺八、三味線などが挙げられます。

私たち日本人でも実際に日本の伝統和楽器に触れたことのないという方も多く、琴を習う人や作る職人さん達も減ってきているのが現状です。

ですが、日本の伝統文化に興味のある外国人はたくさんいるので、英会話で日本のことについて話している時に和楽器についての話題になることもあります。

そこで今回は「琴」について、英語で話すための知識から英語例文までご紹介いたします!

琴の基本知識

ここでは、琴を英語で説明するための基本知識をご紹介します。

琴は英語で?

琴は、英語でそのまま「KOTO」で大丈夫です。

もしKOTOを詳しく英語で説明するとしたら、以下のように説明できます。

The “Koto”, also known as “Japanese harp”, is a traditional Japanese stringed instrument similar to a zither.
(「日本のハープ」としても知られている琴は、チターに似た伝統的な日本の弦楽器です。)

琴の簡単な歴史

もともと日本では3世紀頃から琴の原型となる楽器は存在していましたが、8世紀、奈良時代に中国大陸から「コト」と呼ばれる楽器が日本に伝えられ、両者は融合・多様化していきました。

鎌倉時代以降、琴は寺院音楽用の楽器として広まっていき、室町時代には琴の更なる音楽性・芸術性への追求がなされました。

その後、時代を経て琴の様々な名曲が生まれ、戦後には海外に紹介される機会も増え、琴の名は世界中に広まっていきました。

現代では、伝統的音楽のみならず、幅広いジャンルの音楽で琴が使われるようになり、日本文化という枠を飛び越え、新しいスタイルの音楽が次々と生まれています。

なお、「コト」には「箏」と「琴」があり、これらは異なる楽器です。

私たちがよく目にする「コト」には「琴」の漢字を当てはめますが、現在、通常使っている「コト」は「箏」です。

「箏」「琴」の最大の違いは、箏は柱(じ)と呼ばれる可動式の支柱で弦の音程を調節するのに対し、琴は柱が無く弦を押さえる場所で音程を決める、ということです。(Wikipedia調べ)

ちなみに、今でこそ女性が弾くもの、というイメージが持たれがちの琴ですが、元々琴の世界は男性が弾く楽器でした。 歴史をさかのぼると、当時は権力者のみが演奏を許された楽器でした。

琴の素材

一般的な琴のサイズは、全長(length)約182cm、幅(width)約25cm、重さ(weight)約5.5kgです。

ボディの大部分は桐(paulownia wood)が使われています。琴に使われる桐は寒い地域で生育された目の詰まった重いものが適しています。

また、木部の密度(density)や水分の含有量(content)が音色に影響する、会津地方の桐が最も琴に適している、とも言われています。

ちなみに、ボディの細部には紅木や紫檀(rosewood)、花梨(quince)、鯨骨(whalebone)、象牙( ivory)などが使われています。

なお、広島県福山市は琴の生産地として有名で、日本国内で生産されている琴の7割は福山琴だと言われています。


ちょっとここで一休み!

日本の文化「琴」について紹介してきましたが、日本文化は「琴」だけじゃありません!

一緒に紹介できたらきっと喜ばれる日本文化「茶道」についてもチェックしてみましょう!

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世界で活躍する日本人琴奏者

ここでは、世界で活躍する3人の日本人琴奏者を紹介します。

みやざき みえこ

ワールドワイドな活躍で日本の伝統音楽を広めている琴や三味線の演奏家。ラジオやテレビに数多く出演。

2005年よりフランスに拠点をうつし、ヨーロッパを中心に活動中。これまでに多くの大物海外ミュージシャンとも多数共演している。

今野 玲央

驚異のスピードとテクニックで、ジャズからクラシックまで多彩な曲を奏でる箏曲家。

日本人とアメリカ人のミックス。横浜インターナショナルスクールで教育を受ける。

16歳の時に日本を代表する邦楽コンクールで初出場ながら史上最年少で最優秀賞を受賞。

明日佳

巧みな速弾きを得意とし、「オリジナル楽曲」の制作・作曲・演奏を基本姿勢としている。

邦楽シーン・流派にとらわれず、 ポップス、Jazz、ダンスミュージック界など世界中の様々な音楽シーンで活躍するアーティストとのコラボレーションを活動基盤としている。現在は、活動拠点を東京とニューヨークにもつ。


ここでちょっと寄り道!

世界で日本文化を広めている人は琴奏者だけではありません。

世界で活躍する「書道家」についても合わせてチェックしてみましょう。

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琴に関する英語例文

ここでは、英語で琴に関して説明するための例文をレベル別に紹介します。

初級者編

I can play the KOTO.
(琴を弾くことができます。)

I know how to play the KOTO.
(琴の弾き方を知っています。)

I practice the KOTO everyday.
(毎日琴の練習をします。)

KOTO are expensive.
(琴は高いです。)

I have been playing the KOTO for more than 10 years.
(10年以上ずっと琴を弾いています。)

Have you tried the KOTO before?
(琴をやってみたことはありますか?)

I have never played the KOTO.
(琴は一度も弾いたことがありません。)

The KOTO is difficult to master.
(琴をマスターするのは難しいです。)

I like the sound of the KOTO.
(琴の音が好きです。)

KOTO are about 180 cm long.
(琴はおよそ180cmの長さです。)

KOTO are made of paulownia wood.
(琴は桐から作られています。)

KOTO have 13 strings.
(琴は13本の弦があります。)

中級者編

The KOTO is known as a traditional Japanese harp.
(琴は日本の伝統的なハープとして知られています。)

The KOTO is a Japanese stringed musical instrument.
(琴は日本の弦楽器です。)

The KOTO is derived from Chinese Guqins.
(琴は中国の古琴に由来しています。)

The KOTO was introduced to Japan in the 8th century from China.
(琴は8世紀に中国から日本に伝わりました。)

The Japanese KOTO belongs to the Asian zither family.
(日本の琴はアジアのツィター系に属します。)

The 17-string bass KOTO is called Jushichi-gen in Japanese.
(17弦の琴は日本語で17弦と言います。)

The strings are plucked by using ivory picks called “TSUME”.
(爪と呼ばれる象牙のピックで弦を弾きます。)

Each string has its own name.
(それぞれの弦に名前がついています。)

What does the KOTO sound like?
(琴の音はどんな感じですか?)

Fukuyama is the top producer of KOTO.
(福山はトップの琴生産地です。)

上級者編

Sit directly in front of, and to the right of the KOTO. Lean forward and pluck the strings about 3-5 cm from the right.
(琴の真正面、右側に座ってください。前に傾いて、右から3から5cmほどのところで弦を引っ張ってください。)

Before playing the KOTO, it must be tuned.
(琴を演奏する前に、チューニングを合わせる必要があります。)

Players can adjust the string pitches by moving the white bridges.
(奏者は白いブリッジを動かすことによって、弦のピッチを調節できます。)

To play the KOTO, the strings are plucked using three fingers.
(琴を弾くのには、3本の指を使って弦を引っ張ります。)

Nowadays, some Koto players rest the KOTO on a stand, and sit in a chair to play it.
(最近では、琴をスタンドに立てて、椅子に座って弾く奏者もいます。)

Depending on the wood type, the quality of the sound and the price of the KOTO will vary.
(木の種類によって、音のクオリティーや琴の値段が変わります。)

One of the most common materials for the body of the koto is paulownia wood.
(最も一般的な琴のボディー用素材の1つが桐です。)

The famous KOTO song “Haru no Umi” is said to have been written in Fukuyama.
(あの有名な琴の曲「春の海」は福山で書かれたと言われています。)

まとめ

・中国から日本に琴が伝わったのは8世紀で、元々は男性が弾く楽器だった

・琴のボディーの大部分は桐で作られている

・日本国内生産の琴の7割が広島県福山市で作られている

・現在琴はジャンルを超えて、幅広い音楽で使われている

ちなみに、琴を実際に体験出来る場所は多くないですが、福山市には、1時間かけて琴がどのような楽器なのか、どのように弾くのかを琴の先生から学び、1曲を1人で弾けるようになる体験教室がありますよ!

琴は日本の伝統的な楽器とはいえ、私たち日本人にも一般的で馴染みのあるものではなく、ある程度基本的な知識がないと話すのは難しいですよね。

この記事をきっかけに、他の日本の伝統楽器についても英語で話す挑戦をしてみてはいかがでしょうか。

オンライン英会話のネイティブキャンプには、日本の文化が大好きな講師がたくさんいます。

ぜひ、そんな講師たちに日本の「琴」について紹介してみてくださいね!