日本語の四字熟語を英語で説明できる?

f:id:nativecamp_official:20190609175237p:plain

「そういえば英語で説明するにはどう表現すればいいのだろう?」
と疑問に思ったことはありませんか?

日常会話で頻繁に使わないものの、いざってときのために四字熟語を英文でスムーズに答えられると格好いいですよね!

オリンピックも近づき、日本文化への関心も高まっていますので、質問される機会も、もしかしたらあるかもしれません。

今回は、いつ何時、外国からのお客様に聞かれても答えられるよういくつかの「四字熟語」をピックアップしました。

四字熟語について学べば、英単語や文型などご自分の英語の学習にとっても参考になります。

四字熟語自体をどう説明するのか、また「ことわざ」との違いも後半に解説していきますので、最後までチェックしてくださいね!

日本語の四字熟語は英語でも表現できる!

日本文化の1つでもある「四字熟語」

簡単なものであれば、子供も小学校から習います。みなさんも自分のお気に入りの四字熟語があるかもしれませんね。

「株式会社学研プラス」からは「パンダでおぼえる 英会話」に加え「パンダでおぼえる 四字熟語」がシリーズとして出版されています。

表紙の”もふもふパンダ”の写真がとても可愛いので書店等でもすぐに見つかります。各ページにもパンダの写真がふんだんに使われています。

「パンダでおぼえる 四字熟語」では、例文とともに四字熟語の紹介、そして類語や反対語、言葉の由来も載っています。

日本語の四字熟語は、英単語単体やいくつかの単語を組み合わせて表現することができます。

今回は英語に翻訳にしたいとよく調べられる四字熟語と、外国人に人気と言われている四字熟語をピックアップしてご紹介していきます!

直訳的に翻訳されていたり、比喩的に表現されていたりと、四字熟語を英語にする方法にはいろいろとあって面白いですよ♪

よく調べられる四字熟語12選

「この四字熟語ってどう英語に翻訳するの?」とよく調べられる12個の四字熟語がこちらです。

「以心伝心」や「一石二鳥」と、日常的に使われる言葉、よく耳にする・目にする言葉が目立ちます。

ここでフレーズを覚えておけば、英会話でも格好よく使うことができますよ!

「起死回生(きしかいせい)」

→“epic recovery”、“the kiss of life”

意味:危機的状況・絶望的な状態から一気に立て直すこと

「平身低頭(へいしんていとう)」

→“prostrating oneself”

意味:ひたすら恐縮する、頭を低く下げ恐れ入ること

「一致団結(いっちだんけつ)」

→“unity”、“solidarity”、“cooperation”

意味:たくさんの人が1つの目的のためにまとまること

「自画自賛(じがじさん)」

→“self-admiration”、“self-approval”

意味:自分がした行為を自分自身で褒めること

「以心伝心(いしんでんしん)」

→“tacit understanding”、“telepathy”

意味:言葉や文字を使わずとも互いの心と心で通じ合えること

「一石二鳥(いっせきにちょう)」

→“killing two birds with one stone”

意味:1つの行為から2つの利益を得ること

「不眠不休(ふみんふきゅう)」

→“sleepless”、“night and day”

意味:眠ったり休んだりしないこと

「満身創痍(まんしんそうい)」

→“having wounds all over one’s body”

意味:体中が傷だらけな様、ひどく非難され痛めつけられている様

「喜怒哀楽(きどあいらく)」

→“feelings”、“emotional”

意味:人間が持つ「喜び」・「怒り」・「悲しみ」・「楽しみ」の4つの感情

「我田引水(がでんいんすい)」

→“special pleading”、“turning something to one’s advantage”

意味:物事を自分の都合のいいように言ったりすること

「十人十色」(じゅうにんといろ)

→“So many men, so many minds”

意味:考え、好みや性質などは人それぞれに異なること

「不言実行」(ふげんじっこう)

→“Action before words”

意味:あれこれ言わず、実行に移すこと

四字熟語と英語を関連させた書籍として、「ビジネス 四字熟語を英語にする」(著者 晴山陽一著)があります。

ニュースをにぎわす四字熟語3500個が載っています。

「有給休暇」や「年功序列」など、ビジネスやお金のことなど日本文化を外国人に紹介する英会話表現にも使えそうですね。

外国人に人気の四字熟語11選

次は、とある調べによってわかった外国人から人気のある四字熟語11選です。日本人らしい考え方・精神・心がこもった四字熟語が多い気がしますね。

やはり“日本の文化の1つ”と捉えている外国人の方は、意味の美しさや奥深さに惹かれるて好きになるのでしょうか。

人気の四字熟語を見てみると、少し日本人であることが誇らしく思えます。

「一期一会(いちごいちえ)」

→“treasure every meeting, for it will never recur.”

意味:一生涯に一度きりの機会のこと

「一日一善(いちにちいちぜん)」

→“one good deed a day”

意味:1日1つ善行をし、そのことを日々積み重ねていきなさいという呼びかけ

「誠心誠意(せいしんせい)」

→“wholeheartedly”、“devotedly”、“faithfully”

意味:嘘偽りがなく、真心を持って物事を行うこと

「諸行無常(しょぎょうむじょう)」

→“all things are in flux and nothing is permanent”

意味:万物は常に変化し、少しもとどまらないこと

「温故知新(おんこちしん)」

→“an attempt to discover new things by studying the past through scrutiny of the old”

意味;先人の知恵に学ぶこと、過去の事実を研究し新しい知識や見解を見出すこと

「花鳥風月(かちょうふうげつ)」

→“the beauties of nature”

意味:美しい自然の風景、風流なこと、優雅な遊び

「因果応報(いんがおうほう)」

→“retribution; retributive”

意味:良い行いをすれば良い報い、悪い行いをすれば悪い報いがあるということ

「森羅万象(しんらばんしょう)」

→“all (the whole of) creation“、“the universe”、“all nature”

意味:この世界に存在するすべての物・現象のこと

「明鏡止水(めいきょうしすい)」

→“a mind as serene as a polished mirror (as still water) ”、“a mind undisturbed by evil thoughts”

意味:邪念のない落ち着いた静かな心境

「不撓不屈(ふとうふくつ)」

→“unflagging”

意味:どんな困難にも決して心がくじけないこと

「一蓮托生」(いちれんたくしょう)

→“Be in the same boar, share”

意味:結果の良し悪しに関わらず、行動・運命をともにすること

番外編として、「誤字脱字」や「寿司職人」などが挙がることもあるようで外国人の取り方が面白いですね。

「四字熟語」を英語で説明するなら?

「四字熟語」は「four-character idioms」

さて、もし外国人相手に“四字熟語自体”の説明をするとしたら.......皆さんはきちんと説明できるでしょうか?

実は、単語としての四字熟語を表現することはとっても簡単!

“文字”という意味を持つ「character」と、“熟語”や“慣用句”という意味を持つ「idiom」を組み合わせて
「four-character idioms」
とすれば「四字熟語」と表現できるんです。

日本独特の文化である「四字熟語」がどういったものかは、
“Yojijukugo is a Japanese idiom consisted of four characters called Kanji.”
→「四字熟語は、漢字と呼ばれる4つの文字で構成される日本の慣用句です」
のように説明するといいでしょう。

「四字熟語」を知らない外国人でも、これなら伝わりやすいはずですよ。

「四字熟語」と「ことわざ」の違いはどう説明する?

「四字熟語」と同じく、日本には「ことわざ」という昔から伝承されている言葉があります。
この2つの違い、皆さんは英語で説明できますか?

まず「ことわざ」は、英語で「saying」または「proverb」と表現します。
どちらも「ことわざ」を意味する英単語ですが、微妙にニュアンスが違うのでここで説明しますね。

「saying」は、昔から世の中に言われてきている習慣や言葉などの“言い習わし”、また“有名人が言った名言のようなもの”というニュアンスがあります。

そして「proverb」には、“アドバイスや警告を織り交ぜた短い言葉”というニュアンスが含まれています。
教訓の意味合いを強く伝えたい場合は、「proverb」の方を使うといいでしょう。

ことわざをひとつ紹介しましょう。

All roads lead to Rome.
=すべての道はローマに通ず
意味は「手段は違っても、目的は同じ」だということです。

このように、「四字熟語」と「ことわざ」の大きな違いは、“昔から伝えられてきた大切な教え・教訓”のようなものが含まれている言葉かどうかということです。

ことわざには人生に役立つ教えがたくさん込められていて、恋愛やビジネスシーンにも役立つ場合が多々あります。

それに対して「四字熟語」は4つの文字が構成された言葉とあるだけで、“教訓”などは特に含まれていません。

なので、2つを説明する時はその部分を説明すれば違いを使えることができますよ!

そもそも外国人って四字熟語を知ってるの?

日本文化の1つとして意外と知っている

現代では、インターネットなどの普及や日本への関心も高まり、「意味は知らなくとも言葉だけは知っている」という外国人が実は結構いるんです。

私たちが国語の授業で勉強する四字熟語は、外国人目線ではお寺や着物などと同じような日本の文化の1つとみているようです。

見た目が格好いいことで知っている外国人もいる

外国人の中には、漢字4つが並んだ四字熟語の見た目が格好いいという点で「知っている」・「興味がある」という方もいます。

私が初めてオーストラリアに留学をしたとき、何人か日本の漢字をタトゥーにしている方を見かけました。

漢字1文字のものもあれば、四字熟語を彫っている方も。

「意味は知っている?」
「なんでこの四字熟語を選んだの?」
と質問すると、「見た目が格好いいから」という答えがほとんど。

正直、日本人の私からすると、なぜこの四字熟語を選んだろうと思うような意味のものもあり驚いた記憶があります。

この経験は、オーストラリアだけではなく他の国でもありました。
だいたい10~20代の若い年代の子に多いですね。

間違った言葉を掘っている方もいましたが、面白さもありつつ、日本の文化を取り入れてくれていることに嬉しさを感じたことを覚えています。

武道を習っていて知っている

近年では、柔道や空手、剣道や合気道などの武道を習っている外国人の方も多いです。
スペイン人の友人の旦那さんは、尊敬している先生のもとで学びたいとわざわざ来日したくらいです。

そういった武道を習っている外国人の方は、武道そのもの以外にも興味があようですね。

例えば、日本の心や礼儀、そして日本文化全般。その中で四字熟語も入っているようなんです。

四字熟語には「切磋琢磨(せっさたくま)/ 仲間同士互いに励ましあって向上する」や、「堅忍不抜(けんにんふばつ)/ どんなことにも心を動かさず耐え忍ぶこと」などの武道に通じる言葉もありますよね?

武道を習っている外国人の中には、自分の国に道場を持っているような先生クラスの方もいます。

そういった方々は、自分の道場にこういった言葉を掛け軸のように掲げておきたいと思っているそうですよ。

実は中国にも四字熟語はある!

ここまで「四字熟語」は日本独特の文化とお話ししてきましたが、実は中国にも似たような4つの漢字が組み合わさった言葉があります。

しかし、中国語には「成語(日本でいう四字熟語)」・「ことわざ」・「慣用句」・「俗語」などに明確な区別がなく、日本のように「これが四字熟語!」といったカテゴリーはありません。

日本語の四字熟語はもちろん日本オリジナルの言葉ばかりですが、「一石二鳥」や「天真爛漫」など、中には中国の故事から生まれたものも実はあるんです。面白いですね!

まとめ

いかがでしたでしょうか?

日本独特の「四字熟語」を英語に翻訳するって難しいと思いがちですが、使われる英単語の意味がわかると意外と簡単です。

「四字熟語」によっては表現方法がいくつかありますので、自分が覚えやすいもの・説明しやすいものを身につけていくといいと思いますよ。

社会人など、熟語を勉強して日本語検定にチャレンジする人もいます。日本語と英語を結びつけて覚えるのも一つの手と言えます。

これから、ますます外国人の訪問者が増えていきます。日本人として日本の文化をスムーズに説明できるようにしておきたいものですね。

国際交流が盛んな今だからこそできることでもあると思います。海外留学を予定している方も、他国の方は自国愛が強く、自分の国の歴史や見どころをよく話してくれます。

ですから、日本のことを話せるようにしておくと会話が盛り上がりますよ。頑張って覚えましょうね!