英語の論文サイト・検索システムを駆使して必要な情報を手に入れる方法

英語、論文、検索

英語の論文サイトは膨大な量の文献データがインターネット上に公開されています。

英語の翻訳者、企業や医学等の研究に携わる人などにとって専門分野や専門用語の引用文献・資料を入手したり、学術講演会の際の参考にするために必要不可欠なサイトです。

インターネットが普及する前は辞書や雑誌、記事などの紙媒体が主流で、検索して必要な情報を手に入れるのに大変な労力と時間がかかりました。

特にサイエンス関連の研究分野では原文に最新の研究テーマや情報が含まれているため、紙媒体の資料では必要な情報が不足していることもありました。

しかし、最近ではグーグル等インターネットでの情報検索サービスを利用してリサーチすれば、簡単に多くの参考となる資料や報告が見つかり、写真や辞書に載っていないことも分かります。

名詞・動詞等の品詞を問わず、気になる単語を1つ入れるだけで、関連知識が山のように収集できるのが今の世の中ですよね。

そんな中、英語の論文サイトには、研究職や科学者らが発表している論文が掲載されています。

論文にはタイトル、著者、誌名、巻数、ページ番号、掲載年などと論文の要旨をまとめた抄録がデータベースに収載されています。

論文の内容ですが、 「タイトル」「要約」「内容」「考察」「リソース」 といった項目を設けています。

これらの情報から、その内容は信頼性がありエビデンスとしての評価があるのか厳密に吟味して評価する必要があります。

つまり、私たちは英語の論文サイトで学術情報を収集した後もそれらを批判的に吟味し、評価する必要があり、得られた情報や結果を検討して今後のためにフィードバックをします。

今回はそんな論文サイトについて、必要な情報を手に入れる方法について紹介していきたいと思います。

英語の論文を扱っているサイト

公共機関やNGOの研究が閲覧できる検索システム

CiNii (サイニイ)は、国立情報学研究所が運営する学術論文、図書、雑誌、博士論文などが閲覧できる情報データベースです。

ここに掲載されている論文はオープンアクセスで、誰でも無料で閲覧可能になっています。

CiNii Articlesは学協会刊行物、大学研究紀要、国立国会図書館の雑誌記事、CiNii Booksは全国の大学図書館が所蔵する図書や雑誌、CiNii Dissertationsは国内の大学、独立行政法人大学評価・学位授与機構が授与した博士論文等の検索データベースになっています。

さまざまな機関が提供しているデータベースであり、個人のブログやサイトと違って大学等のアカデミックな機関が情報を提供しているので信憑性が高いと言えます。

グーグルで検索する際は【_ site : ac.jp】と打ち込むと、大学関係のみの検索ができます。

民間や民間団体(非政府組織)の組織からなる国際協力に携わる団体・NGO(non-governmental organizations)は、緊急時の援助活動や地域住民の福祉活動を行っている団体です。

活動特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)が運営するサイトでは、文書や画像、統計などの著作権を保有し、国際協力NGOの活動をより広く理解してもらうために一般に公開しています。

そして、環境や社会、企業と連携しパートナーシップを組み、より良い社会作りを推進しています。

このようなサイトを検索すると世界の現状や社会が取り組んでいる活動内容、活動ネットワーク等を知ることができ、社会的に抱えている問題の解決、啓発につながります。

日本語で検索できますが、言語モードを英語に切り替えれば英語で閲覧することもできます。

日本語と英語を対応させて読み比べてみると適切な英語表現が学べて英語力の向上にもつながります。

PubMed, arXivの紹介

日本の学術論文やNGO関連サイトをご紹介してきましたが、海外にもたくさんのサイトが存在しています。

有名なサイトではPubMedが挙げられます。

このサイトは医学文献検索ツールで生物医学に関する参考文献、医学論文の抄録を英語で読むことができ一般公開されています。

例えば、アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立医学図書館はPubMedをデータベースとして運用しています。

PubMedに掲載されている文書には、各文献へID番号が割り付けられています。

この番号を指定して検索(Search)にかけると対象論文に直接飛ぶことができ、文献が表示されます。

また、対象論文の記事にはリンクがあり、記事の全文を読むことも可能になっています。

PubMedの使い方(例)

まず、PubMedのトップページにアクセスします。

検索(Search)ボックスに著者名を入力し、Searchボタンを押して文献を検索します。

すると入力した著者に関連する論文がヒットし何件あるか表示されます。(ここでは関連する論文が124件ヒットしました)

Search results
Items: 1 to 20 of 124

検索したいデータの発表年を絞り込みたい場合、andを使います。
【XX X and 1986】
上記の形で入力します。

するとその著者(XX X)に関連する1986年発表の文献が絞り込まれて表示されます。

探していた文献が見つかったらタイトルをクリックします。

もし検索で絞り込みが足りない場合はさらにandを使い、検索情報(物質名など)を追加して絞り込みをすれば、抄録(Abstract)を読むことができます。

また、画面の右側にあるFull text linksのバナーをクリックすると、論文誌のサイトにジャンプします。

論文の全部分を読むためには購入する必要があります。

サイトによっては一部の論文を無料(FREE)で公開しているところもあります。

arXiv(アーカイヴ)は、コーネル大学図書館が運営している研究論文投稿サイトです。

物理や数学、コンピューターサイエンス、計量生物学、統計学、電子工学等の研究論文が公開されていますが学術誌ではありません。

arXivで論文を投稿したい場合、アップロード後に簡単な審査があり(査読はなし)、それが通るとオンライン上に無料公開されます。

しかし、査読がないため論文のクオリティは自分で確かめる必要があります。

論文を読むには検索したい分野を選び、著者名やタイトルなどを入力して絞り込みをすれば、参考文献の抄録を読むことができます。

医英検を目指す方にもおすすめです。

ジャンル別に論文が載っているサイト

論文データベースは様々な種類があります。

学術的なものではCiNiiやGoogle Scholar、そのほかには医学のPubMed, 物理や数学のarXiv, 社会科学のSSRN, 教育学のERIC、情報工学のACM等分野別に細分化されています。

これらのサイトで検索できる文献は英語のみの場合が多いため習慣的に抄録を読むようにすれば、専門知識と英語力を同時に身につける訓練になります。

情報検索サービスを使いこなす

英語初心者でも読みやすい論文・サイト

ネット上には様々な情報が発信されています。
例えば、グーグル検索にキーワードを入力すると膨大な数がヒットします。

しかし、信憑性が高い情報やクオリティの高い文献を探すには大変な労力と時間が必要となります。

Google Scholarはウェブ検索サイト・グーグルの検索エンジンサービスの一つで、学術検索を対象としています。

そのため、論文や学術誌等のデータベースを検索することができます。

こちらのサイトは、学生がレポートやエッセイを書く場合などにも役立ちます。

Google Scholarならば学術文献を幅広く網羅しているため、利用者は専門家や大学等のサイトからの論文を簡単に検索することができます。

学術文献をリサーチする上で大切なのは、文書の出所(アカデミックな機関や大学等)、著者名が明記されていることが挙げられます。

Google Scholarの使い方ですが、まずサイトにアクセスしキーワードを入力して検索します。

検索を絞り込みたい場合、グーグル検索同様に言語(すべての言語、英語と日本語のページ)を選択したり、検索オプションに必要なキーワードを入力して絞り込みます。

するとタイトル、著者名、年などとともに抄録が表示されます。

PDFファイルがネット上にある場合はダウンロードすることも可能です。

グーグルのアカウントを持っていればマイライブラリに論文を保存することも可能で、後で読み返すときに便利です。

ただし、データベース上の学術論文の中には有料のものもあるのできちんと確認しましょう。

英語が苦手でもっと気楽に読みたい場合

英語の論文や文献は敷居が高くて読みづらい、英語学習のために役立てるにはレベルが高すぎると思っている方も多いかと思います。

そういった英語学習初心者の方にはレベルを下げたサイトや教材をおすすめしています。

その理由としては、とくに英語で科学分野の文献や原文を読みたい場合、英語そのものよりも専門知識や専門用語の単語の意味が分からない可能性が高いからです。

そこで私がおすすめするのはネイティブの子供向けのサイトです。

その理由としては、とくに英語で科学分野の文献や原文を読みたい場合、英語そのものよりも専門知識や専門用語の単語の意味が分からない可能性が高いからです。

科学が難しく感じる方でも子供向けのサイトや雑誌なら読みやすいのではないでしょうか。

対象年齢はネイティブの小学生から中学生ぐらいのレベルです。

Kids Discover(キッズ・ディスカバー)も宇宙や物理学など科学ジャンルを特集しています。

こちらもネイティブの小学生から中学生ぐらいのレベルの英語の文章で読みやすいです。

Discover(ディスカバー)は中級者向けでもう少し対象年齢とレベルが上がります。

上級者向けのNature(ネイチャー)Science(サイエンス)は世界でも有名な科学の学術誌です。

研究者の研究論文が掲載されており、科学の専門知識が要求されるレベルのため英語が苦手な方や英語学習初心者にはおすすめできません。

検索方法の提案や読み方のコツ

科学ジャンルの論文は英語のサイトに掲載されていることが多いため、英語に抵抗がある方は読むのに苦労するかもしれません。

そこでご提案するのは、英語と日本語どちらでも論文を読むことができるサイトを利用することです。

The New England Journal of Medicine(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)は英語で書かれた医学雑誌であり、世界で最も長い歴史を誇り広く読まれています。

日本国内版ならば、論文の抄録(アブストラクト)を日本語で読むことができます。

オリジナルサイトに飛べば英文のアブストラクトを読むことができます。

英語論文を読むコツとしては、英語のエッセイの書き方に準ずるものがあります。

日本語と違って起承転結ではなく英語の論文は、結論を先に書き、順序立てて例を挙げたり、比較・対照したりしながら展開していきます。(導入・本論・結論)

ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンのアブストラクトを例にして説明すると、「背景」「方法」「結果」「結論」の順になっています。

研究・実験の主題や目的を述べ(背景)、データ・統計解析、関連性、推測、解釈等を交えて各論を展開し(方法)、論文全体の結果と結論を述べています。

まとめ

今回は英語の論文サイトと検索方法を中心にご紹介してきました。

英語ができるようになると世界中の文献を読むことができます。

まずは日本語のサイトで検索方法に慣れましょう。

それから、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンのようなサイトで日英比較して読んでみることをおすすめします。