みなさん、こんにちは。今回の記事は「デフォルト」という英語の意味についてです。
この記事を書くにあたって、それぞれ国籍の違う英語を話す3人の人に、英語の名詞「デフォルト」と聞くと、どのような意味を想像するかと聞いてみました。興味深いことに、実際、それぞれがみな違う答えを述べました。確かに、デフォルトという言葉は複数の意味を持ち、さまざまな分野で使われています。
みなさんはいかがですか?「デフォルト」と聞くと、どのような意味のことを想像しますか?「デフォルト」と聞いてピンと来た人は、何か特定の分野に精通されておられるか、それらの分野に興味のある人かも知れません。
さて、みなさんが想像した分野はどの業界でしたか?金融や経済、あるいは法律や裁判?それともコンピュータの分野でしょうか?それでは早速、一緒に答えを探しに行きましょう。
「デフォルト」の意味
「デフォルト」という言葉の意味のひとつとして、法律で義務づけられていることを怠ること、があります。
金融や経済の分野では、借りたお金を期限内に返済できない、あるいは支払わないなど、義務を果たせない状態のことを表現します。借りたお金を返せない、つまり「債務不履行」に陥った状態を表す言葉です。また、コンピュータの分野では、初期設定という意味で使われています。
動詞としては、例えばテニスの分野などで、棄権、欠場、不履行を表現する言葉として、頻繁に使われています。
名詞としてのdefaultと、動詞としてのdefaultがあります。この記事では主に、名詞としてのデフォルトについて説明していますが、テニスの分野のみ、動詞としてのデフォルトの英語表現と意味を紹介します。
債務不履行
Default:借りたお金を適切な時期に支払わない、債務不履行に陥った状態で、いわゆる滞納です。
デフォルトという言葉はビジネスシーンでも使われ、またニュースでも度々目にします。どこかの会社が銀行にお金を借りていたり、国が発行した債券の利払いや償還が期日通り行われなかったり、債務が履行できない、すなわち債務不履行に陥った状態を表す言葉です。
ニュースなどで、金融や経済界のどこかで「デフォルト」が起こっているという言葉を耳にするとき、そこの国や会社などでは、いわゆる資金繰りが悪化しており、経済的な問題が起こっています。経済破綻、あるいはそれに近い状態で、資金難で機能できないような状況に陥っていることが多いです。
下記は、NHKの国際ニュースナビのデフォルトに関するニュースのリンクです。2023年11月のものですが、デフォルトをした国3カ国と、デフォルト予備軍34カ国についての記事です。債務不履行についての詳細を知ることが出来ます。
NHK国際ニュース:予備軍が34か国も? 途上国に迫るデフォルト 危機の根源は?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/international_news_navi/articles/feature/2023/11/17/35934.html
初期設定
Default:工場出荷時に設定されているオリジナルのソフトウェアプログラミング設定のことで、日本語で言うところのデフォルト設定です。日本では、コンピュータやスマホなどの初期設定、初期値という意味でよく知られています。
パソコンの分野で、ソフトウェアのインストール直後の何も設定を変更していない状態のことをデフォルトと呼ぶこともあります。「初期設定」「初期値」「規定値」とも呼ばれます。
裁判
Default:被告が出頭せず、召喚状と訴状に回答しないことを意味する表現です。
テニス
テニスの分野では、公式トーナメント記録のある部分のリストに、英語のdefaultという言葉がたくさん出てきます。これらのデフォルトは動詞として使われているのですが、一体どのような使い方をされているのでしょうか。
実は、デフォルトという言葉が使われているこの公式記録は、テニスの公式試合においての「失格選手」の一覧表なのです。デフォルトを使ったそれらの公式記録の一文を、ぜひみなさんに紹介したいと思います。
*これらの記録は、ウィキべディアからの引用です。
退廷のため不履行。
選手がコートを去ってしまい不履行、すなわち、本来コートにいるべき義務があるにも関わらず、いなくなってしまった、すなわち義務を果たさなかった、という意味で使われています。1976年のアメリカでの記録です。
罰金:$24,000/$96,000、チェアアンパイアへの暴言。ダブルスを棄権。
2017年のUSオープンの記録です。こちらの文では、デフォルトという動詞を使い、棄権、すなわち欠場という意味を表現しています。
試合中、ボールの乱用、観客への攻撃的な言葉、ラケットの叩きつけ、コートに椅子を投げ入れるなど、複数の反則があった。この不履行により、キルギオスには33,635ユーロの罰金とホテルの宿泊費、そして今大会で獲得したATPポイントをすべて失うことになった。
上記は、とても分かりやすいデフォルトの使い方です。数々の不履行により、大会で獲得したすべてのポイントを失い失格となるわけですが、このデフォルトの英語表現は、不履行という意味で使われています。2019年のイタリアオープンでの記録です。
罰金40,000ドル(暴言で20,000ドル、ラケットを審判の椅子にぶつけた非紳士的行為で20,000ドル)。シングルスは棄権。
2022年のメキシコオープンの記録です。こちらの文では、デフォルトは棄権、すなわち欠場という意味で使われています。
上記からわかるように、文脈によって言葉の意味が変わりますが、テニスの分野においてのデフォルトは主に、棄権、欠場、不履行というような意味で使われています。
Wikipediaで失格選手の理由をリストにしているサイトはこちらです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Disqualification_(tennis)
By default
by defaultという英語の言葉は、既定路線である、対抗措置がないという意味の英語表現です。
例えば、試合やゲームなどで対戦相手がプレイをしなかったり、あるいは欠場、その他の理由で対戦相手がいないため勝つ、という場面で使うことが出来ます。
他にも選挙など、既定路線で選ばれた、などという意味で使うことが出来ます。「彼らの決断は既定路線だった。他のすべての選択肢はもはや不可能だった。」というような意味の使い方をします。既定路線とは、こうしよう、ということを先に決めて、その通りに推し進めていくことを言います。
何もしなければ、彼が勝つのは既定路線だ。
「彼が勝つ」ことは最初から決まっており、何も行動を起こさなければ、そのように推し進めていくに違いない、というような意味です。
誰もその役職を望まなかったので、彼は既定路線で学校の校長になった。
誰もその役職を望まなかった場合、「こうしよう」ということがあらかじめ決まっていた、ということです。この文章の場合、校長に選ばれるのは年齢順と決まっていたのかもしれないし、あるいは他に何か「こうしよう」というのがあって彼が校長になった、という意味です。
誰も良いタイトルを思いつかなかったので、デフォルトで" Let's Play" にした。
相手チームが現れなかったので、我が校はデフォルトで試合に勝った。
相手チームの欠場という不履行により、試合に勝ったという意味です。不履行とは、果たすべき役割を実行しないことです。
Default 日本語
英語のdefaultには、上記で説明したようにさまざまな使い方がありますが、日本のなかで日本語で使われている「デフォルト」は、標準、定番というような、英語のdefaultとは少し違った感じで使われていることがあります。
初期値、初期設定という意味から派生したのではないか、と言われているようですが、はっきりとした根拠についてはわかっていません。「定番」という意味で使う日本語のデフォルトはとてもユニークな使い方ですが、通じるのは日本だけです!
inを使って債務不履行である状態を表す
その会社は期限内に支払いを行わず、現在債務不履行に陥っています。
彼女の会社はローン契約の債務不履行に陥っています。
パソコン
あなたの使いやすいようにデフォルト設定を変更できます。
このプログラムのデフォルト設定は標準フォントです。
さらなる例文を追求したい人は、ぜひ辞書で使い方を確認し、英語表現の幅を広げてください。
辞書Longmanのデフォルトのリンクはこちらです。
https://www.ldoceonline.com/dictionary/default
接頭辞の「de」
接頭辞は、英語でprefixといい、単語の前にinやmis, reなどを付けて、新しい意味の言葉を単語を作る際に使われています。接頭辞にはいろんなパターンがあり、代表的なものを紹介します。
まず代表的なものとしては、英語の単語の前にunやdis、imを付けて反対の意味にするというものです。
honest:正直な、真実を話し、人を騙したりしない ↔︎ dishonest:正直ではない、人を騙したりする
possible:可能 ↔︎ impossible:不可能
単語の前にunを付けて、違う意味の単語にするというパターンも一般的で、みなさんもどこかで目にしたことがあると思います。
接頭辞のdeを付ける単語も、たびたび目にすると思います。
由来
中英語(中英語とは、1066年のノルマン・コンクエスト以降、15世紀後半まで話されていた英語のことです)のdefaut、defauteは、古フランス語のdefaute(「過ち、欠陥、失敗、過失、欠落」)に由来し、最終的にはラテン語のde-(「離れる」)+fallo(「だます、ごまかす、気づかれないようにする」)になっています。
まとめ
今回は、デフォルトという英語の言葉が、金融、経済の世界でどのような意味で使われているか、そして、コンピュータ、スマホの分野、裁判の分野ではどのような意味を持って使われているかを解説しました。
またテニスの分野で、デフォルトという言葉が失格選手のリストで使われている例を挙げ、動詞としての英語表現の使い方を学びました。
これからニュースを見る際に「デフォルト」という言葉が出てきたら、日本語でも英語でも良いので、ぜひそのニュースについて少し興味を持ったり、考える時間を作ってくださると幸いです。
◇海外渡航経験、渡航先での経験内容(仕事、留学、旅行など)
イギリス ロンドン
カナダ トロント
これまでに滞在した国や島:イギリス、ドイツ、スペイン、オーストリア、スイス、フランス、イタリア、インドネシア、バリ、タイ、ランカウイ、プーケット、ハワイ、グアム、サイパン、アメリカ、オーストラリア、カナダ、パンコールラウ、香港、マレーシア、シンガポール、メキシコなどです。
◇自己紹介
これまでいろんな国を旅して来て、たくさんの人々と知り合い数多くの得難い思い出があります。世界各地に友人が出来、やはり共通の言語は英語なので、今では日常的に英語を使っています。また、イギリスやカナダに滞在し、家を借りたり銀行口座を開設したり、現地の学校の申し込みをしたりした経験から、正確な英語を使う必要性を感じました。英語のスキルでは、リスニングが得意です。また、COLLOCATIONと呼ばれる、英語の言葉が何とペアになっているかに関しての専門的なコースを取ったこともあり、皆様に少しでも有益な情報をお届けしたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.