オーストラリア英語のスラングを紹介!ネイティブが使う会話表現

オーストラリア、オンライン英会話、ネイティブキャンプ

オーストラリアで使われるスラング一覧

アメリカやイギリス以外でも、英語を母国語としている国はたくさんあります。(カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド、フィリピン、シンガポール、フィジーなど)同じ「英語」であっても、それぞれの国で使われている英語は、いろいろな面で微妙な違いや特徴があったりします。

さらに、カジュアルな日常会話の中でよく使われるくだけた表現「スラング」も、国によってかなり違ったりします。

今回の記事では、オーストラリアに着目!オーストラリア英語でよく使われるスラングを、英語例文を交えながら解説・説明していきたいと思います。

オーストラリアの人口は約2600万人。広大な土地を有し、農業や鉱業が盛んです。日本とは厚い親交で結ばれている国の一つで、時差も少ないです。

実はこの記事を書いている筆者本人も、2年ほどオーストラリアで生活しました。その時の経験も織り交ぜながらお話ししていきます。

オーストラリア英語の基本的特徴

オーストラリアのスラングをご紹介する前に、まずはオーストラリア英語の基本的特徴を解説します。

単語のつづりの違い

もともとはイギリスの植民地だったオーストラリアは、さまざまな面でイギリス英語の特徴を受け継いでいます。まずは単語のつづりです。

以下が、オーストラリア英語とアメリカ英語とのつづりの違いの一例です。

オーストラリア英語          アメリカ英語

centre, theatre          center, theater

colour, neighbour          color, neighbor

programme          program

internationalise          internationalize

文法の違い

基本的な文法は同じですが、次のように違いがある場合もあります。やはり、これもイギリス英語の特徴です。

オーストラリア英語          アメリカ英語

prevent A -ing          prevent A from -ing

アメリカ英語の「prevent A from -ing」は「Aが〜するのを妨げる」という意味ですが、オーストラリア英語(イギリス英語)の場合、しばしば「from」が省略されます。

語彙の違い

イギリス英語とアメリカ英語の違いを反映して、オーストラリア英語ではアメリカ英語とは違う言葉を使う場合が少なくありません。

例えば、エレベーターはオーストラリア英語では「lift」と言います。自動車の部位を表す言葉もかなり違ったりします。また、日本やアメリカで言う「1階」は「ground floor」で、日本やアメリカの「2階」が「first floor」になります。

今回は語彙の違いについては詳しく取り上げませんが、スラング的なものについては後ほど解説します。

発音の違い

イギリス英語では、「エイ」という二重母音を「アイ」というように発音する傾向がありますが、オーストラリア人の英語では、これが非常に強く出る場合が多いです。

例えば、「A, B, C」は「エイ、ビー、シー」ではなく「アイ、ビー、シー」というように聞こえます。「8」を表す「eight」は、「エイト」ではなく「アイト」という風に聞こえます。

このことを知らないと、何を言っているのかわからないということも少なからずあります。筆者がオーストラリア人の友達とトランプで遊んでいる時、その友だちが「アイスオブハーツ」と叫んだことがありました。「アイス?氷のこと?」などと思ったのですが、実は「エイス・オブ・ハーツ(ハートのエース)」のことだと、しばらくして理解しました。

また、発音の違いとしてよく取り上げられるのが「can’t」の発音です。これも、ルーツはイギリス英語とアメリカ英語の発音の違いです。

アメリカ英語だと「can’t」と「can」はけっこう発音が似ていて(末尾の発声が明瞭ではなくて)、聞き分けるのが難しかったりします。アメリカ英語の場合、文の中で強めに発音しているかどうかで判断することが多いようです。強めに「キャン(ト)」と発声された場合「can’t」、ごく弱く「キャン」または「クン」と発声された場合が「can」です。

一方、イギリス英語寄りのオーストラリア英語では、「can」はアメリカ英語同様「キャン」あるいは「クン」といった感じなのですが、否定の「can’t」はかなり強く「カーント」と発声されます。「キャント」ではなく、口を大きく開けて「カーント」という感じです。ですので、オーストラリア英語の場合、「can」と「can’t」を聞き分けるのは比較的簡単です。

こうした基本的な発音の違いも含め、オーストラリアに限らず、英語には国によって「訛り」のようなものがあります。普段アメリカ英語をよくを聞く人は、同じ文章でもオーストラリア英語の話し方だと理解できないこともあります。でも、心配は御無用。やはり同じ英語ですから、聞き慣れるに従ってだんだん分かってくるようになります。

さて、ではこうした基本的特徴を踏まえたうえで、次に、今回の本題であるオーストラリアで使われるスラングを、場面別にご紹介していきたいと思います。

挨拶

まずは、挨拶の場面でよく使われるスラングです。

なお、オーストラリア人同士が挨拶する際は、初対面の場合は握手を、仲のよい人同士だとハグやキスをしたりすることもあります。もっとも、新型コロナウイルス感染症の影響で、ハグやキスはおろか握手も避ける人が増えており、この傾向は定着しているように思われます。

G’day, mate!「よう、こんちは!」

オーストラリアのスラングといえば、まず最初に紹介されることの多いフレーズ。かなりカジュアルな挨拶です。発音をカタカナで書くならば「グダイ、マイ(ト)」という感じ。「G’day」「Good day」の短縮で、「day」は前述したように「デイ」ではなく「ダイ」と発音され、「mate(友だち)」は「メイト」ではなく「マイト」となります。「mate」の代わりに、やはり「仲間」という意味を表す「cobber」を使うこともあります。

G’day, mate!

よう、こんちは!

G’day, cobber!

よう、こんちは!

No worries.「どういたしまして」

アメリカ人に「Thank you.」と言うと「You’re welcome.」「No problem.」といった返事が返ってくることが多いですが、オーストラリア人の場合、たいてい「No worries.」という返事が戻ってきます。イギリスでも使われます。

A: Oh, thank you.

B: No worries.

A: あ、ありがとうございます。

B: どういたしまして。

Cya this arvo!「今日の午後に会いましょう」

「arvo」(アルヴォ)は「afternoon」のスラング。このように語尾を短くするのが、オーストラリアのスラングの特徴の一つです。「Cya」(スィーヤ)は「See you」を短縮したもの。全体で、「See you this afternoon!」ということです。

「this arvo」は発音を省略・短縮して「s’arvo」(サーヴォ)となる場合もあります。

Tara!「さよなら」

「タラ」または「チャラ」という感じで発音します。「Good bye!」をさらにカジュアルにした別れの挨拶です。イギリスでも用いられます。

Good on ya!「よくやった!」

「よくやった」「お見事」など、相手の行動などをほめたりねぎらったりする際、アメリカ英語やイギリス英語では一般的に「Good for you!」と言いますが、オーストラリア英語のスラングでは「Good on ya(you)!」と言います。発音は「グドンヤ」という感じです。

「Good on ya, mate!」(グドンヤマイ(ト))というように最後に「mate」を付けたりします。

Ta!「ありがとう」

「タァ」と読みます。「Thank you!」(ありがとう)の意味です。イギリスとオーストラリアで使われるスラングです。

日常生活

次に、日常の会話の中でよく登場するオーストラリア英語のスラングをご紹介しましょう。

Barbie「バーベキュー(パーティ)」

オーストラリア人が大好きと言われているのがバーベキュー(BBQ)です。筆者がオーストラリアに住んでいる時も、大家さんが毎週のようにバーベキューパーティを自宅の庭で開催していました。「Barbie」は「バービー」と読みます。このように、単語を短縮するのがオーストラリアスラングの特徴の一つです。

My landlord has a barbie every Saturday.

私の大家は毎週土曜日にバーベキューパーティを開催します。

Esky「クーラーボックス」

「Esky」(エスキー)は持ち運びができるくらいのクーラーボックスのこと。オーストラリアに住んでいると、この言葉をよく耳にします。バーベキューパーティなどにビールなどの飲み物を持参する際、このエスキーに入れていくことが多いからのようです。

バーベキューに限らず、アウトドアイベントが好きなオーストラリア人は多いようで、エスキーがいろいろなところで活躍しています。

An esky is an insulated food/drink container for picnics, barbecues, etc.

エスキーは、ピクニックやバーベキューなどで使われる、断熱性のある飲食物容器です。

Aussie「オーストラリア人」

オーストラリア人のことを「オージー」と呼びます。オーストラリア人の英語を「オージー英語」と言ったりもしますよね。実はこの「オージー」もオーストラリアスラングです。

Her teacher is Aussie.

彼女の先生はオーストラリア人です。

また、「Aussie」は形容詞として「オーストラリア製の」「オーストラリアの」といった意味でも使われます。

Straya「オーストラリア」

「オーストラリア」を簡略化して「ストラーヤ」と発音した感じです。

Ute「ピックアップトラック」

「utility vehicle」(ピックアップトラック、ユーティリティカー)のことを「ute」(ユート/ユーティ)と言います。タイプはいろいろですが、前部が運転手を含め2人がけで後部が屋根のない荷物運搬用のスペースになっている自動車が多いです。軽トラックを大きくしたようなイメージです。

Hubby「夫」

「hubby」(ハビー)は「husband」(夫)のことです。かわいらしい言い方ですね。

Brekky「朝食」

「breakfast」のことを「brekkie」(ブレッキー)と呼んだりします。

Veggies「野菜」

「vegetables」を縮めて「veggies」(ヴェジーズ)。ちなみに、ベジタリアンのことを「vego」(ヴェゴ)と言います。

Bikkie「ビスケット」「クッキー」

発音は「ビッキー」という感じです。

Lollies「キャンディ」「菓子類」

イギリス英語で「lolly」「lollipop」、つまり棒付きキャンディや棒付きアイスキャンディのことを指します。また、オーストラリアやニュージーランドでは、甘いお菓子やキャンディ全般を指す時にもこの言葉が使われます。その際は、「lollies」(ロリーズ)と複数形になることが多いです。

Maccas「マクドナルド」

固有名詞のマクドナルド「McDonald's」にもスラング英語表現があります。日本で「マック」「マクド」などと言うのと似ているかもしれません。発音は「マッカーズ」という感じです。

Chrissie「クリスマス」

「Christmas」を少し短くしたような形で、「クリッスィー」という感じで発音します。

Servo「ガソリンスタンド」

「ガソリンスタンド」は和製英語です。アメリカ英語では「gas station」、イギリス英語では「petrol station」「service station」「garage」などと言います。オーストラリアでは「service station」を短縮して「servo」(サーヴォ)と言ったりします。

Sunnies「サングラス」

読み方は「サニーズ」。メガネは一般的に「glasses」と複数形にしますが、この「sunnies」も同様に複数形の形になっています。

Mozzie「蚊」

「mozzie」(モジー)は「蚊」のこと。「mosquito」を短縮したものですね。

Roo, joey「カンガルー、カンガルーの赤ちゃん」

オーストラリアを象徴する動物の一つがカンガルー。カンガルーのことをスラングで「roo」(ルー)と言います。また、「joey」(ジョーイ)はカンガルーの赤ちゃんのことです。

メールやSNS

スラング表現というのは、どちらかというと書き言葉よりも話し言葉で使われることが多いものです。もっとも、親しい友人同士でのメールや、あえてカジュアルな雰囲気を出したい時のSNSの書き込みなどでは、書き言葉であってもスラングがよく使われます。

これまでにご紹介した以外で、特にメールやSNSなどで見かけることが多いスラング表現を最後に取り上げましょう。

Defo「もちろん」

「definitely」を短縮したのが「defo」(デフォ)で、「もちろん」など強い肯定の気持ちを表す時に使われます。

A: Why don’t you go skiing with me?

B: I do, defo!

A: 一緒にスキーに行かない?

B: 行く、もちろん!

Ceebs「興味ない」

名詞・動詞・間投詞として使われる「ceebs」(スィーブズ)。「興味がない」「気が乗らない」「たるい」「だるい」といった意味を表します。

Facey「Facebook」

「マクドナルド」のスラング表現があるのと同様、SNSの「Facebook」もオーストラリアのスラングでは「Facey」(フェイスィ)と呼ばれます。

She has a lot of pictures of herself on Facey.

彼女、フェイスブックに自分の写真をたくさん載せてるよ。

Fortnight「2週間」

スラングの範疇には入らないかもしれませんが、イギリスやオーストラリアでよく使われるのが「2週間」という意味を表す「fortnight」(フォートナイト)です。

オーストラリアではアパートの家賃を表示する際に、この「fortnight」を使って「2週間500ドル」などと書くことが多いです。日本だと家賃は1カ月単位が普通ですが、国が変わるとそれも変わってくるんですね。

A: How much is the rent?

B: 500 dollars per fortnight.

A: 家賃はいくらですか。

B: 2週間500ドルです。

まとめ

いかがでしたか。

今回はオーストラリアで使われているスラングについて解説・説明しました。もちろん、これらはほんの一部。まだまだ本当にたくさん、さまざまなスラングがあります。

「バービー」「ハビー」「ブレッキー」などなど、オーストラリアのスランはユーモラスでかわいい感じがする言葉が多いような気がします。オーストラリア人のおおらかさや優しさが伝わってくるようです。

もし、オーストラリアの人々と話す機会がありましたら、ぜひ使ってみてください。話が弾めば、きっともっといろいろなオーストラリア言葉を教えてもらえるのではないでしょうか。

それではまた。

nativecamp.net

nativecamp.net