「外から誰かの叫び声が聞こえた」「子どもの叫び声が聞こえる」「そんなに大きな声で叫ばないで」など、「叫ぶ」という表現は日常生活で頻繁に使わないかもしれませんが、それでも皆無というわけではないですよね。
では、そんな「叫ぶ」を英語でどのように表現するか、みなさんは知っていますか?日本語では「叫ぶ」と一言で表現できる場合が多いですが、実は英語には複数の単語が使われます。
そこで、今回の記事では「叫ぶ」を意味する代表的な2つの単語、「shout」と「scream」に焦点をあててみたいと思います。また、あわせて関連表現もご紹介していきます。それぞれ、例文とともに詳しく解説していきますので、ぜひその例文を何度も口に出して練習してみてくださいね。
ShoutとScreamの違い
まずは、「叫ぶ」と訳される代表的な2つの単語「shout」と「scream」について、基本的な意味やニュアンスの違いについてご紹介します。
どちらも、日本語でもカタカナで「シャウト(する)」「スクリーム」という言葉が浸透していますが、英語の本来の意味をしっかりと確認していきましょう!
Shoutの意味と使い方
「Shout」は「叫ぶ」を意味する最も一般的な単語です。活用形はshout-shouted-shoutedで、「大声で叫ぶ」というニュアンスがあります。
イメージとしては、周囲が騒がしく相手に声が届きにくいときに注意を引くために大声を出したり、子どもなどが何か危ないことをしようとしているときに大きな声で注意を引く、といった場合に使われます。なお、怒っている場合にも使われます。
いずれも、話し手の感情よりも「声の大きさ」にフォーカスした単語です。関連する表現としては、「shout at+人」は「~に対して叫ぶ・怒鳴る」、「shout out」はスラングで「感謝の表明、賛辞」
聞こえてますから、大声を出さないでください。
私たちのパフォーマンスが終わると、『ブラボー』という歓声が私たちを迎えました。
外の群衆から大きな叫び声が聞こえてきました。
私が叫んだとき、彼は私に気づきました。
彼女は叫びませんでした。
Screamの意味と使い方
「Shout」が一般的な叫びだったのに対し、「scream」には「恐怖、パニック、興奮、怒り、苦痛、喜び」といった強い感情を伴って「甲高い声で悲鳴を上げる」というニュアンスがあります。動詞の活用形はscream-screamed-screamedとなります。
ちなみに、ムンクの有名な絵画(ムンクの叫び)の英語タイトルは『The Scream』です。
また、「scream」はスラング表現として使われることもあり、その場合は名詞で「非常におもしろい人、とても愉快な人、または物事」という意味になります。
彼女はそれを見て叫びました。
私の娘は小さなことでもよく叫びます。
彼は興奮して叫びました。
彼女は痛みに悲鳴を上げました。
彼は本当に面白い人です。
関連表現
ここからは、shoutやscreamに関連して、同じように「叫ぶ」というニュアンスを持つ単語をいくつかご紹介していきます。
Yell
「Yell」は「大きな声で叫ぶ、怒鳴る」という意味があります。苦痛・恐怖を感じている場合や、スポーツの試合で興奮して叫んでいるような場合にも使われます。
なお、「yell」だけで使うと「怒鳴る」と捉えられる可能性がありますので、それ以外の場合は他の単語で文脈を補うことをおすすめします。
ちなみに、日本語では誰かを応援する際に「エールを送る」という表現を使うと思います。日本語の表現は「yell」に由来しますが、上記のとおり「yell」は「大きな声で叫ぶ、怒鳴る」という意味ですので、応援するシチュエーションでは使われません。「エールを送る」を英語で言いたい場合は、root for(強く相手を応援する)、cheer for(~を元気づける、声援を送る)などの表現が適しています。
彼女は両親の怒鳴り声が聞こえました。
昨夜、彼女は私に怒鳴りました。
私には聞こえるから、叫ばなくてもいいよ。
チームメンバーのひとりが得点を決めると、彼は歓声を上げました。
「大丈夫?」と彼女は私の後を追って叫びました。
Holler
これまでご紹介してきた単語と比べて、「holler」はあまり馴染みがないかもしれません。「Holler」は動詞で「大声で言う、叫ぶ、大声でわめく」、そして「不平を言う」といった意味があります。また、名詞で「叫び、大声」という意味にもなります。
ニュアンスとしては「shout」に近いです。ちなみに、アメリカ英語では「連絡する・連絡を取る」という意味で使われることもあります。
観客は大声を上げました。
私の父はいつも増税に不平を言っています。
彼らは大声で助けを求めていました。
もし助けが必要ならば、大きな声で言ってください。
先生が大声で名前を呼びました。
Cry
「Cry」は「泣く、涙をながす」という意味で覚えている方が多いかと思いますが、「叫ぶ、わめく、大きな声で泣きながら叫ぶ、泣き叫ぶ」という意味もあります。「泣く」という意味と区別をつけるため、「泣き叫ぶ」という意味で使われる場合は「cry out」と表現されることが多いです。
なお、「cry」を「(泣き)叫ぶ」という意味で使うのは、やや古風で堅い表現とも捉えられます。
文法的に間違いではありませんが、スポーツの試合で興奮して叫ぶ、注意を引くために大きな声を出す、というシチュエーションには「cry」「cry out」はあまり適していないため、使われることは少ないです。
私は確かに誰かが外で叫ぶ声が聞こえました。
私は女の子の赤ちゃんが泣いているのを見ました。
怪我をした後、彼女は痛みに泣き叫んでいました。
私はあのとき、泣き叫びたかったです。
子どもたちは助けを求めて泣き叫びました。
まとめ
いかがでしたか?今回の記事では、「shout」と「scream」という似ている英語表現について、ニュアンスや使い方の違い、具体的な使用例、さらに同じように「叫ぶ」を表すその他の単語などをご紹介しました。今回ご紹介したように、「shout」と「scream」は日本語で同じように訳されるからこそ、実際の場面でどのように使っていけばよいか迷いやすい表現です。
今回ご紹介した「shout」と「scream」を適切に使えるようになれば、より英語でのコミュニケーションがスムーズに進むはずです。ぜひ、この記事でご紹介した例文を何度も口に出して練習し、覚えて使ってみてくださいね。
今回ご紹介した「shout」と「scream」をそれぞれ適切なシーンで使うことができれば、より自分の英語での表現の幅が広がりますし、ネイティブからも「お!この人はいろんな単語やフレーズを知っているんだな」と思ってもらえるのではないでしょうか。
また、今回学んだ「shout」と「scream」について、「もっと詳しく学習したい」「ネイティブはどのようなときにshoutとscream、その他の「叫ぶ」を意味する英語表現を使っているのか知りたい」という方は、ぜひネイティブキャンプのオンライン英会話レッスンを試してみてください!
レッスンでは、ネイティブ講師とマンツーマンで話すことができます。今回ご紹介した「shout」と「scream」に関する英語表現をさらに練習しても良いですし、似ていて意味が分かりにくい英語表現について講師とディスカッションするのも良いのではないでしょうか。ぜひ、みなさんの英語学習にレッスンをフル活用してくださいね。
◇経歴
新卒入社した会社ではオーストラリア人上司のもと働いた経験があります。
海外クライアントとのメールや電話でのやりとりは日常茶飯事でした。
現在はWebライターのほか、英日翻訳者としても仕事をしています。
◇資格
TOEIC、TOEFL、IELTSなどの受験経験あり
◇海外渡航経験
学生時代にイギリス留学を経験したほか、アジアを中心にさまざまな国に旅行に行ったり、フィールドワークをしたりしました。
フィールドワークでは英語を使ってインタビューをした経験もあります。
2019年よりイギリス在住で、現在は毎日英語を使っています。
◇自己紹介
子どものころはアメリカ人の先生の英会話教室に通い、大学ではイギリス留学を経験、新卒入社した会社ではオーストラリア人上司を持つなど、英語とは色々な接点を持ってきました。英語はもっぱらリーディングが得意で、毎日洋書を読んでいます。よろしくお願いします!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.