ココアの英語表現
寒い時に、体も心も芯から温まる——ミルクのたっぷり入ったココアはそんな、優しい飲み物ですよね。
冬場は毎日のようにホットココアを飲んでいる私です。
そういえば昔テレビでよく聞いた、
「ここあ(ココア)どーこーだ? ここあ(ココア)こーこーだ」というCMフレーズがずっと頭に残っているのは私だけでしょうか? ココアを飲んでると、いつも思い出します。
さてでは、ココアは英語では何と言うのでしょう?
今回は「ココア」の英語での言い方・使い方を、英語例文を交えながら解説していきたいと思います。
また、実際に海外のカフェで注文する時などに使える、便利な英語フレーズもあわせてご紹介していきましょう。
Hot Chocolate
一般的に、「ココアは英語で、hot chocolate、または、hot chocolate drink」と言われることが多いです。あえてカタカナで書くなら「ホットチョコレート」ですね。
In the cold winter, a cup of hot chocolate really warms me up and makes me happy.
寒い冬、ココアを一杯飲むと本当に体が温まり、幸せな気持ちになります。
ところが、この「ココアは英語で hot chocolate、または、hot chocolate drink」という説明は、基本ほぼ正解なのですが、ちょっと注意しなければならないこともあります。
実は、ココアを英語でそのまま「cocoa」とも言うのです。
Cocoa
英語でココアのことをそのまま英語表記で「cocoa」と言ったり、特に飲み物であることを明確にするために「cocoa drink」と言うこともあります。
My mother makes me a cocoa drink every morning.
ママが毎朝私にココアを作ってくれます。
「Cocoa」と書くとローマ字表記に近い感じもしますが、綴りの中の最後の「a」は発音しません。また、読み方は「ココ」ではなく「コウコウ」という感じです。最初の「コウ」を強く読みます。
さてでは、「cocoa(ココア)」と「hot chocolate(チョコレート)」、どのような違いがあってどのように使い分ければいいのでしょうか?
詳しく説明しますね。
ココアとホットチョコレートの違い
厳密にいうと、ココアとホットチョコレートは違う飲み物です。
ココアもホットチョコレートも、その原料はカカオ豆です。
このカカオ豆から「カカオバター(ココアバター)」と呼ばれる油脂分を減らして粉末状にしたものがココアパウダー(ココアの粉)。このココアパウダーをミルクなどで溶かし砂糖を加えればココアの出来上がりです。
また、このココアパウダーは、さまざまなココア飲料の材料になったりお菓子作りや料理でも使われます。
一方、油脂分を減らさないカカオから作られるのがチョコレート。このチョコレートを溶かしてミルクなどを加えたものがホットチョコレートです。ホットチョコレートはチョコレートを溶かしたものですね。
同じ原料なので基本的な味わいは似ていますが、一般的に、油分を減らさないホットチョコレートの方が濃厚だと言われることが多いです。
それで問題なのは、以下のように、日本と例えばアメリカとで、これらの普及の度合いと呼び方がけっこう違っていたり曖昧になっていたりすることです。
日本
・粉末状のココアは古くからあり、ホットチョコレートは比較的新しい。
・ココアとホットチョコレートを区別している人が比較的多い。レストランや喫茶店などでも2つが別々に書いてあることもある。
アメリカ
・あまり区別せずに両方とも「hot chocolate」と呼んでいる人が多い。
・スーパーなどで売っている商品も多くは「hot chocolate」を表記しているが、実際のところは「cocoa」なのか「hot chocolate」なのか不明の場合もある。
・「Hot chocolate cocoa mix」などと表示されていることもある。
つまり、例えばアメリカでなら、「hot chocolate」という呼び方が一般的であり、それが実際にはココアなのかホットチョコレートなのかはあまり気にしないことが多い、ということです。
逆に、例えば、
I’d like cocoa.
は、「ココアが欲しい」という意味で文法的には問題ありませんが、アメリカ人にはすぐには通じない場合もあります。「Cocoa」だけだと飲み物をイメージしない人も少なくないからです。どちらかというと、お菓子作りや料理に使うココアパウダーを思い浮かべる人が多いとか。
このような、日本とアメリカにおける文化や意識の違いをちょっと頭に置いておくといいと思います。
Do you know the difference between cocoa and hot chocolate?
ココアとホットチョコレートの違いを知っていますか?
なお、アメリカには、「hot chocolate」と「cocoa」それぞれの記念日があります。記念日については、この2つが明確に区別されているという不思議な感じです。
National Hot Chocolate Day 1月31日
National Cocoa Day 12月13日
ココアとカカオの違い
上で説明したように、ココアやホットチョコレートの原料となるのがカカオです。英単語だと「cacao」と書きます。スペルが「cocoa」と似ていますね。発音はカタカナで書くならば「カカーオウ」という感じです。真ん中の「カー」のところを強く発音します。
カカオは中央アメリカから南アメリカの熱帯地域を原産とする植物です。現在ではアフリカや東南アジアで多く生産されています。日本でも、沖縄県や小笠原諸島など暖かい地域で栽培されています。
以下、あらためて、英和辞書・辞典によるそれぞれの英単語の意味などをまとめてみました。
Cocoa
ココア(飲み物)
ココアパウダー(粉末。cocoa powderとも書く)
カカオの木(cacao、cacao treeとも書く)
ココア色
Cacao
カカオ
カカオの実(cacao beanとも書く)
カカオの木(cacao treeとも書く)
カフェ使える英語フレーズ
さて次に、海外のカフェやレストランに入った時に、ホットチョコレートをはじめとする飲み物を注文する時、あるいはお会計する時などに使える便利なフレーズをご紹介したいと思います。
注文する時
カフェなどで「○○をお願いします」と注文する際、以下のようなフレーズがよく使われます。これは飲み物だけでなく食べ物でも使えます。
I’d like ○○.
I’ll have ○○.
Can I have ○○?
Could I have ○○?
○○, please.
上の「have」のところは、「take」や「get」でもOKです。
飲み物を注文する場合は、「〜杯の」という意味の「〜 cup(s) of」を付けるのが正式です。
Could I have a cup of hot chocolate?
ホットチョコレート(ココア)を一杯いただけますか。
We’d like three cups of hot chocolate.
ホットチョコレート(ココア)を3つお願いします。
ただし、「cup(s) of」が省略されることも多いです。例えば「two cups of coffee」がもう「two coffees」というように、本来数えられない名詞「coffee」に複数形の「s」を付けて済ませてしまうのも普通です。「Hot chocolate」も同様です。
Two hot chocolates, please.
ホットチョコレート(ココア)を2つください。
ホットチョコレート(ココア)にはクリームを載せたりマシュマロを載せることが多いです。マシュマロはバーナーで焼き目をつけたりもします。
Can I have a cup of hot chocolate with a slightly burnt marshmallow?
軽く焼いたマシュマロを入れたホットチョコレートを一杯いただけますか。
No sugar, please.
砂糖は入れないでください。
以下、ココア(ホットチョコレート)とは直接関係ありませんが、カフェやレストランなどで、注文の際によく使われるフレーズです。
Can I check the menu?
メニューを見せてください。
Are you ready to order?
(給仕係が客に)ご注文はお決まりですか。
Could I have a minute, please?
もう少し待ってもらえますか。
Anything else?
(給仕係が客に)他にご注文はありますか。
No, that’s all.
いいえ、これで全部です。
Enjoy!
(給仕係が客に)どうぞお召し上がりください。
お会計する時
次はお会計する時に使えるフレーズです。
Could I have the check, please?
お会計をお願いします。
上の例文は、「Check, please.」だけでも通じますが、上のように言う方が丁寧です。
Your total is ten dollars with tax.
(お店の人が客に)全部で税込みで10ドルです。
I’ll pay the bill.
私が勘定を支払います。
I’ll get this.
私のおごりです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は「ココア」の英語での言い方について解説・説明しました。加えて、カフェなどで注文や会計をする時に使えるフレーズもご紹介しました。
記事中で書きましたように、基本的には、ココアの英語表現は「hot chocolate」で大丈夫なのですが、日本と海外とでココアやホットチョコレートに対する認識がちょっと違うということを頭に置いておいた方がいいかもしれません。
日本語を英語にしたり、英語を日本語にする時は、文法的な言葉の違いだけでなく、背景となる文化の違いも考えるということが大事ですね。
また、今回ご紹介したような、ココアやホットチョコレートの国による捉え方の違いを題材にして英会話の練習をするのも楽しいでしょう。素敵な異文化コミュニケーションになるのではないかと思います。
それではまた。
◇経歴
児童英語講師
オンライン英会話講師
NC英語アドバイザー
英語学習ライター
元大学教員
◇資格
TESOL/TEC(CANADA)
中学校教諭二級免許状(英語)
◇海外渡航経験
25歳で初めて、短期間の語学留学をきっかけに本格的に英語の勉強を開始しました。
雑誌の編集・ライティング、テレビCMの企画・撮影等などの仕事が長く、英語を使っての海外取材や撮影経験も多く経験しています。また海外で日系新聞社の副編集長をしていたこともあります。
◇自己紹介
「英語学習に終わりはない」「継続は力なり」を実感し、50代半ばから毎日英語の勉強を続けて2000日近くが過ぎました。
「楽しく学ぶ!」をモットーに、僭越ながら私の異文化経験や英語の知識などをブログに織り交ぜながら、執筆することを心がけています!ネイティブキャンプのオンライン講師もしています。初心者・初級者限定ですが、ぜひ一緒に学びを続けましょう。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.