英語の「Hardly...when」構文をマスターしよう!初心者向けに徹底解説!

Hardly when, オンライン英会話, ネイティブキャンプ

英語の中には、日本語訳を見ても、いまいちピンとこない構文がいくつかあります。「なんでそういう訳になるの?」「直訳なの?意訳なの?」と感じてしまい、そのために覚えられないような構文です。

今回はその代表格の1つ、hardly…when~を取り上げます。「…するとすぐに~」という意味の構文です。

Hardly…whenは、そもそも否定語hardlyの意味がよくわからなかったり、倒置が起こったり、単体でもややこしい過去完了をつかっていたりするため、文章の意味がスッと入ってきません。

今回の記事では、そんなHardly…whenの意味や使い方、覚え方などを徹底解説していきます。長文読解やリスニングで出てきたときに分かるだけでなく、自分でもサラッと使えるように説明していくので、ぜひ最後まで読んでいってください。

基本的な文法の復習

Hardly…whenの構文を説明する前に、hardly…whenと一緒によく使われる2つの英文法「過去完了」と「倒置」について学んでおきましょう。

Hardly…whenがややこしくなる主な理由は、「過去完了」「倒置」「準否定語」という中ボス級の英文法が1つの文章で複数使われているからです。

しかしそれぞれの文法は、単体で見るとそこまで難しくはありません。

そのため、ポイントとなる文法1つずつ紐解いていくことで、全体の理解がずっとスムーズになります。

過去完了形

まずは過去完了です。過去完了は、「had+過去分詞」で、過去の中のさらに限定的な時制を表現する表現方法ですね。

学校の英語の授業でもつまずく人が多い項目です。日本語にない時間軸の表現が多く、日本語話者にはいまいち理解がしづらいのが主な原因でしょう。

逆に言えば、過去完了を身に付ければ、英語脳にグッと近づくので、やりがいのある項目とも言えます。

過去完了は「過去の一部分」

「過去完了と過去形って何が違うの?」という疑問をよく聞きますが、基本的には過去形も過去完了形も、過去に起こった出来事を説明するときに使われます。

その過去の出来事の中でも、どれくらいの時期に、どれくらいの期間起こった出来事なのかを限定したいときに、過去完了が使われます。

時間軸において、過去形は「点」を表し、過去完了形は「線」を表す、と言い換えてもいいでしょう。過去形をより詳しくした形が過去完了、という風に覚えておいて問題ありません。

過去完了は「完了・結果」「経験」「継続」を表す

過去完了によって表現できるのは「完了・結果」「経験」「継続」の3つです。1つずつ見ていきましょう。

・完了・結果

「完了・結果」を表す過去完了は、過去のある時点から見て、それより前に何かしらの動作や状態が終わっていることを表現するときに使います。

He had already left when we called him.
私たちが彼に電話をしたとき、彼はもう出発していた。

He had already leftが過去完了の文、we called himが過去の文ですね。

「彼に電話をした」という過去の出来事が起こった時点で、「彼が出発する」という出来事がすでに完了している、という状態ですね。

「彼が出発した」→「彼に電話をした」という時間の流れが、過去完了を使うことによってハッキリと表現されていることに注目してください。

・経験

次は「経験」です。この用法は、過去のある1点から見て、それより以前に何かを経験していることを表現するときに使われます。

He told us he had been to China before.
彼は、以前に中国に行ったことがあると、私たちに話した。

He told usが過去のある1点、それに対してhe had been to China beforeが経験ですね。

彼が話をしている時点では、彼が中国に行ったという事実は、「すでに終わった過去の出来事」ということと「彼はもうおそらく中国にはいない」ことがわかります。

ここで過去完了を使わずに、

He told us he went to China

とだけ言うと、彼が中国に行ったのはごく最近のことかもしれないし、彼はまだ中国にいる可能性も出てきます。このようなあいまいさを回避するために、過去完了を使うのです。

・継続

過去完了の継続用法は、過去のある1点から見て、それまでに何かの出来事がどれくらい続いていたかを表現します。

We had known each other for 8 years when I proposed to her.
私が彼女にプロポーズしたとき、私たちは知り合って8年だった。

「プロポーズをした」という過去の1点の時点で、2人の知り合いとしての関係が8年間継続していたということが、過去完了の継続用法によって明確になっています。

過去完了は、時間軸さえしっかり認識しておけば、そこまで難しくはありません。むしろ、曖昧な時間軸をハッキリ、スッキリ整えてくれる便利グッズなのです。

倒置

続いて「倒置」です。主語と動詞が入れ替わって、疑問文みたいになるけど疑問文ではなくて、強調されてドラマチックになる、みたいなよくわからないやつですね。

その役割も含めて学んでいきましょう。

倒置はただの雰囲気づくり

「なぜ倒置という表現法を使うのか」という疑問の答えですが、これはただの「雰囲気づくり」です。

人気少年漫画「ワンピース」の有名な決め台詞に「海賊王に、おれはなる!」というものがあります。これは主語と目的語が入れ替わって倒置が起こっていますね。

これを倒置なしで「おれは海賊王になる」というと、どう感じますか?どこか勢いがなくなり、ただの報告のように聞こえます。

それを避けるために、文法的に問題のない文章でも、あえて語順を入れ替えるのです。それが倒置です。また、文章全体のリズムや見栄えを整えるためにも使われます。

英語の倒置文の例

通常文:I have never been to such a beautiful place.
倒置文:Never have I been to such a beautiful place.
こんな美しい場所に来たのは初めてだ。

2つ目の英文は、主語と助動詞neverが入れ替わる倒置法を用いて強調されています。このようにnever、rarely, nor, no soonerなどの否定語があるときは、倒置が起きやすいです。

先ほどの「海賊王に、おれはなる!」の時と同じように、1つ目の文章は報告のような感じで、2つ目の文章は感情的、もしくは文学的な響きになっています。

また、日本語訳に変わりがないことにも注目してください。倒置は、意味に変化をもたらしません。翻訳家が作品を翻訳するときには、日本語訳に変化が起きるかもしれませんが、意味そのものを変える力は、倒置にはないのです。

「Hardly ~ when …」構文

過去完了と倒置の基本が理解できたところで、いよいよhardly…whenの構文の学習にとりかかっていきます。

とは言っても、過去完了と倒置を理解していれば、残る壁は「否定語hardly」のみです。あとは細かい語順の問題ですね。いずれにせよ、もう80%はクリアしているので、仕上げを行っていきましょう。

基本の形

基本的な意味は、「hardly A when B」=「AするとすぐにBが起こった」この形を丸暗記するだけでも、とりあえず使えますが、分解してしっかりと理解していきましょう。

I had hardly gotten home when it stopped snowing.
私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。

まず、hardlyは「ほとんど~ない」という意味ですね。「準否定語」といいます。この例文の前半を直訳すると「私はほとんど家についていなかった」ですね。

そして後半の文はそのまま、「雪がやんだとき」です。つまり全文を直訳すると「雪がやんだとき、私はほとんど家についていなかった」となります。

ここまでだと、「私」がまだ外にいる間に雪がやんだように聞こえます。「雪がやんだ」→「家に着いた」という順番ですね。しかし違います。

時制に注目してみてください。「私が家に着いた」は過去完了の文、そしてwhen以下の文章は過去形になっています。

つまり、文法的には「家に着いた」ということの方が、確実に過去なんですね。「家に着いた」→「雪がやんだ」という順番にしかなりえないのです。

この順番にしかなりえいところに、hardlyというギリギリを表す単語をもちいて、「…するとすぐに~」という意味にしているのです。

別の言い方をすると、過去完了と準否定語のhardlyのコンビネーションによって、「ギリギリ感」を作り出している、ということです。この微妙な感じが、英語学習者の理解を妨げているのでしょう。

倒置形

さて、もう1つの難関だった倒置ですが、これは特に難しいことはありません。

Hardly…when~が使われている文章を倒置にする場合、「hardlyを文頭に置き、後の文章を疑問形にする」というルールに従えばクリアです。

I had hardly gotten home when it stopped snowing.
私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。
Hardly had I gotten home when it stopped snowing.
私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。

これで完了です。すこし「ギリギリ感」とか「ハラハラ感」が増しています。あと、文章全体のリズムが良くなります。ちなみに、疑問形の意味は一切ないので、注意しましょう。

ポイント

Hardly…when~のポイントをまとめます。

・Hardly A when Bは「AするとすぐにB」という意味
・Hardlyは「ほとんど~ない」という意味の準否定語
・時系列をハッキリさせるために過去完了(had+過去分詞)が使われる。
・過去完了と準否定語のコンビネーションで「ギリギリ感」を演出している。
・文章のリズムをよくするために倒置が使われる。(Hardly+疑問形)

「Hardly ~ when …」の書き換え

最後に、hardly ~ when …を書き換えた文章を紹介します。構文の中には、hardly ~ when …に似た、ややこしいものが複数あります。ついでにまとめて覚えてしまいましょう。

また、「言い換え」は英文を深く理解するのに有効な練習方法です。

・no sooner…than~

No sooner…than~は、hardly…when~とほとんど同じように使える構文です。先ほどの例文を、no sooner…than~を使って書き換えてみましょう。

I had hardly gotten home when it stopped snowing.
私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。
I had no sooner gotten home than it had stopped snowing.
私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。

日本語訳はほとんど同じになります。過去完了や、準否定語の使い方も同じですね。また、倒置を使うこともできます。

No sooner had I gotten home than it stopped snowing.

No soonerがひとかたまりの準否定語なので、このような語順になります。

・As soon as

As soon asは「~するとすぐに」という意味の接続詞で、比較的使いやすい構文です。

というのも、as soon asは、whenやbutと同じ位置で使うことができ、さらに文章内の時制がすべて過去形になるからです。

I had hardly gotten home when it stopped snowing.
私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。
As soon as I got home, it stopped snowing.
It stopped snowing as soon as I got home.

私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。

As soon asで文章を始める際、途中でカンマが必要になるので気を付けましょう。また、倒置が起こることは基本的にはありません。

・The instant

The instantは、接続詞的な使い方をして「~するや否や」という意味を作ることができます。As soon asと同じように使えるので、こちらも覚えやすい言い換えでしょう。

I had hardly gotten home when it stopped snowing.
私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。
The instant I got home, it stopped snowing.
It stopped snowing the instant I got home.

私が家に着くとすぐに、雪がやんだ。

まとめ

Hardly…when~のような、英語独特な言い回しの構文は、最初はかなり難易度が高く感じるでしょう。しかし、文法項目を1つずつ分解していけば、実はそこまで頭を悩ませることは無いのです。

ただ、いろいろなことが1つの文章内で起こっているために、パッと見で戸惑ってしまう、というだけなんですね。いくつも例文に触れ、音読し、自分でも例文を作ってみたりして慣れていけば、次第に自然に理解し、使えるようになります。

ちなみにこのような文法項目を最速で身に付けたいのなら、ネイティブスピーカー相手に練習し、添削してもらうのが最適です。

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