【in】と【into】の違い、理解されていますか?

in, into, オンライン英会話, ネイティブキャンプ

英語には at や in、on などたくさんの前置詞があります。前置詞の使い分けは英語学習でも重要なポイントであると同時に、多くの方がつまづきやすいポイントでもあります。

特に in と into は、イメージが似ているせいか間違って使われやすい前置詞です。In と into には inside という類似した前置詞もあり、英語学習者にとってこれらの違いを理解して使い分けることはちょっとしたハードルであるかもしれません。

今回は in と into の違いや使い方のほか、inside との使い分けなどについても、例文を交えながら詳しく解説していきます。

基本的な意味とイメージと使い方

In と into は、どちらも「~の中」というニュアンスを持っていますが、もちろん異なる点もたくさんあります。

まずは、in と into の基本的な意味やイメージ、使い方について確認していきましょう。

 In

In は「何かにすっぽりと包まれている」というコアイメージをもつ単語です。

In は物理的・空間的な何かに包まれている場合だけでなく、あるコンセプトや条件などの抽象的・概念的な状況の中にあるという内容についても表現することができます。

Hana is in the room.
ハナは部屋の中にいる。
→「部屋」という構造物に包まれているイメージ

Hana talks to her friends in English.
ハナは友達に英語で話す。
→「英語という条件」の中で友達と話しているイメージ

Hana visited Japan in 2022.
ハナは2022年に日本を訪れた。
→「2022年」という期間中に訪日しているイメージ

このように、in のコアイメージは色々な状況に適用することができます。その結果として、in という単語の意味は多岐にわたります。

In の意味をロングマン英和辞典で調べてみると、前置詞としての意味だけでなんと32種類もあります。

1 (容器・建物・乗り物などについて) …の中に, …で
2 (ベッド・ふろ・座席などについて) …(の中)に, …で, (人の腕など) に抱かれて
3 (地域・町・国などについて) …に, …で
4 (存在について) …にある, …に含んで
5 (運動・方向について) …の中へ[に]

 ・・・中略・・・

span class="f_w">27 (職業などについて) …業界で, …関係の, …で
28 (感情などについて) …で, …のために
29 (原因などについて) …のあまり, …している間に
30 (性質などについて) …(の中)に
31 <…>を<…>に見いだす
32 (素材・色などについて) …製の, …色の

32種類も意味があるとはいっても、そのひとつひとつを全て覚える必要はありませんので、安心してくださいね。

In の意味を覚えるときに大切なことは、「何かに包まれている」というコアイメージを持つことです。

さらに「包んでいるものは物理的なものだけでなく、時間や概念(コンセプト)でもよい」のが in の特徴でもあります。そこを押さえておくとよいでしょう。

これらのポイントを押さえておけば、「~の中に」という物理的な意味も読み解けますし、「~に住んでいる」「~な状態にある」といった意味を表すときにもスッと理解することができます。

 Into

Into は「ある領域に入っていく」というコアイメージをもつ単語です。

Into は in と to の2つの前置詞が合体してできた前置詞なので、意味やコアイメージを考えるときにも in と to に分解して考えます。

In は「ある空間や概念の中に包まれている」というイメージを持っていますし、to は「~の方へ」という方向性や矢印、あるいは到達点といったイメージを持っています。

そのため、into は「ある空間や概念で包まれた領域に向かっていく」というコアイメージを持つことになります。

Hana went into the room.
ハナはその部屋に入っていった。
→「部屋」という空間に入っていったイメージ

Hana ran into her friends on the street.
ハナは路上で友達たちに出くわした。
→「友達たち(のエリア)」に飛び込んでいくイメージ

Hana translated the sentence into Japanese.
ハナはその文章を日本語に翻訳した。
→「日本語(の世界)」に文章を入れていったイメージ

In には前置詞としての意味だけで32種類もありましたが、 into の意味は8つだけになります(ロングマン英和辞典の場合)。

1 (運動・方向について) …の中へ[に]
2 <<状態・活動などについて,動詞go, get などを伴い「…にかかわる」などを意味する>>
3 (別のもの・状態などへの変化について) …に
4 (接触・衝突などについて) …にぶつかって
5 …に向かって
6 <<時期・期間などについて「…まで」などを意味する>>
7 <<年齢について「…になって」などを意味する>>
8 (割り算で) …を割ると

よく使われる意味としては、1の「〜の中に」、3の「〜に(変化)」、4の「〜に(衝突)」が挙げられます。

The ball fell into the water.
そのボールは水中に落ちていった。
We converted dollars into yen.
私たちはドルを円に両替しました。
The car crashed into an oncoming truck.
その車は対向車線のトラックに衝突した。

変化と衝突という違う内容を同じ into で表せるのはなんとも不思議に感じるかもしれませんが、どちらも「ある領域に向かっていく」というコアイメージから派生していると考えると、理解がしやすくなります。

【In】と【into】の違いは?

In と into は日本語ではどちらも「~の中に」という同じような訳語で表されることがあります。

そのためか、in と into は同じ意味の前置詞だと思われていたり、違いがよく分からないと言われたりもします。

しかし先述したとおり、in と into には異なるコアイメージがあり、それぞれの持つ意味にもかなりの違いがあります。

コアイメージについて改めて確認すると、in と into の間には以下のような違いがあります。

in・・・空間や概念に包まれているイメージ
into・・・ある空間や概念の領域に向かって入っていくイメージ

In と into とで特に大きく違うのは、「向かっていく」「入っていく」という動きがあるかどうかという点です。

In は状態や所在を表していて、方向性や動きのニュアンスはありません。

一方、into には方向性のニュアンスがあり、どこかへ向かうという「動き」があります。この点が in との大きな違いです。

The frog was in the pond.
そのカエルは池の中にいた。
The frog jumped into the pond.
そのカエルは池の中に飛び込んだ。

【Inside】との違いは?

In や into と似ている表現に inside があります。

Inside は「~の内側/~の内部」という意味の表現で、in や into と同じように「~の中に」と訳されることも多くあります。

There was a cat inside the room.
部屋の中には猫がいた。

Inside には方向性や動きの意味はないので、into と混同されることはあまりありませんが、in と inside の使い分けには悩まれる方も多いようです。

In と inside の違いは、外側と内側との境界線がはっきりしているかどうかです。

境界線がはっきりしていれば inside が使えますが、はっきりとしていないときには inside を使うことはできません。逆に言うと、in は境界線がはっきりしていてもしていなくても使うことが出来ます。

たとえば「英語の話される状況」とか「不穏な雰囲気の中」といった概念的な空間は、境界線を目で見ることはできませんよね。in は、物理的な空間だけでなく概念にも用いることができるという特徴をもっているので、そういった抽象的な内容に対しても使うことが出来るのです。

それに対して inside は、テニスコートのINとOUTを決めるラインだとか、建物の敷地に立っている壁などの「ここから向こうははっきりと内側だ」と言えるような境界線がある場合にだけ使うことができます。

We played basketball inside the gym.
私たちは体育館の中でバスケットボールをプレーした。
We played basketball in a frenetic atmosphere.
私たちは熱狂的な雰囲気の中でバスケットボールをプレーした。

【Into】と【in to】の違いは?

Into に似ている表現に in to というものがあります。

He checked in to the hotel.
彼はホテルにチェックインした。

In to は into とは違い、1つのまとまりとしての表現ではありません。in はその前にある動詞とセットになっている句動詞の一部であり、to はその後に続く修飾句を導く前置詞です。

句動詞とは、動詞と前置詞または副詞が組み合わされてできたフレーズのことで、まとめてひとつの意味を表します。Watch out(気をつける)、give up(諦める) などは有名な句動詞です。

上の例文のような場合、in と to はたまたま並んで配置されたので into と同じような見た目になってはいますが、into のようにひとまとまりで仕事をしているわけではなく、個々に全く別の働きをしているということになります。

He checked in.
彼はチェックインした。
He checked in to the hotel.
彼は、ホテルに、チェックインした。

おまけ 【on】と【onto」の違い

最後に in と into の関係と同じような違いがある単語を1組ご紹介したいと思います。

On と onto です。

On は「くっついている」というコアイメージを持つ英単語です。それに対して onto は「くっついている状態に向かっていく」といった動きや方向性のニュアンスを持っている英単語になります。

In と into の関係と同じですね。

The cat was on the car roof.
ネコが車の上に乗っかっていた。
The cat was jumping onto the car roof.
ネコが車の上に飛び乗った。

まとめ

In と into のコアイメージの違いやそれぞれの使い方、 inside や in to といった類似表現との使い分けについて解説してきました。

ニュアンスの違いを理解したり、表現したい内容によって使うべき前置詞を選ぶといったスキルは、実践を通じて経験を積むことでより一層の磨きをかけていくことができます。

例文などを参考にしながら、ぜひ毎日の英語学習や英会話レッスンの中で実際に使ってみてくださいね。

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