ビジネス創業者、アーティスト、科学者など、色々な分野で周囲に先駆けて新しいチャレンジをしていく人のことを「先駆者」と呼びます。
日本語では先駆者のことを「パイオニア」や「草わけ」などといった別名で呼ぶこともありますし、「開拓者」や「創業者」といった類語もありますよね。では英語の場合、「先駆者」のことをどのように表現するのでしょうか。
今回は「先駆者」を表す英語表現について、類語や英語例文を交えながら解説していきます。
「先駆者」の英語表現
「先駆者」を意味する英語として最も一般的な英単語といえば、“Pioneer”が挙げられます。日本語にも「パイオニア」というカタカナ英語があり、日常生活でも普通に使われていますよね。
“Pioneer”の意味をWeblio英和辞典・和英辞典(https://ejje.weblio.jp/)で確認してみると、次のように記載されています。
周囲に先駆けて新しい技術やアイディアの実現に向けて行動した人、という意味の「先駆者」を英語で表したいときは、“Pioneer” という英単語を使うのがぴったりというわけですね。
スティーブ・ジョブズは世界で最も有名なパイオニアの一人である。
日本語にも「パイオニア」というカタカナ英語がありますが、英語で発音する場合には「パ」ではなく「二」にアクセントがあり、「パイオニーァ」というように「二」を長めに発音します。発音記号で表すと、【pàiəníər】という風になります。日本語の発音とはかなり違っていますので、覚えておいてくださいね。
「先駆者」という言葉には、「開拓者」や「創設者」、「先を行く人(先行者)」といった類語もあります。英語でこういったニュアンスの違いを強調したい場合には、以下に挙げるような “Pioneer” 以外の表現を使うこともあります。
創設者:Founder【fáundər】
先行者:Precursor【prikə́ːrsər】
ここからは「先駆者」に関する表現について、代表的な ”Pioneer” だけでなく、類似表現についても詳しく解説していきます。
Pioneer
“Pioneer” は上述したとおり、「開拓者、パイオニア、先駆者、草分け」といった意味をもつ言葉です。
名詞として使われることが多いのですが、自動詞または他動詞として使うこともできますし、さらには形容詞としての用途もあります。
彼女は日本の美容業界のパイオニアである。
“Pioneer” が自動詞(目的語がなくても文が成立する動詞)として使われる場合には、「先駆者になる」という意味になります。一般動詞になりますので、be 〜ingの形で進行形にしたり、三単現のsをつけて活用することもできます。
彼女は日本の美容業界のパイオニアとなっている。
“Pioneer” を他動詞(目的語をとる動詞)として使う場合には、「(周囲に先駆けて~を)開発する、開拓する」といった意味になります。
彼女は日本の美容業界において新たな分野を開拓している。
“Pioneer” を形容詞として使う場合は、「先駆的な、開拓者の」という意味となります。
私は古代にそのような先駆的な教育者たちが存在していたという事実に感銘を受けた。
関連表現
“Pioneer” に似ている意味をもつ類語や、関連表現についても確認しておきましょう。
「周囲に先駆けて、新しい行動を行う」「誰もまだ行ったことのないエリアを切り開いていく」といった意味を持つ英単語や英語表現としては、次のようなものが挙げられます。
explorer 探検家
pathfinder 探検家、草分け
innovator 革新家
trailblazer 草分け
adventurer 冒険家
searcher 探究家
pursue 研究家
frontier 未開の地、辺境、境界地帯、フロンティア、新分野
reclamation 開墾
development 開発
exploitation 開発、開拓
colonization 植民
settlement 開拓地
reclaimed land 開拓地
cleared land 開拓地
意外とたくさんあるんだなぁ、と思った方も多いかもしれませんね。ここからは、代表的な関連表現をいくつかピックアップし、それぞれについて詳しく説明していきます。
Settler
“Settler” は「植民者、移住者、開拓者」などを意味する単語で、新しい土地にやってきて、その土地に定住しながら開拓を始めていく人を指します。
この町は海外からやってきた開拓者の一団によって作られました。
“Settler” は ”settle”(定住する、入植する)という動詞から派生している名詞です。”settle” という言葉にはもともと「(ふらふらと漂っていたものが)ある場所にとどまる、落ち着く」という意味合いがあるため、派生語である “Settler” にも「定住する」というニュアンスが強くあります。
「誰も住んでいなかった土地にやってきて、定住する」ということは「開拓する」ということですし、「すでに先住者がいる土地にやってきて、定住する」ということは「植民する」ということですので、“Settler” という言葉は「定住者」というより「開拓者」や「植民者」と訳されることも多くあります。
その開拓者たちは、最初の収穫を得るまで決して作業を止めることをしませんでした。
Founder
“Founder” は「創設者、創始者、開祖」を意味する言葉で、新しい組織や企業を立ち上げた人のことを指します。
私の父は、我々のコミュニティーを創設したメンバーの一人です。
徳川家康は徳川幕府を開いた人です。
”found” という言葉は ”find” の過去形としての認知度が高いのですが、実は同じつづりで「基礎を作る、創設する、創立する」といった意味を持つ動詞でもあります。
彼は15年前にその学校を創立した。
私達の会社は1902年創業です。
英語では、動詞の語尾に「er」をつけることによって「〜する人」という言い方に変えることができるルールが存在します。例えば、”play” の語尾に「er」をつけると、”player”、つまり「プレイする人=プレイヤー」になりますよね。
”found” も同じように、語尾に「er」をつけることによって “founder” 、つまり「創立する人、創始する人、基礎を作る人」という意味になるのです。
先駆者というのは、時代や周囲に先駆けて新しい挑戦をしていく人のことですが、企業や団体の創始者というのは、他の人が手を出さなかった分野に進出し、新しい基盤づくりや組織づくりを進めていく人です。つまり、「先駆者」でもあり、「開拓者」でもあるという風に捉えられるわけですね。
Precursor
“Precursor” は「先駆者、先任者、先輩」を意味する言葉で、「前を走る人」というラテン語が語源です。「前兆」という意味で使われることもあります。
周囲よりも先を走っていく、「先達(せんだつ:先にその道を通り、他を導く人)」や「先駆者」といった意味合いを強く持っている単語です。
エリは彼らの村では自動車運転の先駆者として知られていました。
彼はIT技術界における先駆者の一人である。
“Precursor” は若干フォーマルで堅い印象のある言葉で、日常会話などのカジュアルな会話ではほとんど使われることはありません。
評論記事やニュース報道などで耳にすることはあるかもしれませんので、覚えておきましょう。
colonist
植民や入植という言葉は、ある強大な国が他の国を政治的・経済的に支配し、本国の国民をそのエリアに移住させることによって開発や開拓を進めていくことを指しています。
本国以外の国を植民地とすることを英語では ”colonize”(植民地化する)といい、それに伴い植民地に移民した人々のことを ”colonist” =「入植者、開拓者、海外移住民」とよびます。
アメリカにおける英国人入植者達の生活はどんなものだったのだろうか。
この町には1860年代にイギリス人の入植者達が入りました。
まとめ
「先駆者」に関連する英語表現を解説してきました。パイオニアという一般的な単語以外にも、いろいろなバリエーションの英語表現があることをお分かりいただけたかと思います。
シチュエーションや伝えたいニュアンスに合わせて、「先駆者」を意味する英語表現を使い分けてみてくださいね!
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.