”hot water”の意味は「お湯」じゃない?意外な意味を深堀り解説!

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”I'm in hot water”といわれたら、あなたはどんな風に日本語に訳しますか?

”hot water”を直訳すると「温かい水」、つまり「お湯」ですね。ということは、”I'm in hot water”は「お湯に入っている」や「お風呂に入っている」といった意味になるのでしょうか?

残念ながら、”I'm in hot water”は「私はお湯に入っている」という意味ではありません。実は”hot water”には日本人学習者にはあまり知られていない別の意味があり、上の文章はそちらの意味を使って翻訳すると正しい内容が伝わるようになっています。

今回は、意外と知られていない”hot water”の意味について、詳しく解説していきます。英会話で”hot water”といわれたときにキョトンとしてしまわないためにも、”hot water”の意味や使い方についてマスターしていきましょう。

”hot water”の意味① お湯

”hot water”をgoogle翻訳で日本語訳すると「お湯」という結果がでてきます。

”hot water”は一般的に「お湯」や「温水」と訳されることは確かですし、その意味自体が間違っているわけではありません。

たとえば旅行英会話でも、ホテルでお湯が使えないときにフロントへ連絡するための便利フレーズとして、”hot water”がよく使われていますよね。

The hot water isn’t running.

お湯が出ないのですが。

他にも、熱湯のことを“boiling hot water”や“boiled water”、温泉のことを“hot water spring”と言ったりもします。

Pour the boiled water into the cup until it reaches the line inside.

カップの内側の線まで熱湯を注いでください。

You can find so many hot springs in Japan.

日本には数多くの温泉があります。

”hot water”は一般的に、40℃程度の温水のことを指します。お風呂に入ったときに「気持ちいい」と感じる程度のお湯、と想像していただくとわかりやすいかと思います。

文脈によっては40℃より熱いお湯を指すこともありますが、海外でカップラーメンが作りたい時など「ぬるいお湯では困る」というときには、”boiling hot water”など「熱い」ということがはっきりとわかる英語表現を使って伝えることをオススメします。

”hot water”の意味② 困難

”hot water”には「お湯」という意味があると確認しましたが、実は”hot water”には「困難」という別の意味も存在します。

”hot water”は基本的に40℃程度のお湯を指しますが、「困難」といいたいときの”hot water”はまさに熱湯のイメージです。熱湯の中に身を置いているような、辛くて逃げ出したい苦しい状況ととらえていただければわかりやすいかと思います。

I want to get out of hot water.

この窮地から逃げ出したい。

この「困難」という意味は日本人英語学習者にはあまり馴染みがないかもしれませんが、くわしく説明のある辞書であれば記載されてもいますし、ネイティブスピーカー同士の英会話にもよく登場する一般的な表現です。

”hot water”という形でも使われるのですが、”in”を前につけた”in hot water”というイディオムとして「(他の人から叱られたり怒られたりするような)困難な状況にある」ことを表すことが最もよくあるパターンになっています。

Paul is in hot water at the office.

ポールは会社で大変なことになっている。

If you don't hand in your report before the deadline, you will be in hot water.

締め切りまでにレポートを提出しないと大変なことになるよ。

”in hot water”は、次のような内容を表したいときに便利な表現となっています。

・苦境に陥っている

・困難な状況にある

・ヤバいことになっている

・面倒なことになっている

・窮地に立たされている

・大変な状態になっている

なお、大変な状況に「なる」ということを強調して表したい場合は“be in hot water”ではなく“get in hot water"を使うこともあります。“get”を使うことで、よりその状況に矢印が強く向いているような動きが加わっていくイメージです。

Paul is getting in hot water at the office because he lost the confidential documents.

ポールは機密書類を紛失してしまい、会社で大変なことになっている。

また、”in hot water”の”in”を”'into”に置き換えていう言い方でも、大変な状況に「入っていく」というニュアンスを表現することができます。日本語でいうなら「(どつぼに)ハマっていく」というようなイメージでしょうか。

たとえば上の例文の”in”が”into”に置き換わると、下のようになります。

Paul is getting into hot water at the office because he lost the confidential documents.

ポールは機密書類を紛失してしまい、会社で大変なことになりつつある。

"get in hot water"の”in”を”into”に変えることで、より強く「(大変な状況に)なっていく」ということを表す英語表現になります。

このように、”hot water”を使ったイディオムには動詞や前置詞を変えた言い方のバリエーションがあります。

ベースとなるのは“in hot water”という形なので、まずは“in hot water”からマスターして、だんだんと派生表現の引き出しを増やしていってみてくださいね。

”in hot water with ~”の使い方

誰かとの人間関係の中で大変な状況にある、といいたいときには”in hot water”のあとに”with + 人”をつけて”in hot water with 人”というイディオムの形にすることで「(人)と大変なことになっている」という内容を表現できるようになります。

Anna is in hot water with her friends because she broke a promise.

アナは約束を破ったために友達と面倒なことになっている。

”in hot water”は「人に叱られたり責められてしまうような、大変な状況にある」というニュアンスのある表現なので、人間関係の中での状況を表すのによく使われます。そのため、”with”をつけて人を特定した形での表現になることも多くありますので、ぜひ覚えておきましょう。

”in trouble”との違い

「困難な状況にいる」という内容を英語で表現したい場合、”in trouble”を使う方法もあります。

I'm in trouble in the office.

私は会社で困難な状況にある。

受験英語をがんばってきたり、日本で英語を学んできたという方にとっては”in trouble”の方が身近に感じるかもしれませんね。

”in hot water”と”in trouble”は同じような内容を伝えることができますが、”in trouble”が単純に「困難な状況にある」というニュアンスであるのに対し、”in hot water”は「叱られたり罰せられたりするような可能性が高い、困難な状況にある」というニュアンスがあるという点に違いがあります。

他人や上司から叱責されてしまったり文句を言われてしまうようなシチュエーションや、人間関係の中で困難な状況にあるようなときには”in hot water”の表現がしっくりくると言えます。

I'm in hot water in the office with my boss.

私は会社で上司との関係が大変なことになっている。

”in hot water”の方が話し言葉に寄った表現ではあるものの、”in trouble”と”in hot water”の間に厳密な使い分けのルールがあるわけではありません。伝えたいニュアンスによって、しっくり来る方を選んでみてくださいね。

”in cold water”なら「大変ではない」になる?

”in hot water”が「苦境にある」という意味ならば、”in cold water”は「楽な状況にある」「大変な状況にはない」という意味になるのでは?と思いますよね。

ところが、残念ながら”in cold water”には「楽な状況にある」という意味はありません。単純に「冷たい水の中」という意味にしかならないので、誤って使ってしまわないように注意しましょう。

ちなみに、「いい状態にある」「楽な状況にある」といいたい場合には、”get along well”や”do well”という表現を使います。

She is doing well at the office.

彼女は職場でうまくやっている。

She gets along well in her new job.

彼女は新しい仕事をうまくこなしている。

”hot water”を英会話で使ってみよう

”hot water”の「困難」という意味について深堀りして解説してきました。

今回初めて「困難」という意味を知ったという方も、ひととおりの知識を得ることができたのではないかと思います。

知識を得たとはいっても、実際の会話でスッと出てくるまでになるためにはやはり繰り返しアウトプットする経験が必要になってきます。

「あの子、今大変らしいよ」なんていうよくある会話を英語で表現したいときに、パっと”in hot water”というイディオムが出てくればとてもスムーズに言いたいことを相手に伝えることができます。

ぜひ、「お湯」ではない”hot water”の意味をマスターして、毎日の英会話で使ってみてくださいね。

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