有給休暇は英語でどう言う?病欠、育休や海外の有給事情も紹介

有給休暇、holiday、ネイティブキャンプ

仕事をしていると、いくつかの種類の休みを取ることになります。それは代休だったり産休や病欠だったり、そして賃金の支払いを受けながら仕事を休める「有給休暇」があります。

この有給、取得は労働者の権利ではあるものの日本ではなかなか消化できないのが現状かもしれません。同時に、外国の有給休暇事情が気になるところではないでしょうか?

この記事では、有給や他の休暇の英語表現、それらを英会話の例文とともに紹介します。合わせて、海外では有給休暇がどのように取られているのか比較してみましょう。

有給休暇を表す英語表現

まず、本記事のテーマである「有給休暇」を英語でどう表現するのか紹介します。

冒頭で賃金の支払いを受けながら仕事を休めるのが「有給休暇」と述べました。このため、賃金の「支払い」と「休み」というところが英語表現でもポイントになります。

paid holiday
paid vacation

有給休暇の英語表現は一つではありません。しかし、paid(有給の)とholidayやvacation(休日・休暇)といった単語の組み合わせで有給休暇を表していることが分かります。

vacationよりholidayのほうが一般的に使われており、特に、筆者の住むイギリスではバケーションはほぼ使われていません。

ただ、コロナウイルスで海外へ行けないとき「staycation」、ステイケーションといって家から近い場所で休暇をとるという言葉ができました。

paid leave

leaveは皆さんご存知のとおり、~から離れる、~から出る・出発する、別れる、頼む、委ねる、去るといった意味を持つ動詞です。

例えば、I’m leaving for Parisなら、パリに出発しますという意味ですね。あるところから違う場所へ移動するというイメージです。

そして、名詞として「(公式な)休暇の許可・休暇の期間」があります。

有給を取得するには部下としては上司の許可が必要となりますのでleaveがぴったりの表現ということになり、paid leaveとして有給休暇を表すフレーズになっています。

annual leaveという言葉もよく使われますが、決して会社を去るということでなく(有給の)年次休暇という意味になります。

day off

day offはそもそも会社や学校をお休みすることを意味し、有給がまだ残っているのであればこのday offもイコール有給休暇ということになりますね。

有給の英語表現を使い分けよう

いくつかの有給休暇の英語表現を紹介しましたが、どう使い分けるのか気になりますね。

長期休暇で里帰りなどを含む旅行や夏季休暇といった理由の場合、holidayとvacationが適切です。holidayは国民の祝祭日の意味もありますね。

一方、paid leaveですが、有給休暇制度であり職場によって許可された長期の休職であることから出産休暇、病気休暇などが含まれます。

day offは、a half day offなら半休といったように、いかなる理由でも仕事を休むこと、比較的短い期間の休みのときに使います。

有給休暇以外のいろいろなお休みを英語で表現

具体的なお休みの種類によって英語の表現があります。必要なときのため、ぜひ覚えるようにしましょう。

sick leave 病気休暇 
family care leave 介護休暇 
nursing leave 看護休暇 
monthly sickness leave 生理休暇 
maternity leave 出産休暇 
paternity leave(父親の)育児休暇
child care leave 育児休暇 
condolence leave 忌引休暇

これらを取得するときの基本はask, have, getという簡単な単語で表現できます。以下で、色々な例文を紹介していきます。

有給休暇の英語表現を使った例文をみてみよう

英語学習者としては、外資または国内企業でも英語を使う企業に勤める可能性が高いこと、有給を取得するときにどんな表現が適切なのか知っておきたいところです。

ここでは、有給休暇にまつわる色々な会話例を紹介しましょう。

まずは、上司に有給休暇の許可をもらいたいときの例文です。チームワークや繁忙期などを考慮した上で必要な休暇を取ります。取得の申請にはask, have, take, getを使いましょう。

I would like to have two days off next week.
来週2日間、お休みを取りたいのですが。

上司との関係によっては、もう少しカジュアルな言い方もできます。

Can I have two days off next week, please?
来週2日、休んでいいですか?

有給は労働者の権利とは言え、”可能であれば”といった和らげる言い方もできます。

If it’s possible, I would like to have two days off next week.
できれば、来週2日間、お休みを取りたいのですが。

ここまで動詞はhaveにして例文を紹介しましたがこれらはイギリス英語で言われるパターンです。アメリカ英語ではtakeが多くなります。

では、友達や家族と有給について会話する例もみていきましょう。

I’m planning to have paid holiday for one week and want to travel to Germany.
1週間の有給休暇をとってドイツに旅行したいんだ。
Do you think you can take your paid leave? You’ve been working so hard and it’s better to have a break.
有給取れると思う?ずっと働いてきてるから休んだほうがいいよね。
When was the last time you took your paid holiday?
最後に有給を取得したのはいつだったの?

有給休暇がとれたときのことを表す会話も紹介します。

He is on a paid holiday and will be back in the office next week.
彼は有給休暇中で、来週から出社する予定です。

このように、◯◯休暇中と言いたいときにはon ◯◯にします。病気休暇中ならon sick leave、父親の育児休暇中であればon paternity leaveということになります。

Yay! I’ve got a day off tomorrow. Shall we go out together?
やった!明日休みだよ。一緒に出かけない?
She had to make sure everything was ready before taking her paid holiday.
彼女は有給休暇をとる前に、すべてを準備しなければならなかった。
My paid holiday will start from next Wednesday until the following Wednesday.
私の有給休暇は来週の水曜~翌週の水曜までです。
I was looking forward to having paid holiday to go to Japan!
有給をとって日本に行くのが楽しみだったの!
I felt a bit guilty to take paid holiday due to the shortage of manpower.
人手不足で有給休暇を取るのがちょっと後ろめたいな。

due toで原因や理由を表すことができます。because ofと比べ、よくない理由があるときに使われます。

有給休暇が権利だという点に関する英語表現

みなさんは有給休暇をしっかり消化していますか?なかなか難しいことかもしれませんが、休暇取得は労働者に与えられた権利の一つです。

権利はrightが使われることがよく知られています。この場合、法律にもどつくものになります。

有給の場合はrightも使われますが、entitlement(エンタイトルメント・人が行なうまたは受け取る)「権利・資格」のようが適切です。政府が行なう社会保障などの給付金制度にもこのentitlementが使われます。

以下、英国政府のウェブサイトから一部紹介します。

Statutory annual leave entitlement
Most workers who work five days a week must receive at least 28 days of paid annual leave a year.

法定年次休暇の取得
週5日勤務の労働者の多くは、少なくとも年間28日の年次有給休暇を取得しなければなりません。

参考:GOV.UK Holiday entitlement

ところが、実際には有給消化が難しい事情があることがあります。有給消化の英語表現ですが、消化という日本語から離れて持っている有給を使うということでuseを使えばよいでしょう。

I tried to use my paid holiday last month but couldn’t.
先月、有給を消化しようとしたけれどできなかったんだ。

自分の持っているすべての有給を使い切るという素晴らしい行動については、use up my paid holidays(有給休暇を使い切る)という表現にします。

2週間取ることも珍しくない?海外の有給事情

日本と海外では交通費の支給やボーナス支給を見ても出る出ないに違いがあります。そして、有給休暇、特に取得に対する法律、考えや態度がかなり違うようです。

日本では有給休暇を付与することは法律で定められています。さて、英語圏はどうなっているのでしょう。

法律で守られるイギリス人

法定年次休暇の取得のところでも英国政府のウェブサイトGOV.UKから紹介しました。

有給休暇を取得するときの通知についてもその期間が定められています。希望する休暇日数の少なくとも2倍に1日を加えた期間前に通知します。

例えば、1日の休暇を取りたい場合、3日前にはお知らせしなければなりません。

逆に、雇用側も申請された休暇の拒否にルールがあり、休暇の量に1日加えて通知をする必要があります。労働者が10日間の休暇を申請した場合に、雇用主は11日前には通知しなければならないのです。

参考:GOV.UK Holiday entitlement Booking time off

消費生活全般に関することを取り扱う非営利団体Ctizens Adviceでも有給休暇についてのページがあります。有給取得がいつからできるのか、休日の手当が適切か、取得の有無の確認など、さまざまなアドバイスを受けられます。

参考:Citizens advice

逆にアメリカでは企業が労働者に有給を与える義務がないというのでイギリスと全く違うことが分かります。企業が福利厚生の一つとしての有給を設定しているのです。

国によって異なる有給休暇の制度。このように異なる事情の上に、さらに有給消化率についてもかなりの違いがあるようです。

そもそも取りづらい、取ることに罪悪感があって最低限の日数でとる、このような方はいませんか?日本は有給の取得日数が少ない国と言われます。平均の日数も年間で10日、それでも消化しきれないということはひと月に1日も取れないどころか、連続10日というのもかなり気がひけるのではないでしょうか?

だからこそ、ヨーロッパなどへの旅行も1週間と短くなってしまうのですね。

一方、イギリスでは週5日就労している場合の年間取得日数は28日。それをバンバンとっていきます。イギリスだけでなく、ドイツなどでもほぼ完璧に有給消化されるようです。日本の常識が海外に行くと常識ではなくなるという例でしょう。

有給休暇の英語まとめ

有給休暇はpaid holiday、paid vacation、paid leave、そして有給を取得すると言いたいときはhave paid holidays, take paid holidaysのパターン、現在有給取得中であればon a paid holidayです。

ちなみに夫には毎年7月に新しい有給が発生するのですが、消化のために5月と6月で21日間も有給をとっていました。

英語学習者の皆さんは英語を活かせば、後ろめたい気持ちなしに有給を取れる環境の仕事に就く可能性があるのかもしれませんね!

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