「Clean」と「Clean up」の違いは? 「Clean out」も加えて学習しよう!

Clean, Clean up, ネイティブキャンプ

「Clean」と「Clean up」。『ただ「up」を付けただけで、なにか変わるのかな?』という疑問が出てきても、不思議はないですよね。

「up」が持つイメージ、さらに「Clean out」も合わせて、それらの違いを学んでいきましょう。

「Clean」の原義

手始めに「Clean」を手元の英和辞典で調べてみます。

今回は動詞(他動詞、動詞)だけを取り上げますが、ほかに「よごれがない」や「きれいな」などを意味する【形容詞】、「きれいに」や「(口語で)すっかり」などを意味する【副詞】もあります。

英語学習のうえで役立ちますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

Clean

【他動詞】

1.~をきれいにする;掃除する

2.~の中身を空にする

3.(魚など)の内臓を取り除く

【自動詞】

1.掃除する

2.きれいになる

動詞は、大きく【他動詞】と【自動詞】に分けられます。ここで「Clean」を使って、簡単に復習しましょう。

【他動詞】は目的語を必要とします。次の文章では、「my room=自分の部屋」が掃除をしている対象、目的語です。「たった今、なにをしているの?」と聞かれてるので、現在進行形を用いて答えます。

A: What are you doing now?

B: I’m cleaning my room right now.

A:いま、なにをしてるの?

B:自分の部屋を掃除しているところ。

一方の【自動詞】は、「走る」や「飛ぶ」といった動詞と同じで、目的語を必要としません

A: What will we do next?

B: Let’s clean after lunch.

A:次はなにをしようか?

B:お昼ご飯を食べたら、清掃をしよう。

掃除の対象(部屋や窓など)を示すわけではなく、漠然と「掃除をする」というイメージです。

「Clean up」と「Cleanup」

「Clean up」を見る前に、「Cleanup」を確認しておきましょう。

1)Cleanup

【名詞】

1.掃除、清掃;(悪事などの)一掃、浄化

2.[俗語]大儲け

3.[野球]4番打者

※日本の野球でクリンナップ(cleanup)というと普通3、4、5番をさすが、大リーグでは4番をさす

Although the pollution cleanup is now complete, the Coast Guard will continue to investigate the cause of the fire.

汚染物質の除去は現在、完了しているが、沿岸警備隊は引き続き火災の原因を調べている。

https://coastguardnews.com/turner-cut-resort-dock-fire-oil-spill-cleanup-complete/2007/10/12/

「ドック(波止場やふ頭)で火災が発生し、停まっていた船からオイルが流出した。」というのが、この文章の前半部分です。

「Pollution」は、汚染(物質)や公害を意味し、TOEICにも頻出する単語です。この機会に覚えておきましょう。

2) Clean up

【自動詞+副詞】

1.きれいに掃除する、片付ける

2.(着替えたりして)身ぎれいにする

【他動詞+副詞】

3.(部屋などを)きれいに掃除する;ごみなどを片付ける

4. 悪事(汚職や犯罪、不正行為など)を一掃する

その他にもありますが、これらが主な意味です。

「up」そのもののイメージ

ここで副詞の役割を果たしている前置詞「up」「up」そのもののイメージを掴んでおくと、句動詞の学習にも一役買いますので、さらっと復習しておきましょう。

コアイメージでいうと、「(上への運動や上下の関係において)上にある、上に向かう」

そのイメージを応用して、「出現」や「動作の終了」、「動作の仕上げ」などの意味になりました。イメージを少し詳しく見ておきましょう。

1.上を表す、または動きが上を向く

上にある、または上に向かっていく時の様子です。

Smoke is rising up into the sky.

煙が空に立ち昇っている。

「Rise」は「(太陽や月などが)昇る」、「〈幕・煙・しぶきなどが〉上がる」の意味です。まさに煙が空に向かって上がっていく様子を思い浮かべるといいでしょう。

2.増える、値段が上がる

「増える=increase」を思い浮かべますが、口語では「go up」もよく用いられます。

The gas price has gone up since last month.

先月からガソリン代が値上がりしている。

世界情勢が不安定になると、ガソリン代などはすぐに影響を受けますね。「急激に上がってきた」と言いたい時には、「go up」の代わりに「shoot up」を使うこともできます。

The gas price has shot up since last month.

先月からガソリン代が高騰している。

それぞれ「go up」の現在完了形で「gone up」、「shoot up」の現在完了形で「shot up」です。値上がりだけでなく、高騰した、というニュアンスが出ます。

3.現れる、話題になる

「太陽が現れる」などと同じように、そこになかったものが現れる感覚です。

He showed up at the party.

彼がパーティーに姿を見せた。

「show up」で「現れる」の他、「顔を見せる」や「姿を見せる」と訳すことができます。

4.完全に、しっかり~して終わらせる

「up」がなくても基本的な意味は伝わりますが、仕上がりを強調することができます。

Let’s eat up all the dishes!

料理を全部、食べ尽くそう!

まだ料理がたくさん残っているけれど、ただ「食べよう」ではなく「食べ尽くそう」というニュアンスが出せます。

Buckle up your seat belt.

シートベルトをしっかり締めなさい。

これもただ「締めて」だけでなく、「しっかり締めて」というニュアンスが出ます。

「Clean」と「Clean up」の違い

改めて「Clean」と「Clean up」の違いについて考えてみましょう。「up」の項目に、次のような内容がありました。

4.完全に、しっかり~して終わらせる

「up」がなくても基本的な意味は伝わりますが、仕上がりを強調することができます。

そう、まさに「掃除をする」のか「しっかり/きれいに/完全に掃除をする」の違いが出てくるのです。

A: She always cleans her room.

B: She always cleans up her room.

A:彼女はよく自分の部屋を掃除する。

B:彼女はよく自分の部屋をきれいに掃除をする。

アメリカ人の方が「動詞+up」で「やり切った感」を出しやすいそう。そう考えると、イギリスやオーストラリア出身の方は、違う感覚を持つかもしれません。

「Clean up」で注意をしたいのが、先に出てきたこの部分です。

【他動詞+副詞】

4.悪事(汚職や犯罪、不正行為など)を一掃する

He is confident that the new manager can clean up the cheating.

彼は、新監督が不正を一掃できるという自信を持っている。

「cheating」は「不正行為や詐欺、ズル」のことです。「the new manager」の代わりに「the new principal=校長」を用い、学校の場面を仮定すれば、「カンニング」と訳されます。

「Clean up」で「(汚職や犯罪、不正行為などを)一掃する」となりますので、「up」を忘れないようにしましょう。

「Clean out」はどう違う?

まずは「Out」の意味から復習しましょう。コアイメージは、「外に、外で」の他、「(内から外へ)出て、出して」など。

ですので、「Clean up」がきれいに仕上げるタイプの掃除を言うのに対し、「Clean out」は物を捨てたり、空っぽにしたりするタイプの掃除を言います。

1.完全に空になる

We clean out the warehouse to make space every winter.

私たちは毎冬、スペースを確保するために倉庫をきれいに清掃している。

では、次の文章にはどのような違いがあるでしょうか?大まかな意味は、「母は私に引き出しを~~するように言った」です。

A: My mom told me to clean up the drawer.

B: My mom told me to clean out the drawer.

A.は、引き出しの中身を片付けて、きれいにするイメージ。

B.は、引き出しの中身を出して、きれいに掃除をするイメージです。

これらの違いは、「UPは仕上げる感じだな」とか「OUTは外に出すイメージだな」とか、自分や好きな人の行動を思い浮かべると効果的ですよ。

また、「Clean up」に「悪事(汚職や犯罪、不正行為など)を一掃する」という別の意味があるのと同じで、「Clean out」にも他の意味があります。

2.完全に金または商品を奪う

The robbers cleaned out all the bank’s cash.

泥棒は銀行にあった現金をすべて盗んだ。

「盗む」を意味する「steal」を使う場合は、以下のような文章になります。

The robbers stole all the cash from the bank.

泥棒は銀行から現金をすべて盗んだ。

3. 追い出す

After five losing seasons, the team's owner cleaned out the front office.

5シーズンを負け越した後、チームオーナーは首脳陣を解雇した。

直訳すると「追い出した」ですが、結果的に「解雇した」ことになります。

まとめ

いかがでしたか?日本語でも「クリーン」や「クリーンナップ」となじみのある言葉ですが、前置詞との組み合わせで、微妙なニュアンスの違いがあることを理解できたのではないでしょうか。

「Clean」の原義は「きれいにする」や「掃除をする」。

「Cleanup」は名詞で「清掃」や「浄化」。

「Clean up」は「しっかり/きれいに/完全に片付ける・掃除をする」イメージ。

「up」そのもののイメージは、「上にある、上に向かう」。これを応用して、「出現」や「動作の終了」、「動作の仕上げ」などを意味する。

「Clean」を「Clean up」で言う場合は、「しっかり/きれいに/完全に」のイメージに加えて「やり切った感」が表せる。

「Clean out」は物を捨てたり、空っぽにしたりするタイプの掃除。

前置詞ひとつでニュアンスが変化するのは事実ですが、怖がらずに例文をたくさん作って、「ネイティブキャンプ」のレッスンで使ってみましょう!

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