発音の試験「EPT®」とは?テスト内容や対策、受験費用まで徹底解説

ネイティブキャンプ、英語、発音テスト

「日本人風な英語の癖が抜けない」「英語の発音をもっとよくしたい」「自分がどれくらい流暢に話せているのか発音判定してほしい」等々、日本人の英語学習者であれば一度は発音のお悩みを持ったことがあるのではないでしょうか?

発音対策にも色々とありますが、スキルアップやレベルチェックを望む英語学習者の方におすすめしたいのは「EPT®」という英語発音テストです。

「EPT®」は「English Pronunciation Test」の略で、”自然な英語の発話ができているか”をチェックする発音特化型のテストです。※以下「EPT®」はEPTと略記します。

今回はEPTの概要や受験方法、具体的なテスト対策などについて紹介していきます。発音の向上や改善に興味がある方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

EPTの概要

EPTは前述の通り「English Pronunciation Test」の略で、一般社団法人 国際発音協会によって2012年から創設・運営されている英語の発音に特化したテストです。

内容としては、初見文および課題文などを音読する形となっています。テスト自体の所要時間は5分程度(※1)で、気軽に受験できるのが特徴です。「聞き手にとってどれだけ分かりやすく自然に英語で発話できているか」が審査対象となっており、結果は合格不合格ではなく100点満点のスコアで提示されます。

※1 会場受験の場合、最長30分程度の待ち時間が発生することがあります。

EPTの特徴

EPTは発音に特化したテストで、個々の発音・リズム・イントネーションなどの側面から多角的に発音スキルを判定します。

また、事前にテスト内容の一部である課題文を練習することができるのも特徴です。課題文は公式サイトに記載されており、しかも模範解答の音声まで公開されています。
https://ept.or.jp/ept/topics/

なお、模範解答の音声はアメリカ英語となっていますが、実際のテストで審査を行う試験官は特定の国籍に偏らない複数名で構成されています。試験官は英語のネイティブスピーカーの他、音声学教授や英語発音専門家が含まれ、公正な審査が行われるように配慮されています。

そのため、たとえば受験者がイギリス英語などアメリカ英語以外のイントネーションだったとしても減点対象になることはありません。ただ、同じ単語なのにある設問ではアメリカ英語、違う設問ではイギリス英語という風に一貫性がないと「不自然で通じにくい」と判断されて減点される可能性はあります。

また”音読スピードはスコアに影響しない”というのも特徴です。

もちろん、伝わらないくらい遅すぎたり、逆に速すぎたりすると減点対象になる可能性もありますが、あくまでスピードではなく「伝わる英語かどうか」が審査基準となります。

また、英語力を測るテストではないので、「英語の意味がわからなくても発音さえ合っていれば点数が取れる」というのも特徴のひとつです。

EPTの種類

EPTでは以下のような種類のテストから自分の受けるものを選ぶことができます(※2)。
金額は税込受験料です。

・EPT® (一般評価)4,950円
・EPT® express (一般評価)6,050円
・EPT® (詳細評価)9,900円
・EPT® express (詳細評価)12,100円
・EPT® basic (詳細評価)4,950円
・EPT® express basic(詳細評価) 6,050円

それぞれの違いは、

①受験内容の難しさ(EPT®/EPT® basic)
②結果の詳細度(一般評価/詳細評価)
③結果通知の早さ(<指定なし:約2週間>/express<約1週間>)

によるものです。

詳しい内容については後述しますので、ご自分に合った種類のテストを選ぶ参考にしてください。

※2 小学生を主な対象としたJr.EPT®というテストもありますが、今回は大人の個人の方が受験できるテストについて紹介します。

オンライン受験か会場受験の2つから選べる

各テストの内容について触れる前に、受験方法について確認しておきましょう。

どの種類のテストを選んでも、受験方法は「会場受験」か「オンライン受験」のどちらかを選ぶことができます。

どちらの受験方法でもテスト内容や受験料、評価基準は同じです。都合のよい方法を選べば大丈夫です。

※団体受験や点字受験という方法もありますが、国際発音協会への事前問い合わせが必要になるイレギュラーな受験方法であるため、ここでは割愛させていただきます。

オンライン受験

EPTのオンライン受験はSkypeを使用したテストになります。

・Skypeが使える環境(カメラ、スピーカー、マイク)
・写真付き身分証明書

があれば自宅で受験することができます。PCはもちろん、タブレットやスマホでも受験可能です。ただ、テスト問題は画面に表示されますのでスマホだと画面が小さくて読みづらいかもしれません。

テスト実施時間になると試験担当者よりSkype呼び出しがあり、写真付き身分証明書による本人確認の上、テスト開始となります。試験中は試験内容のみ表示され、試験官の顔は見えない状態になります。

オンライン受験の場合は、銀行振込とクレジットカード払い(PayPal)のどちらでも支払いをすることができます。

会場受験

会場受験は、対面形式でテストを受ける受験方法です。東京と大阪で年3回、定期的に行われています。

会場受験は銀行振込のみとなり、入金が確認されると国際発音協会から受験番号や集合時間、会場などを記載したメールが送られてきます。

試験当日になったら指定の検定会場へ向かい、受験することになります。試験時間自体は約5分ですが、集合時間から試験終了まで待ち時間は最長30分となっていますので、時間に余裕をもって予定を立てるようにしてくださいね。

また、会場受験の場合も写真付き身分証明書は身分証明に必要ですので忘れずに持って行ってください。

自分にあったEPT試験の選び方

ここからは、どの種類のEPT試験を選べばよいかについて詳しく説明していきます。

①受験内容の難しさ

EPTには難易度の違う2つのテストが用意されています。通常レベルのEPT®と、より簡単なEPT® basicの2つです。

EPT® basicでは初見文が出題されないため、単語は読めるけれど長い文章を読むのが難しい初学者の方やお子様でも受験が可能とされています。

受験年齢に制限はないので、ご自身の発音レベルと問題の難易度を考慮して合う方を選択しましょう。

もしどちらを選べば良いか迷ってしまうようでしたら、国際英語発音協会のホームページに掲載されている課題文を確認してみてください。
https://ept.or.jp/ept/topics/

課題文の中にわからない単語が5つ以上ある場合は、EPT® basicの受験から始めるのがおすすめです。

EPT®の試験内容

EPTは「150字ほどの英文を初見で読める力のある方」を想定した試験内容となっています。

テスト全体の出題内容は以下となっています。

・受験番号等に関する簡単な質疑応答(※内容ではなく発音チェックのための質問)
・アルファベットの音読
・会話文の音読
・初見文の音読
・課題文の音読

EPTのスコアと発音力のレベルについては、以下のような相関が公表されています。

86~100点指導者レベル
71~85点ハイレベル
56~70点英語発話学習者平均レベル
41~55点英語学習者平均レベル
30~40点英語学習初心者レベル
~29点(発話・内容の伝達が困難)

各スコアレベルの実際の受験者音声がホームページ上に掲載されています。ご自分の発音と比較するなどして、ぜひ活用してみてください。
https://ept.or.jp/ept/scores/

履歴書に書くことを考えている方は70点前後が目安と言われています。80点あればネイティブスピーカーにも通じるレベルとされ、90点以上の高得点を取れた場合は「英語発音指導士®」という資格取得にチャレンジすることもできます。

英語発音指導士®の資格取得を目指す場合は、EPTテストで90点以上を取得した後、国際英語発音協会認定の2日間コースを受講し、レポート提出する必要があります。

EPT® basicの試験内容

EPT® basicは「初見で文章を音読するのは難しいけれど、発音のチェックをしてみたい」という方向けに用意されたテストです。

国際英語発音協会ホームページに掲載されている例題の単語や、簡単な会話文が読める方が受験対象となります。

テスト全体の出題内容は以下となっています。

・受験番号等に関する簡単な質疑応答(※内容ではなく発音チェックのための質問)
・アルファベットの音読
・単語の音読
・会話文の音読
・英語フレーズ(2語以上)の音読

EPT® basicのスコアと発音力のレベルについては、以下のような相関が公表されています。

86~100点初見文が読めるようになればEPT®でもハイスコアを期待できるレベル
71~85点相手にだいたいの内容を伝えられるレベル
56~70点聞き手が努力すれば通じるレベル
41~55点内容によっては伝えることが難しいレベル
30~40点英語の音として伝えるのが難しいレベル
~29点英語の音としての認識が困難なレベル

EPT® basicはハイスコアをとって履歴書などに書くというよりは、ご自身の発音レベルを専門家にチェックしてもらうことで英語のスキルアップにつなげる意味合いが強いと言えるでしょう。

②認定証の種類

EPT及びEPT® basicを受験すると、全員に認定証が送付されます。

認定証は「一般評価」と、オプション料金を払って申請する「詳細評価」の2種類から選ぶことができます(EPT® basicの場合は「詳細評価」のみとなります)。

「一般評価」の認定証では、スコアはもちろんのこと、アルファベットおよび全ての音素ごとの発音評価と総評コメントをもらうことができます。

総評コメントでは音素では表せないアクセントやリズム、イントネーションについての専門的な評価を知ることができます。

「詳細評価」を選んだ場合は、「一般評価」の項目に加え、初見文や課題文で正しく読めていなかった場所とその判定理由をより詳しく知ることができます。

なおEPTのみ、認定証(結果)を受け取ったあとに別途問い合わせると「掲示用認定証」を郵送してもらうことも可能です。教室などに掲示したい場合は検討してみてくださいね。

③結果通知の早さ

EPT及びEPT® basicの結果は特に指定をしなければ約2週間後に通知となります。

結果をできるだけ早く知りたい場合、別途追加料金を支払って通知を受け取るまでの期間が約半分になる「express」オプションを選ぶこともできます。

EPTの試験対策法

EPTは試験の内容や課題文について事前に公開されているため、試験対策もその内容に沿って準備すると効率的に高得点をとりやすくなります。

課題文を繰り返し音読する

国際英語発音協会のホームページには、課題文が複数掲載されています。
https://ept.or.jp/ept/topics/

複数ある課題文のうち、本番の試験でどれが出題されるかは分かりません。どの課題文を指定されても読めるように、全ての課題文について音読の練習を繰り返すのがおすすめです。

国際英語発音協会のホームページにも音声がありますし、YouTubeなどにも高得点の方が音読音声をアップしていたりします。まずはお手本の音声をよく聞いて、自分でも同じように読めるよう練習していきましょう。

自分の発音を録音する

自分では気づきにくい発音の癖がある場合、録音した自分の発音を確認すると客観的に発音矯正をしやすくなります。

スマホアプリやボイスレコーダーなどで自分の音読を録音し、お手本の音声と聞き比べてみてください。なにか違うな、と感じるところは繰り返し練習し、お手本と同じように発音できるように修正していきましょう。

公式の過去問題集を活用する

国際英語発音協会のホームページでは、公式のEPT®過去問題集が販売されています。

過去に出題された問題のほか、試験でチェックされやすいポイントがまとめられているので効率よく試験勉強を進められます。PDFでのダウンロード形式なので、色々な端末でスキマ時間に勉強できるのもメリットですね。

プロの発音指導を受ける

短期間で発音を向上させたい場合は、発音指導カリキュラムのあるスクールなどでプロの手を借りるのも一案です。プロの視点でチェックしてもらうことで、不得意な発音や改善箇所をいち早く修正することができます。

オンライン英会話の活用

EPTは自宅でオンライン受験できるところがメリットのひとつですが、テスト対策もオンラインで済ませることが可能です。

特に独学ではなかなか難しい「客観的な発音矯正」では、オンライン英会話を活用するのもおすすめです。

例えばNativeCamp(ネイティブキャンプ)では、「発音トレーニング基礎コース」と「発音実践コース」の2種類の発音コースが用意されています。

初中級者向けの「発音トレーニング基礎コース」では、AIトレーニングを交えながら母音と子音の発音方法を基礎から学ぶことができます。

中上級者向けの「発音実践コース」では、音のつながりなど英語特有の発音の仕方なども含めたよりハイレベルな発音のトレーニングを行います。

「お手本と自分の発音の違いが自分ではよく分からない・・・」という初中級の方にも「修正点が減ってきたのでもっとハイレベルなチェックをしてほしい」といった中上級者の方にもオンライン英会話はおすすめできます。

EPTで英語力アップ

日本人の英語学習者の多くが発音にお悩みを抱えていると思います。

もし今の発音に自信がなくても、EPTを受験することで

・発音スキルが向上する
・現状の実力を客観的に把握できる
・自分の弱点や今後の改善点がはっきりわかるようになる
・英語学習のモチベーションアップにつながる
・高得点を取れれば、履歴書アピールや次の資格へのステップになる

といったメリットが見込めます。

まずはライティングやリスニングのテスト受験を検討する方も多いと思いますが、周りと差をつけたい、伝わる英語を身に着けたいという方は、ぜひEPTの受験も考えてみてくださいね。

nativecamp.net

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