裁縫・洋裁用語は英語で何て言う?おすすめ英文パターン(型紙)も

裁縫・洋裁用語は英語で何て言う?

趣味の世界をひろげよう!

専門用語は敷居が高い?

知らない英単語が頻出しがちな専門性の高い世界の英語、ちょっと敷居が高いですよね。

でも、もしそれが、好きな分野のことだったら?

新たな英語を覚えるのは、きっと楽しい時間になるでしょう。また、自分自身に知識があることで「この英単語はあの日本語のことかな?」と、推測もでき、意外となんとかなるものです。

今回ご紹介するのは「裁縫・洋裁」の世界。

身近な裁縫道具の英語表現から、洋服づくりに役立つ洋裁用語、海外のパターン(型紙)紹介、インスタグラムの歩き方など、英語圏における洋裁の世界を深堀りしていきます

人気の海外洋裁オンラインイベントについてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みくださいね!

お裁縫箱の中身を英語で言ってみよう!

小学校の家庭科で使っていたお裁縫箱、いまだに大事に使っています。プラスチック製なのだけど、毬や鼓など和柄がプリントされていて…当時からなぜこんなにレトロなのかと不思議に思っていました。

今はもう水玉だったりキャラクターものだったり、随分と雰囲気は変わりましたよね。

でも、中身は変わっていません。針、糸、ピンクッション…基本的な単語から、学校の英語の授業では教えてもらえない単語まで、それではさっそく見ていきましょう!

針: needle

針穴は “eye of needle”。「穴」ではなく「目」。

まち針: (marking/dressmaker) pin

日本語では縫い針もまち針も「針」だが、英語でまち針は「留めるもの」を意味する “pin”。近年はまち針ではなく小さな洗濯ばさみのような「仮止めクリップ」を使うことも。これはクロバーの商品名で英語では “wonder clips”

針山/針刺し(ピンクッション): pin cushion / pin holder / pin catcher

昔ながらの綿が詰まっているもの以外に、磁石を利用したアイテムもあり。

糸切りはさみ: embroidery scissors

裁ちはさみ: fabric scissors / dress maker’s scissors

糸: (spool of) thread

糸通し: (wire loop) needle threader

指ぬき: thimble

欧米では小さいコップのような金属製のものが主流でコレクターズアイテムにもなっている。

リッパ―: seam ripper

日本語でリッパ―といえば洋裁用品だが、英語の “ripper” は「切り裂くもの」という一般名称なので “seam ripper” (縫い目を切り裂くもの)と言う。

ルレット: tracing wheel

日本語でルレットといえばしるし付けに使われる洋裁用品だが、これは “roulette” (ルーレット)がなまって定着したもの。

チャコ: tailors chalk

日本語でチャコといえばしるし付けに使われる洋裁用品だが、これは “chalk” (チョーク)がなまって定着したもの。英語では「仕立屋のチョーク」を意味する “tailors chalk” となる。なお、チャコペンシルは “marking pencil” ペンタイプは “marking pen” と呼ばれる。

メジャー: measuring tape / tape measure

洋裁用語の英語表現を確認!

続いて、洋裁に関連する英語表現をご紹介します。

生地(fabric)の種類

綿(コットン): cotton

毛(ウール): wool

麻(リネン): linen

絹(シルク): silk

ポリエステル: polyester

布帛: woven fabric

編んでつくられたニット生地に対して、織ってつくられた生地を「布帛(布帛)」という。英語ではそのまま “woven” (織った)布、と表現する。

ブロード: broadcloth

オックス: oxford

帆布: canvas

コーデュロイ: corduroy

先染めチェック: plaid

ニット: knit

織ってつくられた布帛生地に対して、編んでつくられた伸縮性の高い生地のことを「ニット地」という。英語でも “knit” (編まれたもの)と表現する。

天竺(メリヤス): jersey

Tシャツなどに使われるニット地

フライス:rib knit

横方向によく伸びる編み方がされているニット地。襟ぐりや袖口などに使用されることが多い。

スムース(両面メリヤス): interlock knit

肌着やベビー服に使われることが多い少し厚みのあるやわらかいニット地。

裏毛(スウェット地): (sweatshirts) fleece

英語では“fleece”と表現されるが日本語でいう「フリース」とは異なる。

フリース: polar fleece

日本で防寒具になっているフリースは “polar” (南極の)フリースと呼ばれる。

ベロア: velour

鹿の子(ポロシャツ地): seed stitch / moss stitch / knitted pique

パイル(タオル地): terry cloth

両面にループをつくる編み方のことを “terry” と言う。

洋裁関連動詞

縫う: stitch

返し縫いする: backstitch

コバステッチ/端縫いする: topstitch

いせる: ease stitch

長さの違うパーツを縫い合わせるとき、長い方を短い方に合わせる縫い方が「いせる」。英語では「安心、容易さ」を意味する “ease” と表現するが、実は技術を問われる難しい縫い方。

ギャザーを寄せる: gather

(縫い)合わせる: attach

(縫い合わせたものを)表に返す: bag out

ほどく: unpick

縫い代の始末をする: finish seam allowances

型紙にまつわる単語

縫い代: seam allowance (S/A)

日本でも海外でも、型紙によって縫い代が含まれている場合と自分で付け足す場合あり。縫い代が何ミリかというのは型紙によるので、要チェック。インチ表示をmm(ミリメートル)に変換する場合、「1 inch = 25.4 mm」「1/4 inch」など、分数で表記されることも多い。よく登場するものとしては、「1/4 inch (約6mm)」「1/2 inch (約13mm)」など。

前身頃: front (bodice)

後身頃: back (bodice)

見返し: facing

裾: hem

合印: notches

フリル: flounce / ruffle

布の表側: right side (RS) / face 中表に合わせる right side together

布の裏側: wrong side (WS)

布目: grainline

三つ折り: 3fold (2fold) / double turn

日本語の三つ折りは「2回折ることで生地が3重になる」状態。これが英語では “3 fold” といったり “2 fold” といったりする。図解があったら図解で確認。また、誤解を避けるためか “Fold and press 1 cm to the wrong side, then fold and press an additional 2 cm) to the wrong side.” 「裏側に1cm折る、さらに2cm折る」と文章で説明されることもあり。

ちなみに、ミシンのことは “sewing machine” といいます。直訳すると「縫う機械(マシン)」ですね。一般名称としての機械は「マシン」という外来語に落ち着きましたが、ミシンに限っては「ソーイングマシン」ではなく「ミシン」として定着しました。

日本に始めて持ち込まれたミシンは黒船に乗ったペリー提督が将軍家に送ったものだとか。そのミシンで当時の日本人は何を縫ったのか、気になります。

おすすめ英文パターンサイト

洋裁好きな人は世界中にいます!型紙を販売しているサイトもインターネット上にたくさんあります。ここでは大手の “Big 4” と、新興勢の “Indies” をご紹介します。

BIG 4

海外で古くから型紙の販売や洋裁雑誌を出版している大手の企業が4社あり、これらはまとめて “Big 4 Pattern Companies” と呼ばれています。

具体的には “Vogue, Butterick, McCall’s, and Simplicity” の4ブランド。昔ながらの紙のパターンの他、PDFでダウンロード可能なものも扱っています。

日本国内では見つからないようなデザイン性の高い型紙がたくさんありますので、画像を見ているだけでも楽しいと思います。

Simplicity は日本の「サン・プランニング」が日本語化したパターン販売をしているので、国内のショップでも見かけたことのある方が多いかもしれませんね。

Indie Pattern Companies

Big4 に対して、新興勢のことを “indie pattern companies” と呼ぶことがあります。

それぞれにカラーや方向性が違って個性がありますので、思わず縫うことで応援したくなる、そんなショップも多いです。

ここでは、私自身が縫ったことのあるショップより、3か所をご紹介します。

Jaliehttps://jalie.com/

カナダ拠点のスポーツウエアに強いパターンショップ。紙タイプとPDFタイプと取り扱いあり。同じアイテムが子供から大人まで豊富にサイズ展開をされているのが特徴的。

style ARC (https://www.stylearc.com/)

オーストラリア拠点のパターンショップ。カジュアルアイテム多め。小物なども。紙タイプとPDFタイプと取り扱いあり。SNSなどでここのパターンを使ったアイテムをよく見かける。

OTTOBRE design (https://www.ottobredesign.com/en/)

フィンランド拠点のパターンショップ。デザイン性が高く実用的な子供服が豊富。実物大型紙付属の雑誌販売がメイン(日本から購入可能)。WEB上で雑誌の内容が全ページ確認可能。小物フリーパターンの公開あり。オリジナル生地販売もしている。

無料英文パターンを縫ってみよう!

Googleで “free sewing patterns”と検索すると、無料の洋裁型紙がたくさん見つかります。

ショップから「0円で購入」するタイプのもの、メールアドレスを登録してメルマガ購読が交換条件になっているものなど、無料型紙のダウンロードには様々な方法がありますが、ここでは面倒な手順が不要で直接PDFをダウンロード可能なサイトをご紹介します。

oliver + s (https://oliverands.com/)

ページトップの右端に表示されている “free patterns” から無料型紙ページに入ることができます。子供服、キルト、小物など、興味のあるアイテム画像をクリックするとパターンの説明ページに移動し、そこからPDFをダウンロードするようになっています。

例えば “Ruffled Halter” (3段フリルのホルターネックブラウス)の場合、詳細な縫製手順のあと、全5サイズ(*)記載のパターンが続きます。

パターン部分は拡大縮小なしでA4用紙に印刷し、貼り合わせてから縫製するサイズのラインでカットしてください。

図解が充実しているので本文を読み込む必要はないかもしれませんが、本パターンに登場する英語表現について、いくつか例文を解説します。

なお、図において、色がついているのは生地の裏側、白いのは表側です。

Seam allowances are included.

(縫い代が含まれています)

All seams are 1/2” unless otherwise stated.

(指定されていないかぎり縫い代は1/2インチ、約13mm)

Topstitch the bottom edge of Ruffle with a regular straight stitch, 1/4”  from the raw edge of the fabric.

(ラッフルの下側、布端から6mmのところにコバステッチ/端ミシンを入れる)

The gap left above the dot will become the opening of the casing for the halter Tie.

(縫わずに残した黒丸から上の部分は、紐の通し口になります)

(* サイズ展開)

XS (1.5-2歳) 79-84cm

S (3-4歳) 91-107cm

M (5-6歳) 107-124cm

L (7-8歳) 124-137cm

XL (10-12歳) 137-147cm

広がる!世界の洋裁ネットワーク

趣味の分野で英語という武器を手に入れたなら、その世界は何倍にも広がります。

ここではネット上のコミュニティを楽しむ方法をご紹介します。

インスタグラムを検索してみよう!

世界の洋裁家たちは、TwitterやFacebookよりInstagramを活動の中心としている人口が多い印象です。

洋裁関連のハッシュタグで検索して、さまざまな作品を見てみましょう。

#handmade → ハンドメイド作品全般

#sewersofinstagram #sewinglove → 手芸なども含むソーイング全般

#isewmyownclothes → 服を自作して着ている人々

#sewover40 → 40歳以上の洋裁を愛する人々(#sewover50 や #sewover60 もあり、投稿数が一番多いのはなぜか #sewover50 です。)

#freesewingpatterns → 無料型紙を使用した作品

以上の他、パターン名やショップ名、生地の名称やアイテム名などで検索してみてくださいね。海外の方は着用画像を上げていることも多いので、インスピレーションが湧きやすいかも!

イベントに参加してみよう!

インターネット上の洋裁界では、”sew along” イベントがしばしば開催されます。

“sew along”、つまり「一緒に縫いましょう!」ということ。それはしばしば “challenge” (チャレンジ)として、洋裁界の住人達の心に火をつけるのです。

有名どころでは “Me-Made-May” があります。これは、直訳すると「私がつくった5月」…つまり、「5月には自分で縫ったものを着ましょう!」というイベントです。

参加者に義務付けられているわけではないのですが、多くの人がSNSやブログなどにその成果を記録します。

毎年盛り上がりを確認できるSNSの代表はInstagram

#memademay や #memademay2021 といったタグを検索してみてください。ものすごい数の投稿に驚くかもしれません。中には毎日欠かさず投稿する方もいます。

正式には主催しているブログの該当記事に “sign up” (コメント欄で所信表明)することで参加の意思表示をすることになっていますが、実際の参加者数はコメント投稿者数を上回っている印象です。

基本的にはパーソナル(個人的)な挑戦を応援するというスタンスの、何も強要されない、ゆるいイベントです。

5月の1か月間、自分の自作服ワードローブを見直したり、いつもよりちょっと頻度を上げて縫ってみたり、自分自身や自分のスタイルについて考えたり…世界中にいる洋裁仲間を感じながらそんな時間を持てたら、洋裁の楽しさも倍増ですね。

裁縫・洋裁用語は英語で何て言う?まとめ

今回は、裁縫や洋裁に関わる英語表現を見てきました。

趣味の世界の専門用語は、学校で習わないものも多く、なじみがないかもしれません。

けれども「好きこそものの上手なれ」と言われるように、学べば身につけることはそう難しくないと思います。

洋裁用語の英語が習得すれば、海外のパターン(型紙)を使ったり、世界の洋裁仲間とつながったりすることだって可能です。

英語で趣味の世界、どんどん広げていきましょう!


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