英字新聞を読む習慣がある人は、コロナ禍以降 “your bubble” という表現を目にしたことがあるかもしれませんね。一方、この表現を見たことがない人は “bubble” という単語に「泡」以外の意味があるなんて思いも寄らないのではないでしょうか。
実は “bubble” は、日常英会話の中でさまざまな使い方ができる英単語。他の単語と組み合わせて文章にすることで、さまざまな表現もできます。
今回は、”your bubble” をはじめとした “bubble” という英単語を使った表現の意味を、解説や例文付きでご紹介していきます。日常英会話で使いやすい表現もあるので、ぜひ覚えて使ってみてくださいね。
「Bubble」の意味とは?
ではまずは、”bubble” という単語にどんな意味があるのか、基本的なところからおさらいしてみましょう。
“Bubble” を英和辞典で引くと、下記のような日本語が出てきます。
・泡 ・シャボン玉 ・あぶく ・何かが煮える様子 ・夢のような計画 ・実態のない幻想 ・離れた安全な場所
このほかにも色々とありますが、多くの人が思い浮かべるのは最初の方の「泡」に関するものでしょう。何かが煮える様子というのは、何かが煮えているとぶくぶくとあぶくを立てることから来ています。
後半の実態がない感じは、「バブル経済」ともつながりますね。ちなみに、日本の経済史における「バブルがはじけた」というのは、英語でも “The bubble burst.” のように、そのまま言えますし、「バブル経済」は “bubble economy” です。この辺りはもうあまり日常会話で出てくることがないので、今回は深堀しませんが、知っておくと良いでしょう。
“Bubble” の意味の中で1つ “bubble” という言葉から連想しづらいものがありますね。「離れた安全な場所」を “bubble” というのは意外かもしれませんが、今回ご紹介する表現の中にこれと関わるものが出てきます。
上記で紹介した “bubble” という言葉のイメージを掴んでおくと、今回ご紹介する表現の意味が掴みやすくなるでしょう。
「Bubble」を使った表現のバリュエーション
では実際に、”bubble” が日常英会話でどのように使われているのかを例文とともに見ていきましょう。表現の数が多くて、その全てを網羅することはできなかったのですが、特によく会話やニュース記事などで出てくるものを取り上げてみました。
これを知っておくと、ネイティブスピーカーとの会話中やニュース記事を読んでいるときに「??」となることが少なくなるかもしれませんよ。
Stay in your bubble
コロナ禍におけるロックダウン中のニュージーランドでよく聞かれたこのフレーズ。これは、ニュージーランドの首相が “Stay Home” と一緒に訴えかけていたメッセージです。
直訳すると「あなたの泡の中にいてね」ということになりますが、ここでの “bubble” は、自分が滞在している場所のことを指しています。
ニュージーランドにいるすべての人が “home” と言えるような場所に住んでいるわけではありません。ホストファミリーの家に滞在している学生もいれば、寮に住んでいる人もいたりするでしょう。人によってはホテルやホステルにいる場合もあったでしょう。
そうした滞在している場所をすべてひっくるめて “bubble” と表現しているのです。
まあ、要は自分の属するバリアの中に入って、ウイルスを寄せ付けないでね……というイメージでしょうか。
この表現は “Stay Home” と同じく、キャッチコピーやスローガン的に使われていたので例文は挙げませんが、”Stay in your bubble” という表現を目にしたら、そこから出ないことなのだと思い出してくださいね。
Live in a bubble
“Bubble” を使った表現には、”live in a bubble” というものもあります。”Stay in your bubble” に雰囲気が似ているので、似た表現なのかな?と思いそうですが、”live in a bubble” は “stay in your bubble” とは全く意味の異なる言葉です。
ちなみにこちらはコロナ禍とは関係なく、元々よく使われていた表現。日本語にも似たような表現があるので、きっと使いやすいはずです。
まずは例文を見てみましょう。
例文1:
You are living in a bubble. You should go out more and socialise with people.
(あなたは自分の世界の中だけで生きている。もっと外に出て、人と付き合うべきです。)
例文2:
He tends to live in a bubble. He doesn’t really wanna hear others’ opinions.
(彼は視野が狭くなりがちな傾向があります。他の人の意見はあまり聞きたくないようです。)
例文と訳文を見てなんとなくわかった人もいるかもしれませんね。”Live in a bubble” とは、思考が自分の殻に閉じこもっていることや、狭い世界の中で生きていること、現実を避けていること、などを表しています。
世間知らずだったり、自分の考えしか認められない人がいたりするときに使える表現ですね。
Stay out of your bubble
こちらの表現の “bubble” は “live in a bubble” と同じ捉え方です。
“Stay out” とは「抜け出す」とう意味ですが、つまり自分の世界の中で生きている人に対して、「自分の殻の中から抜け出しなさい」と言う時に使うのです。
例文:
You always criticise other people but you need to stay out of your bubble.
(いつも他人を批判してばかりいるけど、その狭い考え方から抜け出さないと。)
といった感じでしょうか。こちらは “live in a bubble” のニュアンスがわかれば、理解しやすいでしょう。
Burst your bubble
次にご紹介するのは、”burst your bubble” という表現です。こちらもコロナ禍は関係なく元々よく使われることのあった表現の一つ。
ここでの “bubble” は “live in a bubble” の “bubble” と少し雰囲気が似ていますが、全く同じではありません。また、言い方や使い所で少しニュアンスが変わる表現でもあります。
こちらも例文を見てみましょう。
例文1:
A: Do you know Mary? She’s so gorgeous! I wanna go out with her.
B: Well, sorry to burst your bubble, but she already has a boyfriend who’s really attractive.
(日本語)
A:メアリーを知ってる?彼女はとてもゴージャスだよ。彼女と付き合いたいんだ。
B:うーん、君には悪いけど、彼女にはもう魅力的な彼氏がいるんだよ。
例文2:
A: Have you told him that his girlfriend is cheating on him?
B: No. I feel really bad for his bubble to burst. He really loves her.
(日本語)
A: 彼の恋人が浮気していること話した?
B:ううん。彼の気持ちを打ち砕くのは悪くて。彼は本当に彼女を愛しているんだ。
“Burst one’s bubble” というのは、誰かの信じていることが実はそうではないことを教えてあげたり、明るい希望を打ち砕いたりするときに使う表現です。
その対象がウキウキしているような時に「ウキウキしてるところに悪いけど、そうじゃないよ(そうはならないよ)」というように言いたい時に使えます。
まとめ
今回は “bubble” のさまざまな意味をご紹介しましたが、使えそうな表現はあったでしょうか。慣れるまではなかなかスラスラとは出てこないかもしれませんが、使えそうな場があればどんどん使って覚えていきましょう!
ネイティブキャンプの講師と練習するのもおすすめですよ。会話の中でこれらの表現を使うのは難しいかもしれませんが、今回ご紹介した表現について話し合うことはできるでしょう。
◇経歴
英日翻訳・校正、英会話講師など
イギリスの現地企業にて就業経験あり
◇資格
TOEIC935点
英検準1級
ケンブリッジ英検FCE合格
◇海外渡航経験
イギリス5年弱、グアテマラ6ヶ月、合計49ヶ国に渡航歴あり
◇自己紹介
国内外で活動するWebライター兼翻訳者です。これまで手がけた記事は数千件以上。翻訳経験は通算5年位になります。コロナ禍前は世界中を旅をしながら仕事をするノマドワーカーをしておりました。
I took a Bachelor of Science degree in Mathematics where my problem-solving and critical-thinking skills were honed. I have worked as a trainer in a government office, which has helped me to develop my communication and intrapersonal skills. My hobbies are reading, listening to music, and cooking. After joining NativeCamp, I acquired 2 years of teaching experience. Currently, I am involved in content production in the Editing Department.