世界基準のTOEFL Primaryとは?リスニングのサンプル問題を解説

TOEFLPrimaryリスニングを解説

「TOEFL Primary Step 1・Step 2」というテストがあります。

2014年からスタートしたTOEFLアセスメントファミリーのひとつで、世界最大のテスト開発機関であるETSによる開発が世界基準のレベルを誇っています。

日本を含む世界の47ケ国以上の国からノンネイティブの英語学習者、また英語教育の一環として学校などの団体で受験されています。

試験の大きな特徴は、このテストが小学生・中学生向けに開発・提供されているという点でしょう。

8歳以上の子供たちが対象と言われるTOEFL Primary Step 1・Step 2にはリスニングのセクションがあります。この若い年代に求められるリスニング力とはどのレベルのものでしょうか?

この記事ではTOEFL Primaryのリスニングセクションについて解説します。Step 1とStep 2の違いやテスト内容を確認し試験対策に役立ててください。

TOEFL Primaryは英語運用能力を測るテスト

TOEFL Primaryは英語運用能力を測るテストです。

英語運用能力とは「英語が使える」ことを意味します。英語を使ってコミュニケーションをとることを目的とし、そレが実際にできる能力です。

積極的にコミュニケーションを取ろうとする態度が大きく、どれだけ暗記をしたかではありません。

また、このテストは「英問英答」です。英語で聞かれ、英語で答えるというところからも、世界各国で受験されていることが分かります。

TOEFL PrimaryはStep 1とStep 2という2つのレベルでこの英語運用能力を測ります。

Step 1とStep 2の違いは?

TOEFL Primary Step 1・Step 2と異なるレベルから受験するものを選びます。

ご自分のレベルはどちらですか?

Step 1→ 英語初級の学習者のためのテスト。学校生活や自宅など身近なシチュエーションで起こる様々な出来事が題材になります。

Step 2→ 英語を使い、多少のコミュニケーションができる学習者のためのテスト。日常会話プラスアルファの状況でされる会話やストーリーが扱われます。

どちらのステップにするか決めると、2つのセクションについて対策をすることになります。

2つのセクションとは、今回の記事の「リスニング」、そして別記事で解説をした「リーディング」です。

TOEFL Primary Step 1・Step 2の問題数と所要時間

以下が各セクションの問題数と所要時間です。

Step 1:リーディング(39問・30分)リスニング(41問・30分)

Step 2:リーディング(37問・30分)リスニング(39問・30分)

Step 1・Step 2とも問題数に若干の違いはあるものの所要時間は同様の1時間

問題にはすべて3択で答えるというシンプルな形式になっています。この辺も対象年齢を考慮したことがうかがえます。

TOEFL Primary Step 1・Step 2はスコアレベル&バッジの結果

多くの日本人が受験をする英検は合否として結果が出ます。

一方でスコア制を持つテストもあります。TOEICもそうですし、今回紹介のTOEFL Primaryも結果をスコアで出す方式をとっています。

TOEFL Primaryの満点はStep 1が218点、Step 2が230点です。

そして、もうひとつユニークな採点結果に注目しましょう。それがスコアに加えて段階に分けて表示される「星とバッジ」です。

Step 1は星の数を1個~4個、Step 2ではバッジの数を1個~5個として結果が出ます。これらがバンドレベルとして表示され、受験者は英語力の習熟度および次に掲げたい学習目標が分かるようになっているのです。

世界基準のテストですから、これらのフィードバックも世界で通用する内容となります。


ここで少し余談!

下記記事では、TOEFL PRIMARYのリーディンについて記載しています!リスニングに加え、リーディングも勉強時間の確保や出題傾向の把握が必要になってきますので、こちらの記事を参考に効率よく進めてください♪

nativecamp.net


受験する際の他の情報、日程、受験料など

TOEFL Primaryは年に2回、北は札幌、西は福岡まで全国11都市で公開テストがあります。開催地は今後増える可能性があります。

受験料ですが、Step 1およびStep 2とも4,000円(税込)です。

それではTOEFL Primary Step 1・Step 2について理解できたところで、実際のリスニングをサンプルテストからみていきます。

TOEFL Primary リスニングを体験して対策しよう

TOEFL Primaryのオフィシャルページには、サンプルテストが載っています。

引用元:TOEFL Primaryのオフィシャルページ

https://gc-t.jp/sample_test/primary/step1/lp1.html

実際に設問をみる方が試験対策に効果的です。英語学習をしている人は自分の英語力と比較できますね。Step 1とStep 2のレベルがどのように違うのかも体験してください。

TOEFL Primaryは最初にexample問題があります。ナレーションのスピードや解答の仕方をしっかりと掴みましょう。

さっそく、いくつかの問題を紹介しましょう。

Step 1のサンプルテストから

Part 1 Question 2. The girl is sitting.

Answer

(A) 少女が立っているイラスト

(B) 少女が座っているイラスト

(C) 少女がかけているイラスト

とても短い設問ですが、このナレーションに適切なイラストをA~Cから選択します。この設問の解答は(B) 少女が座っているイラストですね。

このように、テストでは普段の生活でする動作を基本的な英語レベルで理解している必要があります。

続けてPart 2をみていきましょう。Part 1からPart 2に進むとリスニングの量が増えていきます。

Part 2 Question 5. Listen to a teacher.

Ok everyone, please stop working on your projects and put them on my desk. After that it will be time for lunch.

What did the teacher tell the students to do?

Answer

(A) 紙を持つ生徒が教師の机に近づいているイラスト

(B) 生徒が座って何かを書いているイラスト

(C) 生徒がランチを持ってドアに近づいているイラスト

教師が生徒に指示を出すという、いたってありふれた教室での出来事です。

この設問ではどのような指示が出ていますか?

まずは、「stop working on your project」(プロジェクトについて進めるのを止める)、次に「 put them on my desk」(そのプロジェクトを私の机に置きなさい)とあります。

working on ○○= ○○に取り組むという意味で、今まさに取り組んでいる最中というニュアンスになります。

ということで、解答は(A) 紙を持つ生徒が教師の机に近づいているイラストということになります。生徒が取り組んでいたプロジェクトを教師の机に置こうと移動しているところです。

これらの設問に出てくる単語やフレーズを聞いていかがですか?最後にPart 5の設問もみてみます。

Part 5 Question 20. Listen to a phone message.

Hi Mark. This is your school principal Mr. Diaz. Congratulations, you won second place in the robot category in the school science fair. We really liked your robot. For winning second place, you will receive a certificate, you can pick it up from your science teacher on Friday.

What will Mark receive on Friday?

Answer

(A) A robot

(B) A certificate

(C) A magazine

Part 5は最後のパートでありリスニングも長くなりました。3択の解答にまず目を通してからナレーションを聞くようにしましょう。

マークの留守電に校長がメッセージを残しました。

Congratulationsで始まっているので嬉しい知らせということが分かります。

スクール内の科学系イベントでマークの作ったロボットが二位を獲得しました。

獲得者は「you will receive the certificate」(証明書を受け取ります)ことで表彰となります。

質問文の「What will Mark receive on Friday?」にもreceiveがありますのでここが聞き取れれば正解を選択することができます。

または、ロボットは製作品であること、マガジンのことは一切でてきていないことまで確認できれば確実です。ということで、正解は(B) A certificate(証明書)です。

Step 2のサンプルテストから

Part 1 Question 5. Listen to a teacher talking to her class.

Yesterday, you wrote about famous people in history. Today, we are going to work on the second part of our project. You are going to draw a picture of one person you wrote about. I want your pictures to look like the people when they were young.

What did the teacher ask the students to do?

Answer

(A) 老人を書いているイラスト

(B) 文章を書いているイラスト

(C) 若者を書いているイラスト

この文章のなかで教師が生徒に指示を出している部分はどこでしょうか?

「draw a picture of one person」とありますが、3択には老人と若者という選択肢があります。

最後に教師が「I want your pictures」というとてもダイレクトな表現を使っていてここがヒントになっています。そこで正解は(C) の若者を書いているイラストになります。

すべての語句を聞き取れなくても状況を把握できれば正解を選ぶことができます。

この設問の場合、Yesterday, Todayと明確に言われています。昨日行なったこと、そして今日すること、これからすることといったストーリーの流れを掴みます。頭でイメージを浮かべながらリスニングするのもおすすめです。


ここでまた少し余談!

下記記事では、リスニングの勉強法と学習のコツを解説しています!Native Campの教材をうまく使った学習法も併せてご紹介していますので、英会話をうまく利用しつつリスニング向上に役立ててください♪

nativecamp.net


将来へのガイドと言えるTOEFL Primaryでリスニングを鍛える

初めてのTOEFL Primaryリスニングでは、海外にいるような気持ちになったという感想を持つ受験者もいるようです。

また、問題も英語ということから実践的だと感じられるようです。

スコア制のテストは、続けて受験することで自分の目標設定を高くしていくことができます。

初めは速く感じるネイティブスピーカーのリスニングもだんだんと慣れていく部分があります。

言うまでもなく、リスニングはコミュニケーションの第一歩として重要なパート。小学生・中学生のうちから世界基準のテストでツールとしての自分の英語力が世界でどの程度通用するのか確かめてみてはいかがでしょうか?