みなさん、英語の語学力を測る試験は様々にありますが、TOEFLというものをご存じでしょうか。海外の大学や語学学校、そしてワーキングホリデーなどをお考えの方は、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
TOEFLは、Educational Testing Service (ETS)というアメリカの教育試験サービスが提供している英語の試験です。このTOEFL、一度受けたことがある方はご存じかと思いますが、非英語圏出身者で、英語圏の大学や研究を希望する者の英語力を測る試験となっているためとにかくアカデミックな単語、内容なんです。
アメリカの大学で、現地のネイティブスピーカーの学生と一緒に学んでいくだけの力が問われますので、専門分野に関する語彙力や背景知識もある程度知っている前提で試験の問題が出されるのです。
このTOEFL、もちろん対策なしでは目標のスコアを獲得するのは非常に難しいでしょう。しかし、今回お伝えするライティングのIntegrated taskでは、ある種の「型」を理解してそれを用いることで高得点を狙うことができます!
それではここから先は、TOEFLライティングのIntegrated taskの攻略法を、紹介していきたいと思います。
- Integrated taskの特徴
- Integrated taskを解くために必要なスキル
- メモを取るさいに注意して聞くべき単語やフレーズ
- ライティング Integrated taskのコツ!文章全体の型を意識
- まとめ
Integrated taskの特徴
TOEFLで出題されるライティングには二種類あります。Independent taskとIntegrated taskです。今回は、Independent taskの方は割愛させていただき、より高度なスキルが必要となるIntegrated taskの攻略方法にフォーカスしていきたいと思います。
Integrated taskとは、あるアカデミックなトピックに関するリーディングパッセージを読んだ後、まったく同じトピックに関するリスニング音声(レクチャー)を聞きます。ここで大切なポイント。このレクチャーでは、かならず最初に読んだパッセージの批判や反対意見を述べています。リーディングパッセージを読み、レクチャーを聴いた後、ようやくライティングの始まりです。最初に読んだリーディングのパッセージが、再度画面上に表示されます。タイマーが動き出し、リーディングパッセージで読んだ内容とリスニングで聴いたレクチャーの内容について、20分間でライティングを完成させます。これがIntegrated taskの大まかな流れです。ちなみに、リスニング中にメモを取っても構いません。
Integrated taskを解くために必要なスキル
ここからは、上記で説明したIntegrated taskを行うために必要なスキルを、リーディングパッセージを読むところから流れに沿ってお伝えしていきます。
1.リーディングのトピックセンテンスをメモする力
Integrated taskではまず3~4パラグラフ程度で構成された、アカデミックなトピックのパッセージを読みます。与えられる時間は3分です。
【例文】
Reading Time: 3 minutes
In an effort to encourage economically sustainable forestry practices, an international organization started issuing certifications to wood companies that meet high ecological standards by conserving resources and recycling materials. Companies that receive this certification can attract customers by advertising their products as “ecocertified.” Around the world, many wood companies have adopted new, ecologically friendly practices in order to receive ecocertification. However, it is unlikely that wood companies in the United Stated will do the same, for the several reasons.
First, American customers are exposed so much advertising that they would not value or even pay attention to the ecocertification label. Because do many mediocre products are labeled “new” or “improved”, American customers do not place much trust in advertising claims in general.
Second, ecocertified wood will be more expensive than uncertified wood because in order to earn ecocertification, a wood company must pay to have its business examined by a certification agency. This additional cost gets passed on to customer. American customers tend t be strongly motivated by price, and therefore they are likely to choose cheaper uncertified wood products. Accordingly, American wood companies will prefer to keep their prices low rather than obtain ecocertification.
Third, although some people claim that it always makes good business sense for American companies to keep up with the developments in the rest of the world, this argument is not convincing. Pursuing certification would make sense for American wood companies only if they marketed most if their products abroad. But that is not the case -American wood businesses sell most of their products in the United States, catering to a very large customer base that is satisfied with the merchandise.
このようなパッセージを与えられたら必ず行ってほしいことが、「各パラグラフのトピックセンテンスの内容を理解し、必ずそのパラグラフの横の空白に題名を書いておくこと」です。
この題名は英語でも日本語でも構いません。ただし、パッセージを読む時間は3分しか与えられていませんので、できれば日本語でささっと、そのパラグラフに何が書いてあるのかをメモしておくのがいいでしょう。これを行うことで、そのパラグラフで述べられている内容を一目で見ることができ、その後その内容を否定してくるレクチャーを聞く際に抑えて聴くべきポイントが分かりやすくなります。
2.リスニングのレクチャー内容をメモする力
次に、パッセージで読んだ内容に対する反論意見がレクチャーとして流れます。この時大事なのは、必ず「リーディングパッセージに対して反論している部分をメモすること」です。先ほどリーディングパッセージを読むときにメモしておいたトピックセンテンスに対して、レクチャーが否定していたらそれをメモに取っておきます。
以下、リスニングで流れるレクチャーの音声の文字起こしをしたものを載せておきます。本番はこのような内容のレクチャーが流れます。
出典:TOEFL iBT Writing Practice Sets
メモを取るさいに注意して聞くべき単語やフレーズ
ここで、レクチャーのリスニングをする際に注意をして耳を傾けるべき単語やフレーズを紹介します。これらの後にはほとんどの場合、リーディングパッセージの内容に対する反論が述べられています。
①Despite, While, Although, In spite ofなどの接続詞
これらの接続詞は、レクチャーの最初のセリフにくることが多いです。用いられ方としては、「リーディングパッセージでは○○について□□と主張されていますが、△△のような主張も多くあります。」のように使われます。
②Firstly, First, Secondly, Thirdlyなどの数字を使って順を追う表現
これらの単語の後には必ず、リーディングパッセージの主張①②③に対する反論意見が述べられます。
リーディングパッセージの主張① ←First, (反論意見)
リーディングパッセージの主張② ←Secondly, (〃)
リーディングパッセージの主張③ ←Third, (〃)
③Furthermore, In addition, Finally
これらの単語が文頭に来ている時も、その直後にリーディングパッセージの主張に対する反論意見が述べられます。注意して聞きましょう。
このようにレクチャーではしっかりとリーディングパッセージの主張に対する反論意見が述べられ始めるとことで目印になる接続詞や英単語、表現が用いられていることが分かりますね。このような表現を覚えてストックしておけば、レクチャーの中で注意して聞き、メモを取るべき場所が一目瞭然です。
3.上記を参考にライティングのアウトラインをする力
リーディングパッセージを読む際に書いておいた各パラグラフの題名と、それに対して反対意見を述べているレクチャーの部分のメモを使って、実際にライティングを書き始める前にする大切なことがあります。それは、「文章のアウトラインを書くこと」です。
このアウトラインを書くときのコツを紹介していきます。
ここで少し余談!
下記記事では、TOEFL スピーキングについてまとめています!正しい勉強法を身に着けて高得点を目指しましょう♪
ライティング Integrated taskのコツ!文章全体の型を意識
皆さんにぜひ覚えていてもらいたい、ライティングのIntegrated taskのアウトラインを作る際の必須事項があります。それは、文章全体の「型」を覚えてしまうことです。この型に沿って合うラインを作ることで、実際にライティングをした時に一貫性のある文章を書くことができます。
実際の型は以下のようになります。
ライティングの型
Introduction:
・リーディングとリスニング共通のメインアイデアを述べる
・3つのトピックの内容を述べる
Body①
・リーディングのトピック①の内容と、それに対するリスニングの反論内容を述べる
Body②
・リーディングのトピック②の内容と、それに対するリスニングの反論内容を述べる
Body③
・リーディングのトピック③の内容と、それに対するリスニングの反論内容を述べる
Conclusion:
・メインアイデアのパラフレーズ
・もういちど3つのトピックを簡潔に述べる。
ライティングのIntegrated taskで出題される問題形式はほとんどの場合が「リーディングパッセージの主張に対してレクチャーが反論意見を述べる」パターンです。ということは、上記で紹介した型を頭に入れてしまえば、あとは読んだ内容、聞いた内容を型に当てはめて回答していけばいいのです!
型の構成について、より詳しくわかりやすいように日本語で示すと以下のような構成になります。
Introduction:
リーディングパッセージでは「 」について書かれており、その主張をサポートするために3つの意見が述べられています。しかし、レクチャーの中で教授は「 」と主張しており、リーディングパッセージに書かれている内容を否定しています。
Body①
まず、リーディングパッセージでは「主張①」と主張していますが、レクチャーの中で教授はこれについて否定しており、「主張①の反論」と述べています。
Body②
次に、リーディングパッセージでは「主張②」と書かれていますが、レクチャーでは「主張②の反論」と言われており、さらに「あれば主張②の反論もうひとつ」とも言及しています。
Body③
最後に、リーディングパッセージでは「主張③」と結論付けられていますが、レクチャーの中では「主張③の反論」と言われ、リーディングパッセージの主張は否定されています。
Conclusion
以上のことから、リーディングパッセージとレクチャーでは同じテーマで話が進められているにも関わらず、レクチャーの中で教授はリーディングパッセージの内容を真っ向から否定し、異なる主張をしています。
ここでまた少し余談!
下記記事では、TOEFLでも必須となる単語力を上げる学習アプリ「I know!」をご紹介しています!単語の幅を広げ、表現力を高めましょう♪
まとめ
TOEFLライティング、Integrated taskの試験内容と攻略方法を、解くのに必要なスキルと覚えておくべき型にフォーカスしてお伝えしてきました。いかがでしたでしょうか?
お伝えした通り、ライティングのIntegrated taskでは、リーディングとリスニングを行った上でそれらから得た情報を簡潔にまとめ上げ、アウトラインを作り、ライティングを行います。
考えてみると、実際に海外の大学で授業を受ける際や論文を書く際、同じように教科書や書籍、ウェブサイトなど参考資料を読み、得た情報を要約してからライティングに落とし込みますよね。また、音声からの情報もそうです。講義や授業で聴くレクチャーや先生の説明、友だち同士でのディスカッションで耳から得た情報をそのまま聞き流していては、ライティングに使用できる情報として残りません。
しっかりと大事な部分をメモに取るという作業が必須です。海外の大学や語学学校で勉強をしていくうえで必要なスキルが、このIntegrated taskで試されているのがお分かりいただけたのではないでしょうか。
最後にもう一度、TOEFLライティング Integrated taskに挑戦する上で大切なことをまとめておきたいと思います。
その① リーディングパッセージを3分間で読む際はトピックセンテンスを中心に読み、そのパラグラフの題名を作りメモしておく。
その② レクチャーのリスニングの際は、リーディングパッセージの横にメモしておいた題名に対する反論を言っている部分を探しながら聞く。その時、必ず反論が述べられる目印になる英語の単語や表現を頭に入れて聴く。その表現の直後に編論が来るのでメモを取る。
その③ 上記を参考に、「型」にあてはめてアウトラインを作る。
このような点を重要視しつつ、TOEFLの公式問題集や過去問をたくさん解いて、問題に慣れることをお勧めします!これらを意識することで、みなさんのTOEFLライティングのスコアアップにつながることと思います。