英語圏の大学に留学したい学生にとって、最大の試練となるテストがTOEFL。
難易度が高いだけでなく、4技能を組み合わせた幅広い英語力が評価されるため、事前の入念な対策が必須です。
「何から勉強したらいいか分からない」とお悩みの人も多いのではないでしょうか。そこで、この記事ではTOEFLの中でも苦手な人の多い、リスニング試験について詳しく解説。
出題形式や勉強方法、おすすめの教材なども紹介していきます。これからTOEFLの勉強を始める人はぜひ参考にしてください。なお、この記事ではTOEFL iBT(Internet-Based Test)について説明します。
- そもそもTOEFLとはどんな試験?
- TOEFLリスニング試験の流れと出題形式は?
- TOEFLリスニング試験の注意点
- TOEFLリスニングでメモを取るコツ
- TOEFLリスニングの設問内容は?
- TOEFLのリスニングで問われやすいポイント
- TOEFLリスニングの対策におすすめの勉強法・教材
- 語彙力を増やす
- 多聴のコツ
- 忙しくてTOEFLの勉強をする時間がないときは?
- まとめ
そもそもTOEFLとはどんな試験?
TOEFLは非ネイティブスピーカーの英語力を測るための試験で、留学生の英語力を測る目的で幅広く導入されています。
英語圏の大学に留学する場合、ほとんどの大学で基準以上のTOEFLスコアを獲得していることが求められるのです。
TOEFLは4つのセクションで構成されており、1回の受験にかかる時間は3時間以上。
ハイスコアを狙うには英語力だけでなく、体力や集中力も必要になってきます。また、TOEFLはパソコンに解答を入力する形式のテストなので、タイピングの速さなども重要です。
セクション | 制限時間 | 設問数 |
---|---|---|
リーディング | 54~72分 | 30~40問 |
リスニング | 41~57分 | 28~39問 |
休憩 | 10分 | ー |
スピーキング | 17分 | 4課題 |
ライティング | 50分 | 2課題 |
TOEFLリスニング試験の流れと出題形式は?
TOEFLのリスニングテストは、次のような流れで進んでいきます。
2. 音声が終わったら、パソコン画面に問題が表示される(5問〜6問)
3. 表示された選択肢から正しいものを選んで答える(約7〜10分)
4. 次の問題へ
TOEFLを受けたことのない人は、一度会話のスピード・分量をチェックしてみましょう。
TOEFL公式サイトからリスニング例題に挑戦することができます。
TOEFLリスニング試験の注意点
TOEFLのリスニングは1題あたりの読み上げが約3分〜と長時間です。集中力を切らさないようにしましょう。
英文の読み上げスピードも早く、問題文が1回しか聞けません。
わからない単語が出てきても悩んでいるヒマはない、と覚悟しておきましょう。英語を英語のまま理解できるリスニング力も必要になってきます。
また、問題文は音声を聞き終わった後でないと表示されません。事前に問題文に目を通す戦法は使えないので要注意。
TOEFLリスニングでメモを取るコツ
TOEFLのリスニングでは英文を聞きながら内容をメモできます。
しかし、放送された内容を全部メモしようとすると、リスニングに集中できません。
メモを取るときは、重要なポイントや忘れてしまいそうな事柄に絞ってメモを取るようにしましょう。略語や記号などを使って簡略化するのも有効です。
TOEFLリスニングの設問内容は?
TOEFLのリスニングで出題される問題は、講義問題と会話問題の2パターンがあります。
ここからは、パターンごとの出題形式や問われる内容について説明します。
講義問題
大学での講義を想定したスピーチが放送されるパターンです。
ジャンルは人文、自然科学、物理、歴史など多岐にわたりますが、どの場合も専門性の低い内容です。講義の進行もある程度パターン化されているため、問題集を使って練習すれば十分対策できます。
ただし、専門分野でしか使わないような単語も多く出題されるので油断は禁物。アカデミックな内容にも対応できる語彙力をつけておきましょう。
・1題ごとの音声の長さ:約3〜5分
・1題ごとの設問数:6問
会話問題
キャンパス内で想定される会話を題材にした問題です。
大学内の施設の使い方や教授への質問など、シチュエーションはさまざま。
設問では話題や質問の内容だけでなく、状況や発言の意図などが問われることもあります。
・1題ごとの音声の長さ:約3分
・1題ごとの設問数:5問
ここで少し余談!
下記記事ではTOEFL のリーディングパートについて記載しています!解く際のコツや勉強方法をご紹介していますので、併せてご覧ください♪
TOEFLのリスニングで問われやすいポイント
特に出題されやすいポイントは、以下のような事柄です。
・会話の目的
・特定の話題を持ち出してきた意図
・特定のトピックに対する話者の態度
・会話や講義の内容から推測できること
(「話者は次に何をすると考えられるか」など)
・講義や会話の詳しい内容
TOEFLの設問の多くは会話や講義のメイントピックに関連したものです。
これから対策を始めるなら、まずは話の主題や大まかな流れを把握することに集中しましょう。
TOEFLリスニングの対策におすすめの勉強法・教材
ここからは、TOEFLのリスニング対策におすすめの勉強法についてご紹介します。
高得点を取るのに必要なのは、次の3つです。
・ネイティブスピーカーが話す英語のスピードに慣れる
・問題を解いてTOEFLの傾向に慣れる
3つのプロセスについて、詳しく見ていきましょう。
語彙力を増やす
TOEFLの例題が知らない単語ばかりで聞き取れなかった人は、まず単語の対策から始めるのがおすすめです。
単語の知識が増えると、内容を簡単に理解できるようになります。
市販の単語帳を選ぶときは、音声と例文が付いたものを選ぶのがおすすめ。単語を勉強できるアプリで勉強するのも便利です。
TOEFLの単語学習におすすめの教材
TOEFLテスト英単語3800 4訂版 (TOEFL(R)大戦略)
TOEFL対策の定番単語帳として長く愛されている1冊。目標とするスコアに応じて、4つのセクションに分かれています。
自分の実力や目標に合わせた学習をしたい人におすすめ。
一部無料でTOEFLの単語学習ができるアプリ。
単語テストの正答率と回答時間に基づいて効率的に復習できます。さらに多くの教材で勉強したい人には有料版もおすすめです。
iOS版はこちら
Android版はこちら
ネイティブスピーカーが話す英語のスピードに慣れる
スクリプトを見れば内容は理解できるのに、リスニングとなると全然わからない…。
そんなときは、英語の多聴がおすすめです。英語の音声とスクリプトのついた教材を用意して、音声を聞いて一瞬で意味を思い浮かべられるまで練習しましょう。
教材は問題集でも良いですが、YouTubeの動画やPodcastでもOK。
無理なく毎日聴き込めるものを選びましょう。動画の教材は再生速度を変えられるほか、字幕のオン・オフもできて便利です。
また、複数の教材を並行して進めるよりは、何度も同じ教材を聞き込む方が成長を実感できます。
多聴のコツ
TOEFL対策としてリスニングするときは、話の展開や要点を整理しながら聞くのがおすすめ。
話の内容が記憶に残りやすくなり、実際にTOEFLで回答を準備する練習もできます。まずは話の5W1Hを意識して聞きましょう。
次にどんな話題が来るのかを予測したり、話し手の感情に注目したりするとさらに理解度が高まります。
さらに余裕があるなら、聞き終わった後に要約を書いてみるのも良いですね。
話の詳細までしっかりリスニングしたい場合は、シャドーイングも効果的です。
単語同士の音のつながりや省略などのルールを覚えられるほか、音声から意味を読みとる速度を上げたいときにも役立ちます。
おすすめの教材
著名人のプレゼンで有名な「TED」の教育系チャンネルです。
社会学・自然科学・心理学など、幅広い分野に関連した動画が視聴できます。動画一本の再生時間も短いので、スキマ時間を活用したい人におすすめ。
幅広い分野を学習できる教養系のYouTubeチャンネル。政治など最新の時事トピックが扱われることもあります。
問題を解いてTOEFLの傾向に慣れる
TOEFL対策を完璧にするには、実際に問題を解くトレーニングが欠かせません。
問題演習を積み重ねていくうちに自分の苦手分野がわかるので、効率的な勉強ができるようになる効果もあります。
問題を解いた後は必ず復習し、正解・不正解の理由まで徹底的に確認しましょう。
おすすめの教材
TOEFLの公式問題集です。
過去問3回分のほか、TOEFLの出題形式を紹介するための例題もついています。ただし、問題から解説まですべて英語で書かれています。ある程度英語に自信のある人向けの問題集と言えます。
こちらは日本語ガイド付きのTOEFLの公式問題集です。
英語版と同様に、TOEFLの過去問3回分と練習問題を収録しています。解説は日本語で読みたい人、英語にまだ自信がない人にぴったり。その分、お値段は英語版よりやや高めです。
忙しくてTOEFLの勉強をする時間がないときは?
受験生の中には、忙しくてTOEFLの勉強に割ける時間がない人もいますよね。
そんな人におすすめなのが、スキマ時間を活用した勉強方法です。スマートフォンにTOEFLの学習に使える単語アプリや問題集の音声データを取り込んで、空き時間に何度も英語を聞きましょう。
短いスキマ時間でも、1日分を合計すると数時間分の学習時間を確保することができます。
また、一見空き時間がないスケジュールでも、耳が自由になっている時間は意外と多いもの。
通勤中や家事・買い物の時間など、作業しながら英語を聞ける時間がないか、一度チェックしてみてください。
予算に余裕がある人は、イヤホン・ヘッドホンなどの設備に投資するのもおすすめです。
ノイズキャンセリング機能のついたものを使えば、スキマ時間の学習環境を改善できます。防水のスマートフォンや防水スピーカーを持っていれば、お風呂の時間も学習に活用できますよ。
ここでまた少し余談!
下記記事では、TOEFL のスピーキングについてご紹介しています!勉強方法やどんな能力が求められるかなどを解説していますので、こちらも併せてご参考にしてください♪
まとめ
この記事では、TOEFLのリスニング試験の流れや出題傾向、おすすめの勉強法や教材についてまとめました。
リスニングに苦手意識を持つ人は多くいますが、そもそもリスニングの力をつけるには時間がかかるもの。
日頃からの地道な学習こそが上達の秘訣です。コツはただ聞き流すのではなく、TOEFL本番を意識して内容を把握しながら聞くこと。
まずは話の大筋を聞き取れるレベルを目指してリスニングの練習を続けましょう。
広島県出身。家にあった洋楽のCDをきっかけに英語に目覚めて以来、学校英語と独学を中心に英語学習を継続。高校の英語講師・事務員を経て、現在はフリーランスのライターとして活動しています。英語に関連する記事を中心に執筆しています。趣味は語学の教材を試すこと、映画鑑賞、テレビゲームなど。趣味が高じて翻訳のボランティア活動もしています。翻訳者になることを目指してまだまだ勉強中。TOEIC945点。