学生から社会人まで、多くの英語学習者が受けるTOEICテスト。
希望の企業に就職・転職・昇進するのに、ある一定以上のスコアを保持していることが条件となっているケースも多くあることから、英語を学習している方であれば一度はTOEICを受けたことがある/受けようと思っている方も少なくないでしょう。
しかし、実際にTOEICを受けてみると、問題数の多さや難易度の高さが壁となり、なかなか思うようなスコアに到達しないもの。
特にパート7は読解しなければならない文章量が非常に多いため、時間が足りなかったり焦ったりしてしまうという声がよく聞かれます。
そこで今回は、TOEICのパート7で高得点を狙うために知っておくべきことを解説していきたいと思います。
TOEIC パート7とは
TOEICのパート7は文章読解がメインで、計54問に解答していきます。
読解する文章のタイプは、以下の3種類です。
1つの文章に対して、2〜4問の設問に解答。問題数は29問。
2つの文章に対して5問の設問に解答。問題数は10問。
3つの文章に対して5問の設問に解答。問題数は15問。
シングルパッセージは1つの文章で完結しているので比較的やりやすいですが、ダブル・トリプルパッセージになると読む情報量が一気に増えます。
また全てが文章とは限らず、表やグラフなどを読み取らなければならないパターンもあるため、高得点を狙うには正確かつスピーディーな情報処理能力が求められます。
パート7の形式パターン
次に、パート7の形式パターンについて解説していきたいと思います。
内容理解問題
文章に書かれている内容を問われ、4つの選択肢の中から最も合致するものを選ぶ問題です。54問中、一番多い問題形式となります。
「What」「Why」「Who」「How」が頭にくる疑問文で聞かれるのが特徴。先に設問を読んでおき、聞かれている「5W1H」を意識しながら本文を読み進めるのがコツです。
例えば、以下のような疑問文がよく出ます。
①What is indicated about 〜?
〜についてどのように書かれていますか?
②What is stated about 〜?
〜について何と述べられていますか?
③What is NOT mentioned about 〜?
〜について述べられていないのはどれですか?
④According to the advertisement, Why is A 〜ing?
広告によると、どうしてAは〜しているのですか?
⑤According to the article, where is A from?
記事によると、Aはどこ出身ですか?
⑥What should A 動詞?
Aは〜することになっていますか?
⑦What is the purpose of 〜?
〜の目的は何ですか?
ここで気をつけなければならないのは、③のような「Not」が入っている問題です。間違って本文の内容と合致するものを選ばないように気をつけましょう。
推測問題
文章中に答えが書かれている内容理解問題とは異なり、推測問題は文字通り内容から推測して答えを導く必要のある問題です。
内容理解問題より少し難易度は高く、内容に基づいて背景や展開を推測しながら選択肢を選ぶ必要があります。
設問の疑問文は以下のようなものが多く出されます。
①What is suggested about 〜?
〜について何が言えますか?
②What is most like 〜?
〜はおそらく何ですか?
③What is most likely true about 〜?
〜について何がおそらく正しいですか?
④What is probably true about 〜?
〜について何がおそらく正しいですか?
⑤Who is most like 〜?
〜は恐らく誰ですか?
⑥What will A most likely do within 24 hours?
24時間以内にAは何をおそらくするでしょうか?
⑦What is implied about 〜?
〜について何が暗示されていますか?
推測問題で高得点を狙うコツは、文章を読みながら実際のシーンを頭でイメージすること。どのような情景なのかを思い浮かべることで、背景や展開がクリアになって正解を導ける確率がグッと高くなりますよ。
語彙問題
語彙問題は、文章中の特定の単語の意味と最も近い意味の単語を4つの選択肢から選ぶ問題です。
特定の単語は設問文の中に説明で書かれているため、正確に読み取って素早く文章中からその単語を見つけ出す必要があります。
設問文は基本的に以下のような文章です。
広告/記事の中で、1段落目の2行目にある「〜」という単語に最も近いのは
どこにその単語があるかをすぐに見つけられるよう、以下を覚えておきましょう。
in paragraph 数字
〜段落目の
line 数字
〜行目
当たり前のように知っている単語でも、文章中では一般的に知られているのとは異なる意味で使われているケースもあります。ただし、文脈から意味を推測できることもあるので、わからない場合でもまずは文章内容をベースに冷静に考えてみましょう。
パート7でよく出るジャンル
パート7では、様々なジャンルの文章が織り交ぜられています。ここでは、その中でもよく出てくるジャンルをご紹介したいと思います。
広告
商品・サービスの宣伝広告や、求人広告の文章を読み取る問題です。
値段やキャンペーン内容、営業時間、オーダー方法を問われる問題が多め。
仕事内容や勤務地、応募資格・方法などを問われる問題が多め。
なお、広告文では「主語+動詞+目的語」のような文章から、主語やbe動詞などが省かれて端的に書かれているものも出ます。海外の広告文章を見ておき、文章にどのような特徴があるのかを学んでおきましょう。
ニュース/社内告知
新聞の記事や企業のプレスリリース、社内における何かの変更事項などをお知らせするような文章です。
・何がどのように変わったのか
・どういったプロセスを踏む必要があるのか
・◯◯は誰で、どのような役割があるのか
といった部分を問われることが多い傾向にあります。
メール/テキストメッセージ
社内・社外へのビジネスEメール文章や、スマートフォンのショートメッセージのやり取りを読み取る問題です。
・宛先(To)は誰か
・どのような用件なのか
をしっかり読み取りながら、どのような関係性なのかを把握する必要があります。
ダブルパッセージでの問題では、企業の広告文書と、それに対してのカタログ請求やオーダー、質問といった内容のメールを組み合わせたものもあります。
また、メールは
・企業から個人
・個人から企業
・社内での一斉メール
など様々なので、どういった目的のメールなのかを意識しながら読みましょう。
Webサイト
企業のサービスや商品のWebサイトの内容を読み取る問題です。
内容の説明だけでなく、プライス表の情報を正確に把握するダブルパッセージや、それらに関連するEメール文書もセットになったトリプルパッセージの問題もあります。
問われる内容は広告と同じような傾向があり、通販サイトであれば発送までの日数や送料、割引キャンペーンなどを聞かれる問題も。
なお、ページ内には例外などの注意書きが記載されている場合もあるので、見逃さないようにしましょう。
ここで少し余談!
下記記事では、大学受験の英語を効率よく乗り越える方法をご紹介しています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
パート7で高得点を狙うには
最後に、パート7で高得点を狙うために覚えておくべきことをご説明したいと思います。
しっかりとした英語力
TOEICで高得点を取るための様々なテクニックはありますが、テクニックに頼るのは本質的ではありません。
たとえテクニックを駆使して高得点を取れたとしても、実力が伴っていないと実際に英語を使うとなったときに後々苦労するでしょう。
逆に、しっかりとした英語力があれば、テクニックに頼らなくても高い得点を取ることができます。英語レベルが高い人であれば、全く対策をしないでTOEICを受験したとしてもいきなり900点以上のスコアを叩き出せる可能性は十分あります。
そのため、まずはTOEIC対策用として売られている単語帳や文法が学べるテキストブックでしっかり知識をつけ、それから公式問題集などで練習していくことをおすすめします。
的確な時間配分
TOEICのリーディングは合計75分あり、その中で3つのパートを完了する必要があります。
パート5・6に時間をかけすぎると、人によってはパート7の時間が足りなくなってしまうということもあるでしょう。
例えば、パート5は10分、パート6も10分、とあらかじめ設定しておけば、パート7に55分確保することができます。これも公式問題集などをやりながら、自分にとってベストな時間配分を見つけることが重要になってきます。
速読(文章を速く読む)力
時間が足りなくなってしまう要因の1つとして考えられるのは、文章を読むスピードの遅さです。速く読めればその分、時間にも余裕が出てくるので落ち着いて問題を解くことができます。
そのため、TOEICのリーディングセクションで高得点を狙う方は、日常的にニュース記事やビジネス文書を速読する練習をしておくのがおすすめ。
速読ができるようになることで頭の中で英語を処理するスピードも上がり、結果的にリスニング力向上も期待できますよ!
設問・選択肢を読んでから本文を読む
文章を読み終わった後に設問を読むと、「あれ、なんて書いてあったっけ?」ということがあります。
それなりに長い文章を読むことになるので、内容を全て覚えておくというのはなかなかハードルの高いことになります。
そのため、なるべく設問や選択肢を先に読んでおき、どのような部分に注目して読めばよいかを意識しながら読解していきましょう。本文を読みながら問題を解けることも多々あるので、時間短縮にも繋がります。
知らない単語はすぐあきらめる
語彙を問われる問題が多々出題されますが、意味を知らない単語且つ文脈からもすぐに推測できないようなものはすぐにあきらめるのが無難です。
知らないものをいくら考えてもわからないし、そこで時間をたくさん使ってしまうのは非常にもったいないからです。
また、わからない問題は一旦飛ばし、全て解き終わってから再度考えるという方法もあります。いずれにせよ、わからない問題で時間を使ってしまうのはもったいないので、あきらめるという心持ちも重要です。
ここでまた少し余談!
下記記事では、TOEIC学習におススメの参考書と勉強方法をご紹介しています!これからTOEICに挑戦される方はぜひ参考にしてみて下さい♪♪
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はパート7にフォーカスを当てた記事でしたが、他のパートについても知っておくべきことがあります。
しっかり英語を学習しつつ、より高い得点が取れるよう前調べや事前対策をしっかりしておきましょう!

◇経歴
・コールセンターでの日英バイリンガルオペレーター(3年)
・外資系企業(製薬業界)でのテクニカルサポート(2年)
・副業でオンライン英会話の講師(2年)
・東京にて通学型の英会話スクール経営(4年)
・英会話スクールをオンラインに切り替えて運営(現在で約4年)
・英会話講師歴は合計で10年
◇資格
・英検1級
・TOEIC990点
◇海外渡航経験
・イギリス(3ヶ月、短期留学)
・タイ(6ヶ月)、マレーシア(3ヶ月)、台湾(3ヶ月)の滞在歴あり(海外ノマド)
・海外旅行:韓国、マルタ、ベトナム、インドネシア、アメリカ
◇自己紹介
バイリンガル英会話コーチのBobです!ほぼ日本国内で英語を習得してバイリンガルになりました。たまたま始めたオンライン英会話講師の仕事が天職だと悟り、自らの英会話スクールを開校。これまでに200人以上の英語学習者に教えてきました。多くの人たちに英語を好きになってもらい、思いっきり英会話を楽しんでもらえるよう日々活動しています!