英語学習において「発音」は独学では難しいとされています。
文法や単語は参考書などでコツコツ勉強できます。
発音は音声がを聴くことが重要なので文字だけでは不十分です。手本となる発音を聞く必要があります。
また、私たち日本人には「カタカナ発音」が定着してしまっており、実際の英語とはかけ離れた音で覚えてしまっていることも多いです。
それに加えて英語というのは単語と単語がつながると音が繋がったり変化したりします。これをリエゾンとかリンキングと言います。
結果、中学生レベルのカンタンな英単語でも伝わらなかったり、逆に聞き取れなかったりします。
この記事では、日本人が苦戦する発音を学ぶためのおすすめ教材と学習ステップを紹介していきます。 その前置きとして、日本人にとっての英語発音を学ぶことについて知っておいてほしいことをまとめています。
なぜ日本人にとって発音が難しいのか
まずは、日本人にとって発音が難しい理由です。
実は私たちの母国語である日本語は世界の言語でも特殊な言語なんです。そう考えると、ちょっと気がラクになると思います。日本人が第二言語習得するというのは本当に大変なことなのです。
筆者はマレーシアに住んでいますが、ルームメイトたちはトリリンガルです。全く珍しいことではありません。なぜなのでしょうか。
これは、カタカナ発音が伝わりづらい理由と大きく関係しています。
発音する位置が違う
日本語は口のあたりで発音します。「え、英語は違うの?」と思うかもしれませんが、英語を始めとする外国語は「喉」から発音します。
外国人の発音は厚みというか深みがあると感じると思います。英語ネイティブが日本語を話す場面をイメージしてみてください。「ワタ〜シワァ〜、ニホンガトテモダイスキデェ〜ス!!」みたいな感じです。
日本人の日本語と音の質が違いますよね。
そもそも、この違いがあることによって発音に大きな壁を作っています。日本人が意識しない喉を使うからです。
シラブルの中身が違う
次はシラブルです。
シラブルとは何でしょう?
シラブルとは音節とも言いますが、単語の最小単位です。1拍と理解してもらえたらOKです。日本語では「ひらがな1文字が1シラブル」となります。
基本的には1シラブルの中身は「子音+母音」です。
例)おはようございます(O-ha-yo-u-go-za-i-ma-su)= 9シラブル = トン×9
それに対して英語は基本的に1シラブルの中身は「子音+母音+子音」です。どういうことでしょうか。
例)dog = 1シラブル = トン×1
*if や is など母音+子音の単語もありますが、文になると前の単語から子音を借りて「子音+母音+子音」になります。
では、このシラブルの違いがなぜ私たちの英語学習のハードルを上げてしまうのでしょうか。
同じ英単語で英語発音とカタカナ発音で比較してみましょう。
spring(春)という単語はそれぞれ何シラブルでしょうか?
・カタカナ発音 (スプリング su-pu-ri-n-gu)= 5シラブル
・英語発音(spring)= 1シラブル
*辞書で調べればその単語が何シラブルなのか書いてあります。
!?!?!ですよね。
spr子音はクラスターといって子音の束です。したがって1つの子音として考えます。また、ngも1つの子音です。そうすると、「子音+母音+子音」が見えてくると思います。
カタカナ発音は余計な母音が多くないですか?従って全く違うリズムになるはずです。
英語話者(あえて、ネイティブスピーカーとは言わずにもっと広い範囲です)この「子音+母音+子音」を無意識に理解しているので、日本人のカタカタ発音は聞き取れません。”spring”の例で言うと1シラブルの想定でいたのに、日本人からは5シラブルで飛んでくるからです。
また、日本人は”spring”の例で言うと5シラブルの想定でいて、英語話者から1シラブルで飛んできます。もう、想定外なのです。
たった一つの単語でもこれだけの違いありますので、これが、会話になってくると全く違うリズムになってしまうのを想像できると思います。
これにより、カンタンな英単語が伝わらない、聞き取れないということが発生します。
そこまでして、発音を学ぶ必要はあるのか
このように日本人にとって発音学習はハードルが高いのです。
そこまでして学ぶ必要はあるのかという意見もあります。「カタカナ発音でもOKじゃないか?」という話もよく聞きます。
筆者が考える発音を学ぶメリットは以下のとおりです。
① 伝わりやすく、聞き返される頻度が減る
②リスニング(聞き取り)ができるようになる
③上記①②の結果、音声(動画)で学習がドンドンできるようになり英語学習が加速する
④ビジネスにおいては信用されやすくなる(武器の一つ)
参考書(文字を見る)で学習することはもちろん必要ですが、今はYou Tubeなどの動画学習プラットフォームが充実しています。
MOOCs(Massive Open Online Courses)もコロナ禍の影響で流行っています。MOOCsはオンライン学習プラットフォームで、世界中の大学や企業の授業を英語で受けられます。
しかし、日本語字幕がほとんどありません。聞き取りが苦でなくなれば、英語学習がグッと楽になるのです。英語字幕はあるので、分からない単語は自分でググって調べて、意味や使い方、生の発音まで理解することができます。
英語でさまざまな情報が入手できるようになり、楽しくなります。
発音から学び聞き取りまで、ある程度のレベルまで持ち上げることは非常に意義があります。日本人は義務教育や受験勉強で文法の基礎はあるので、発音と聞き取りができるようになると本当に強いと思います。
ビジネス目的で英語を学んでいる方にとっては信用されやすいメリットがあります。
もちろん、発音だけでは仕事になりませんし、相手によってはカタカナ発音でも伝わることもあります。一つの武器として考えておくと良いと思います。
ここで少し余談!
下記記事では、英語学習に「音読」は効果的なの?という議題を解決している記事になっています!ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
おすすめの発音教材
前置きが長くなりましたが、筆者がオススメする発音教材を紹介していきます。
①フォニックス
これはネイティブスピーカーの子どもたちが学習する方法です。
英語のスペル(つづり)と発音を関係性(紐付け)です。
日本語のひらがなの場合、「あ」は読み方も「あ」です。
英語のアルファベットの場合、「A」は名前は「エー」であり、発音は「ア」となりアルファベットと発音が異なります。
例)スペル:”Cat”
名前(アルファベット):”シー・エー・ティー”>br?
発音(フォニックス):”キャット”
これにより
①意味がわからない単語を見たら発音できる
②音で聞いた英単語をスペルにできる
しかし、このフォニックスだけでは発音の教材としては不十分です。理由としてフォニックスの「スペルと発音の関係性」はすべてを網羅できるわけではないからです。
また、先に述べた喉発音やシラブルについては学習できないので、基本として理解しておくべきことと捉えましょう。
このフォニックスでは参考書でもありますが、You Tubeで検索するとフォニックス関連の動画がたくさん出てきますので、チェックしてみましょう。
②発音記号
次は「発音記号」です。
フォニックスは英語ネイティブが子どもの時に学びますが、発音記号はネイティブスピーカーにとっては一般的ではありません。
辞書を引いた時に必ず発音記号が記載されています。
しかし、それを覚える必要はなく、気になる単語を調べた時に、「あ、この単語はこの記号だから、シュワーの曖昧母音なんだな」って理解する感じです。
You Tubeで発音を学ぶとき、その単語の発音記号から解説していくことが多いので理解しておくと良いと思います。「あ、あの音のことだな」くらいでOKだと思います。
フォニックス同様にこれをガッツリ学習すれば発音が出来るようにわるわけではなく、基本として知っておくべきものです。同じくYouTuberで検索するとたくさんヒットします。
③You Tube
基本的な事が理解できたら、より実践的なことを勉強していきましょう。
もっともオススメできるのは何と言ってもYou Tubeです。
英語発音のプロによる無料レッスンがそこらじゅうに転がってます。英語学習において発音というのは特に独学では難しい分野だと思いますので、プロから学ぶのが一番です。
それが無料というのは本当にいい時代になりました。
しかも、プロたちも視聴者に役に立つレッスンを常に考えているので、日々アップデートされます。これは参考者やCDでは実現できないことです。
デメリットとしてはチャンネル数が多すぎて迷うのと、個別レッスンは難しいことです。
解決策としてはまずは気になるチャンネルから早送りでもいいので視聴しましょう。You Tubeがあなたの好みを覚えてくれますので、どんどん発音に関する動画を提案してくれます。
個別レッスンについては次のオンライン英会話で解決が可能です。
④オンライン英会話レッスン
基本的なことと実践的なことを学んだらアウトプットしていきましょう。
アウトプットの場はオンライン英会話です。既に準備されている発音の教材を選んでも良いですし、フリートークでも良いと思います。
フリートークで発音のレッスンをしたい場合は以下のような準備がオススメです。
①自分で好きなスピーチを選ぶ(必ずスクリプト付きのもの、ネイティブキャンプには大統領や映画俳優のスピーチがスクリプト付きで掲載されてます)
②レッスン前の自習(スピーチ良く聞いて、発音記号やシラブルを調べて練習する)
③講師に発音チェックしてもらう(レッスンの最初にスクリプトを送っておく)
④講師にフィードバックをもらう(苦手な発音はチェックする)
たくさんスピーチをこなし、この繰り返しで自分の苦手な発音が見えてきます。①と②の事前準備が非常に大切なので、レッスンだけに頼らないようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。
今回の記事では「発音とその学習する意義」および「オススメ教材とステップ」を大まかに紹介しました。
発音学習は参考書の独学では難しく、正しい発音の見本とフィードバックが必要です。かつてはCDなどの音声教材が多かったですが、いまはYouTubeという素晴らしい教材が無料で転がっています。
これらを活用しない手はありません。なにせ、動画なので分かりやすいです。YouTuberによっても品質はさまざまなので、自分にあったチャンネルを探していきましょう。
オンライン英会話の活用方法ですが、事前の自習が最も重要です。
発音と聞き取りが出来るようになると英語学習は本当に加速します。「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」ことが可能になります。こうなれば本当にスゴイことです。
一緒に頑張りましょう!

2019年マレーシア移住、マレーシア人とルームシェアで楽しく暮らしています。「英語を学ぶ」のではなく、「英語で学ぶ」ことに目覚めて海外大学進学準備中。英語が学習は発音と聞き取りからスタートすることを勧めています。