あらゆる出版社や予備校から英単語帳が発売されており、掲載されている単語数も単語帳によって異なります。自分や志望校に合っている単語帳がどれなのか分からず、どの英単語帳を選ぶべきか悩みを抱える受験生は多いはず。
この記事では幅広い入試レベルに対応している旺文社出版の『英単語ターゲット1900』の効率的な使い方を紹介します。
英単語ターゲット1900とは
『英単語ターゲット1900』とは、旺文社から出版されている『英単語ターゲットシリーズ』の1つです。
ターゲットシリーズは、1200,1400,1900の3種類発売されており、数字が収録されている単語数です。また、以下のように、それぞれ難易度分かれています。
ターゲット1200:基礎(中学レベル~センター・共通テスト)
ターゲット1400:標準(センター・共通テスト~中堅私大)
ターゲット1900:標準~応用(センター・共通テスト~国公立2次・難関私立)
英単語ターゲット1900はターゲットシリーズの中で最も難易度が高く設定されていますが、守備範囲の広さや使い勝手の良さから一番使用者が多く、人気の単語帳です。
センター試験や共通テストで点数を取りたい人から、早稲田大学・慶應大学などの難関私立大学や国公立を目指す人まで多くの受験生に選ばれています。
多くの受験生が英単語ターゲット1900を選ぶ理由は、英単語ターゲット1900を刊行する旺文社が過去30年間分の全大学の入試問題のデータを持っており、英単語ターゲット1900こそが、大学入試問題で頻出の英単語を厳選して作られているからです。
英単語ターゲット1900はどんな人におすすめの英単語帳?
英単語ターゲット1900はどんな人におすすめかを解説します。
まず、英単語ターゲット1900の難易度は、『標準~応用(センター・共通テスト~国公立2次・難関私立)』に設定されています。もし志望校を難関私大や国公立まで目指すか中堅私大にするか悩んでいる人は1900を選ぶと良いです。
英単語ターゲット1900を使用する前提レベル:
中学レベルの基礎単語を覚えている、偏差値50程度
志望大学レベル:
東大、京大、一橋大学、早慶など最難関大学、中堅国公立・GMARCH・関関同立などの難関大学
まれに最難関大学受験に合格するための英単語は1900では足りないという方もいますが、英単語ターゲット1900をマスターすれば最難関大学に合格するためのレベルの英単語力をマスターすることができます。
確かに試験には見たことも聞いたこともない単語が出されることがあります。しかし、難関大学が求めているのは「暗記量」ではなく、自分の持っている知識を総動員して「問題を解く力」を試しています。
英単語ターゲット1900に掲載されていない単語が出た場合は、分からなくても問題を解くのに支障がない、もしくは文脈から推察できる、のどちらかです。掲載されている1900個で最難関大学対策にも十分といえるので、単語を覚えきることを目標としましょう。
また、ターゲット1900には各単語に例文が記載されています。単語を淡々と覚えるのが苦手な人や、例文があった方が覚えやすい人にもおすすめです。
英単語ターゲット1900の特長
英単語ターゲット1900には特筆すべき特長があります。ここでは英単語ターゲット1900の特長を解説します。
音声データを無料でダウンロード可能
英単語ターゲット1900を利用する最大のメリットともいえるのが、音声データを無料でダウンロードできることです。
視覚だけでなく聴覚を利用することで、より効率的に英単語学習を進めることができます。
音声データを活用することでリスニング力が向上するため、リスニング問題・アクセント問題への対応力も付くというメリットがあります。
もし、上智大学の英語学科や早稲田大学の国際教養学部などの英語を最重要視する学部を目指す場合は、この音声データでシャドーウィングをすると、リスニング力とスピーキング力が培われるため大学入試合格後にも活きます。
派生語・類義語・成句も掲載
ターゲット1900には派生語・類義語、成句・英熟語も掲載されています。そのため1つの単語から名詞・動詞・形容詞・副詞とさまざまな品詞の言葉を同時に確認することができます。
例えば、sense 「感覚」という名詞から、sensitive 「敏感な」、 sensible 「分別のある」といった間違えやすい形容詞なども確認できるため一緒に覚えることで効率よく英単語学習が可能です。
見出し語すべてに例文がある
見出し語すべてに例文がついているため、使い方を確認できることも大きなメリットです。また、単語だけを見て暗記するよりも例文を利用して覚えることで単語を覚えやすくなるほか、文法問題にも強くなります。
出る順にパート分けされている
英単語ターゲット1900は頻出順に英単語が並んでおり、以下の3パートに分かれています。
Part1:常に試験に出る英単語800=センター・共通テストレベル(偏差値50後半)
Part2:常に試験に出る英単語700=GMARCHや中堅国公立レベル(偏差値65程度)
Part3:ここで差がつく難単語400=早稲田・慶應・京大・東大レベル(偏差値70程度)
志望大学のレベルによってどこまで覚える必要があるのか分かりやすい目安があるので学習を進めやすいことも英単語ターゲット1900の特長です。
ここで少し余談!
下記記事では、Youtubeを使った英語学習についてご紹介しています!英語学習用のおススメチャンネルもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみて下さい♪♪
英単語ターゲット1900効率的な使い方
ここからは英単語ターゲット1900の効率的な使い方を解説します。
目標レベルに応じて覚えるパートを決める
英単語ターゲット1900は頻出順に英単語が並んでいるため、志望大学の目標レベルに応じて覚えるパートを決めます。他の科目もあるので無理して全てやりきることをゴールにするより、目標レベルに応じたパートを繰り返し学習することのほうが重要です。
前章で記載した志望大学レベルから覚えるパートを決定します。
英単語ターゲット1900の音声データを活用
覚えるべきパートを決定したら音声データを公式サイトから入手します。
聞きながら英単語や例文を覚えます。聞きながら口に出すと、より効果的に英単語を覚えることができます。
前から覚えるだけでなく出会った単語はつぶす
出る順になっているため、前から覚えることをおすすめします。
しかし、志望大学の過去問題を解いていると知らない単語に出会います。その場合は知らない単語を索引で調べ、出会った単語も併せてつぶしていくと、「基礎」と「実践」を並行して学習することができます。
索引に載っていない単語は再頻出ではない、ということですから、過去問にもう一度立ち返り解き方を再考すると、暗記ではない新たなアプローチや前後の示すヒントが発見できます。
英単語ターゲット1900を「実践型」で利用することで、暗記ではなく「解く力」を養うこともできます。
和訳は正確に覚える
英単語の和訳は正確に覚えます。意味が複数ある場合も全て覚えるように心がけます。
例えば動詞であれば、rememberは「思い出す」ではなく「~を思い出す」と「~を」の部分も覚えます。
英語には日本語にはない他動詞、自動詞の概念があります。
動詞を全て覚えてから他動詞の単語、自動詞の単語と覚えなおすより、動詞を覚えるときに、他動詞・自動詞どちらであるかを学習するほうが効率的に覚えることが出来ます。
声に出して覚える
英単語の学習をする際には、声に出して覚えることが重要です。
自分の口を動かす運動が暗記力を高めることができます。また、口から発した音声が耳に入り聴覚を刺激し、暗記力をさらに高めます。声を出せない環境下でも、口だけは動かすことをおすすめします。
最低でも10周繰り返す
英単語ターゲット1900に限らず、どの英単語帳を使っていても言えることですが、最低でも10周は繰り返すことをおすすめします。理由は1度やっただけでは覚えられないからです。
はじめの1週は知らない単語に遭遇するため、精神的に最もハードですが、2周目・3周目と繰り返すことで精神的な苦痛は軽減されていきます。
初めの3周:メインの意味を定着させる
初めの3周はメインの意味を覚えることに専念します。
派生語まで覚えようとすると、途中で挫折してしまう可能性が高くなります。とにかく最後まで到達することを重視し、派生語は流し読み程度で問題ありません。
4~6周:派生語や類義語・イディオムまで暗記をします
4周目以降は派生語や類義語・イディオムなど、記載されているものを全て暗記するように努めます。
もちろん4周目で全て覚えることは困難ですので、回数を重ねていくごとに覚える単語数を増やしていきましょう。繰り返すことで、だんだんと派生語などの規則も分かるようになってきます。
例えばdescribe(~を記述する、説明する)の名詞形はdescription(記述、説明)です。
一方explain(~を説明する)の名詞形はexplanation(説明)です。
動詞に(a)tionがつくと名詞形になる「接尾辞」ですが、接尾辞を勉強しなくとも、規則性が見えてくるようになるのです。
7周目以降:見出しの単語を見ただけで意味や派生語まで回答できるまで定着させる
7周目以降は定着をさせる段階です。見出しの単語を見ただけで意味や派生語まで回答できるレベルになるまで定着をさせます。
テストする
英単語ターゲット1900で単語を覚えながら、暗記できているかテストを行いながら進めることをおすすめします。
ターゲットの公式アプリ「ターゲットの友」を活用すると無料でテストができたり、発音の確認ができたり、自分がどれだけ覚えられているのか確認ができます。
また、全国ランキングの機能もあり、他のユーザーと競えるため、モチベーション向上にも活用できます。ただし、勉強には自分のペースや自分の志望大学に応じたレベルがあります。他のユーザーの進捗にむだに焦りを感じることなく、一喜一憂しないように気を付けましょう。
完了目安
見出しの単語を見て瞬時に意味・派生語などを答えられるようになったら英単語ターゲット1900をマスターした、学習を完了したと言える目安です。
しかし、完了したら受験当日まで見返さないでいるとせっかく覚えた英単語を忘れてしまいます。忘れないようにするためには受験当日まで何度も何度も繰りかえすことが必要です。
筆者の体験談ですが、完了レベルに達したら、読書のように受験当日まで毎日1ページ目から目標パートの最後のページまで毎日英単語を確認していました。はじめは時間がかかりますが、完了目安のレベルになると瞬時に意味が浮かんでくるので1冊確認するのに1時間もかかりません。
繰り返し英単語に触れることで、せっかく覚えた英単語を忘れてしまったという残念な状況を回避することができます。
受験当日まで繰り返すと、自信をもって入試に臨むことができるようになります。
まとめ
この記事では英単語ターゲット1900の効率的な使い方を解説してきました。
中堅大学から難関大学まで幅広く対応している英単語ターゲット1900は、幅広いレベルの受験生に対応しています。
志望大学に応じたレベルに応じて、やるべきパートを決定したら、効率的に英単語を覚えるために音声データを活用します。
もし志望大学が英単語ターゲット1900のPart1、2であれば、無理に全ページを終わらせることよりも何周もして定着をさせることを重要です。繰り返し定着させて英単語を覚えることで受験当日に落ち着いて試験に取り組むことができます。
英単語を定着させるためにぜひこの記事で紹介した英単語ターゲット1900の使い方を試してみることをおすすめします。