ディスるって英語でどう表現するの?ディスるの語源についてもご紹介!

disrespect

「ディスる」という言葉を自分で実際に使ったことがある人は限られているかもしれませんが、聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。

「ディスる」の意味がわからなくても、文脈からなんとなくわかっている人もまた、多いと思います。私もそのうちの1人です。

いつの間にかネットスラングになっている「ディスる」という言葉は、どこから来たのでしょうか。

この記事では今さら意味や由来を調べる気にもなれず、ましてや人に聞くのもどうかと思う「ディスる」について詳しく調べ、さらに英語の類義語もたくさん紹介しています。

「ディスる」を英語でいうと?

日本ではいつからか、若者を中心に「ディスる」という言葉が使われるようになりました。

芸能人、恋愛の相手、または自分自身、ディスる対象は様々です。また、直接言うよりもサイトなど掲示板のページで使われる印象があります。

インターネットスラングとも言われていますが、「ディスる」とはいったいどういう意味なのでしょうか。

「ディスる」は「disrespect」から生まれた

「ディスる」は英語の「disrespect」(軽蔑する)という英単語が日本語になったものです。

「Disrespect」という単語はご存知でしょうか。

これは「respect」にdis-という接頭語がついたものです。

「Respect」は日本語にもなっていて、元々は日本語では「尊敬する」でしたが、今ではそのままカタカナにした「リスペクト」でも十分通用しますし、若者の間では「尊敬する」よりも頻繁に使われているようにも感じます。

相手を認めるという価値観を気軽にシェアできる若者言葉ではないでしょうか。

使い方は「リスペクトする」という風に「する」をつけます。

接頭語dis-は、単語の頭につけると「無」や「不」の意味を持たせることができます。

「Respect」に接頭語のdis-をつけると「disrespect」となり、ディスる心理として「軽蔑する、侮辱する」という意味になります。

元々の日本語でみるとリアルなニュアンスに感じます。このことから、用語の検索をすると「disル」という文字も見つかります。

「ディスる」の使い方

「ディスる」は後に続く言葉によって、次のように変化します。

・ディスってる

・ディスった

・ディスられる

・ディスられた

・ディスって

「ディスる」を使った例文を1つ紹介しましょう。

「あいつはいつも誰かの陰口ばかり言っているよ。」 と言いたいときには 「あいつはいつも誰かを影でディスってばかりいるよ。」 と言う風に使います。

こんなやりとりは日常英会話でも登場しそうですね。

「ディスる」って海外でも通じる?

「ディスる」は「disrespect」から来ていると説明しましたが、「ディスる」って海外でも通じるのでしょうか?

英語学習をしている皆さんなら興味あるのではないでしょうか。

実は「disrespect」の略語で「diss」という言葉があります。

2000年代に入ってから「悪口を言う、バカにする」といった意味合いでよく使われるようになったスラングの1つです。

さすがに「ディスる」って何?と海外で聞いても通じないと思いますが、「diss」は日本語の「ディス」とほぼ同じ音であることと、同じ場面で使われる言葉なので、場合よっては日本語の「ディスる」は感の良い人になら通じるかもしれませんね。

余談ですが「リスる」という言葉もあり、これは「respect」を意味し「相手を尊敬する」という意味で使われます。

「リスる」と「ディスる」は口に出してみるとわかると思いますが、音がとても似ているので、聞き分けにくいことがあると思います。

意味が正反対なので、注意して使う方がよさそうです。

ちなみに英語だと”re”と”di”の音は全く異なるし口の形も違うので、聞き間違うことはないと思います。

それに対して日本語は、音も口の形も似ています。

海外ではどんな場面で「ディスる」?

「Diss」という言葉は、外国のヒップホップから生まれたと言われています。

ラッパーが他のミュージシャンをバカにしたり、批判したりするような内容の歌詞を作って歌ったことから、それを「diss」と表現したことから始まり広まっていったようです。

海外では相手を侮辱し挑発するようなラップを「diss」という一方で、侮辱されたラッパーが批判し返すことを「beef」といいます。

「beef」は「牛肉」という意味の他、スラングとして 「苦情」や「苦情を言う」 という意味もあります。

日本語では「アンサーソング」と呼ばれています。ディスっていないメッセージへの返答も区別せず同じように「アンサーソング」と言います。

「beef」に比べると、なんだかちょっと平和な響きと感じるのは私だけでしょうか。

ラップの「diss」と流行語としての「ディスる」の違い

アメリカではラッパーのディス合戦が繰り広げられることはよくあることで、ディスの内容があまりにひどいと、訴訟に発展することもあるようです。

相手をディスった歌のことを「a diss track」(ディスる歌)と言います。

もともとラップはスラム街で暮らす黒人たちが、社会への不満をリズムに乗せて表現したことから誕生しました。

そのためラップの多くには「diss」が入っており、独特のルールやテクニックによって作品が作られています。

一方、日本の若者の間で流行っている「ディスる」という言葉は、本来の「軽蔑する、侮辱する」という意味よりももっと軽い気持ちで使われている傾向があります。

海外では、日本ほど「diss」(ディスる)という言葉は日常的に使わないようです。

「ディスる」は悪い言葉なので、特に海外の人との会話の中では避ける、または軽率に多用するのは避けたほうが無難と言えそうです。

ネイティブスピーカーは「ディスる」をどのように表現する?

前述した通り、英語では「diss」という言葉は「ディスる」のような気軽さで使われるわけではありません。

相手を「軽蔑する、侮辱する」という意味があるので、多用しすぎないように注意が必要ですが、実際は「diss」がどのような場面でどんな使い方をされているのか例文でいくつか紹介します。

●He has been dissing you.

(彼は君の事を侮辱しているよ。)

●What was wrong with her? She was dissed and ignored by her classmates.

(彼女の何が悪かったの?彼女は同級生から悪く言われて無視された。)

●You shouldn't diss your parents.

(あなたは両親を軽蔑してはいけません。)

上の例文のように、「diss」は侮辱や軽蔑、悪口などの意味合いで使われています。

一方日本でも「ディスる」は本来同じ意味を持つはずですが、「からかう」という意味合いのときにも「ディスる」が安易に使われることがあるようにも感じます。

日本と海外で使い分けに注意すべき表現ということをしっかり抑えておきましょう。


ここで少し余談!みなさん、「ごちそうさま」って英語でなんというか知っていますか??下記記事でご紹介しています♪♪

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「diss(ディスる)」に似た様々な英語表現・フレーズを紹介

「侮辱する」や「悪口を言う」という英単語やフレーズは、「diss」以外にもたくさんあります。表現は豊かな方が良いので、この機会にいろんな類語、言い方や英会話フレーズを見てみましょう。

Insult 侮辱する

●She insulted me by telling me that my cooking was terrible.
彼女は私の料理がひどいと言って侮辱した。

「Insult」は動詞として「(人を)侮辱する、(人の)自尊心を傷つける」という意味があります。名詞として「侮辱、無礼、侮辱行為」という意味でも使われます。

Affront 侮辱する

●My idea was affronted by his comments.
私のアイデアは、彼のコメントで侮辱された。

「Affront」は動詞として「(人を)侮辱する、(人に)無礼な行動をする」という意味があります。

また名詞としても使われ、「無辱、無礼な言動」という意味を表します。「A gross affront」で「はなはだしい侮辱」という意味になります。

>Abuse <…を>口汚くののしる

●The crowd started abusing him after he failed to save a goal.
群衆は彼がゴールの守備に失敗した後、口汚くののしり始めた。

「Abuse」は職権を乱用するような場面で「乱用・悪用する」という意味として、また子どもなどが虐待される場面で「虐待する」という意味でも用いられます。

また同じく名詞としても使われます。

Speak ill of 誹謗する、中傷する

●They speak ill of what he had done.
彼らは彼がしたことを誹謗している。

「ill」の代わりに「badly」「evil」を使い、「speak badly of」や「speak evil of」と表現することも可能です。

Do somebody down <~の>悪口を言う

●She felt that everyone in the meeting was trying to do her down.
彼女は会議にいた全員が彼女の悪口を言おうとしていると感じた。

Do somebody downは「(人を)騙す」という意味もあります。またdo myself downで「恥じる」という意味になります。

Be close to the bone 露骨な、ずけずけ言う

●His jokes were a bit close to the bone.
彼の冗談はやや露骨だった。

Be close to the boneはイディオムです。Close to the bone=骨に近い、つまり真実に近いのですが、その内容が露骨で嫌な感じがするような場面で用いられます。


ここでまた少し余談!下記記事では「そもそも」の英語表現をご紹介しています♪♪こういったさらっと使う表現を知っておくと便利ですよ!

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「ディスる」の使い道

「ディスる」はネットスラングと言われているだけに、インターネットを日ごろから使っている人はその意味を理解しているはずです。

しかし、年齢が上がるにつれてインターネット同様、「ディスる」の意味どころか、聞いたことすらない(実際は耳にしていても認識していない)という人が多いようです。

50代である筆者は、意味は知っていても日常会話では「ディスる」も「diss」も使ったことがありません。

おそらく20代までの若者の間やラッパー、あるいはテレビやインターネットの中では使われている言葉なのでしょう。

そういう意味では社会人として、会社やかしこまった場では使用を控えるべき言葉といえるでしょう。

それでもやはり、流行語や新しい言葉は知っておいても損はないどころか、知ると世界も広がって楽しいと思います。