親知らずは英語で何という?海外でも親知らずを抜くの?

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親知らずは一番奥に生える歯で、10代後半から20代前半で生えそろうと言われています。

親らずが生えてくると、必ず抜かなければならない、というイメージがありますね。

その場合、親知らずが生えるスペースが十分ではなく、痛みやトラブルの原因にもなるために抜くケースがありますが、実は親知らずは必ずしも抜かなければならないわけではありません。

では海外の歯科では、親知らずはどのように扱われているのでしょうか。

人種により顎の骨の大きさが多少違うのであれば、親知らずの扱いも日本とは違うのかもしれません。

親知らずの扱いや治療は、日本と海外で違いがあるのかを調べてみました。せっかくなので、親知らずにまつわる英語表現も一緒に見ていきましょう。

「親知らず」は英語で?

「親知らず」は英語で
“Wisdom tooth”
または
“third molars”
ともいいます。molarとは大臼歯(奥歯)のことを言います。

大人は上下左右に3つずつ大臼歯があります。third molarは3番目の大臼歯ということになります。

大臼歯の前には小臼歯があり、第一小臼歯(first premolar)・第二小臼歯(second premolar)といいます。

ちなみに個人差があり、大人になっても4人に1人は親知らずが1本も生えないそうです。実は私も1本も親知らずが生えていません。

逆に、小学生が”親知らずが生えた”と歯科の診療を受けることもよくあります。炎症が起こってしまうと酷く痛みますので早めの予約が必要となります。 現代はネット予約ができる歯科が多く、便利ですね。

親知らずの抜歯ですが、基本的に保険診療です。そして、患者の細かな要望に答えるための自由診療もあります。

抜歯には麻酔を打ちますが、全身麻酔と口のなかの親知らずの周囲に麻酔薬を打つ局所麻酔があります。

局所麻酔に伝達麻酔というものがあります。上顎に比べると麻酔薬の効きにくい下顎によく使われます。

親知らず抜歯後に歯茎に穴があくわけですが、そこに溜まる血のかたまりのことを”血餅(ケッペイ)”と呼びます。この血餅は血を止める、傷を早く治すといった役割を持っています。

ちなみに、神奈川県の横浜には「親知らず抜歯専門外来」を持つ歯科があったりします。

「親知らずを抜く」を英語で?関連表現もご紹介します!

人間であれば、国籍に関わらず歯の数は同じで、親知らずの数を入れて32本、親知らずが生えていなければ28本です。

親知らずにまつわるトラブルは割合まではわかりませんが、日本と同じく海外にもあるようです。

では、日常会話で使われる親知らずに関する英語表現を、例文でいくつか見てみましょう。

I got my wisdom tooth pulled.
(親知らずを抜いてもらいました。)

My wisdom tooth is painful.
(親知らずが痛い。)

My wisdom tooth came through.
(親知らずが生えてきた。)

海外で歯医者へ行った時に役立つ英会話フレーズ

最後に、海外で親知らずが痛くなった時に痛み止めが効かず、歯医者に行かなければならないときに必要になる英会話フレーズを紹介したいと思います。

まずはお決まりのシンプルなフレーズを紹介しますので、初級レベルの人も覚えておきましょう。

(1)歯医者で聞かれるフレーズ

まずは、最初に聞かれることから始めましょう。

May I help you?
(どうされましたか?)

Please fill out this form.
(この用紙に記入してください。)

「この用紙」とは問診票のことですが、問診票はmedical questionnaire, medical history form, medical interview sheetなどと言い方がいくつかあります。

(2)症状を英語で説明

歯医者では、今の症状を説明しなくてはいけませんね。親知らずに関する英語表現をいくつか紹介します。

My wisdom tooth hurts.
(親知らずが痛いです。)

My tooth is killing me.
(歯が死ぬほど痛いです)。

I think I have a cavity.
(虫歯だと思います)

医療用語は日常会話ではあまり使われないので、馴染みがなくとても難しく感じます。

しかし、症状や痛みがどの程度のものなのか表現できたり、歯科医の質問に最低限でも回答できることは重要です。

これらは病院でよく使われる言葉を知っていれば、何とか聞き取ることはできそうです。

そこで上級者向けに、知っていると役立つ用語を紹介します。

Plaque:歯石、歯垢
Gums:歯茎
Gum disease:歯周病
Root canal:神経治療
Dental checkup:歯科検診
Fluorine:フッ素
Anesthesia:麻酔
(アメリカ英語。イギリスではanaesthesia)

麻酔は難しいですね。簡単な言い方もあります。

例えば麻酔という言葉を使わないで、
I’m going to give you an injection to numb the area.
(その部分を麻痺させるために注射をします。)

麻痺はnumbです。

海外は親知らずを抜くのか、治療方針に違いはあるのか。

では海外の歯科医は、親知らずに対してどのような考え方をしているのでしょうか。

国籍や人種が違っても同じ人間なので、骨格の形や歯の数は同じです。だから親知らずに関わるトラブルも共通しています。

具体的には生え揃うのは10代後半から20代前半、一番後に生えてくる歯であるということ、それゆえに歯が生える隙間が十分にないと歯が斜めに生えたり、完全に出てこなかったりというトラブルや、奥にあることから歯磨きをしずらく虫歯になりやすいという点です。

起こり得るトラブルが、共通していることはわかりましたが、治療法はどうでしょうか。国によっては治療の仕方に違いがあるかもしれませんね。

インターネットで検索していると、“National Health Service”(NHS、日本語では「国民保険サービス」)という、イギリスの国営医療サービス事業のサイトを見つけました。

(1)イギリスでの親知らずの治療に対する考え方

イギリスの国民保健サービス(National Health Service, NHS)のサイトで、親知らずの治療に対する考え方が掲載されていました。

まずは、記事の冒頭にこのような文章が書かれていました。

“The removal of wisdom teeth, or third molars, is one of the most common surgical procedures carried out in the UK.”
(親知らずの抜歯は、イギリスではごくありふれた外科的処置です。)

引用先:https://www.nhs.uk/conditions/wisdom-tooth-removal/

やはりイギリスでも日本と同様、親知らずを抜くことはよくあることなのですね。しかし親知らずは、必ずしも抜くことが当たり前というのでもないようです。

サイトにある英文をところどころ一緒に読みながら、理解していきましょう。

“Because of the lack of space, wisdom teeth can sometimes emerge at an angle,* or get stuck and only partially emerge. Wisdom teeth that grow through like this are known as impacted wisdom teeth.”
(十分なスペースがないために、親知らずは斜めに生えてきたりつかえて部分的にしか出なかったりすることがあります。親知らずは生えてくる過程で、このような問題(歯が歯茎に埋伏する問題)が起きることで知られています。)
*emerge at an angle:斜めに出てくる

引用先:https://www.nhs.uk/conditions/wisdom-tooth-removal/

Becauseの前には、親知らずは最後に生えてくる歯であるために、往々にして歯が生えるスペースが不十分であることが多いということが説明されていました。

親知らずが生えてきた時によくあるトラブルは、虫歯や歯茎の細菌感染などです。

しかしこれらのトラブルでは、親知らずを抜く必要性はないのだそうです。

“Many of these problems can be treated with antibiotics and antiseptic mouthwash.
Wisdom teeth removal is usually recommended when other treatments haven't worked.”

(これらの多くの問題(細菌感染など)は、抗生物質や殺菌性のあるマウスウォッシュで治療することが可能です。親知らずの抜歯は、他の治療法が効かないとなったときに勧められます。)

引用先:https://www.nhs.uk/conditions/wisdom-tooth-removal/

このような考え方は、親知らずの抜歯に伴うリスクがあるからです。

それは合併症です。

親知らずを抜くことは簡単ではなく、歯肉を切開してドリルで骨まで削るというのですから大変な手術です。

何も悪さをしない親知らずであれば、そっとしておくほうが安全という考え方は理解できました。

(2)アメリカでの親知らずの治療に対する考え方

American Dental Associationのサイトに、親知らずの治療の考え方が書かれていました。

アメリカのサイトでは、親知らずが生えてきた時に起きるトラブルについてイギリスのサイトと同様な説明がされていました。

ただ、親知らずを抜くことに対しては、イギリスよりも積極的な姿勢を感じました。

親知らずを残しておくことによって、親知らずや歯茎に問題が生じるリスクがあることがその理由です。

“Wisdom teeth that are not removed should continue to be monitored because the potential for developing problems later on still exists. As people age, they are at greater risk for health problems—and that includes potential problems with their wisdom teeth.”
(親知らずを残すと、依然として親知らずから起こり得る問題を持ち続けるため、監視し続けなくてはなりません。歳をとるにつれて健康を害する危険性が高くなり、親知らずが悪くなる可能性も高くなります。)

引用先:https://www.mouthhealthy.org/en/az-topics/w/wisdom-teeth

このようにアメリカでは将来親知らずが悪くなることを考えて、予防的に抜いた方が安全という考えに傾いているような印象を受けました。

(3)日本での親知らずの治療に対する考え方

日本の歯科医院のサイトをいくつか調べたのですが、アメリカと同じように将来親知らずが虫歯になったり歯周病になったりする可能性が高いので、抜いたほうが無難という姿勢が多いです。

少数ですが、現時点で痛みなど問題がないようであれば、残しておく方が良いという考えの歯科医もいます。

残しておいた方が良い理由は、合併症など抜歯に関わるリスクと、将来他の歯を抜かざるを得なくなった時に、親知らずを移植することができるからだと説明しています。

英語で親知らずについて話そう

親知らずに対する考え方が、国により少し違うのは興味深かったです。

親知らずや虫歯で海外の歯医者さんには行きたくないですが、英語で親知らずや歯医者での治療などについて、海外の人と話せたら楽しいでしょうね。