動名詞と不定詞 特徴と使い分け

動名詞と不定詞の特徴、動名詞と不定詞の使い分け、ネイティブキャンプ

英語の文の構成は、基本的に主部(主語)述部(動詞)から成り立っています。

英文法を細かく見ていくと、名詞や代名詞と呼ばれる単語の用法は、形態や機能から分類した8つの品詞に分けることができます。
(名詞、代名詞、形容詞、副詞、動詞、前置詞、接続詞、間投詞)

そのほかにも句や節などがあり、学校の文法の授業ではこれらの種類や役割、使い方を習いますが、多くの人は機械的に例文を暗記しただけで十分に理解できているとは言い難いでしょう。

英語学習において大切なのは、これらがどのような状況で使われ、どういったイメージを持っているかです。

そして、動名詞と不定詞両方の使い分けがきちんとできることです。

それでは、動名詞と不定詞の形や機能を一緒にみていきましょう!

動名詞の役割

動名詞の特徴について

動詞の原形に~ingをつけると、名詞の特徴をもった語句を作ることができます。

これを動名詞と呼んでいます。

動名詞は、動詞と名詞の機能を兼ねたもので、既成事実や一般的なことを述べています。

名詞は主語、目的語、補語になることができます。

動名詞も名詞的な機能を持つため、名詞と同じように①主語、②目的語、③補語になります。

Playing tennis is fun.
(テニスをすることは楽しい。)

Playという動詞の原形にingがついて動名詞(Playing)になっています。

テニスをすること(Playing tennis)には躍動感のあるイメージが思い起こされます。

つまり、この文では動名詞の生き生きとしたイメージが名詞として機能しています。

動名詞の使い方と用法

それでは動名詞の用法を細かく説明していきます。
名詞の働きをする動名詞は、繰り返し行っていることや習慣的行為、一般論を表すことができます。

①主語になる動名詞

Discussing things in English is difficult.
(英語で論じ合うことは難しい。)

※Discussing~が動名詞で、主語(~することは)になっています。

②目的語になる動名詞

He enjoys playing golf.
(彼はゴルフをするのが好きだ。)

※playing golfが動名詞で、他動詞enjoysの目的語(~するのが)になっています。

*動名詞は、前置詞の目的語になります。
前置詞は名詞や名詞相当語句と結びつき、形容詞句や副詞句となります。そのため、前置詞の後ろに動名詞(名詞類)を置くことができます。

She is good at playing tennis.
(彼女はテニスをするのが上手です。)

③補語になる動名詞

My hobby is taking pictures.
( 私の趣味は、写真を撮ることです。)

※taking picturesが動名詞で、補語(~すること)になっています。

*補語とは主語や動詞等だけでは意味が不完全な場合、それを補って意味の通る文にする語句のことを言います。
補語になることができるのは、名詞や代名詞のほかに形容詞、副詞、句、節、不定詞、動名詞などです。

不定詞の役割

不定詞の特徴について

不定詞とは、動詞(原形)の別の言い方です。
分かりやすく説明すると、動詞は主語や文脈によってsやedがついたりして変化しますが、不定詞は変化しない原形のままの状態をいいます。

学校の授業でも原形動詞の前にtoをつけたものが「to不定詞」と習います。

(1)I travel in America.
(アメリカを旅行する。)

(2)I want to travel to America.
(アメリカを旅行したい。)

(2)の文はto不定を使った文で、「アメリカを旅行したい」という意味になります。

つまり不定詞とは「これから先のこと」について述べています。

ちなみに、前置詞である ”to” は、ある行為が到達する点を指し示しているイメージがあります。

同じようにto不定詞のtoも指し示すニュアンスがあります。

このことから、不定詞はこれから先のことや可能性のあること、一般的な内容、行為を指し示しています。

そのため、未来の行動に関わる動詞(wantやintendなど)と一緒に使われることが多いのが特徴です。

I intend to see him next week.
(私は来週彼と会うつもりだ。)

このように、to不定詞は「to + 動詞原形」を中心としたフレーズです。

不定詞は文中のさまざまな位置に置くことができ、①主語、②目的語、③補語、④it、⑤修飾などと共に使うことができます。

不定詞の使い方と用法

それでは不定詞の用法を細かく説明していきます。

名詞的用法

主語としてのto不定詞

It is difficult to speak English.
(英語を話すことは難しい。)

英語を話すことは(~することは)のto不定詞部分が、名詞と同じように主語として働いています。

目的語としてのto不定詞

He wants to drink water.
(彼は水を飲みたい。水を飲むことを望んでいる。)

水を飲むことを(~することを)のto不定詞部分が、他動詞の目的語と同じように働いています。

*基本的に主語や目的語になれるのは名詞や代名詞、または名詞に相当する句・節(動名詞や不定詞を含む)なので、不定詞を使った主語や目的語の文を作ることができます。

補語としてのto不定詞

My dream is to become a doctor.
(私の夢は医者になることです。)

医者になること(~になること)のto不定詞部分が、補語として働いています。

上記の文だと、My dream is(私の夢は、です)という文では意味が通じないため、(医者になること)というフレーズを補ってあげると完全な文章になります。

また、補語になることができるのは動名詞で説明した通り、名詞や代名詞のほかに形容詞、副詞、句、節、不定詞、動名詞などです。

ここではto become a doctorという不定詞部分が補語として働いています。

Itを使った文(形式主語)

It was easy to answer the question.
(その問題を解くのは簡単だった。)

その問題を解くことは(~することは)のto不定詞部分が、真主語として働いています。

*この文でItは形式主語となります。
形式主語とは、不定詞やthat節などが主語として用いられる場合、主語の位置にItを形式的に置き、真主語であるto不定詞やthat節を後ろの述部に置きます。

つまり、to不定詞部分(to answer the question)が実質的な主語になっています。

形容詞的用法

修飾(直前の名詞、形容詞のような使い方)

She has many things to do.
(彼女には多くのやるべき事がある。)

上記のto doは直前の名詞であるthingsを修飾(詳しく説明)しています。

ここでは、不定詞が他の形容詞と同じように名詞のことを修飾しています。

副詞的用法

修飾(名詞以外、副詞のような使い方)

He is working hard to buy a car.
(彼は車を買うために一生懸命働いている。)

*不定詞は、名詞以外の語句や文を修飾することがあります。

ここでは、一生懸命働いているという行為の目的(車を買うため)を不定詞で表しています。

動名詞と不定詞

動名詞と不定詞の違い

動名詞と不定詞の用法について細かく述べてきましたが、それではこれら2つにはどのようなイメージや違いがあるのでしょうか。

不定詞には何かを指し示すイメージがあり、方向を示すtoが一緒に用いられています。
そのため、未来的なニュアンスがあり積極的な意図を示す動詞と結びつくことが多いです。

動名詞はingと結びつき、リアルで躍動的なイメージがあります。

そして、現在やこれまでに事実となっていることにどう対処するかという動詞と結びつく傾向があります。また、動名詞の本来の性質からすでに起こったことという意味合いが強いです。

不定詞と動名詞 動詞のまとめ(動名詞、不定詞にしなければいけないルール)

動名詞を目的語として伴う動詞

admit~ing ~することを認める

avoid ~ing ~することを避ける

deny ~ing ~したことを否定する

enjoy ~ing ~することを楽しむ

finish ~ing ~し終わる

give up ~ing ~することをあきらめる

mind ~ing
~するのを気にする/いやがる

miss ~ing ~しそこなう

put off ~ing / postpone ~ing
~することを延期する

practice ~ing ~する練習をする

escape being ~ed
~されるのを免れる

excuse (one’s) ~ing
(人などの)~したことを許す

prevent (one’s) ~ing
(人などの)~するのをさまたげる

動名詞との組み合わせで使われる熟語

be fond of ~ing
~するのが好きである

be good at ~ing
~するのが上手である

be proud of ~ing
~するのを誇りにしている

be sorry for ~ing
~して申し訳ない

be sure of ~ing
~するのを確信している

be busy ~ing
~することで忙しい

be worth ~ing
~する価値がある

cannot help ~ing
~しないわけにはいかない

feel like ~ing
~したい気分だ

get used to ~ing
~することに慣れてしまう

be used to ~ing
~することに慣れている

insist on ~ing
~することを主張する

look forward to ~ing
~するのを楽しみにする

It is no use ~ing
~するのは無駄である

On ~ing
~するとすぐに

There is no ~ing
とても~することは出来ない

What do you say to ~ing?
~してはいかがですか

不定詞を伴う動詞

agree to ~ ~することに同意する

decide to ~ ~しようと決心する

expect to ~ ~することを予期する

fail to ~ ~しない/~しそこなう

hope to ~ ~することを望む

learn to ~ ~することを習い覚える

manage to ~ どうにか~する/うまく~する

pretend to ~ ~するふりをする

promise to ~ ~する約束をする

refuse to ~ ~することを拒む

wish to ~ ~したいと思う

動名詞と不定詞で意味が異なる動詞

〇remember ~ing
 (過去に)~したことを覚えている
 remember to do
 (これから)~することを覚えておく

〇tried ~ing
 試しに~をやった(過去にした)
 tried to do
 ~しようとしてみた(過去にやっていない)

〇go on ~ing
 (同じことを)~し続ける
 go on to ~
 (前のことに)続いて~をする

〇need ~ing
 ~してもらう必要がある
 need to ~
 (自分で)~する必要がある

動名詞と不定詞 どちらでもあまり意味の差がないもの

begin(始める)

cease(やめる)

continue(続ける)

start(始める)

これらの動詞は後ろにingをつけて動名詞にしてもto不定詞にしても意味に変わりがありません。

その他

動名詞と現在分詞は、動詞の原形にingがついています。動名詞は、動詞と名詞の働きを兼ねています。現在分詞は、動詞と形容詞の働きを兼ねています。

しかし、見た目が似ているためどのように見分ければ良いか分かりますか?

(1)a sleeping room 眠っている部屋?
(2)a sleeping baby
  眠っている赤ん坊?

動名詞はどちらかわかりますか
現在分詞はどちらかわかりますか

(1)答えは動名詞(眠るための部屋)

a sleeping roomが“眠っている部屋”では意味からしておかしいですね。

眠っている部屋のことではありません。

a sleeping room = a room for sleeping
(眠るための部屋)で目的や用途の意味になります。

(2)答えは現在分詞(眠っている赤ん坊)

sleepingは現在分詞(眠っている)であり、名詞babyの状態を表しています。

a sleeping baby = a baby who is sleeping
(眠っている赤ん坊)という意味になります。

まとめ

動名詞と不定詞はどちらも名詞的な機能を持ち、名詞と同じように主語、目的語、補語になるため、イメージや違いをチェックしておいてください。

基本的に動名詞、不定詞それぞれ伴う動詞が異なりますが共通した動詞もあります。

その場合、意味がまったく異なるものと、意味が変わらないものに分けることができます。

また、動名詞は現在分詞と形が同じため見分ける方法を押さえておきましょう。